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4話

最後のチャレンジ

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リサさんとのやり取りの後、週末が訪れた。
最近は予定のない日は大体朝木くんの部屋にお邪魔していて、今日もそんな感じだった。

「それじゃあ、今日もよろしくお願いします」
夕食を済ませた後、朝木くんは丁寧にベッドの上で頭を下げた。
律儀な態度にくすくすと笑いながら、頭の片隅でリサさんのことを考える。
彼の悩みを解消すると宣言した以上、この特訓を途中で投げ出すことはできない。
でももし、一度でもチャレンジが成功したら……その時はリサさんの言葉を伝えて、彼を送り出さなければ、と思った。
「こちらこそ、だよ」
私は服を脱いで、朝木くんに寄り添った。
唇を重ねながら彼の服に手をかけ、いつもの手付きで裸にしていく。
「……あ、少し待ってください」
「ん?」
ボディソープの清潔な香りがする首筋にキスをしていると、朝木くんが私の手を掴んだ。
「今日は、俺からしてみてもいいですか。いつもいろはさんに頼りっぱなしなので、たまには……」
「うん、いいよ」
私は彼に押し倒される体勢になった。
開けた服の隙間から朝木くんの鎖骨が見え隠れしていて、ちょっとドキドキする。
「珍しいね」
ちゅ、っとその鎖骨に口づけながら言うと、彼は真剣な顔で私を見た。
「……俺、なんだか今日は……できそうな気がするんです。だから今日は、俺に任せてくれませんか」
私は再び頷いて、全身から力を抜く。
「それなら、朝木くんの好きにしていいよ」
冗談めかしていうと、彼は表情を綻ばせた。
「そういう風に言われると、かなりドキドキしますね。……それなら、お言葉に甘えて」
朝木くんは笑いながら私の鎖骨を指でなぞる。
その扇情的な指先の動きに、思わず喉が鳴りそうになった。
そんな私を見て、朝木くんが小さな声で言う。
「……あなたも、俺と同じ気持ちだったらいいのにな」
言葉尻が消えそうなくらいの音量のそれは、どういう意味を含んでいるんだろう。
尋ねるよりも先に唇が重ねられ、私は何も言えなくなった。
重なった熱はしばらくくっついたままで、その間に彼の手が私の輪郭をたどるように触れていく。
温かな手のひらが肌を這い、撫でる。
「んっ……」
まだ触れられたばかりだというのに、私の体はこの先の展開を完全に期待していて、つい吐息が漏れてしまった。
「……いろはさんの喘ぎ声って、可愛いですよね」
「そ、そう……?」
そんなこと言われたことがない。
恥ずかしいけど、朝木くんに褒められるのは嫌じゃなかった。
「もっと聞きたい……」
ちゅう、と唇を吸われるだけで、甘い痺れが走る。
温かな感触が口内を漁り、舌をゆっくりと絡め取られた。
「ん、う……っ」
静かな喘ぎをひとつも取りこぼさず食べてしまうかのように、朝木くんは私から唇を離さない。
呼吸が苦しくならないように鼻で息をしていると、むき出しになった胸の先端を長い指が覆った。
彼は中心にはわざと触れず、胸の周りの感触をひたすらに楽しんでいる。
触ってほしい場所が一向に刺激されなくて、もどかしい。
つい、目の前にある腕を掴み、顔を見上げてしまう。
「ね、ねえ……」
ところが、あ、と思った瞬間、朝木くんが意地悪な笑みを浮かべた。
「どうしましたか?」
優しく首を傾げている、その目線でわかる。
どうやら、私の羞恥を煽ろうとしているらしい。
「う……」
私は言葉を詰まらせ、朝木くんの首の裏に腕を回した。

