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最終章 〜その後〜
二十五話 『篠宮光輝』
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篠宮光輝は完璧主義者だ。だから常にトップを取り続けた。勉強も運動も仕事もトップを維持し、親の期待に応え続けてきた。
そのせいか光輝にはあまり友達と呼べる存在がいない。光輝の周りには常に誰かがいたのだが、彼に近寄ってくる者は皆彼の表面的な部分しか見ていなかった。
だが、光輝としてはそれで良かった。自分は人の上に立つ人間であり、人に好かれる必要はないと考えていたからだ。
しかし、中学三年生の頃、父親の会社が倒産し家は没落した。そしてそれが影響で前より勉強も運動もする時間がなくなり、成績は落ちていき元々薄かった友人関係も完全になくなった。
それでも光輝は諦めなかった。どんなに忙しくなっても時間を見つけては勉強をしたが……成績は落ちてゆく。掛け持ちしたバイトのせいで睡眠時間はどんどん減っていったからだ。
家庭環境も悪く、母親も父親も喧嘩をするようになった頃から光輝は無関心を決め込み、極力関わらないようにしていた。
そんな灰色で面白くもない日常を送っていたとある日のこと。
「……君が篠宮光輝くんか?」
家に帰ると、いつも通りの光景ではなく、知らない男が立っていた。長身で黒髪のイケメンだった。まるで貼り付けたかのような笑顔を浮かべ、胡散臭い雰囲気を放っている。
怪しいと思いつつも、無視をするわけにはいかないので仕方なく返事をした。
「はい。そうですけど……」
「そうか。なら、話が早い。来たまえ」
「えっ!?ちょ!まっ!」
その男は有無を言わさず光輝の腕を掴み、外へと連れ出そうとした。大声を出したかったが男の圧に負けて何も言えなかった。そのまま引きずられるように車に乗せられ、どこかへと連れて行かれた。
着いた場所は豪邸だった。一体この男は何者なんだと光輝は疑問に思った。
「ここが私の家だよ。まぁ、君の家でもあるんだけどね」
「な、何を言って……」
「君は今日からここで暮らすんだよ」
「は……?どういうことですか」
急にそんなことを言われても、はいそうですかと言えるはずがない。光輝は警戒心を剥き出しにして問い掛けた。
「僕を一体どうしようと……!」
「お前を娘の専属執事にする。幸い、お前と娘は一個下だ。問題ないだろう」
「は!?」
光輝の言葉を遮るようにして男は言った。光輝にとってそれは寝耳に水であった。
「ちょっと待ってください!何で僕が貴方の娘さんの執事に……」
「……篠宮光輝くん、君は売られたんだよ。借金のためにね」
言葉の意味を理解できなかった。いや、理解したくないというのが正解だった。売られた?自分が?どうして?そんな思いだけが頭の中を埋め尽くしていった。
「困惑するのも無理もない。だが、事実だ。君は売られた。そして、私が買い取った」
「そ、そんな……」
「安心しなさい。君に任せる仕事はそんなに難しいものではないし。そしてここで思いっきり勉強をしたらいい。学費は全てこちらが持つから心配はいらないよ」
「え……?それってつまり……」
「あぁ。君はもう働かなくていい。今まで苦労してきたんだろう。これからは好きなように生きなさい。その代わり、娘のことを頼むよ」
話の展開に追いつけない。光輝にとって都合の良すぎる展開に戸惑うしかなかった。
「ど、どうして……そこまでしてくれるんですか?僕なんかを買って貴方に何のメリットがあるんですか?」
昔の篠宮光輝……成績優秀で運動神経抜群な完璧超人だった時代ならともかく、今はバイト漬けで成績も落ち、家族とも上手くいっていない。とてもではないが買われる理由にはならないはずだ。
