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番外編
『中村洋介のこと 〜後編〜』
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そして帰り。誕生日会が終わり、俺たちは今帰っているところだ。まさか、姉ちゃんたちや石崎さんまで来るとは思わなかったし。
「……」
そして俺たちは、家に帰っていた。隣にいるのは姉ちゃん……ではなくみのりだ。何故こんなことになったのかというと……。
『みのりちゃんは私たちの家に泊まりな!私が許可する!』
そう言って、姉ちゃんが勝手に決めたからだ。まぁ、雄太さんは反対してたけど……石崎さんと姉ちゃんによって黙らせられていた。雄太さんも、石崎さんと姉ちゃんには弱いみたい。
『優子さん、正弘くんに夢中らしいんです』
ニコニコしながら言うみのりに俺はギョッとした。姉ちゃん、萩原に夢中なの!?あいつが俺の義兄になるのかもしれないってこと……?うーん……なんか複雑だわ。
「そ、そうなんだ……」
俺は苦笑いを浮かべているのに対し、みのりはクスクス笑いながら、こう言った。
『あのね、洋介くん。…私、洋介くんのこと……好きだよ』
いきなりそんなことを言われて、俺は顔が真っ赤になった。付き合っているんだから、今更、好きとか言われたってなんとも思わないと思っていたんだけど……
「(……不意打ちすぎる)」
俺が顔を赤くしていると、みのりは嬉しそうに微笑んでくれた。その笑顔がまた可愛いくて……もうどうしようもないくらいドキドキした。あぁ、本当に可愛いなぁ。
「……俺も、みのりのこと……大好きだよ」
俺がそう言うと、みのりの顔は更に可愛くなった。みのりといるだけで幸せな気持ちになれるんだよなぁ。
人から見たらバカップルに見えるかもしれない。それでも良かった。だって、好きな人とずっと一緒にいられる。それだけで幸せだった。
『…家についたね』
みのりがそう言う。家の前に着いたみたいだ。俺は頷きながらみのりを案内した。
玄関の鍵を開けると、俺はドアノブに手をかけた――。
△▼△▼
家には誰もいない。両親は仕事だし、姉ちゃんはみのりの家だし。つまり、今俺とみのりは二人っきりということだ。
玄関に入って靴を脱ぎ、そして俺の部屋に入り、電気をつけながら、
「……とりあえず座ろうか」
と、みのりに声をかける。みのりはコクンとうなずいた後、ベッドの上にちょこんと腰掛けた。………ベットの上に座るとか……もう誘っているようなものだと思うんだけど……。
「(いや何期待してるんだ俺は!)」
ブンブンと首を横に振った後、俺も隣に座る。すると、みのりがギュッと抱きついてきた。みのりの柔らかい身体を感じて、ドキッとする。
「み、みのり……?」
俺が声をかけると、みのりは頬を染めながら俺を見上げてきてくる。
潤んだ瞳に見つめられて、心臓が大きく跳ね上がった気がした。
俺だって男。理性はあるし、自制心もあるけど……でも、やっぱり、好きな女の子と一緒にいて我慢できるほど大人じゃないわけで。
「…す、好きっ、です……」
みのりは小さな声でそう呟いた。その声にドキッとする。
みのりは俺の顔を見ると、ゆっくりと目を閉じた。
「……キス、したい」
みのりがそう言った。おねだりしてくるなんて珍しいな……でも、めちゃくちゃ可愛い。俺はみのりの頬に手を当てた。柔らかい……すべすべしてる。
俺はゆっくりと顔を近づけた。そして、唇を重ねる。
何回かしたキス。まだ片手間くらいしかしていないけど、それでも幸せだった。
でも今日は……もっと先に進みたい。そう思った俺は、みのりの口の中に舌を入れ込んだ。すると、みのりの身体がピクッと跳ねた。