キスをせがめば、すぐに期待通りの感触が唇に触れる。
ちゅ、ちゅう、と甘く吸われて、頭の奥がぼんやりと痺れだす。
……この子とのキスは、気持ちいい。もちろん、キス以外も。
丁寧に手入れされた手が肌の表面を撫でるのも、長い指先が胸を揉みしだくのも、痛くないように優しく敏感な部分に触れてくるのも、すべてが気持ちよかった。
単純に体の相性がいいのかもしれないけど、おそらく私が彼に気持ちを入れてしまっているから、余計に離れがたくなっているんだと思う。
元通りに勃つようになったら、きっと私じゃなくてもっと素敵な女性と付き合うのだろう。
その日がきたら残念だな、寂しいなーなんて考えてしまって、私はひっそりと思考を打ち払った。
そうしている間に、朝木くんは胸の先端を口に含んだ。
ねっとりとした温もりが胸を味わうように艶めかしく動いていく。
「んっ……!」
「いろはさん、乳首舐められるの待ってたんですね。可愛い……」
ちゅう、ちゅうと吸いながら喋るものだから、くすぐったいのと気持ちいいのが混ざって、すぐに声が漏れてしまう。
彼は私の反応を見ながら、楽しげに目を細めた。栗色の瞳の下、綺麗な涙袋が浮かび上がる。
顔の造形が整っていて、気遣いができて、人を不快にさせることの少ない性格。そりゃあ、みんなが放っておかないだろう。
引く手数多な彼とこうしていられるのは、きっと奇跡みたいなものなんだ。
それなら、せめて後悔のないように楽しみたい。
「……うん、待ってた。優にそれされるの、好き」
素直に頷くと、彼は目を見張った。
「先輩はいつも素直ですけど、こうしてる時もそう言われると、なんというか……」
「何?」
もごもごと唇を動かした末、朝木くんの顔は耳まで赤くなる。
「……すごく、興奮します」
眉を寄せて苦しげに息を吐く、恥じらいに染まったその表情を見て、胸がぎゅっと痛くなる。
朝木くんは都度私を可愛いと言うけれど、私からしたらこの子だってすごく可愛い。
朱色に色づいた耳に手を伸ばし、軽く触れてみる。
私はそのまま指先を下ろし、彼の頬に手のひらを添えた。
「ふふ、真っ赤っ赤だね」
「いろはさんも同じくらい赤くなってますって」
「そうかな?」
目を細めながら首を傾げると、彼は少しむっとした様子で私に唇を重ねてきた。
「……笑ってる余裕なんてあるんですか?」
「え……? ん、ひゃっ……」
深いキスに夢中になっていると、朝木くんはいつの間にか私の下腹に指を忍ばせていた。
下着の上から秘部をなぞると、くちゅ、と粘ついた音が鳴る。
「とっくに濡れてるくせに。いろはさんは、可愛いけどやらしいですよね」
責めるように耳元でささやかれ、思わず体を丸めそうになる。
その隙をついて、朝木くんの指がクロッチの横から体内へ入ってきた。
「俺が指を動かす度に、ぐちゅぐちゅって鳴っちゃってるの、聞こえますか?」
「ん、んっ……!」
彼はわざとゆっくりと指の出し入れを行なっている。言われた通り、私の体はその動きに合わせて音を立てていた。
粘り気のある蜜が時間の経過とともに増えていることが、自分でもわかるくらいだ。
「ふふ。ここの裏側触られるの、大好きですもんねー……」
内側の感じやすい場所を重点的に攻められ、唇から喘ぎが漏れてしまう。
体内からこぼれた液が太ももまで足れていて、体中が熱くなった。
「う、んっ……、はあ、あっ……そこ、それされるの、いい……」
浅い呼吸を繰り返しながら、彼の腕に爪を立てる。
いつもは私がリードしながらすることが多いのに、今日は逆転される番のようだ。
朝木くんも普段以上に乗り気なように見える。

今回こそは、もしかすると……。
そんな予感が芽生えるのを感じつつ、全身に広がる甘い熱を享受していると、朝木くんが身を起こす気配がした。
視線を下の方にずらすと、そこには元気に跳ねた熱の塊があった。
「やる気満々だね?」
羞恥を誤魔化すように話すと、彼は私の体を見下ろし、ごくりと喉を鳴らした。
「いろはさんも、です。……すごく濡れてるので、もう挿れても大丈夫そうですね」
硬くなったゴム越しのそれが、濡れそぼった入口の上をなぞる。
通常の行為であれば、そのまま挿入に進むのだろうけど、彼は悩むようにゆっくりと腰を前後に動かしていた。
挿れないの? という言葉を発しかけて、直前で我慢する。
下手に焦らせても圧になってしまいそうだ。
私は何も言わず――それでも、私も興奮しているということだけは伝えたくて、自ら足を開いてみた。
……散々触られているとはいえ、自分からその場所を見せるのは、これ以上ないくらいに恥ずかしい。
「びっくりするくらい濡れちゃってる。……これ、優がやったんだよ」
「俺の指で感じてくれたってことですか?」
こくりと首を縦に振る。
朝木くんは失敗を怖がるように表情を強張らせていたけれど、私の言葉で少し体から力が抜けたようだ。
私は彼の首の後ろに腕を回し、引き寄せた。

