59 / 95
三章〜出会いと別れ〜
五十九話 『人気』
しおりを挟む
王子の人気が更に高まっている。これは気のせいではなく、事実だった。
女子は勿論、男子にも人気が上がっているのは目に見えた。
香織様の恋を諦めた、というのも原因の一つだろう。あれ以来、王子を狙う目が絶えないし。まぁ、本人は『恋は暫くいい』とぼやいているけど。
西園寺は華鈴様がいるからかなぁ。正式には付き合ってないけど、側から見たらもう恋人同士だし、華鈴様のことを目の敵にしていた西園寺のファンも諦めムードだもんなー。
まぁ、西園寺の華鈴様の好意を隠そうともしてないし、華鈴様も満更でもない感じだからね……お兄様の恋諦めたみたいだし。
そして私はというと……私は特に恋愛事はないです(ガチギレ)。いや、マジで。
私に言い寄ってくる男共なんて皆、私の容姿にしか興味がないんだもの!
酷い話だ。街を歩けば比較的にナンパされるけど、下心丸見えなんだよね……。そんな奴らに靡くわけないじゃん?私の好みは私のことを大事にしてくれて、優しくしてくれる人だし。
私の恋の相手は美穂ちゃんのところの瑛太くんだったりするのだろうか……?瑛太くんの顔を思い浮かべながら考えるものの――、
「(私、あの瑛太くんのこと何も知らないわ……)」
私が原作で知っているだけであっちは私のことなんて知らないだろうし、接点もないし。原作だと一目惚れってなってるし、ここの世界線でも一目惚れされた感じだけど、それだってただ単に顔が良いからだと思ってしまう。
最初は一目惚れだった感じだし、あれ以来会ってないし連絡先すら交換していない。美穂ちゃんとも会ってないし、連絡も取ってないから彼の近況を知る術もないのだ。
「透華様……?どうかされましたか?ボーッとして……」
そう思っていると、美月さんに声をかけられた。……あ、今授業中じゃん。ヤバっ……と思っていると、
「透華様、授業はもう終わりましたよ?」
佐川は苦笑いしながら教えてくれた。……え?授業終わったの?いつの間に!?ボーッとしすぎだろ……!!
「ああ……そうなのですね」
恥ずかしさを隠すように頬に手を当ててながら教科書を持ち、
「さ、早くいきましょう。お二人さん。次移動教室ですよ!」
と言って歩き出した。すると後ろの方から『待ってください!』と言う声が聞こえてきた。
……高等部になったら原作が始まる。その日までに私がどうなるかは分からない。運命の強制力で破滅するかもしれなけれど、それでも抗うだけ抗いたいなと思う。
とりあえず今は勉強頑張ろう。そう思いながら私は後ろを振り返った。
女子は勿論、男子にも人気が上がっているのは目に見えた。
香織様の恋を諦めた、というのも原因の一つだろう。あれ以来、王子を狙う目が絶えないし。まぁ、本人は『恋は暫くいい』とぼやいているけど。
西園寺は華鈴様がいるからかなぁ。正式には付き合ってないけど、側から見たらもう恋人同士だし、華鈴様のことを目の敵にしていた西園寺のファンも諦めムードだもんなー。
まぁ、西園寺の華鈴様の好意を隠そうともしてないし、華鈴様も満更でもない感じだからね……お兄様の恋諦めたみたいだし。
そして私はというと……私は特に恋愛事はないです(ガチギレ)。いや、マジで。
私に言い寄ってくる男共なんて皆、私の容姿にしか興味がないんだもの!
酷い話だ。街を歩けば比較的にナンパされるけど、下心丸見えなんだよね……。そんな奴らに靡くわけないじゃん?私の好みは私のことを大事にしてくれて、優しくしてくれる人だし。
私の恋の相手は美穂ちゃんのところの瑛太くんだったりするのだろうか……?瑛太くんの顔を思い浮かべながら考えるものの――、
「(私、あの瑛太くんのこと何も知らないわ……)」
私が原作で知っているだけであっちは私のことなんて知らないだろうし、接点もないし。原作だと一目惚れってなってるし、ここの世界線でも一目惚れされた感じだけど、それだってただ単に顔が良いからだと思ってしまう。
最初は一目惚れだった感じだし、あれ以来会ってないし連絡先すら交換していない。美穂ちゃんとも会ってないし、連絡も取ってないから彼の近況を知る術もないのだ。
「透華様……?どうかされましたか?ボーッとして……」
そう思っていると、美月さんに声をかけられた。……あ、今授業中じゃん。ヤバっ……と思っていると、
「透華様、授業はもう終わりましたよ?」
佐川は苦笑いしながら教えてくれた。……え?授業終わったの?いつの間に!?ボーッとしすぎだろ……!!
「ああ……そうなのですね」
恥ずかしさを隠すように頬に手を当ててながら教科書を持ち、
「さ、早くいきましょう。お二人さん。次移動教室ですよ!」
と言って歩き出した。すると後ろの方から『待ってください!』と言う声が聞こえてきた。
……高等部になったら原作が始まる。その日までに私がどうなるかは分からない。運命の強制力で破滅するかもしれなけれど、それでも抗うだけ抗いたいなと思う。
とりあえず今は勉強頑張ろう。そう思いながら私は後ろを振り返った。
0
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。
皇帝の番~2度目の人生謳歌します!~
saku
恋愛
竜人族が治める国で、生まれたルミエールは前世の記憶を持っていた。
前世では、一国の姫として生まれた。両親に愛されずに育った。
国が戦で負けた後、敵だった竜人に自分の番だと言われ。遠く離れたこの国へと連れてこられ、婚約したのだ……。
自分に優しく接してくれる婚約者を、直ぐに大好きになった。その婚約者は、竜人族が治めている帝国の皇帝だった。
幸せな日々が続くと思っていたある日、婚約者である皇帝と一人の令嬢との密会を噂で知ってしまい、裏切られた悲しさでどんどんと痩せ細り死んでしまった……。
自分が死んでしまった後、婚約者である皇帝は何十年もの間深い眠りについていると知った。
前世の記憶を持っているルミエールが、皇帝が眠っている王都に足を踏み入れた時、止まっていた歯車が動き出す……。
※小説家になろう様でも公開しています
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。

