当て馬ポジションに転生してしまった件について

かんな

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四章 〜原作突入〜

七十一話 『新たな友達』

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意気込んだはいいものの、結局、放課後になっても誰も話し掛けてくれなかったし試しに自分から話しかけてもみたけど何か怖がられただけだった。悲しい……私そんなに怖い顔してるのかな……? 私は肩を落としながら帰ろうとしたその時――。


「おい、外部生!今わざと当たっただろう!」


そんな声が聞こえてきた。……うわー。出た出た。内部生の不良グループじゃん。外部生にまたなんかイチャモンを……助けなきゃ!……でも、どうやろうか……?なるべく、面倒事は避けたいんだけど……。


私が悩んでいるうちに、どんどんそのグループはヒートアップしていく。ヒートアップしていると言っても、小学生みたいな悪口だけどね。……だがしかし――


「……貴方達。道の邪魔よ。どいてくださる?」


流石に見てられなくなってつい出てしまった。私のこの一言でグループの空気が凍りつく。……めちゃくちゃ怖がられてる。


「あらぁ。先までの威勢はどこに行ったのかしら?ほらぁ、煽ってきなさいよぉ」


私は敢えて挑発した。そして、案の定というべきか不良達は青い顔をしながら去っていった。……ったく、そんなのだったら最初っから喧嘩売ってくるんじゃないわよ!


「あ、あの……ありがとうございます……」


声の主を見るとそこには黒髪ロングの美少女がいた。…こんな子、漫画にいたっけ?いや、いないよね!?


「ほんと助かりました!もし良ければお礼させてください!」


別にお礼なんて要らないけど……でも、まぁ、あえて言うのなら、


「私の名前は城ヶ崎透華というの。あなたの名前は何ていうのかしらぁ?」


「あっ、すみません!まだ名乗ってませんでしたね!私の名前は 花咲柚葉はなさきゆずはです!」


花咲柚葉ちゃんねぇ……原作だと、いなかった気がするけど……つまりはモブキャラなのかなぁ……?つまりどんだけ仲良くなっても問題はないはず!


「花咲さんね。お礼は……そうねぇ……じゃあ、連絡先を教えてくれるかしら」


「えぇ!?そ、それだけですか?」


何故かとても驚かれた。そんなに意外だったかな……?なんて不安に思っていると、


「わ、分かりました!ちょっと待ってくださいね」


彼女はスマホを取り出した。そして、しばらく操作したあと、こちらに差し出した。


「はい!これが私のラインです!」


「あ、これが私のラインよ」


こうして私たちはお互いの連絡先を交換し合った。やったね!新規の友達だよ!


「あ……今日バイトがあるのでこの辺で失礼しますね!本当にありがとうございました!」


そう言って花咲さんは帰っていった。花咲さんは多分同じクラスではないと思うけど。


「さてと、私も帰ろ」


なんて呟いて帰った。
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