「……っ、いろはさん……?」
「大丈夫」
間近で視線を合わせてからゆっくりと彼を抱きしめ、あやすように背中を撫でる。
「ゆっくりでいいんだよ」
「……はい」
「焦らないで」
大きな背に指先を滑らせて、そっと腕に力を込める。
朝木くんの体をぎゅっとして、私は彼の顔に唇を寄せた。
「できなくても、全然平気。……できるようになるまで、ちゃんと付き合うから」
目元に口づけをすると、彼は私が触れた部分をなぞり、ゆっくりと頷く。
これで少しは緊張が解けるといいんだけど……。
彼はしばらく何かを考えるように口を閉ざしていたけど、やがて目尻を下げた。
「それじゃあ……試してみますね」
重ねるだけのキスをしながら、朝木くんが腰を押し進める。
濡れた入口が徐々に拡げられ、大きな塊が内側に滑り込んできた。
「んっ……!」
想像していたよりも膨らんだそれが中を圧迫して、小さく喘いでしまう。
いつもだったら挿入の瞬間に萎えてしまうことが多かった。だけど今日は――
「はあ、はあっ……!」
「あっ……すごい、ちゃんと、入ってるね」
朝木くんのものは、勢いを失うことなく奥まで進もうとしている。
「実際に挿れるの初めてだから、知らなかったけど……っ、はあ、あっ……やっぱり、大きいんだね」
嬌声をこぼす合間にそう伝えると、気遣いが滲む眼差しが向けられた。
「苦しくはないですか……?」
「……大丈夫」
私がそう返すと、朝木くんはしばらく動きを止めた。
そのおかげで体の中で彼の形がしっかりとわかってしまい、お腹の奥がきゅんと切なくなる。
「わあ……奥が吸いついてきましたよ」
挿入が成功したからか、朝木くんは余裕のある態度で実況をしてきた。
それが少し悔しくて、私はわざと両足を彼の腰に回す。
「優にいっぱい気持ちよくなってもらいたくて、ねだってるんだよ」
腰を浮かしてさりげなく揺らすと、彼は喉を鳴らして私を強く抱きしめた。
「っ……煽るようなこと、言わないでください。止まらなくなっちゃいそう……」
耳元に苦しげな声が降ってくる。からかうとすぐに照れて可愛いなぁと密かに微笑んでいると、律動が始まった。
「んっ……あ、あんっ……はあ、あっ……」
様子をうかがうように静かだった動きは、徐々に速度を上げていき、ぱんっ、ぱんっと肌のぶつかる音が響く。
前後に揺さぶられている最中に朝木くんの顔を見ると、ばちりと目が合った。
私がちゃんと感じているか、確かめながら動いているようだ。
今まで散々指や口で触れ合っていたので、お互いにどこを刺激すれば良くなるかは十分理解しているはずだ。
「……気持ち、いい……っ。ナカ、もっと突いてほしい……」
私がそうおねだりをすれば、彼は私の足をぐいっと持ち上げ、突く角度を変えてきた。
体がぶつかる度に、体液同士がずちゅっと混ざり合う。

「すごく、いい……っ! ああっ、はあ、あっ……優、……好き……っ」
告白できるような立場じゃないのに、雰囲気に流されて好きだと口走ってしまう。
「そうやって突かれるの、気持ちよすぎてくらくらして……、好き……っ」
慌てて、あくまでも行為が好きなのだと訂正する。
朝木くんは私の本心に気づいていないのか、楽しそうに私の体を突き上げた。
「本当……? 俺も、いろはさんとこうしてるの、大好きです」
「う、んっ……きもちいい……っはあ、あっ……ちょっと待って、だめ……っ」
指で触られた時だって気持ちよかったのに、それが熱の塊に変わっただけで、言葉に表せられないくらいの快感が私を襲う。
一瞬意識が飛びそうになり、つい背中に爪を立ててしまった。
思ったよりも手に力が入ってしまったのか、朝木くんが少し表情を歪める。
だけど、ごめんと謝るより先に熱いキスで唇を塞がされた。
「もっと爪立てていいんです。……この痛みがあれば、いろはさんと繋がってたって実感できるから」
口づけの合間に囁かれて、胸が切なくなる。
そんなに可愛いことを言わないでほしい。……離れるのが、もっと辛くなっちゃう。

返事をせず、代わりに私からキスをすると、肉厚な舌が口内をかき乱した。
彼とこうしていられるのもあと少しなんだと思いながら、全身で朝木くんと繋がる。
しばらくそうやって体を重ねた末、彼は無事に勢いを失わないまま射精ができたのだった。
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