「そうだな。私は君に可能性を感じた。ただそれだけさ」
「か、可能性?」
「そうだ。光輝くんには可能性を感じる。だから、投資しようと思った。将来うちの会社に利益をもたらしてくれるかもしれない。だから、今のうちに助けておくべきだと考えたんだ」
「はぁ……」
この男は何を言っているのだろう。高一のガキ相手に投資とか、馬鹿にしているのか……とも思ったが、男の顔が真面目だった為、そんなことは言えずに沈黙を取った。
「どっちにしろ君に選択権は無いよ。私は君を買った。だから、拒否権はない。分かるよね?」
「……」
そこを突かれてしまうと何も言い返せなかった為、光輝は素直に頷くと、
「よろしい。早速、娘を紹介させてくれ」
男はそう言うと部屋を出ていった。そして、暫くすると一人の少女を連れて戻ってきた。
「光輝くん。この子が君の主人になる人だよ」
女の子の名前は石田カナ。素直に美少女と言っていいほど整った容姿をしていた。しかし、その表情は暗く、死んだ魚のような目をしている。
「私の名前は石田カナ。よろしくね?光輝くん…?さん?」
「いや、僕が君……いや、お嬢様の執事になるわけだし……呼び捨てで構いませんよ」
「わかりました……」
そう言いながらも、カナの警戒の色は消えてはいなかった。まぁ、いきなり知らない男が専属の執事とか言われても困るのは当たり前だと思うので光輝はとりあえずこの関係を維持しようと考えていた。
△▼△▼
あれから八ヶ月が経ち、高校にも通わせて貰えるようになった。学費も本当に払ってくれるし、生活も保証されている。
光輝にとっては最高の環境だった。
カナの世話や家事をするだけで給料が貰え、土日や日曜日は休み。勉強と運動とバイトに明け暮れていた頃と比べれば、天国と地獄ほどの差があった。
今では勉強もしつつ、遊びにも行けるし、彼女だってできた。人生が薔薇色というのはこういうことを言うのだと光輝は実感していた。
そしてカナの世話を焼くことになって一つ分かったことがある。石田カナという女は松崎透を目の前にすると目の色が変わる。
恋する乙女の顔をして透と話すのだ。光輝はそれを見るとイラついた。原因は何か、それは自分の中でもよく分かっていなかった。
恋心とかでは決してないことは分かっている。光輝にはもう人を愛す気持ちを知ってしまったからだ。
故にカナにはそんな気持ちは微塵も抱いていない。なのに、何故こんなに胸がざわつくのか。分からなかったが、透が茜のことを連れてきたときに、光輝は胸の奥のモヤモヤの正体が分かった。
分かって、しまった。
「あぁ……そうか。俺は……軽率な男が嫌いなんだ……」
本人には自覚がないだろうが、二股をかけている男にしか見えなかった。
そしてそれを平気で許してしまうような女も大嫌いだ。故に――、
「カナちゃん!私の透を取らないで!」
「嫌!今日は私が透さんを独り占めにする!」
この目の前で行われている光景は光輝には不愉快極まりないものでしかなかった。二人の女性が一人の男性を取り合う……俗に言う『ハーレム』と呼ばれるものを目にした。
光輝はハーレムというものは苦手である。物語のフィクションですら見るのも聞くのも吐き気がするほどだ。だから、あの時茜のことを煽り、透とカナを離れさせようとした。
そして、その思惑通り茜は透のところへと行き、それで両思いだと打ち明けてめでたし……となるはずだった。
だが、現実は違った。
「むぅ……!」
2人がバチバチに透を取り合い、喧嘩をしているのを見て…透と光輝は揃って頭を抱えた。
どうしてこうなった……と、言ってしまうのはしょうがない事だろう。主人である京介すらこの光景には何も言わない。ただひたすらに仕事をして、我関せずといった態度を取っている。
……篠宮光輝はハーレムというものが嫌いだ。ハーレムなんて言葉は滅べばいいとすら思っている。
