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一章 〜始まり〜
七話 『暴走車のように』
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「それは災難でしたね」
馬車にカラカラと引かれながら、リリィは苦笑いをした。
「ええ。災難だったわ!しかもリリィもローラに詳しく詳細を話してなかったでしょ!ローラ凄く戸惑ってたわよ!」
「それは申し訳ございません。やはり、推しを目の前にすると平常心を保てなくて……ついナタリー様に全てを任せてしまいました。本当にすみませんでした」
深々と頭を下げる彼女に私はため息をつく。まぁ、反省しているみたいだしいいか。私も気持ちはわかるし。そんなことより、だ。
「あのレオン……もとい人の話を聞かないバカ王子どうにかならないのかしら……?」
これが漫画の中の世界ならあの反応は当然かもしれない。だって漫画の世界のナタリー・アルディは本気でローラを排除したがってたもん。でも、ここの世界は違う。まだレオン様にもローラにも何もしてないのに!
「まぁ、ローラ様が弁明してくださるのでは?それに、レオン様も惚れた女の話はちゃんと聞くと思います。多分」
多分って……本当に大丈夫かな?ローラが何かを言おうとしても誰かが遮ったりとかしないよね? 不安になりながらも、私は窓の外を見た。
「レオン様は私と同じで暴走癖がある方なので」
………自覚しているんだ。自分が暴走するタイプだと。
「……だから私はレオン様を責める気にはなれません。私も泣いているローラ様を見たらきっと同じようにしていたでしょうから……」
うーむ。そう言われると何も言えないな……。
「ですのでバカ王子と罵るには、明日の処分を聞いてからにしましょう」
……確かにそうだね。とりあえず今はレオン様――いや、ローラを信じよっか。
△▼△▼
――翌日、リリィと一緒に学園に行くと、
「おい。お前――ナタリー・アルディと言ったか?ちょっと来い!話がある!」
腕を組み偉そうな様子の彼は開口一番にこう言ったのだ。何でこの王子はこんなに偉そうなの?ローラの言い分は?
「あ、あの!レオン様!昨日も言いましたが!ナタリー様が悪いわけじゃなくってですね!」
私が呆れている中、慌てて止めに入るローラ……まじ天使。尊すぎる――!
「ローラ!この女に何を吹き込まれた!?」
うわー。人の話全く聞かないじゃん……!何なん?王子の中でそんなに私は信用出来ない枠なの?そんなに……?
「吹き込まれてなんていません!私の話を少しで良いですから聞いてください!」
必死に訴えかけるローラに、逆にこっちが申し訳なくなった。やっぱりここは私がフォローしないとダメだよね……!
「ローラ!君は騙されてるんだよ!その女の言葉は全て嘘なんだ!君を傷つけようと企んでるに違いない!現に、入学して早々、女子生徒に嫌がらせをしていただろう!?」
うっ……それは転生前の出来事であって、今の私はやってないんだけど……!でもここでそれを言えるわけがないし。確かに……その出来事を踏まえると、レオン様が私に対して良い印象を持っていないことは理解できるけどさー!
どうしようと思っていると、どごっと鈍い音が聞こえてきた。音の方を見ると、リリィが拳を握っていた。
「いい加減にしてください」
いつもより低い声を出して、リリィはレオン様を睨みつけた。ち、ちょっとリリィ!?壁を殴ったせいで手が赤くなってるよ!血が出てるし!!
「確かに以前のナタリー様は性格が悪く、嫌がらせをしていました。それは事実ですのでそれについては言い訳するつもりもありません。しかし、レオン様……ご存知ですか?」
「何がだ……?」
リリィが何を言うつもりなのか分からず、私はハラハラしながら二人の会話を見守る。
そして、彼女はゆっくりと口を開いた。
「ナタリー様が嫌がらせした相手は全員ローラ様のことを悪く言っている令嬢達なんですよ」
「……は?」
レオン様はポカーンとした表情を浮かべている。多分、話の展開について行けないのだろう。とかいう私もついて行けてないしね。え?どういうこと?
