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三話 『営業』
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今日は金曜日で、そして営業の仕事をしていた。私は普段は事務の仕事しかしていないけど、今日は営業部が人手が足りないということで駆り出されていたのだ。
相棒はまさかの佐藤先輩。佐藤先輩の相手なんて沢山いるはずなのに……と、思っていたらどうやら争奪戦すぎて上司が争いが収まるまで、私が佐藤先輩と組んで仕事をするようにと決めたらしい。
まぁ、私は別に意識はしないし、いつも通り仕事ができるからいいんだけども……
「何であんな奴が……!」
「桜田さんずるいー!」
などという声が聞こえてくる。嫉妬の視線を向けられるのは嫌だが、上司命令だから仕方がないし、そこはみんな大人。すぐに自分の仕事に集中し始めた。
そこら辺は真面目な人たちばかりだし。そこだけ見れば本当にいい職場だなと思う。……ただ、一部を除いては。
まぁ、そこについては割愛するとして……私達は無事に取引を終え、帰る準備をしていたときだ。
「せっかくだし、一緒に食べにいかねーか?昼だし」
突然の誘いだったが、別に不自然なことではない。だって昼の時間なわけだし。だが、敵を増やすのは目に見えている。
私としては行きたくないのだが……断るのは失礼にあたるし。てゆうか、こんなイケメンからの誘い断る女とかいないわ。
だから仕方がないので、私ははい、と首を縦に振りながら私たちはファミレスへと向かった。
△▼△▼
場所はファミレス。何処にでもある普通のファミレスだ。するとそこには――。
「いらっしゃいませ」
店員の声を聞きながら、私たちは席に座りメニュー表を見る。佐藤先輩はハンバーグ定食を頼むようだ。ちなみに、私はオムライスセットにした。
注文してしばらく待つ間、仕事のことを話すので、会話は気まずくはなかった。だけどやっぱり周りの目線が痛かった。
だが、これも仕事。割り切ろう。そう思い、気にしないようにした。…そして
「お待たせしました。ハンバーグ定食とオムライスです」
……聞き覚えるのある声がして思わず顔を見るとそこには……
「(あれ?拓海くん?なんでここに)」
目の前には拓海くんがいた。私を見て驚いていたが、すぐ営業に戻っていく。
「ん?桜田、どうした?」
「あ、いえ。なんでもないですよ」
そう言いながらも私はオムライスを食べた。
△▼△▼
会計を済ませ、店を出る。何でこんな時間に拓海くんがいるのか分からなかったけども、よくよく考えてみたら、今日は土曜日だった。最近、仕事をしているせいか曜日感覚がなくなってきているみたいだ。
まぁ、この時期は忙しいし……と、思いながらため息を吐いていると、
「おーい、桜田?大丈夫か?」
心配そうな顔をする佐藤先輩。どうやらかなり疲れているように見えたらしい。
確かにちょっと寝不足気味ではあるけども、そこまで心配するほどではない。
「えぇ、大丈夫ですよ」
「そっか。ならよかった、今日は、これで仕事終わりだし送るよ」
「え?悪いですよ」
「遠慮すんなって」
佐藤先輩は微笑んだ。……いや、まぁ、先輩のことだし悪気はゼロなんだろうけど。
断るのもあれだし、ここは大人しく送ってもらうことにした。
相棒はまさかの佐藤先輩。佐藤先輩の相手なんて沢山いるはずなのに……と、思っていたらどうやら争奪戦すぎて上司が争いが収まるまで、私が佐藤先輩と組んで仕事をするようにと決めたらしい。
まぁ、私は別に意識はしないし、いつも通り仕事ができるからいいんだけども……
「何であんな奴が……!」
「桜田さんずるいー!」
などという声が聞こえてくる。嫉妬の視線を向けられるのは嫌だが、上司命令だから仕方がないし、そこはみんな大人。すぐに自分の仕事に集中し始めた。
そこら辺は真面目な人たちばかりだし。そこだけ見れば本当にいい職場だなと思う。……ただ、一部を除いては。
まぁ、そこについては割愛するとして……私達は無事に取引を終え、帰る準備をしていたときだ。
「せっかくだし、一緒に食べにいかねーか?昼だし」
突然の誘いだったが、別に不自然なことではない。だって昼の時間なわけだし。だが、敵を増やすのは目に見えている。
私としては行きたくないのだが……断るのは失礼にあたるし。てゆうか、こんなイケメンからの誘い断る女とかいないわ。
だから仕方がないので、私ははい、と首を縦に振りながら私たちはファミレスへと向かった。
△▼△▼
場所はファミレス。何処にでもある普通のファミレスだ。するとそこには――。
「いらっしゃいませ」
店員の声を聞きながら、私たちは席に座りメニュー表を見る。佐藤先輩はハンバーグ定食を頼むようだ。ちなみに、私はオムライスセットにした。
注文してしばらく待つ間、仕事のことを話すので、会話は気まずくはなかった。だけどやっぱり周りの目線が痛かった。
だが、これも仕事。割り切ろう。そう思い、気にしないようにした。…そして
「お待たせしました。ハンバーグ定食とオムライスです」
……聞き覚えるのある声がして思わず顔を見るとそこには……
「(あれ?拓海くん?なんでここに)」
目の前には拓海くんがいた。私を見て驚いていたが、すぐ営業に戻っていく。
「ん?桜田、どうした?」
「あ、いえ。なんでもないですよ」
そう言いながらも私はオムライスを食べた。
△▼△▼
会計を済ませ、店を出る。何でこんな時間に拓海くんがいるのか分からなかったけども、よくよく考えてみたら、今日は土曜日だった。最近、仕事をしているせいか曜日感覚がなくなってきているみたいだ。
まぁ、この時期は忙しいし……と、思いながらため息を吐いていると、
「おーい、桜田?大丈夫か?」
心配そうな顔をする佐藤先輩。どうやらかなり疲れているように見えたらしい。
確かにちょっと寝不足気味ではあるけども、そこまで心配するほどではない。
「えぇ、大丈夫ですよ」
「そっか。ならよかった、今日は、これで仕事終わりだし送るよ」
「え?悪いですよ」
「遠慮すんなって」
佐藤先輩は微笑んだ。……いや、まぁ、先輩のことだし悪気はゼロなんだろうけど。
断るのもあれだし、ここは大人しく送ってもらうことにした。
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