だが、それとは別に……
「……近寄りたくねぇ……」
目の前にいる二人の迫力が凄まじく、正直言って近寄りたくない。故に……
「透様、ご愁傷様です……」
そう言って光輝は退散するしかなかった。
そのせいか光輝にはあまり友達と呼べる存在がいない。光輝の周りには常に誰かがいたのだが、彼に近寄ってくる者は皆彼の表面的な部分しか見ていなかった。
だが、光輝としてはそれで良かった。自分は人の上に立つ人間であり、人に好かれる必要はないと考えていたからだ。
しかし、中学三年生の頃、父親の会社が倒産し家は没落した。そしてそれが影響で前より勉強も運動もする時間がなくなり、成績は落ちていき元々薄かった友人関係も完全になくなった。
それでも光輝は諦めなかった。どんなに忙しくなっても時間を見つけては勉強をしたが……成績は落ちてゆく。掛け持ちしたバイトのせいで睡眠時間はどんどん減っていったからだ。
家庭環境も悪く、母親も父親も喧嘩をするようになった頃から光輝は無関心を決め込み、極力関わらないようにしていた。
そんな灰色で面白くもない日常を送っていたとある日のこと。
「……君が篠宮光輝くんか?」
家に帰ると、いつも通りの光景ではなく、知らない男が立っていた。長身で黒髪のイケメンだった。まるで貼り付けたかのような笑顔を浮かべ、胡散臭い雰囲気を放っている。
怪しいと思いつつも、無視をするわけにはいかないので仕方なく返事をした。
「はい。そうですけど……」
「そうか。なら、話が早い。来たまえ」
「えっ!?ちょ!まっ!」
その男は有無を言わさず光輝の腕を掴み、外へと連れ出そうとした。大声を出したかったが男の圧に負けて何も言えなかった。そのまま引きずられるように車に乗せられ、どこかへと連れて行かれた。
着いた場所は豪邸だった。一体この男は何者なんだと光輝は疑問に思った。
「ここが私の家だよ。まぁ、君の家でもあるんだけどね」
「な、何を言って……」
「君は今日からここで暮らすんだよ」
「は……?どういうことですか」
急にそんなことを言われても、はいそうですかと言えるはずがない。光輝は警戒心を剥き出しにして問い掛けた。
「僕を一体どうしようと……!」
「お前を娘の専属執事にする。幸い、お前と娘は一個下だ。問題ないだろう」
「は!?」
光輝の言葉を遮るようにして男は言った。光輝にとってそれは寝耳に水であった。
「ちょっと待ってください!何で僕が貴方の娘さんの執事に……」
「……篠宮光輝くん、君は売られたんだよ。借金のためにね」
言葉の意味を理解できなかった。いや、理解したくないというのが正解だった。売られた?自分が?どうして?そんな思いだけが頭の中を埋め尽くしていった。
「困惑するのも無理もない。だが、事実だ。君は売られた。そして、私が買い取った」
「そ、そんな……」
「安心しなさい。君に任せる仕事はそんなに難しいものではないし。そしてここで思いっきり勉強をしたらいい。学費は全てこちらが持つから心配はいらないよ」
「え……?それってつまり……」
「あぁ。君はもう働かなくていい。今まで苦労してきたんだろう。これからは好きなように生きなさい。その代わり、娘のことを頼むよ」
話の展開に追いつけない。光輝にとって都合の良すぎる展開に戸惑うしかなかった。
「ど、どうして……そこまでしてくれるんですか?僕なんかを買って貴方に何のメリットがあるんですか?」
昔の篠宮光輝……成績優秀で運動神経抜群な完璧超人だった時代ならともかく、今はバイト漬けで成績も落ち、家族とも上手くいっていない。とてもではないが買われる理由にはならないはずだ。
「そうだな。私は君に可能性を感じた。ただそれだけさ」
「か、可能性?」
「そうだ。光輝くんには可能性を感じる。だから、投資しようと思った。将来うちの会社に利益をもたらしてくれるかもしれない。だから、今のうちに助けておくべきだと考えたんだ」
