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一話 『告白』
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俺――氷室稔は良くも悪くも普通だ。
勉強は普通だし、運動も普通だし、見た目だって至って普通。美形でもなく、かといって不細工でもない。
なにもかもが平均的で、普通の男――それが俺……氷室稔だ。
欠点らしい欠点もなく、かといってそれが特徴と言うわけでもない。
強いていうのなら趣味は漫画や小説やゲームなどのいわゆるオタク趣味ぐらいだろうか……
とにかく。俺は普通だ。そして俺は平凡な人生を過ごしてきた。
今までも、そしてこれからもずっとこの平凡で平穏な人生が続くと思っていたそんなある日。
いつも通り学校に行きいつも通り靴箱を開けた。
そしていつもどおり上履きを取ろうと手を伸ばしたら、中になにか紙が入っていた。
それは可愛く折られたメモ用紙だった。
なんだろう?と思い開いてみれば、そこには一言。
〝話したいことがあります。今日の放課後、屋上で待ってます〟と書かれていた。
名前は書かれていない。だけど、これは……
「(普通なら告白期待するけど……
ないよな。だってここ……男子校だから)」
そもそも、この手紙には〝待っています〟としか書かれていない。告白なんて一言も書かれていないし……しかし、そうだとすると……
「(お、俺……なんかやらかしたってこと……?)」
普通に考えればそうなるのだが……身に覚えがない。
「(どうしよ…なんか因縁とかつけられたら……)」
最悪の場合、殴られるかもしれない。
逃げ出そうかとも考えたが……そもそも、逃げたら逃げたで追って来られるかもしれないし……
「(行くしか、ないか……)」
手紙の送り主が誰なのかは分からない。でも、行くしかない。俺は覚悟を決めながら教室へと向かった。
△▼△▼
そして放課後、俺は手紙の送り主と対面することとなった。
指定された場所には誰もいない。まだ来ていないようだ。
俺はぼーっとしながら手紙の送り主を待つことにした。
それから数分後。
ガチャッという音と共に、扉が開かれた。
そしてそこから出てきたのは……
「え……」
そこには、一人の男子生徒が立っていた。
彼は……見覚えがある。たしか隣のクラスの上原悠馬だ。
明るい性格で人懐っこい人気者で隣のクラスなのに顔も名前も知っていた。
まぁ、話したことは一度もないけれど。
そしてそんな上原悠馬は俺を見つけるなり、駆け寄ってきて……
「良かった。来てくれなかったらどうしようかと……あ、氷室くん、初めまして。俺、上原悠馬です」
「あ、ど、どうも…氷室稔です……あの、今日はどう言ったご用件ですか……?」
同級生なのに、敬語で話してしまう。
でも、上原悠馬は気にした様子もなく、 俺に向かってこう言った。
「俺、お前のことが好きだ!付き合ってくれ!」
「………は?」
そう、言われた。
え、今こいつなんて言った?好き……?付き合ってほしい?は?何言ってるの?罰ゲームか?ぼっち野郎に告白して恥をかかせる罰ゲームとか?
「……え、えっと……」
俺は上原悠馬に言葉を返そうとするが、うまく言葉が出てこない。だってありえないだろ?だって……俺…男だし……いや、同性愛を否定するつもりはない。ないのだが、自分となると話は別だし……
「……ご、ごめん……」
思わず、断ってしまった。
勉強は普通だし、運動も普通だし、見た目だって至って普通。美形でもなく、かといって不細工でもない。
なにもかもが平均的で、普通の男――それが俺……氷室稔だ。
欠点らしい欠点もなく、かといってそれが特徴と言うわけでもない。
強いていうのなら趣味は漫画や小説やゲームなどのいわゆるオタク趣味ぐらいだろうか……
とにかく。俺は普通だ。そして俺は平凡な人生を過ごしてきた。
今までも、そしてこれからもずっとこの平凡で平穏な人生が続くと思っていたそんなある日。
いつも通り学校に行きいつも通り靴箱を開けた。
そしていつもどおり上履きを取ろうと手を伸ばしたら、中になにか紙が入っていた。
それは可愛く折られたメモ用紙だった。
なんだろう?と思い開いてみれば、そこには一言。
〝話したいことがあります。今日の放課後、屋上で待ってます〟と書かれていた。
名前は書かれていない。だけど、これは……
「(普通なら告白期待するけど……
ないよな。だってここ……男子校だから)」
そもそも、この手紙には〝待っています〟としか書かれていない。告白なんて一言も書かれていないし……しかし、そうだとすると……
「(お、俺……なんかやらかしたってこと……?)」
普通に考えればそうなるのだが……身に覚えがない。
「(どうしよ…なんか因縁とかつけられたら……)」
最悪の場合、殴られるかもしれない。
逃げ出そうかとも考えたが……そもそも、逃げたら逃げたで追って来られるかもしれないし……
「(行くしか、ないか……)」
手紙の送り主が誰なのかは分からない。でも、行くしかない。俺は覚悟を決めながら教室へと向かった。
△▼△▼
そして放課後、俺は手紙の送り主と対面することとなった。
指定された場所には誰もいない。まだ来ていないようだ。
俺はぼーっとしながら手紙の送り主を待つことにした。
それから数分後。
ガチャッという音と共に、扉が開かれた。
そしてそこから出てきたのは……
「え……」
そこには、一人の男子生徒が立っていた。
彼は……見覚えがある。たしか隣のクラスの上原悠馬だ。
明るい性格で人懐っこい人気者で隣のクラスなのに顔も名前も知っていた。
まぁ、話したことは一度もないけれど。
そしてそんな上原悠馬は俺を見つけるなり、駆け寄ってきて……
「良かった。来てくれなかったらどうしようかと……あ、氷室くん、初めまして。俺、上原悠馬です」
「あ、ど、どうも…氷室稔です……あの、今日はどう言ったご用件ですか……?」
同級生なのに、敬語で話してしまう。
でも、上原悠馬は気にした様子もなく、 俺に向かってこう言った。
「俺、お前のことが好きだ!付き合ってくれ!」
「………は?」
そう、言われた。
え、今こいつなんて言った?好き……?付き合ってほしい?は?何言ってるの?罰ゲームか?ぼっち野郎に告白して恥をかかせる罰ゲームとか?
「……え、えっと……」
俺は上原悠馬に言葉を返そうとするが、うまく言葉が出てこない。だってありえないだろ?だって……俺…男だし……いや、同性愛を否定するつもりはない。ないのだが、自分となると話は別だし……
「……ご、ごめん……」
思わず、断ってしまった。
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