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二章 〜思惑〜
十六話 『前言撤回』
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「……で?何でこうなったんだ?」
レオン様が呆れたような声でそう言う。しかし、昨日リリィに監視する、と言われたことを思い出して私はため息をつくしかなかった。
「だって……!リリィがストーカーしているんですもの!つまりこれはストーカーのストーカーですわ!放っておいたら、アシュリーに迷惑をかけるかもしれないでしょう?」
「いや……ストーカーのストーカーもやばいと思うがお前のメイドだろう?命令してやめさせろよ」
最もな意見ですけれど、それは無理だ。
だってあの子!私の命令なんて聞かないもの! 私がそう言うと、レオン様は呆れた顔で私を見た。
「お前のほうが上なんだよな?舐められてねぇか?」
その言葉に、私は思わず固まった。
いや……確かに最近ちょっと扱い雑になってきたような気はしていたけど……!舐められている、と言われても否定できねーわ!
「う、うぅ……。やっぱり私って舐められてます?」
「舐められていると思うけど。……とゆうか、何で俺も巻き込まれてるの?俺、関係ないよね?」
「愛しのローラのためですわ!レオン様だって、ローラが他の奴に取られそうになるのは嫌でしょう!?」
レオン様もローラのこと大好きだし、協力してくれるはず! 私がそう言うと、レオン様は表情を固めていた。やっぱり協力してくれないのかな、と不安になってきた時……レオン様が口を開いた。
「…………わかった、協力する」
レオン様はそう言うと、私の腕を掴んだ。そしてそのまま歩き始めるので私は慌ててそれについて行くのだった。
「(やっぱりローラのこと、好きなんだなぁ……)」
レオン様は、ローラのことが好きなのだ。本人は隠しているつもりらしいがバレバレである。そのせいでローラがやっかみを受けていたこともあったくらいだ。
「(まぁ、ローラが鈍感すぎてその好意に気づいてないんだけどね……)」
私は心の中でそう呟きながら、レオン様を追いかけて行った。
△▼△▼
「で?あいつ、誰のことを尾行してるの?」
「アシュリーですわ」
「アシュリーって……アシュリー・ベルナールのことか?女なんだけど……」
戸惑った様子でそう言うレオン様。まぁ、先男って言ったからなー。でも、女なんだよなー……。
「ええ。女ですわ。でも、リリィは疑っているんですの」
「よく分からん……てゆうか、アシュリー・ベルナールが……ローラといい感じ?ってこと?」
レオン様がそう聞いてくるので、私は頷いた。すると、レオン様は頭を抱えた。
まぁ、頭を抱える気持ちは分かるけども。
そんなことを思っていると、
「ナタリー様にレオン様?何をなさっているのですか?」
ローラがいた。
やべぇー。これ、なんて説明しよう……。
私が悩んでいると、レオン様が口を開いた。
「いや。何かこいつのメイドの挙動が怪しいから結局監視することになったんだよ」
「す、ストーカーでは……?」
ローラは引きつった顔でそう言った。
すると、レオン様は淡々とこう言った。
「これに関しては、ストーカーじゃない。監視だ」
「監視……。あの、リリィさんは何を……!?」
ローラが焦ったようにそう聞いてくる。まぁ、気になるよねー。分かる分かる。私がどう説明しようか悩んでいると、
「………そうだな。昨日のことを撤回したいぐらいのやらかしだ」
「そ、そこまで言うんですか………?」
ローラが困惑したようにそう言う。私はその言葉に勢いよく頷く。
「ええ!そうですわね!昨日のことを撤回するぐらい、やらかしですわ!」
「そんなにですか……?」
ローラが困惑したようにそう言う。そんなローラにレオン様は淡々とこう告げた。
「そうだな……うん………」
なんて曖昧な返事をして、誤魔化すことしかできなかった。
レオン様が呆れたような声でそう言う。しかし、昨日リリィに監視する、と言われたことを思い出して私はため息をつくしかなかった。
「だって……!リリィがストーカーしているんですもの!つまりこれはストーカーのストーカーですわ!放っておいたら、アシュリーに迷惑をかけるかもしれないでしょう?」
「いや……ストーカーのストーカーもやばいと思うがお前のメイドだろう?命令してやめさせろよ」
最もな意見ですけれど、それは無理だ。
だってあの子!私の命令なんて聞かないもの! 私がそう言うと、レオン様は呆れた顔で私を見た。
「お前のほうが上なんだよな?舐められてねぇか?」
その言葉に、私は思わず固まった。
いや……確かに最近ちょっと扱い雑になってきたような気はしていたけど……!舐められている、と言われても否定できねーわ!
「う、うぅ……。やっぱり私って舐められてます?」
「舐められていると思うけど。……とゆうか、何で俺も巻き込まれてるの?俺、関係ないよね?」
「愛しのローラのためですわ!レオン様だって、ローラが他の奴に取られそうになるのは嫌でしょう!?」
レオン様もローラのこと大好きだし、協力してくれるはず! 私がそう言うと、レオン様は表情を固めていた。やっぱり協力してくれないのかな、と不安になってきた時……レオン様が口を開いた。
「…………わかった、協力する」
レオン様はそう言うと、私の腕を掴んだ。そしてそのまま歩き始めるので私は慌ててそれについて行くのだった。
「(やっぱりローラのこと、好きなんだなぁ……)」
レオン様は、ローラのことが好きなのだ。本人は隠しているつもりらしいがバレバレである。そのせいでローラがやっかみを受けていたこともあったくらいだ。
「(まぁ、ローラが鈍感すぎてその好意に気づいてないんだけどね……)」
私は心の中でそう呟きながら、レオン様を追いかけて行った。
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「で?あいつ、誰のことを尾行してるの?」
「アシュリーですわ」
「アシュリーって……アシュリー・ベルナールのことか?女なんだけど……」
戸惑った様子でそう言うレオン様。まぁ、先男って言ったからなー。でも、女なんだよなー……。
「ええ。女ですわ。でも、リリィは疑っているんですの」
「よく分からん……てゆうか、アシュリー・ベルナールが……ローラといい感じ?ってこと?」
レオン様がそう聞いてくるので、私は頷いた。すると、レオン様は頭を抱えた。
まぁ、頭を抱える気持ちは分かるけども。
そんなことを思っていると、
「ナタリー様にレオン様?何をなさっているのですか?」
ローラがいた。
やべぇー。これ、なんて説明しよう……。
私が悩んでいると、レオン様が口を開いた。
「いや。何かこいつのメイドの挙動が怪しいから結局監視することになったんだよ」
「す、ストーカーでは……?」
ローラは引きつった顔でそう言った。
すると、レオン様は淡々とこう言った。
「これに関しては、ストーカーじゃない。監視だ」
「監視……。あの、リリィさんは何を……!?」
ローラが焦ったようにそう聞いてくる。まぁ、気になるよねー。分かる分かる。私がどう説明しようか悩んでいると、
「………そうだな。昨日のことを撤回したいぐらいのやらかしだ」
「そ、そこまで言うんですか………?」
ローラが困惑したようにそう言う。私はその言葉に勢いよく頷く。
「ええ!そうですわね!昨日のことを撤回するぐらい、やらかしですわ!」
「そんなにですか……?」
ローラが困惑したようにそう言う。そんなローラにレオン様は淡々とこう告げた。
「そうだな……うん………」
なんて曖昧な返事をして、誤魔化すことしかできなかった。
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