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九話 『美少女と付き合えるとか最高ー!(脳死)』
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俺の中学生活は苦難の連続だった。とゆうか地獄だった。
別にいじめとかもないし、学校自体が嫌いだったわけでもなかった。
しかし、めっちゃくちゃ視線が痛い。痛いってもんじゃない、刺さるような痛さだ。特に女子からの視線が……原因は三嶋さんだ。
三嶋さんの俺に対する態度は恋人にするような接し方で、それをみた女子達は俺に『あいつ、調子乗ってる』なんて思っているに違いない。
それにクラスの男子からの俺への視線も、これまた痛い。
それもこれも、三嶋さんが俺のことを『恋人』と言っているからである。三嶋さん、本当にやめて!俺の精神までやられちゃうよ!
「三嶋さん、俺と君は付き合っていないんだから、そんな恋人面するのはやめようよ」
「香澄よ」
「三嶋さん?」
「香澄よ、名前で呼んで」
……強制なのね。三嶋さん、あなた結構グイグイくるタイプなんですね。俺、ビックリよ。
てか名前で呼んだら、またクラスから殺気を向けられているような気がするんですけど!女子達の殺気と男子達の視線にやられちゃうんですけど!
怖いんですけど!もうやだよ、もう教室に戻りたくないよ!三嶋さんのせいで俺まで変人扱いされちゃってるし、女子達は俺の事を殺意満々で見てるし。
誰か助けてください……
俺の願い虚しく、時間は経っていくばかりだ。
「貴方は逃げられないの。この私から……」
トンッと、三嶋さんは俺の唇を指で押さえた。
そして、三嶋さんは俺に顔を近づけ耳元で囁いた。その囁きに……背筋が凍り、冷や汗が止まらなくなった。まるで蛇に睨まれた蛙のように、俺は動く事が出来なかった。
「逃がさないわ、絶対……ね?」
そんな俺に三嶋さんはニコッと微笑みかけた。三嶋香澄は天使なんかじゃない。魔王だ。魔王のような女だった。人生二周目とかいう彼女は、俺の事を離さないように縛りつけようとしている。
俺はその微笑みに恐怖を覚え、三嶋さんから目を逸らした。
「ふふ、可愛いわね」
ニッコリと微笑む彼女は俺が今まで見てきた中でとびっきりの笑顔だった。その笑顔に俺以外の男子連中は胸を打たれたのか三嶋さんに見惚れていたが、俺からすれば恐怖しか感じない笑顔だった。
三嶋さん、あなたは悪魔ですか……?
「ねえ。天野くん。私、貴方のこと逃がさないから。逃げた瞬間、私は貴方を……ふふ、楽しみね。これからが」
逃げた瞬間……って、それ絶対ヤンデレ化じゃないですか! 勘弁してくださいよ!三嶋さん!俺はこの女から逃げられない。何処までが本当で何処までが嘘なのかも分からない。
ただ一つ、分かることは……
「(この三嶋香澄は俺のことを絶対に離さないだろう……)」
この女からは逃げられないだろうと言うことだけだ。これからどんなことが待っているのか、考えるだけで胃が痛くなるが、
「(もう……何かいいか)」
美少女が彼女だけでいいじゃないか。人生が二週目とか変なことを言っているし、ちょっとよくわからない発言もたまにするが三嶋香澄という人間は俺を愛してくれている。
それだけで十分じゃないか?これ以上を望んだらバチが当たると思う。きっとそうだ……!
