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『ジールとローズの話⑤』
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恋なんて、自分には縁がないものだと、ずっとそう思っていた。
……恋人は自分の剣。剣士である自分が、恋なんてしてはいけないと。そう思っていた。だというのに……
「胸……」
ジール・カンタレラは胸が大きい方が好みなのだろうか……?先接触した女の人はかなり巨乳だった。
……顔が赤くなったし、やはり男は巨乳が好きなのか?
「……」
自分の身体を見回すが、生憎と大きくはない。それに胸だなんて剣を振るうには邪魔なだけだ、とそう思っていたけども……。
「……貧相」
自分の身体をペタペタ触ってみる。やはり貧相だ。
胸はないし、スタイルもよくないし……悲しくなってきた……
「好き」
もう、誤魔化せない思い。私はジール・カンタレラが好き。
彼のことがもっと知りたい。彼と話したい。彼を知りたい。彼に触れたい。彼に触れられたい。
想いというのは、こんなに大きくなるのか。恋というのは、こんなにも楽しくなるのか。
彼を思うと、胸が暖かくなる。頭が真っ白になる。楽しいのに辛い。触れ合いたいのに怖い。
……彼は、私の事をどう思っている? そう考えるだけで、こんなにも胸が張り裂けそうになるなんて知らなかった。
誰かを好きになるってこういうことだったのか。でもこんな気持ち今まで感じたことはなかった。
「……好きだ」
そんな感情自分には縁遠い物だと思っていた。誰かを好きになる日がくるなんて思いもしなかったから。
でも、今私は告白したい。自分の気持ちを伝えたい。
この気持ちを彼に伝えたい。この恋を実らせたい。
……だけど、それはできないだろう。だって私は……騎士だから。
騎士は国のために戦う者。そんな人が恋愛などしてはいけない。
だから、この想いは隠さなくてはならない。
彼に伝えることは許されない。彼にこの感情を知られるわけにはいかない。
「……ローズさん?どうかしました?」
不意に後ろから声をかけられる。振り返ると、そこには部下であるサレナが不思議そうに私を見ていた。
……セレナは男が多い騎士団の中での女騎士。そんな彼女は数少ない私の友人だ。
私とは違う美しい金髪に、青い宝石のような瞳。
同性の私から見ても、サレナは綺麗な人だと思う。
「サレナ。……いや、何でもないよ」
誤魔化し、私は笑ってみせる。笑うのは得意だ。
昔から笑うようにしていたから、どんな時でも笑えてしまう。所謂、愛想笑いというやつだ。
「そう?何か考え込んでいたようだけど……」
「少し、昔の事を思い出していただけだ。大したことじゃないわ」
そう言って微笑む。サレナは納得のいかない表情を浮かべていたが、それ以上の追及はしなかった。そういうところが、彼女のいいところでもある。
必要以上に踏み込んでこない。彼女のいいところだ。
……今の私にとっては、それはとてもありがたい事だった。
「……あ、そういえば…ローズさんにお客さん来ていますわ」
「お客さん……?」
客……私に?一体誰が……と、思って首を傾げていると、
「ふふっ……驚くと思いますよ?」
サレナは悪戯っぽい笑みを浮かべていた。
……恋人は自分の剣。剣士である自分が、恋なんてしてはいけないと。そう思っていた。だというのに……
「胸……」
ジール・カンタレラは胸が大きい方が好みなのだろうか……?先接触した女の人はかなり巨乳だった。
……顔が赤くなったし、やはり男は巨乳が好きなのか?
「……」
自分の身体を見回すが、生憎と大きくはない。それに胸だなんて剣を振るうには邪魔なだけだ、とそう思っていたけども……。
「……貧相」
自分の身体をペタペタ触ってみる。やはり貧相だ。
胸はないし、スタイルもよくないし……悲しくなってきた……
「好き」
もう、誤魔化せない思い。私はジール・カンタレラが好き。
彼のことがもっと知りたい。彼と話したい。彼を知りたい。彼に触れたい。彼に触れられたい。
想いというのは、こんなに大きくなるのか。恋というのは、こんなにも楽しくなるのか。
彼を思うと、胸が暖かくなる。頭が真っ白になる。楽しいのに辛い。触れ合いたいのに怖い。
……彼は、私の事をどう思っている? そう考えるだけで、こんなにも胸が張り裂けそうになるなんて知らなかった。
誰かを好きになるってこういうことだったのか。でもこんな気持ち今まで感じたことはなかった。
「……好きだ」
そんな感情自分には縁遠い物だと思っていた。誰かを好きになる日がくるなんて思いもしなかったから。
でも、今私は告白したい。自分の気持ちを伝えたい。
この気持ちを彼に伝えたい。この恋を実らせたい。
……だけど、それはできないだろう。だって私は……騎士だから。
騎士は国のために戦う者。そんな人が恋愛などしてはいけない。
だから、この想いは隠さなくてはならない。
彼に伝えることは許されない。彼にこの感情を知られるわけにはいかない。
「……ローズさん?どうかしました?」
不意に後ろから声をかけられる。振り返ると、そこには部下であるサレナが不思議そうに私を見ていた。
……セレナは男が多い騎士団の中での女騎士。そんな彼女は数少ない私の友人だ。
私とは違う美しい金髪に、青い宝石のような瞳。
同性の私から見ても、サレナは綺麗な人だと思う。
「サレナ。……いや、何でもないよ」
誤魔化し、私は笑ってみせる。笑うのは得意だ。
昔から笑うようにしていたから、どんな時でも笑えてしまう。所謂、愛想笑いというやつだ。
「そう?何か考え込んでいたようだけど……」
「少し、昔の事を思い出していただけだ。大したことじゃないわ」
そう言って微笑む。サレナは納得のいかない表情を浮かべていたが、それ以上の追及はしなかった。そういうところが、彼女のいいところでもある。
必要以上に踏み込んでこない。彼女のいいところだ。
……今の私にとっては、それはとてもありがたい事だった。
「……あ、そういえば…ローズさんにお客さん来ていますわ」
「お客さん……?」
客……私に?一体誰が……と、思って首を傾げていると、
「ふふっ……驚くと思いますよ?」
サレナは悪戯っぽい笑みを浮かべていた。
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