「ん、ふ……っ」
みのりが色っぽい吐息をもらす。もっと聞きたい。もっと乱れさせたい。そんな思いが溢れてくる。俺はみのりの口に自分の舌を入れたり、歯列をなぞったりした。そのたびにみのりはビクビクと身体を震えさせ、俺にしがみつくようにして耐えている。
みのりの口の中はとても熱くて……柔らかくて、甘い味がする。ずっとこうしていたいくらい心地いい。みのりも苦しいのか、時折口を離そうとするけど、俺はそれを許すまいと更に深くまで侵入させた。
「んぅ……っ!?」
みのりは驚いたのか目を見開く。だけど、それでもやめなかった。もっと……もっと欲しいんだ。
「ふぅ、んぁ……っ」
みのりの口から漏れる甘い声が脳に響く。頭がクラクラしてきた。俺は夢中でキスをする。
「好きだ……みのり」
ようやく口を離して、俺がそう言うと、みのりは嬉しそうに微笑んでくれた。その笑顔に胸が高鳴る。俺はみのりを押し倒した。
「洋介くん…」
みのりの甘い声にクラクラしてくる。みのりは潤んだ瞳で俺を見つめてきた。
あぁ、もうダメだ。我慢の限界だ。俺はみのりを抱きしめた。柔らかいし、いい匂いがするし……ずっとこうしてたいなって思う。
「……いつか……結婚しようね」
俺がそう言うと、みのりは嬉しそうに微笑みながら俺の胸に顔を埋めた。もう、俺の心臓が破裂しそうなくらいバクバク言ってる。
「うん……」
みのりがそう言って俺の背中に手を回した。俺はみのりの耳元で囁いた。
――愛してる、と。
……ここまで来るのに長い道のりだったと思う。みのりと付き合えるなんて思ってなかったし、付き合うことになってからも色んな困難があった。
でも、今はこうして幸せだ。みのりと付き合えて良かったって思うし……これからもずっと一緒にいたいって思ってる。
これから先も、たくさん喧嘩することもあるだろうけど、それ以上に仲良くしていこうと思う。俺たちの未来はきっと明るいはずだから――。
(完)
「……」
そして俺たちは、家に帰っていた。隣にいるのは姉ちゃん……ではなくみのりだ。何故こんなことになったのかというと……。
『みのりちゃんは私たちの家に泊まりな!私が許可する!』
そう言って、姉ちゃんが勝手に決めたからだ。まぁ、雄太さんは反対してたけど……石崎さんと姉ちゃんによって黙らせられていた。雄太さんも、石崎さんと姉ちゃんには弱いみたい。
『優子さん、正弘くんに夢中らしいんです』
ニコニコしながら言うみのりに俺はギョッとした。姉ちゃん、萩原に夢中なの!?あいつが俺の義兄になるのかもしれないってこと……?うーん……なんか複雑だわ。
「そ、そうなんだ……」
俺は苦笑いを浮かべているのに対し、みのりはクスクス笑いながら、こう言った。
『あのね、洋介くん。…私、洋介くんのこと……好きだよ』
いきなりそんなことを言われて、俺は顔が真っ赤になった。付き合っているんだから、今更、好きとか言われたってなんとも思わないと思っていたんだけど……
「(……不意打ちすぎる)」
俺が顔を赤くしていると、みのりは嬉しそうに微笑んでくれた。その笑顔がまた可愛いくて……もうどうしようもないくらいドキドキした。あぁ、本当に可愛いなぁ。
「……俺も、みのりのこと……大好きだよ」
俺がそう言うと、みのりの顔は更に可愛くなった。みのりといるだけで幸せな気持ちになれるんだよなぁ。
人から見たらバカップルに見えるかもしれない。それでも良かった。だって、好きな人とずっと一緒にいられる。それだけで幸せだった。
『…家についたね』
みのりがそう言う。家の前に着いたみたいだ。俺は頷きながらみのりを案内した。
玄関の鍵を開けると、俺はドアノブに手をかけた――。