「(そうだよな?)」
自問自答し、俺は三嶋さんの方を向いた。
三嶋さんは俺の視線に気づきニコッと微笑んだ。……美しい筈なのに、何故だか禍々しく感じた。
俺は三嶋さんとの今後を不安に思いながら、三嶋さんの手を取ると三嶋さんは微笑む。その顔は天使のような、悪魔のような顔だった。
「もう逃がさないからね?」
この言葉に信憑性はなく、これから何が起こるのか、俺は不安になりながらも三嶋さんの手を離さないようにギュッと握った。
別にいじめとかもないし、学校自体が嫌いだったわけでもなかった。
しかし、めっちゃくちゃ視線が痛い。痛いってもんじゃない、刺さるような痛さだ。特に女子からの視線が……原因は三嶋さんだ。
三嶋さんの俺に対する態度は恋人にするような接し方で、それをみた女子達は俺に『あいつ、調子乗ってる』なんて思っているに違いない。
それにクラスの男子からの俺への視線も、これまた痛い。
それもこれも、三嶋さんが俺のことを『恋人』と言っているからである。三嶋さん、本当にやめて!俺の精神までやられちゃうよ!
「三嶋さん、俺と君は付き合っていないんだから、そんな恋人面するのはやめようよ」
「香澄よ」
「三嶋さん?」
「香澄よ、名前で呼んで」
……強制なのね。三嶋さん、あなた結構グイグイくるタイプなんですね。俺、ビックリよ。
てか名前で呼んだら、またクラスから殺気を向けられているような気がするんですけど!女子達の殺気と男子達の視線にやられちゃうんですけど!
怖いんですけど!もうやだよ、もう教室に戻りたくないよ!三嶋さんのせいで俺まで変人扱いされちゃってるし、女子達は俺の事を殺意満々で見てるし。
誰か助けてください……
俺の願い虚しく、時間は経っていくばかりだ。
「貴方は逃げられないの。この私から……」
トンッと、三嶋さんは俺の唇を指で押さえた。
そして、三嶋さんは俺に顔を近づけ耳元で囁いた。その囁きに……背筋が凍り、冷や汗が止まらなくなった。まるで蛇に睨まれた蛙のように、俺は動く事が出来なかった。
「逃がさないわ、絶対……ね?」
そんな俺に三嶋さんはニコッと微笑みかけた。三嶋香澄は天使なんかじゃない。魔王だ。魔王のような女だった。人生二周目とかいう彼女は、俺の事を離さないように縛りつけようとしている。
俺はその微笑みに恐怖を覚え、三嶋さんから目を逸らした。
「ふふ、可愛いわね」
ニッコリと微笑む彼女は俺が今まで見てきた中でとびっきりの笑顔だった。その笑顔に俺以外の男子連中は胸を打たれたのか三嶋さんに見惚れていたが、俺からすれば恐怖しか感じない笑顔だった。
三嶋さん、あなたは悪魔ですか……?
「ねえ。天野くん。私、貴方のこと逃がさないから。逃げた瞬間、私は貴方を……ふふ、楽しみね。これからが」
逃げた瞬間……って、それ絶対ヤンデレ化じゃないですか! 勘弁してくださいよ!三嶋さん!俺はこの女から逃げられない。何処までが本当で何処までが嘘なのかも分からない。
ただ一つ、分かることは……
「(この三嶋香澄は俺のことを絶対に離さないだろう……)」
この女からは逃げられないだろうと言うことだけだ。これからどんなことが待っているのか、考えるだけで胃が痛くなるが、
「(もう……何かいいか)」
美少女が彼女だけでいいじゃないか。人生が二週目とか変なことを言っているし、ちょっとよくわからない発言もたまにするが三嶋香澄という人間は俺を愛してくれている。
それだけで十分じゃないか?これ以上を望んだらバチが当たると思う。きっとそうだ……!
「(そうだよな?)」
自問自答し、俺は三嶋さんの方を向いた。
三嶋さんは俺の視線に気づきニコッと微笑んだ。……美しい筈なのに、何故だか禍々しく感じた。
俺は三嶋さんとの今後を不安に思いながら、三嶋さんの手を取ると三嶋さんは微笑む。その顔は天使のような、悪魔のような顔だった。
「もう逃がさないからね?」
この言葉に信憑性はなく、これから何が起こるのか、俺は不安になりながらも三嶋さんの手を離さないようにギュッと握った。
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