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番外編
『中村洋介のこと 〜中編〜』
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ケーキにたくさんのプレゼントが、テーブルの上に並べられていた。
「これが俺らのプレゼントだ」
そう言って祐介は何故か得意げに胸を張っている。その様子に思わず笑みをこぼしながら、俺はお礼を言うと早速プレゼントを手に取った。
まず手に取ったのは綺麗なラッピングが施された箱だった。誰だろうかと思いながらリボンを解くと、中から出てきたのは黒い手袋だ。これは……
「これは俺と瞳のプレゼントだ。これから寒くなるし丁度いいと思ってさ」
「……祐介がこんな洒落た物を選ぶわけねーから松岡が選んだのか?」
「……そうね。祐介、センスが悪すぎて選ぶの大変だったわよ」
案の定、この手袋は松岡が選んだようだ。センスが良いし、サイズもピッタリだし。
「うん、松岡……ありがとう」
そう言って微笑みかけると、松岡は照れくさそうな表情を浮かべて顔を背けながら、
「べっ別にアンタの為じゃないんだからね!祐介がめちゃくちゃ悩んで選んでいたから仕方なく……」
と言い訳を始めた。相変わらず素直じゃない奴だなぁと思う。ツンデレのテンプレみたいなこと言ってるし。そんな彼女の言葉を聞いて、俺は苦笑いするしかなかった。
周りも微笑ましい光景に微笑んでいるし。そして次のプレゼントに手を伸ばす。次は小さめで可愛らしい袋に入ったものだった。これまた誰か分からず、とりあえず開けてみると……。
「腕時計?いいのか?これ高いやつじゃ……」
中には腕時計が入っていた。腕時計なんてよく分からないが腕時計って大体高いよな?
「それ私からのプレゼントだよ~。私の誕プレはこれ以上のもの要求するから覚悟しておきなさいよね!」
羽沢かよ……この腕時計……なら、この腕時計安い可能性が……
「もう。優香ったらその腕時計100均でしょ?」
「もう!!言っちゃダメだって!!」
100均の腕時計かよ……でもまあ羽沢らしいと言えばらしいかな。プレゼントを貰うだけありがたいことだし。だから俺は――
「うん。ありがとうなー。羽沢」
お礼を言いながらまたプレゼントを開ける。今度は小さい袋。何が入っているのだろうかと思っていると……。
取り出してみると思ったより小さくて軽い。一体何だろうと思いつつ、中身を確認するとそれは、
「トランプか。これは……」
「俺らからのプレゼントだぜ!これで皆で遊べるだろ?」
バンッ!と扉を開けながら入ってきたのは――。
「あ、あれ?悟につとむに友照…お前らもいたのか?」
びっくりした。まさかここにあいつらが入ってくるとは思わなかったからだ。俺の言葉に三人は笑いながら、
「いや~、実は驚かせようと思って隠れていたんだよ」
「そうそう!それで開けるタイミングを無くしてさー……だから今開けたって感じ」
えへへ、と三人が笑う。どうやらサプライズを仕掛けていたらしい。思わず笑ってしまう。
「お前らもプレゼントありがとう。凄く嬉しいよ」
「しかも、このトランプ、俺らの手作りなんだぜ?頑張ったんだよー」
「マジか。それは凄いな……」
三人の手作りか。確かによく見たら手作り感満載だな。まあ、こういうのは気持ちが大事だし。
「……うん。ありがとうな。つとむに悟に友照」
改めてお礼を言うと、三人は嬉しそうに微笑んだのと同時に、次のプレゼントを開ける。今度のプレゼントも小さい袋に入っていた。
一体何が入っているのだろうか。
そして袋を破いて中身を取り出すと……そこには……
「スノードーム……?」
中にはガラスでできたドーム型の容器の中に綺麗な雪の結晶が浮かんでいる。とても美しくて綺麗だった。
『それ私が作ったんです!』
「……え?みのりが作ったのか?これ」
スノードームって手作りでできるものなのか?凄いな……!俺はみのりの頭を優しく撫でながら、 お礼の言葉を言う。するとみのりは嬉しそうに微笑んでいた。
「お前らー。いちゃつくなー」
「独り身にはきついわぁ」
そんな声を聴いて周りを見ると、ニヤけ顔の三人。俺は恥ずかしくなり、皆から顔を背けた――。
「うるさいな!いちゃついてねぇよ!」