△▼△▼
家には誰もいない。両親は仕事だし、姉ちゃんはみのりの家だし。つまり、今俺とみのりは二人っきりということだ。
玄関に入って靴を脱ぎ、そして俺の部屋に入り、電気をつけながら、
「……とりあえず座ろうか」
と、みのりに声をかける。みのりはコクンとうなずいた後、ベッドの上にちょこんと腰掛けた。………ベットの上に座るとか……もう誘っているようなものだと思うんだけど……。
「(いや何期待してるんだ俺は!)」
ブンブンと首を横に振った後、俺も隣に座る。すると、みのりがギュッと抱きついてきた。みのりの柔らかい身体を感じて、ドキッとする。
「み、みのり……?」
俺が声をかけると、みのりは頬を染めながら俺を見上げてきてくる。
潤んだ瞳に見つめられて、心臓が大きく跳ね上がった気がした。
俺だって男。理性はあるし、自制心もあるけど……でも、やっぱり、好きな女の子と一緒にいて我慢できるほど大人じゃないわけで。
「…す、好きっ、です……」
みのりは小さな声でそう呟いた。その声にドキッとする。
みのりは俺の顔を見ると、ゆっくりと目を閉じた。
「……キス、したい」
みのりがそう言った。おねだりしてくるなんて珍しいな……でも、めちゃくちゃ可愛い。俺はみのりの頬に手を当てた。柔らかい……すべすべしてる。
俺はゆっくりと顔を近づけた。そして、唇を重ねる。
何回かしたキス。まだ片手間くらいしかしていないけど、それでも幸せだった。
でも今日は……もっと先に進みたい。そう思った俺は、みのりの口の中に舌を入れ込んだ。すると、みのりの身体がピクッと跳ねた。
「ん、ふ……っ」
みのりが色っぽい吐息をもらす。もっと聞きたい。もっと乱れさせたい。そんな思いが溢れてくる。俺はみのりの口に自分の舌を入れたり、歯列をなぞったりした。そのたびにみのりはビクビクと身体を震えさせ、俺にしがみつくようにして耐えている。
みのりの口の中はとても熱くて……柔らかくて、甘い味がする。ずっとこうしていたいくらい心地いい。みのりも苦しいのか、時折口を離そうとするけど、俺はそれを許すまいと更に深くまで侵入させた。
「んぅ……っ!?」
みのりは驚いたのか目を見開く。だけど、それでもやめなかった。もっと……もっと欲しいんだ。
「ふぅ、んぁ……っ」
みのりの口から漏れる甘い声が脳に響く。頭がクラクラしてきた。俺は夢中でキスをする。
「好きだ……みのり」
ようやく口を離して、俺がそう言うと、みのりは嬉しそうに微笑んでくれた。その笑顔に胸が高鳴る。俺はみのりを押し倒した。
「洋介くん…」
みのりの甘い声にクラクラしてくる。みのりは潤んだ瞳で俺を見つめてきた。
あぁ、もうダメだ。我慢の限界だ。俺はみのりを抱きしめた。柔らかいし、いい匂いがするし……ずっとこうしてたいなって思う。
「……いつか……結婚しようね」
俺がそう言うと、みのりは嬉しそうに微笑みながら俺の胸に顔を埋めた。もう、俺の心臓が破裂しそうなくらいバクバク言ってる。
「うん……」
みのりがそう言って俺の背中に手を回した。俺はみのりの耳元で囁いた。
――愛してる、と。
……ここまで来るのに長い道のりだったと思う。みのりと付き合えるなんて思ってなかったし、付き合うことになってからも色んな困難があった。
でも、今はこうして幸せだ。みのりと付き合えて良かったって思うし……これからもずっと一緒にいたいって思ってる。
これから先も、たくさん喧嘩することもあるだろうけど、それ以上に仲良くしていこうと思う。俺たちの未来はきっと明るいはずだから――。
(完)
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