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『ジール・カンタレラとローズ・カンタレラのその後の話③』
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――結局、俺とローズは、結婚した。プロポーズはしなかったし、ローズも……
『プロポーズなんていりません。貴方と一緒にいられれば、私は幸せですから』
ローズは、そう言ってくれた。だからプロポーズはしなかった。プライドは捨てたし、ローズも求めてこなかった。……今思えばクラウスの言う通りちっぽけなプライドだったと痛感したが――。
「愛していますわ。ジール様……いえ、もう旦那様になるのだから、ジールの方がよろしいですか?」
揶揄うような、口調でそういったローズ。俺はその言葉に改めて実感する。
「(………本当に結婚したんだなぁ……)」
というよくわからない感情が流れ込んでいく。
思わず聞いてしまった。ローズの顔が目の前にある。ローズの美しい瞳が俺を真っ直ぐに見つめている。
「……はい。私……ジールのことが……好きです……」
――初めてのときは、本当に嫌いだったのに。憎たらしくて仕方がなかったのに、今ではその姿が愛おしくて仕方がなくなっていた……。
「――っ!……嬉しいよ!ありがとうローズ!!――大好きだ!ローズ!愛している!」
そう言いながら、俺はローズの唇にキスをする。最初は触れるだけのキスだったが、次第に深いものになっていく。
唇を離すと、ローズの唇からは、透明な唾液が垂れていた。
「………深いです……ジール……」
そう言いながら、ローズは俺の首に腕を回してキスを求めてくる。
「…………好きだ」
もう離さないし、離したりしない!
俺は心に決めながら、もう一度ローズを抱きしめた。
△▼△▼
――ローズ・デイルは、この日が一番、幸せだとそう断言できる。
何故なら、最愛の夫との初めてが、こうして叶ったのだから。
初めて出会った時は憎かった彼が今じゃ愛おしく感じているのも変な感覚だが、それでも、私は……
「好きですわ」
スヤスヤと眠る夫のジールに、私はそう呟いた。
……もう離さないし、離したりしない。
だって私と、ジールは好き同士。離れることなんて出来ない運命共同体。
私は今が幸せです。貴方も同じ気持ちなら嬉しいですわ。
だから、これからもよろしくお願いしますね! 私の大好きな旦那様……と、思いながら私は微笑んだ。
『プロポーズなんていりません。貴方と一緒にいられれば、私は幸せですから』
ローズは、そう言ってくれた。だからプロポーズはしなかった。プライドは捨てたし、ローズも求めてこなかった。……今思えばクラウスの言う通りちっぽけなプライドだったと痛感したが――。
「愛していますわ。ジール様……いえ、もう旦那様になるのだから、ジールの方がよろしいですか?」
揶揄うような、口調でそういったローズ。俺はその言葉に改めて実感する。
「(………本当に結婚したんだなぁ……)」
というよくわからない感情が流れ込んでいく。
思わず聞いてしまった。ローズの顔が目の前にある。ローズの美しい瞳が俺を真っ直ぐに見つめている。
「……はい。私……ジールのことが……好きです……」
――初めてのときは、本当に嫌いだったのに。憎たらしくて仕方がなかったのに、今ではその姿が愛おしくて仕方がなくなっていた……。
「――っ!……嬉しいよ!ありがとうローズ!!――大好きだ!ローズ!愛している!」
そう言いながら、俺はローズの唇にキスをする。最初は触れるだけのキスだったが、次第に深いものになっていく。
唇を離すと、ローズの唇からは、透明な唾液が垂れていた。
「………深いです……ジール……」
そう言いながら、ローズは俺の首に腕を回してキスを求めてくる。
「…………好きだ」
もう離さないし、離したりしない!
俺は心に決めながら、もう一度ローズを抱きしめた。
△▼△▼
――ローズ・デイルは、この日が一番、幸せだとそう断言できる。
何故なら、最愛の夫との初めてが、こうして叶ったのだから。
初めて出会った時は憎かった彼が今じゃ愛おしく感じているのも変な感覚だが、それでも、私は……
「好きですわ」
スヤスヤと眠る夫のジールに、私はそう呟いた。
……もう離さないし、離したりしない。
だって私と、ジールは好き同士。離れることなんて出来ない運命共同体。
私は今が幸せです。貴方も同じ気持ちなら嬉しいですわ。
だから、これからもよろしくお願いしますね! 私の大好きな旦那様……と、思いながら私は微笑んだ。
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