転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。

強すぎる力を隠し苦悩していた令嬢に転生したので、その力を使ってやり返します
天宮有
恋愛
私は魔法が使える世界に転生して、伯爵令嬢のシンディ・リーイスになっていた。
その際にシンディの記憶が全て入ってきて、彼女が苦悩していたことを知る。
シンディは強すぎる魔力を持っていて、危険過ぎるからとその力を隠して生きてきた。
その結果、婚約者のオリドスに婚約破棄を言い渡されて、友人のヨハンに迷惑がかかると考えたようだ。
それなら――この強すぎる力で、全て解決すればいいだけだ。
私は今まで酷い扱いをシンディにしてきた元婚約者オリドスにやり返し、ヨハンを守ろうと決意していた。

転生したら使用人の扱いでした~冷たい家族に背を向け、魔法で未来を切り拓く~
沙羅杏樹
恋愛
前世の記憶がある16歳のエリーナ・レイヴンは、貴族の家に生まれながら、家族から冷遇され使用人同然の扱いを受けて育った。しかし、彼女の中には誰も知らない秘密が眠っていた。
ある日、森で迷い、穴に落ちてしまったエリーナは、王国騎士団所属のリュシアンに救われる。彼の助けを得て、エリーナは持って生まれた魔法の才能を開花させていく。
魔法学院への入学を果たしたエリーナだが、そこで待っていたのは、クラスメイトたちの冷たい視線だった。しかし、エリーナは決して諦めない。友人たちとの絆を深め、自らの力を信じ、着実に成長していく。
そんな中、エリーナの出生の秘密が明らかになる。その事実を知った時、エリーナの中に眠っていた真の力が目覚める。
果たしてエリーナは、リュシアンや仲間たちと共に、迫り来る脅威から王国を守り抜くことができるのか。そして、自らの出生の謎を解き明かし、本当の幸せを掴むことができるのか。
転生要素は薄いかもしれません。
最後まで執筆済み。完結は保障します。
前に書いた小説を加筆修正しながらアップしています。見落としがないようにしていますが、修正されてない箇所があるかもしれません。
長編+戦闘描写を書いたのが初めてだったため、修正がおいつきません⋯⋯拙すぎてやばいところが多々あります⋯⋯。
カクヨム様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる