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十四話 『上原悠馬の恋愛事情⑤』
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――次の日。謝るために、俺はまた隣のクラスへと向かった。謝罪したい気持ちを胸に抱えて、俺は教室のドアを開けた。
いてほしい気持ちと、いてほしくない気持ち。その両方を抱えながら、俺は彼の姿を探すと、
「(い、いた……!)」
氷室稔がいた。俺は胸を高鳴らせながら、
「……なぁ、氷室稔ってやついる?話があるんだけど」
近くにいた男子生徒に声をかけた。みんなが驚いていた。……何故こんなに注目されるのかよく分からなかったが……そんなことは今はどうでもいい。今、重要なのは氷室稔がいるということだ。
「……氷室ならあそこ」
男子生徒が指差した先に、氷室稔がいた。氷室稔は驚いたように俺を見ていた。目を見開かせ、信じられないものを見たような表情で、氷室稔は俺を見ていた。
「話があるんだけど。ちょっといいかな?」
俺は氷室稔に近づく。――今は、氷室稔がどんな表情をしているのか全く分からなかった。
△▼△▼
やってきたのは空き教室。特にここに来た意味はなく、ただの思い付きだ。
誰もいない空き教室に入り、俺は氷室稔と向き合った。氷室稔は俺の目をじっと見据えていた。
ビクビク、と体を竦ませているようにも見える氷室稔。……怯えている。……それは俺のせいだ。……怯えさせたいわけじゃない。ただ、謝りたかっただけなのに、どうしてこんなことになってしまったんだろう。
とゆうか……俺はここで何を話すつもりだったのだろう。
謝るつもりだったのはそうなのだが……いざここに来ると何も言葉が出てこない。……いや、何を言えばいいのか、分からない。
とゆうか、ここまでノープランだ。ここに連れ出して何を言うのか全く考えていなかった。自分の計画の無さに呆れつつも、
「悪かった」
俺はとりあえず、謝った。…だって…俺が悪いから。あんな急な告白をしてしまったのだから……
「あ、あの……上原さん……?」
氷室稔は困惑したような声を出す。だけども、俺は頭を下げたまま、
「だって告白……あんなに急にしたらそりゃ、逃げられるわ……って姉ちゃんに突っ込まれて……そりゃそうだよな……と思って……だから……本当に……悪かった」
素直に謝罪の言葉を言った。……悪いのは全部俺なんだから。頭を上げることが、できない。
少し沈黙の間が空き、
「そ、そう…ですか……」
氷室稔は拍子抜けしたような声で言ったのと同時に俺は反射的に何故か氷室稔の顔を直視した。……氷室稔は、顔を真っ赤にしていた。それを見た瞬間。
「……だから、俺は改めて言うわ。俺、氷室稔のことが……好きだ」
無意識に溢れた言葉。その言葉に、氷室稔は目を見開いていたし、俺も自分の言葉に驚いた。なにを言ってんだ俺。
……だけど、やっぱり嘘はつけない。何を言われても、俺はやっぱり、氷室稔のことが好きなんだ。
そう思っていると、
「俺ら話したことないじゃないですか」
戸惑い気味に、氷室稔はそう言葉を返した。
……確かに。俺は氷室稔と話したことがない。……いや、違うな。喋ったことが無いわけじゃないけど、ちゃんとした会話はしたことがない。
――そして俺は、不意にあのことを思い出した。
いてほしい気持ちと、いてほしくない気持ち。その両方を抱えながら、俺は彼の姿を探すと、
「(い、いた……!)」
氷室稔がいた。俺は胸を高鳴らせながら、
「……なぁ、氷室稔ってやついる?話があるんだけど」
近くにいた男子生徒に声をかけた。みんなが驚いていた。……何故こんなに注目されるのかよく分からなかったが……そんなことは今はどうでもいい。今、重要なのは氷室稔がいるということだ。
「……氷室ならあそこ」
男子生徒が指差した先に、氷室稔がいた。氷室稔は驚いたように俺を見ていた。目を見開かせ、信じられないものを見たような表情で、氷室稔は俺を見ていた。
「話があるんだけど。ちょっといいかな?」
俺は氷室稔に近づく。――今は、氷室稔がどんな表情をしているのか全く分からなかった。
△▼△▼
やってきたのは空き教室。特にここに来た意味はなく、ただの思い付きだ。
誰もいない空き教室に入り、俺は氷室稔と向き合った。氷室稔は俺の目をじっと見据えていた。
ビクビク、と体を竦ませているようにも見える氷室稔。……怯えている。……それは俺のせいだ。……怯えさせたいわけじゃない。ただ、謝りたかっただけなのに、どうしてこんなことになってしまったんだろう。
とゆうか……俺はここで何を話すつもりだったのだろう。
謝るつもりだったのはそうなのだが……いざここに来ると何も言葉が出てこない。……いや、何を言えばいいのか、分からない。
とゆうか、ここまでノープランだ。ここに連れ出して何を言うのか全く考えていなかった。自分の計画の無さに呆れつつも、
「悪かった」
俺はとりあえず、謝った。…だって…俺が悪いから。あんな急な告白をしてしまったのだから……
「あ、あの……上原さん……?」
氷室稔は困惑したような声を出す。だけども、俺は頭を下げたまま、
「だって告白……あんなに急にしたらそりゃ、逃げられるわ……って姉ちゃんに突っ込まれて……そりゃそうだよな……と思って……だから……本当に……悪かった」
素直に謝罪の言葉を言った。……悪いのは全部俺なんだから。頭を上げることが、できない。
少し沈黙の間が空き、
「そ、そう…ですか……」
氷室稔は拍子抜けしたような声で言ったのと同時に俺は反射的に何故か氷室稔の顔を直視した。……氷室稔は、顔を真っ赤にしていた。それを見た瞬間。
「……だから、俺は改めて言うわ。俺、氷室稔のことが……好きだ」
無意識に溢れた言葉。その言葉に、氷室稔は目を見開いていたし、俺も自分の言葉に驚いた。なにを言ってんだ俺。
……だけど、やっぱり嘘はつけない。何を言われても、俺はやっぱり、氷室稔のことが好きなんだ。
そう思っていると、
「俺ら話したことないじゃないですか」
戸惑い気味に、氷室稔はそう言葉を返した。
……確かに。俺は氷室稔と話したことがない。……いや、違うな。喋ったことが無いわけじゃないけど、ちゃんとした会話はしたことがない。
――そして俺は、不意にあのことを思い出した。
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