「はぁ……」
この男は何を言っているのだろう。高一のガキ相手に投資とか、馬鹿にしているのか……とも思ったが、男の顔が真面目だった為、そんなことは言えずに沈黙を取った。
「どっちにしろ君に選択権は無いよ。私は君を買った。だから、拒否権はない。分かるよね?」
「……」
そこを突かれてしまうと何も言い返せなかった為、光輝は素直に頷くと、
「よろしい。早速、娘を紹介させてくれ」
男はそう言うと部屋を出ていった。そして、暫くすると一人の少女を連れて戻ってきた。
「光輝くん。この子が君の主人になる人だよ」
女の子の名前は石田カナ。素直に美少女と言っていいほど整った容姿をしていた。しかし、その表情は暗く、死んだ魚のような目をしている。
「私の名前は石田カナ。よろしくね?光輝くん…?さん?」
「いや、僕が君……いや、お嬢様の執事になるわけだし……呼び捨てで構いませんよ」
「わかりました……」
そう言いながらも、カナの警戒の色は消えてはいなかった。まぁ、いきなり知らない男が専属の執事とか言われても困るのは当たり前だと思うので光輝はとりあえずこの関係を維持しようと考えていた。
△▼△▼
あれから八ヶ月が経ち、高校にも通わせて貰えるようになった。学費も本当に払ってくれるし、生活も保証されている。
光輝にとっては最高の環境だった。
カナの世話や家事をするだけで給料が貰え、土日や日曜日は休み。勉強と運動とバイトに明け暮れていた頃と比べれば、天国と地獄ほどの差があった。
今では勉強もしつつ、遊びにも行けるし、彼女だってできた。人生が薔薇色というのはこういうことを言うのだと光輝は実感していた。
そしてカナの世話を焼くことになって一つ分かったことがある。石田カナという女は松崎透を目の前にすると目の色が変わる。
恋する乙女の顔をして透と話すのだ。光輝はそれを見るとイラついた。原因は何か、それは自分の中でもよく分かっていなかった。
恋心とかでは決してないことは分かっている。光輝にはもう人を愛す気持ちを知ってしまったからだ。
故にカナにはそんな気持ちは微塵も抱いていない。なのに、何故こんなに胸がざわつくのか。分からなかったが、透が茜のことを連れてきたときに、光輝は胸の奥のモヤモヤの正体が分かった。
分かって、しまった。
「あぁ……そうか。俺は……軽率な男が嫌いなんだ……」
本人には自覚がないだろうが、二股をかけている男にしか見えなかった。
そしてそれを平気で許してしまうような女も大嫌いだ。故に――、
「カナちゃん!私の透を取らないで!」
「嫌!今日は私が透さんを独り占めにする!」
この目の前で行われている光景は光輝には不愉快極まりないものでしかなかった。二人の女性が一人の男性を取り合う……俗に言う『ハーレム』と呼ばれるものを目にした。
光輝はハーレムというものは苦手である。物語のフィクションですら見るのも聞くのも吐き気がするほどだ。だから、あの時茜のことを煽り、透とカナを離れさせようとした。
そして、その思惑通り茜は透のところへと行き、それで両思いだと打ち明けてめでたし……となるはずだった。
だが、現実は違った。
「むぅ……!」
2人がバチバチに透を取り合い、喧嘩をしているのを見て…透と光輝は揃って頭を抱えた。
どうしてこうなった……と、言ってしまうのはしょうがない事だろう。主人である京介すらこの光景には何も言わない。ただひたすらに仕事をして、我関せずといった態度を取っている。
……篠宮光輝はハーレムというものが嫌いだ。ハーレムなんて言葉は滅べばいいとすら思っている。
だが、それとは別に……
「……近寄りたくねぇ……」
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