「つまり!ナタリー様は!ローラ様を守るためにわざと悪役になったのです!!」
リリィはビシッと私を指差した。
い、いや、いやいやいやいや!!!それは少し無理があるのでは!?
「……そんなのどうせ嘘に決まっている!大体、ナタリー・アルディがローラを庇うメリットがあるのか?」
「あります!」
断言した!スゲェ!相手が王族でも怯まない!流石だわ!そこに痺れるし、憧れるぅ!
「ナタリー様はローラ様と仲良くなりたいんです!だから、ローラ様に悪い噂が立たないようにと陰ながら守っていたのです!あるときには、ローラ様の悪口を言った令嬢を制圧したり、またある時は、ローラ様の持ち物を隠そうとした令嬢を注意したりと様々なことをしておられます!」
……まぁ、それは事実なんだけど!でも、言うのは無しじゃん。恥ずかしいじゃん。
「……そうなのか?ナタリー・アルディ」
戸惑いながらもレオン様は私に問いかけた。私は顔を真っ赤にさせながらコクリと小さくうなずく。これが嫌だから伏せてたのに!
「…………そうか。それはすまなかった」
レオン様は素直に謝ってくれたので逆にこっちが申し訳なくなる。だって、転生する前とはいえ、入学して早々に嫌がらせしたのは事実だし。こっちこそ、心の中とはいえ、バカ王子なんて言ってすみませんでした!
「いえ、こちらこそ、誤解を招くような発言をしてしまい申し訳ありませんでした。今後はこのようなことがないように気を付けますので……」
「ああ。俺も少し配慮が足りていなかった。これからは同じ学園に通う仲間としてよろしく頼む」
そういって手を差し伸べてくるレオン様。私は恐る恐る彼の手に自分の手を添えて、私達は和解した。
△▼△▼
「リリィ、ありがとうね」
「いいえ。これくらいは当然です。私は、ナタリー様の専属メイドなのですから」
リリィは笑顔で答えてくれた。本当に頼もしいメイドだわ………。
「正直、ナタリー様の本来の姿を見ていると、レオン殿下の気持ちもわからなくはないです。ローラ様はとても可愛らしい方ですから」
………ナタリーってそんなにヤバい嫌がらせしてたの? リリィの言葉を聞いて、私は顔を引きつらせた。あ、そういえば……
「リリィが言ってたことって本当なの?ほら、ナタリーが嫌がらせしてた令嬢がローラの悪口言ったこと」
私がそう聞くと、リリィは苦笑いをしながらこう言った。
「これは本当でございます。まぁ、先は美談みたいに語っていましたが、実際はナタリー様がそんなもん関係なしに言葉の暴力をふるっておりました」
淡々と語るリリィを見て、ナタリーのやばさが分かった気がする……とゆうか、その令嬢に謝らないと……そう思ったのだが、
「いいえ。謝らなくて結構です。むしろ、関わらない方が良いです。あの令嬢も性格が腐っていますし。ローラ様の悪口を平然と口にしてますし。そんな奴に謝るだなんて時間と労力の無駄です」
リリィって本当ローラ関連になると辛辣になるよね……!
