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〜青春編〜
十四話 『助け』
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結果を言うと、試合は2VS2の引き分けだった。俺がその後ゴールを決めたのはいいが、その後敵チームの一人にシュートを決められてしまったのだ。
しかも、二点もだ。六分で二点連続を取ったのだ。後一点でハットトリックというところまでいったのだ。めちゃくちゃ危なかった。
流石、強豪と言われるだけあって強かった。……シュートはあいつだけ打っていたけど仲間の守りが堅かったからな……。
そして今はPK戦をする選手を決めている最中である。PK戦は誰が出てもおかしくない。だってみんな強いんだもん。
でも、あいつは出る。あいつが敵チームの主戦力なわけだし。
だから――、
「なぁ、中村。お前が最後の5本目決めろよ」
そう思っていると、部長が俺にそう言った。そのことに俺が一番驚いた。だって失点を取ったじゃないか。あそこで気を取られずに、シュートしていたら3vs2で試合には勝てたかもしれない。
つまり、俺は戦犯なのだ。なのになんでそんなことを言ってくれるのかわからなかった。
「何言ってるんだ。お前は一点取ったじゃねぇーか。それで十分だよ。それに、お前なら絶対に外さないって信じてるしな!」
そう言って部長はニカッと笑った。……本当にずるいな……この人は……。こんなこと言われたらやるしかないじゃないか……!
「はい……わかりました」
俺がそう言ったのと同時に、みんなの顔が心なしか笑っていように見えた。
△▼△▼
「何何?お前出るの?」
PK戦が始まる前にあいつがまた絡んできた。何で、こんな態度が出来るの?俺をいじめて笑いものにしていたくせに。何でまだ絡むんだよ……
「お前を最後にするとかお前の所の部長頭おかしいんじゃねーのか?」
そう言いながら俺の肩に腕を乗せてきた。あのときのトラウマが蘇ってくる。やめてくれ……もう嫌なんだ……
その時だった。
「あれーー?お前って……」
不意に声が聞こえた。その方向を見るとそこには――
「げっ……宮沢……ここ観客席じゃねーぞ。ここ選手しか入れないところだぞ」
祐介がいた。なぜここにいるんだろうか。珍しく、こいつが正論言っているし。確かにここは選手以外の立ち入り禁止区域だ。
「いやー、マネージャーさんに頼まれたんですよ。ここに生意気な奴がいるから駆除してくれないかって言われましてね~」
駆除……するのは間違いなく、こいつのことだろう。でも、石崎さんが祐介に頼んだ?どういうことだ? そんなことを考えていた時だった。
「いやー、選手の奴を煽っておちょくるのっなんて、変わらないよな。お前」
ニッコリと微笑むように祐介はそう言ってきた。……笑っているのに目が笑ってないように見えるのは何でだろう……?