俺が声を上げると皆笑い出す。くそぉ……完全に遊ばれた。その後も三人が作ったトランプで遊んだり、ゲームで楽しんだ――。
「これが俺らのプレゼントだ」
そう言って祐介は何故か得意げに胸を張っている。その様子に思わず笑みをこぼしながら、俺はお礼を言うと早速プレゼントを手に取った。
まず手に取ったのは綺麗なラッピングが施された箱だった。誰だろうかと思いながらリボンを解くと、中から出てきたのは黒い手袋だ。これは……
「これは俺と瞳のプレゼントだ。これから寒くなるし丁度いいと思ってさ」
「……祐介がこんな洒落た物を選ぶわけねーから松岡が選んだのか?」
「……そうね。祐介、センスが悪すぎて選ぶの大変だったわよ」
案の定、この手袋は松岡が選んだようだ。センスが良いし、サイズもピッタリだし。
「うん、松岡……ありがとう」
そう言って微笑みかけると、松岡は照れくさそうな表情を浮かべて顔を背けながら、
「べっ別にアンタの為じゃないんだからね!祐介がめちゃくちゃ悩んで選んでいたから仕方なく……」
と言い訳を始めた。相変わらず素直じゃない奴だなぁと思う。ツンデレのテンプレみたいなこと言ってるし。そんな彼女の言葉を聞いて、俺は苦笑いするしかなかった。
周りも微笑ましい光景に微笑んでいるし。そして次のプレゼントに手を伸ばす。次は小さめで可愛らしい袋に入ったものだった。これまた誰か分からず、とりあえず開けてみると……。
「腕時計?いいのか?これ高いやつじゃ……」
中には腕時計が入っていた。腕時計なんてよく分からないが腕時計って大体高いよな?
「それ私からのプレゼントだよ~。私の誕プレはこれ以上のもの要求するから覚悟しておきなさいよね!」
羽沢かよ……この腕時計……なら、この腕時計安い可能性が……
「もう。優香ったらその腕時計100均でしょ?」
「もう!!言っちゃダメだって!!」
100均の腕時計かよ……でもまあ羽沢らしいと言えばらしいかな。プレゼントを貰うだけありがたいことだし。だから俺は――
「うん。ありがとうなー。羽沢」
お礼を言いながらまたプレゼントを開ける。今度は小さい袋。何が入っているのだろうかと思っていると……。
取り出してみると思ったより小さくて軽い。一体何だろうと思いつつ、中身を確認するとそれは、
「トランプか。これは……」
「俺らからのプレゼントだぜ!これで皆で遊べるだろ?」
バンッ!と扉を開けながら入ってきたのは――。
「あ、あれ?悟につとむに友照…お前らもいたのか?」
びっくりした。まさかここにあいつらが入ってくるとは思わなかったからだ。俺の言葉に三人は笑いながら、
「いや~、実は驚かせようと思って隠れていたんだよ」
「そうそう!それで開けるタイミングを無くしてさー……だから今開けたって感じ」
えへへ、と三人が笑う。どうやらサプライズを仕掛けていたらしい。思わず笑ってしまう。
「お前らもプレゼントありがとう。凄く嬉しいよ」
「しかも、このトランプ、俺らの手作りなんだぜ?頑張ったんだよー」
「マジか。それは凄いな……」
三人の手作りか。確かによく見たら手作り感満載だな。まあ、こういうのは気持ちが大事だし。
「……うん。ありがとうな。つとむに悟に友照」
改めてお礼を言うと、三人は嬉しそうに微笑んだのと同時に、次のプレゼントを開ける。今度のプレゼントも小さい袋に入っていた。
一体何が入っているのだろうか。
そして袋を破いて中身を取り出すと……そこには……
「スノードーム……?」
中にはガラスでできたドーム型の容器の中に綺麗な雪の結晶が浮かんでいる。とても美しくて綺麗だった。
『それ私が作ったんです!』
「……え?みのりが作ったのか?これ」
スノードームって手作りでできるものなのか?凄いな……!俺はみのりの頭を優しく撫でながら、 お礼の言葉を言う。するとみのりは嬉しそうに微笑んでいた。
「お前らー。いちゃつくなー」
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「うるさいな!いちゃついてねぇよ!」
俺が声を上げると皆笑い出す。くそぉ……完全に遊ばれた。その後も三人が作ったトランプで遊んだり、ゲームで楽しんだ――。
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