「後、この後の展開は漫画とは全く異なる展開を見せると思います。ローラ様がナタリー様の味方をした時点で、レオン様はナタリー様に対して良い印象を持つでしょうし」
「そうね……」
確かに、この世界では私はレオン様のストーカーなんてしてないし、レオン様とローラは仲を深めていくだろうから、私の出る幕は無いだろう。
「少なくともナタリー様が破滅する未来は無くなった………と私は思ってます。まぁ、これに関してはただの憶測ですけどね」
淡々と話すリリィだけど、その表情からは安堵の色が見えた。本当リリィがあのとき身体張ってくれなきゃ……私、今頃どうなってたか分からないよ……
「リリィ……本当にありがとう……!」
「いいんですよ。これも仕事のうちです」
そう言いながらも、リリィの顔は嬉しさで満ち溢れていたのであった。
馬車にカラカラと引かれながら、リリィは苦笑いをした。
「ええ。災難だったわ!しかもリリィもローラに詳しく詳細を話してなかったでしょ!ローラ凄く戸惑ってたわよ!」
「それは申し訳ございません。やはり、推しを目の前にすると平常心を保てなくて……ついナタリー様に全てを任せてしまいました。本当にすみませんでした」
深々と頭を下げる彼女に私はため息をつく。まぁ、反省しているみたいだしいいか。私も気持ちはわかるし。そんなことより、だ。
「あのレオン……もとい人の話を聞かないバカ王子どうにかならないのかしら……?」
これが漫画の中の世界ならあの反応は当然かもしれない。だって漫画の世界のナタリー・アルディは本気でローラを排除したがってたもん。でも、ここの世界は違う。まだレオン様にもローラにも何もしてないのに!
「まぁ、ローラ様が弁明してくださるのでは?それに、レオン様も惚れた女の話はちゃんと聞くと思います。多分」
多分って……本当に大丈夫かな?ローラが何かを言おうとしても誰かが遮ったりとかしないよね? 不安になりながらも、私は窓の外を見た。
「レオン様は私と同じで暴走癖がある方なので」
………自覚しているんだ。自分が暴走するタイプだと。
「……だから私はレオン様を責める気にはなれません。私も泣いているローラ様を見たらきっと同じようにしていたでしょうから……」
うーむ。そう言われると何も言えないな……。
「ですのでバカ王子と罵るには、明日の処分を聞いてからにしましょう」
……確かにそうだね。とりあえず今はレオン様――いや、ローラを信じよっか。
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――翌日、リリィと一緒に学園に行くと、
「おい。お前――ナタリー・アルディと言ったか?ちょっと来い!話がある!」
腕を組み偉そうな様子の彼は開口一番にこう言ったのだ。何でこの王子はこんなに偉そうなの?ローラの言い分は?
「あ、あの!レオン様!昨日も言いましたが!ナタリー様が悪いわけじゃなくってですね!」
私が呆れている中、慌てて止めに入るローラ……まじ天使。尊すぎる――!
「ローラ!この女に何を吹き込まれた!?」
うわー。人の話全く聞かないじゃん……!何なん?王子の中でそんなに私は信用出来ない枠なの?そんなに……?
「吹き込まれてなんていません!私の話を少しで良いですから聞いてください!」
必死に訴えかけるローラに、逆にこっちが申し訳なくなった。やっぱりここは私がフォローしないとダメだよね……!
「ローラ!君は騙されてるんだよ!その女の言葉は全て嘘なんだ!君を傷つけようと企んでるに違いない!現に、入学して早々、女子生徒に嫌がらせをしていただろう!?」
うっ……それは転生前の出来事であって、今の私はやってないんだけど……!でもここでそれを言えるわけがないし。確かに……その出来事を踏まえると、レオン様が私に対して良い印象を持っていないことは理解できるけどさー!
どうしようと思っていると、どごっと鈍い音が聞こえてきた。音の方を見ると、リリィが拳を握っていた。
「いい加減にしてください」
いつもより低い声を出して、リリィはレオン様を睨みつけた。ち、ちょっとリリィ!?壁を殴ったせいで手が赤くなってるよ!血が出てるし!!
「確かに以前のナタリー様は性格が悪く、嫌がらせをしていました。それは事実ですのでそれについては言い訳するつもりもありません。しかし、レオン様……ご存知ですか?」
「何がだ……?」
リリィが何を言うつもりなのか分からず、私はハラハラしながら二人の会話を見守る。
そして、彼女はゆっくりと口を開いた。
「ナタリー様が嫌がらせした相手は全員ローラ様のことを悪く言っている令嬢達なんですよ」
「……は?」
レオン様はポカーンとした表情を浮かべている。多分、話の展開について行けないのだろう。とかいう私もついて行けてないしね。え?どういうこと?