「お前も変わってないな!そうやって偽善者ぶるところとかよぉ!!」
「え~~?酷いなぁ。俺はただ、本当の事を言っただけなのにさ」
ニッコリと微笑むように言う祐介に対してあいつは舌打ちをした後、
「けっ。やっぱり変わってないよな。あいつの背中に隠れてないと何も出来ない弱虫くんだからなぁ!」
そう言ってあいつは去っていく。それを見ていた周りの部員たちはあいつの方に向かって――
「あいつ、味方チームに相手にしてもらえなくてまた敵チームにちょかいかけてるぜ…」
「あいつ性格クソ悪いしな……プレー以外は尊敬できないわ」
敵チームのギスギスした雰囲気が伝わってくる。PK戦が始まる前から険悪な雰囲気になっていた。それはそうとして――、
「……ところで何でお前はここに来たんだ?先の話嘘だろ?」
俺がそう言うと、祐介はニヤリと笑みを浮かべながらこう言った。
「まぁな。石崎が俺に頼むわけねーじゃん。石崎なら自分から割って入るだろうし。俺がここにいるのは笹川に頼まれたからだ。お前を助けて欲しいってな」
………笹川さんが…!? それを聞いて少し驚いたけど、同時に何故か複雑な心境を覚えた。
しかも、二点もだ。六分で二点連続を取ったのだ。後一点でハットトリックというところまでいったのだ。めちゃくちゃ危なかった。
流石、強豪と言われるだけあって強かった。……シュートはあいつだけ打っていたけど仲間の守りが堅かったからな……。
そして今はPK戦をする選手を決めている最中である。PK戦は誰が出てもおかしくない。だってみんな強いんだもん。
でも、あいつは出る。あいつが敵チームの主戦力なわけだし。
だから――、
「なぁ、中村。お前が最後の5本目決めろよ」
そう思っていると、部長が俺にそう言った。そのことに俺が一番驚いた。だって失点を取ったじゃないか。あそこで気を取られずに、シュートしていたら3vs2で試合には勝てたかもしれない。
つまり、俺は戦犯なのだ。なのになんでそんなことを言ってくれるのかわからなかった。
「何言ってるんだ。お前は一点取ったじゃねぇーか。それで十分だよ。それに、お前なら絶対に外さないって信じてるしな!」
そう言って部長はニカッと笑った。……本当にずるいな……この人は……。こんなこと言われたらやるしかないじゃないか……!
「はい……わかりました」
俺がそう言ったのと同時に、みんなの顔が心なしか笑っていように見えた。
△▼△▼
「何何?お前出るの?」
PK戦が始まる前にあいつがまた絡んできた。何で、こんな態度が出来るの?俺をいじめて笑いものにしていたくせに。何でまだ絡むんだよ……
「お前を最後にするとかお前の所の部長頭おかしいんじゃねーのか?」
そう言いながら俺の肩に腕を乗せてきた。あのときのトラウマが蘇ってくる。やめてくれ……もう嫌なんだ……
その時だった。
「あれーー?お前って……」
不意に声が聞こえた。その方向を見るとそこには――
「げっ……宮沢……ここ観客席じゃねーぞ。ここ選手しか入れないところだぞ」
祐介がいた。なぜここにいるんだろうか。珍しく、こいつが正論言っているし。確かにここは選手以外の立ち入り禁止区域だ。
「いやー、マネージャーさんに頼まれたんですよ。ここに生意気な奴がいるから駆除してくれないかって言われましてね~」
駆除……するのは間違いなく、こいつのことだろう。でも、石崎さんが祐介に頼んだ?どういうことだ? そんなことを考えていた時だった。
「いやー、選手の奴を煽っておちょくるのっなんて、変わらないよな。お前」
ニッコリと微笑むように祐介はそう言ってきた。……笑っているのに目が笑ってないように見えるのは何でだろう……?
「お前も変わってないな!そうやって偽善者ぶるところとかよぉ!!」
「え~~?酷いなぁ。俺はただ、本当の事を言っただけなのにさ」
ニッコリと微笑むように言う祐介に対してあいつは舌打ちをした後、
「けっ。やっぱり変わってないよな。あいつの背中に隠れてないと何も出来ない弱虫くんだからなぁ!」
そう言ってあいつは去っていく。それを見ていた周りの部員たちはあいつの方に向かって――
「あいつ、味方チームに相手にしてもらえなくてまた敵チームにちょかいかけてるぜ…」
「あいつ性格クソ悪いしな……プレー以外は尊敬できないわ」
敵チームのギスギスした雰囲気が伝わってくる。PK戦が始まる前から険悪な雰囲気になっていた。それはそうとして――、
「……ところで何でお前はここに来たんだ?先の話嘘だろ?」
俺がそう言うと、祐介はニヤリと笑みを浮かべながらこう言った。
「まぁな。石崎が俺に頼むわけねーじゃん。石崎なら自分から割って入るだろうし。俺がここにいるのは笹川に頼まれたからだ。お前を助けて欲しいってな」
………笹川さんが…!? それを聞いて少し驚いたけど、同時に何故か複雑な心境を覚えた。
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