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四章 〜原作突入〜
七十五話 『宣戦布告』
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そして月日は流れて、やってきた中間テスト当日。
教室内はピリついた空気が漂っていて、皆勉強に集中していた。まぁ、中等部と違って高等部は外部生がいるからね。
外部生は成績が良くないと優遇はされないし、進学にも響く。だから、必死になってるんだろうけど。
「なぁに?このピリついた空気。息が詰まりそう」
緑川の声が聞こえた。うーーーわ、邪魔すんなよ。てゆうか、『貴花』で見たな!このシーン!緑川じゃなくて透華なんだけどさ!!
「あーあ、嫌ですわ。貧乏臭いのがうつってしまいますわ」
透華と言っていることまんまやん……原作の透華と緑川って思考似てるのかも。確か漫画だと緑川って透華の取り巻きだったような気がするし。
緑川って漫画だと出番少ないんよね。原作でもモブ扱いだし。
それなのになんでこんな存在感あるかなぁ……いや、私が悪役してないからかもしれないけど。
「(美穂ちゃんは王子と結ばれる運命なんだから……)」
それ以外の組み合わせは解釈違いだしそれ以外だと香織様なら……まぁ、許せるけど。香織様はお兄様と付き合ってるし。
「おーい。お前ら席につけ!テスト始めるぞ!」
先生がやってきた。…中間テストが始まった。
△▼△▼
中間テストが終わった。結果は…二十八位。うん、悪くはないと思う。因みに美月さんは十位で佐川は十二位で華鈴様は五位で緑川は三十位だ。そして王子と西園寺は――。
「…………は?」
王子が呆然として順位表を見つめている。原因は簡単。一位の欄には『月坂美穂』と書かれているからだ。ここは原作通りだ。因みに三位は西園寺である。
「あちゃー。一位の座取られちまったなぁ……」
王子の隣にいる西園寺が苦笑いしながら呟いた。王子はそんな言葉など耳に入っていない様子だ。
「……くそっ!!」
王子は悔しそうな表情を浮かべながら拳を握りしめていた。まぁ、今まで首位だったのに急に抜かされればそりゃ悔しいわな。
「うーん。三位かー」
西園寺は特に表情は変えず、ただ淡々としていた。その反応を見る限り、どうやら彼はこの結果に不満は無いようだ。そんなことを思っていると、
「……は?私負けたの?城ヶ崎透華に!?嘘でしょう!?」
緑川が自分の名前を見つけて大声を上げていた。うるせーな。今原作通りに事が進んだんだよ。黙っとけよ。
「あ………一位だ」
そんなことを思っていると美穂ちゃんがやってきた。主人公は遅れてやってくるというわけか。
「………お前が月坂美穂か」
王子が睨みつけてるよー!漫画通りだよー!何十回も見返した場面だけど怖ーーーーー!!!! そして美穂ちゃんが怯えた顔で後ずさりしているところまで原作通りだ。
「え、ええ……そうですけど……」
「……次は負けねぇから覚悟しろよ」
そう言って王子は去って行く。そしてその後ろ姿を唖然とした表情で見ている美穂ちゃんが印象的だった。……やっかみが増えるだろうなー。
「(……楽しみだわ。美穂ちゃんと王子の今後が……!)」
なんて私は心の中でウキウキしていたら、
「次は負けないわよ!城ヶ崎透華!」
緑川が私に向かって宣戦布告してきた。
何こいつ……面倒くさいな……
「……あー。そうですか」
なんて思わず適当に返事してしまった。
教室内はピリついた空気が漂っていて、皆勉強に集中していた。まぁ、中等部と違って高等部は外部生がいるからね。
外部生は成績が良くないと優遇はされないし、進学にも響く。だから、必死になってるんだろうけど。
「なぁに?このピリついた空気。息が詰まりそう」
緑川の声が聞こえた。うーーーわ、邪魔すんなよ。てゆうか、『貴花』で見たな!このシーン!緑川じゃなくて透華なんだけどさ!!
「あーあ、嫌ですわ。貧乏臭いのがうつってしまいますわ」
透華と言っていることまんまやん……原作の透華と緑川って思考似てるのかも。確か漫画だと緑川って透華の取り巻きだったような気がするし。
緑川って漫画だと出番少ないんよね。原作でもモブ扱いだし。
それなのになんでこんな存在感あるかなぁ……いや、私が悪役してないからかもしれないけど。
「(美穂ちゃんは王子と結ばれる運命なんだから……)」
それ以外の組み合わせは解釈違いだしそれ以外だと香織様なら……まぁ、許せるけど。香織様はお兄様と付き合ってるし。
「おーい。お前ら席につけ!テスト始めるぞ!」
先生がやってきた。…中間テストが始まった。
△▼△▼
中間テストが終わった。結果は…二十八位。うん、悪くはないと思う。因みに美月さんは十位で佐川は十二位で華鈴様は五位で緑川は三十位だ。そして王子と西園寺は――。
「…………は?」
王子が呆然として順位表を見つめている。原因は簡単。一位の欄には『月坂美穂』と書かれているからだ。ここは原作通りだ。因みに三位は西園寺である。
「あちゃー。一位の座取られちまったなぁ……」
王子の隣にいる西園寺が苦笑いしながら呟いた。王子はそんな言葉など耳に入っていない様子だ。
「……くそっ!!」
王子は悔しそうな表情を浮かべながら拳を握りしめていた。まぁ、今まで首位だったのに急に抜かされればそりゃ悔しいわな。
「うーん。三位かー」
西園寺は特に表情は変えず、ただ淡々としていた。その反応を見る限り、どうやら彼はこの結果に不満は無いようだ。そんなことを思っていると、
「……は?私負けたの?城ヶ崎透華に!?嘘でしょう!?」
緑川が自分の名前を見つけて大声を上げていた。うるせーな。今原作通りに事が進んだんだよ。黙っとけよ。
「あ………一位だ」
そんなことを思っていると美穂ちゃんがやってきた。主人公は遅れてやってくるというわけか。
「………お前が月坂美穂か」
王子が睨みつけてるよー!漫画通りだよー!何十回も見返した場面だけど怖ーーーーー!!!! そして美穂ちゃんが怯えた顔で後ずさりしているところまで原作通りだ。
「え、ええ……そうですけど……」
「……次は負けねぇから覚悟しろよ」
そう言って王子は去って行く。そしてその後ろ姿を唖然とした表情で見ている美穂ちゃんが印象的だった。……やっかみが増えるだろうなー。
「(……楽しみだわ。美穂ちゃんと王子の今後が……!)」
なんて私は心の中でウキウキしていたら、
「次は負けないわよ!城ヶ崎透華!」
緑川が私に向かって宣戦布告してきた。
何こいつ……面倒くさいな……
「……あー。そうですか」
なんて思わず適当に返事してしまった。
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