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『エピローグ』
しおりを挟むあれから三ヶ月が経った。今日は入学式であり、真美ちゃんが一年生になり私はニ年生で真白先輩と奏先輩は三年生になった。
この三ヶ月間はとても忙しかった。まず、あの日から毎日のように先輩達に溺愛された。毎日部室で二人に耳元で愛の言葉を聞かされ、毎日のように告白されたり手を繋いだり、抱きしめられたりした。
私に似合う髪型や服を三人で買いに行ったこともあった。(勿論私の意見なんて聞いて貰えず)
本当に大変だった……!でも、嫌ではなかった。むしろ嬉しかった。だってこんなにも私のことを考えてくれる人がいるんだもん。
そしていつも以上に二人に接していたので周りの嫌がらせも酷いものだった。嫉妬した女子生徒に物を隠されたり、陰口を言われたり……。
でも、まぁ、真白先輩がすぐに見つけて対処してくれたお陰でそんな嫌がらせは減ったし、陰口も言われなくなった。そして私に話しかけてくるとき、何故かみんな敬語になるのだ。不思議だよね。そんなことを思っていると、
「あ、菜乃花先輩!」
「あ、真美ちゃん」
制服に身を包む真美ちゃんは凄く可愛かった。思わず見惚れてしまうほど。
「どうですか?この制服。可愛いですか?」
「うん。すっごく可愛いよ」
「えへへ……ありがとうございます。菜乃花先輩もとても似合ってますよ!」
「そ、そうかな……?まぁ、ありがとう……」
私は頬を赤らめて言う。すると真美ちゃんも少し照れ臭そうに笑った。相変わらず真美ちゃんは可愛い。私の後輩とは思えないくらい。
「菜乃花先輩が入部してるのって文芸部ですよね?私、そこに入っても大丈夫でしょうか……?」
真美ちゃんは不安そうに私に聞くが、私の答えは一つだ。
「勿論、いいよ。歓迎するよ」
「本当ですか!?やったぁ!じゃあ、文芸部に入部しますね!よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくね」
私は満面の笑みで真美ちゃんに笑いかける。真美ちゃんが文芸部に来てくれて本当に嬉しい。だってこれで暴走する行動も少しは抑えられる筈だし、真美ちゃんも小説の向き方は真剣だし。
それにこれが何よりのことだが、真白先輩と奏先輩の行動も少しは収まるだろう。そう、これは全て良いことなんだ。そう思っていると、真白先輩と奏先輩がやってきた。
「あら、菜乃花ちゃん、その子は?」
「……新入生か?」
……何故だろう。笑顔なのに二人とも圧がある気がする。怖いです。私は怯えながら答える。
「は、はい。そうです。この子は私の中学の後輩で……」
「白鳥真美と申します。菜乃花先輩とは“中学生“の頃からの仲です」
何だろう。中学生の頃を強調しているような言い方だけど……気のせいかな?
「ふぅん……そうなのね」
「菜乃花の後輩……」
「はい!菜乃花先輩の後輩です。後、私菜乃花先輩のこと大好きです。先輩、付き合いましょう!!」
「「「はぁ!?」」」
突然の真美ちゃんの爆弾発言に私は驚きの声を上げる。
ちょっと待って!?真美ちゃんはそんなキャラじゃないでしょう!?ど、どうして……!?
「先輩、何逃げてるんですか?逃がしませんからね?さぁ、観念してください」
「ま、真美ちゃん……貴方そんなキャラじゃなかったでしょ!?」
だって私の知っている白鳥真美というのはもっと純粋で真面目で感受性が豊かで……。
「そんなの関係ないですよ。私は好きなんですよ。先輩のこと。これでも我慢してたんですよ?菜乃花先輩の可愛さは私だけが知っていれば良かったのに……」
「ち、ちょっと待ってくれ!私も好きなんだから!菜乃花のこと!」
「私もよ!菜乃花ちゃんのこと誰にも渡したくないわ!」
ここ校舎の前なんだけど……!は、恥ずかしい……!新入生もいるのに……!そんな私の気持ちを他所に三人は言い争いを始める。
私はこれからの生活が不安になりながらも私は天を仰いだ。
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