「つまり!ナタリー様は!ローラ様を守るためにわざと悪役になったのです!!」
リリィはビシッと私を指差した。
い、いや、いやいやいやいや!!!それは少し無理があるのでは!?
「……そんなのどうせ嘘に決まっている!大体、ナタリー・アルディがローラを庇うメリットがあるのか?」
「あります!」
断言した!スゲェ!相手が王族でも怯まない!流石だわ!そこに痺れるし、憧れるぅ!
「ナタリー様はローラ様と仲良くなりたいんです!だから、ローラ様に悪い噂が立たないようにと陰ながら守っていたのです!あるときには、ローラ様の悪口を言った令嬢を制圧したり、またある時は、ローラ様の持ち物を隠そうとした令嬢を注意したりと様々なことをしておられます!」
……まぁ、それは事実なんだけど!でも、言うのは無しじゃん。恥ずかしいじゃん。
「……そうなのか?ナタリー・アルディ」
戸惑いながらもレオン様は私に問いかけた。私は顔を真っ赤にさせながらコクリと小さくうなずく。これが嫌だから伏せてたのに!
「…………そうか。それはすまなかった」
レオン様は素直に謝ってくれたので逆にこっちが申し訳なくなる。だって、転生する前とはいえ、入学して早々に嫌がらせしたのは事実だし。こっちこそ、心の中とはいえ、バカ王子なんて言ってすみませんでした!
「いえ、こちらこそ、誤解を招くような発言をしてしまい申し訳ありませんでした。今後はこのようなことがないように気を付けますので……」
「ああ。俺も少し配慮が足りていなかった。これからは同じ学園に通う仲間としてよろしく頼む」
そういって手を差し伸べてくるレオン様。私は恐る恐る彼の手に自分の手を添えて、私達は和解した。
△▼△▼
「リリィ、ありがとうね」
「いいえ。これくらいは当然です。私は、ナタリー様の専属メイドなのですから」
リリィは笑顔で答えてくれた。本当に頼もしいメイドだわ………。
「正直、ナタリー様の本来の姿を見ていると、レオン殿下の気持ちもわからなくはないです。ローラ様はとても可愛らしい方ですから」
………ナタリーってそんなにヤバい嫌がらせしてたの? リリィの言葉を聞いて、私は顔を引きつらせた。あ、そういえば……
「リリィが言ってたことって本当なの?ほら、ナタリーが嫌がらせしてた令嬢がローラの悪口言ったこと」
私がそう聞くと、リリィは苦笑いをしながらこう言った。
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淡々と語るリリィを見て、ナタリーのやばさが分かった気がする……とゆうか、その令嬢に謝らないと……そう思ったのだが、
「いいえ。謝らなくて結構です。むしろ、関わらない方が良いです。あの令嬢も性格が腐っていますし。ローラ様の悪口を平然と口にしてますし。そんな奴に謝るだなんて時間と労力の無駄です」
リリィって本当ローラ関連になると辛辣になるよね……!
「後、この後の展開は漫画とは全く異なる展開を見せると思います。ローラ様がナタリー様の味方をした時点で、レオン様はナタリー様に対して良い印象を持つでしょうし」
「そうね……」
確かに、この世界では私はレオン様のストーカーなんてしてないし、レオン様とローラは仲を深めていくだろうから、私の出る幕は無いだろう。
「少なくともナタリー様が破滅する未来は無くなった………と私は思ってます。まぁ、これに関してはただの憶測ですけどね」
淡々と話すリリィだけど、その表情からは安堵の色が見えた。本当リリィがあのとき身体張ってくれなきゃ……私、今頃どうなってたか分からないよ……
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