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十四話 『何度目かの相談』
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駅前にあるカフェ。そこは、学生から社会人まで幅広い年齢層の客が訪れる場所だ。店内にはジャズが流れていて雰囲気も良く、それでいてコーヒーや紅茶、スイーツなども美味しいと評判である。
そのため、訪れる人は女子同士で来る人も多く、そしてカップルで来る人が多い。男女二人で行くところといえばここ!みたいな、そんな場所だ。
私たちは店内の一番端にある席に着くと、早速注文をすることにした。
私はコーヒーとショートケーキを頼む。この組み合わせは私の中では鉄板だった。
甘いものを食べて疲れた心を癒すのだ。
「私は……アイスティーとフルーツタルトにしようかなー」
美咲がそう言ってメニュー表を見つめている。ニコニコしていてとても楽しそうだ。本当に食べることが好きなんだなぁと思う。
「このフルーツタルト、テレビで紹介されていて気になっていたのー」
「……そうなの?なら、そうするわ」
美咲は嬉しそうにそう言うので私も美咲と同じものにする。店員さんを呼び、注文を終えると美咲が話を切り出してきた。
「……で、華恋さぁ。何かあった?」
真剣な表情をして聞いてくる。その言葉を聞いて私はギクッとした。まさかこんなにも早く気付かれるとは思わなかったからだ。
六年間会っていなくても美咲は鋭い。私がちょっとしたことでもすぐに見抜くことが出来るのだ。……やっぱり、隠し事なんて出来ないよね……。
「……うん。実はね……」
どんだけ私は、人に相談するのだろうか……?と思いながらも、私は今日起こったことを全て話すことにした。
△▼△▼
一通り話し終えると、美咲は難しい顔をして腕組みをして、うーんと考えている様子だった。
「流石、華恋ねぇ。モテモテじゃないのぉ」
「もうっ!茶化さないでよ!」
ニヤニヤしながら言ってくる美咲に対してムキになって言い返す。すると美咲はごめんごめんと言って笑った。
「だって、年上からも年下からも告白されるんでしょー?しかも、二人とも断ってもまだ諦めない姿勢なのは凄いと思うわー。私なら諦めるし」
ヘラヘラした態度で美咲は言う。でも言っていることは正論なので何も言えない。
「まあ、それはいいとして……諦めないというのならそこら辺の男を捕まえて彼氏のフリしてもらえば良いんじゃない?」
「えぇ!?そんなことしたら相手に悪いじゃん!」
確かにそれだと問題は解決するが、相手の好意を踏み躙るような行為だし申し訳なさすぎる。それに、相手が可哀想だ。
「華恋は優しいわねー。でも、話を聞く限りそれぐらいしか解決方法は無いと思うけどなー」
美咲は頬杖をついて考える素振りをする。確かに美咲の言うとおりなのだが、それでも私は誰かを傷つけたくはない。どうすればいいのか頭を悩ませていると、美咲がポンっと手を打った。
そして、名案を思い付いたというように目を輝かせながら私の耳元でこう囁いた。
「……なら、こうしましょう。相手から諦めざる負えない状況を作り出すのよ」
「……?」
美咲のいうことが意味がわからず私は首を傾げた。
そのため、訪れる人は女子同士で来る人も多く、そしてカップルで来る人が多い。男女二人で行くところといえばここ!みたいな、そんな場所だ。
私たちは店内の一番端にある席に着くと、早速注文をすることにした。
私はコーヒーとショートケーキを頼む。この組み合わせは私の中では鉄板だった。
甘いものを食べて疲れた心を癒すのだ。
「私は……アイスティーとフルーツタルトにしようかなー」
美咲がそう言ってメニュー表を見つめている。ニコニコしていてとても楽しそうだ。本当に食べることが好きなんだなぁと思う。
「このフルーツタルト、テレビで紹介されていて気になっていたのー」
「……そうなの?なら、そうするわ」
美咲は嬉しそうにそう言うので私も美咲と同じものにする。店員さんを呼び、注文を終えると美咲が話を切り出してきた。
「……で、華恋さぁ。何かあった?」
真剣な表情をして聞いてくる。その言葉を聞いて私はギクッとした。まさかこんなにも早く気付かれるとは思わなかったからだ。
六年間会っていなくても美咲は鋭い。私がちょっとしたことでもすぐに見抜くことが出来るのだ。……やっぱり、隠し事なんて出来ないよね……。
「……うん。実はね……」
どんだけ私は、人に相談するのだろうか……?と思いながらも、私は今日起こったことを全て話すことにした。
△▼△▼
一通り話し終えると、美咲は難しい顔をして腕組みをして、うーんと考えている様子だった。
「流石、華恋ねぇ。モテモテじゃないのぉ」
「もうっ!茶化さないでよ!」
ニヤニヤしながら言ってくる美咲に対してムキになって言い返す。すると美咲はごめんごめんと言って笑った。
「だって、年上からも年下からも告白されるんでしょー?しかも、二人とも断ってもまだ諦めない姿勢なのは凄いと思うわー。私なら諦めるし」
ヘラヘラした態度で美咲は言う。でも言っていることは正論なので何も言えない。
「まあ、それはいいとして……諦めないというのならそこら辺の男を捕まえて彼氏のフリしてもらえば良いんじゃない?」
「えぇ!?そんなことしたら相手に悪いじゃん!」
確かにそれだと問題は解決するが、相手の好意を踏み躙るような行為だし申し訳なさすぎる。それに、相手が可哀想だ。
「華恋は優しいわねー。でも、話を聞く限りそれぐらいしか解決方法は無いと思うけどなー」
美咲は頬杖をついて考える素振りをする。確かに美咲の言うとおりなのだが、それでも私は誰かを傷つけたくはない。どうすればいいのか頭を悩ませていると、美咲がポンっと手を打った。
そして、名案を思い付いたというように目を輝かせながら私の耳元でこう囁いた。
「……なら、こうしましょう。相手から諦めざる負えない状況を作り出すのよ」
「……?」
美咲のいうことが意味がわからず私は首を傾げた。
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