【完結】君の隣で息を吸う

かんな

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九話 沙織視点②

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今の彼氏とは結構続いている。とゆうか、五ヶ月も経ってまだ付き合っているのは龍馬ぐらいしかいない。これは成長……なのだろうか?親友ではなく、彼氏を優先するのは普通なのだろうか? 好きという感情にまだ追いついてないだけ……なんだと思う。


それに、杏奈も杏奈で私とは違う友達を作っていて、私よりもそっちを優先することが多くなった。…その頃から私は彼氏と一緒にいることが多くなった。
杏奈は……彼氏を作らないのかな? 


……いや、私が知らないだけでもう作っているのかも……いや、ないか……だって、杏奈って男に興味ないし……


「(本当、勿体ないよなぁ~)」


杏奈って目を見張るほどの美人ではないけど、十分可愛い部類に入ると思うし、性格は……良いとは言い切れないが、悪いわけでもないと思う。


なのに、彼氏ができないなんて……本当に不思議だ。まぁ、別に彼氏を作らないのが悪いわけじゃないんだけどね……。


「(でも、何でだろ……)」


杏奈が私以外と話す時、何故か胸がソワソワするんだよなぁ~……なんかモヤモヤするというか……変な感じになる。


「(………バカみたい)」


自分で自分が分からなくなってくる。この気持ちが何なのかよく分からない。ただ、一つ言えることは……そのモヤモヤ感が嫌だということだけだ。


「(……何でだろ?今までこんなことなかったのに……)」


モヤモヤの原因が分からないまま、時間は過ぎていった。


△▼△▼


――最近の私はおかしい。杏奈と話していると心が落ち着かない。それは……なぜか、いつも以上にドキドキしてしまう。杏奈の顔を見るたびに顔が熱くなる。杏奈の声を聞く度に鼓動が激しくなる。杏奈のことを考えると頭が真っ白になってしまう。


何故?どうして?そんな疑問ばかりが頭に浮かぶ。……私はどうしてしまったんだろう? そして、杏奈を考えれば考えるほど龍馬と話すことが多くなり距離も近くなる。……それが一番嫌だった。龍馬が近くにいると落ち着くことができないからだ。


だからと言って離れることもできなくて……結局そのままになっている。


「(本当、私の行動は意味不明すぎる)」


こんなにも自分のことが理解できないと思ったことはない。…私のスタンスは去るもの追わず来る者拒まずであるはずなのに……それは彼氏だけじゃない。友達に対してもそうだ。


絶交した時はそれまでだと割り切っているし、仲直りした後もそうしてきたはずだ。……それなのに、杏奈だけが違うのだ。厳密に言えば杏奈と龍馬だけは違ったのだ。


あの二人に拒絶されたくないと思っている自分がいる。……なんでだろう? そんなことをずっと考えているせいか最近は全然寝付けなくなったし、もう最悪。


「(………本当に…何でだろ?)」


そう思いながら私は寝た。
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