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暗い場所にいた。
光の届かない暗い暗い場所に一人きりでいた。
それが僕にとっては一番の安らぎだった…はずだった。
いつかみたあの日を思い出しては、それが何かも分からずに僕はそれを求めて走った。
思い出はあまりに色褪せていたのに、それは僕の心にいつも居座った。
僕はこの暗闇が心地いいんだ。
一人でいる方が楽だから。
だから僕に光は、必要無いんだ…
でもね、目の前に光を写した君の瞳はどんな光よりも暗闇よりも楽しそうで僕にはあまりに眩しく見えた。
君を恨んだ。
君を知りたく無かった。
君に惹かれた。
それでも、君が憎かった。
僕はいつも一人で、一人が良かったんだ。
僕には光なんて必要ない。
僕は今の暗闇が心地いいんだ。
だから、君を求めてしまう僕は僕じゃないと思いたかった。
いくら僕が僕じゃないと思っても君は僕の前に現れて光のように僕の目の前から消えてしまう。
君が羨ましくなった。
君を知りたくなった。
いつから僕は君に惹かれたのだろう。
その真っ直ぐな瞳に映る僕は、それでも暗闇にいた。
気づいてしまった。
いや、最初から変わっていなかった
僕は君の光が眩しすぎて、溢れる涙に不思議さを感じた最初のあの頃と何もかも変わっていなかった。
だって、僕は暗闇がお似合いで、一人でいる方が気楽なのだから。
本当は知っていた。
僕が君の光に惹かれた。
君の瞳に、楽しそうに生きる君に僕は僕自身の暗闇をひた隠していただけの醜い生き物であった事を知っていた。
ああ、だから僕は君を知りたく無かった。
僕が光である君を知らなければ、僕は君を…
光の届かない暗い暗い場所に一人きりでいた。
それが僕にとっては一番の安らぎだった…はずだった。
いつかみたあの日を思い出しては、それが何かも分からずに僕はそれを求めて走った。
思い出はあまりに色褪せていたのに、それは僕の心にいつも居座った。
僕はこの暗闇が心地いいんだ。
一人でいる方が楽だから。
だから僕に光は、必要無いんだ…
でもね、目の前に光を写した君の瞳はどんな光よりも暗闇よりも楽しそうで僕にはあまりに眩しく見えた。
君を恨んだ。
君を知りたく無かった。
君に惹かれた。
それでも、君が憎かった。
僕はいつも一人で、一人が良かったんだ。
僕には光なんて必要ない。
僕は今の暗闇が心地いいんだ。
だから、君を求めてしまう僕は僕じゃないと思いたかった。
いくら僕が僕じゃないと思っても君は僕の前に現れて光のように僕の目の前から消えてしまう。
君が羨ましくなった。
君を知りたくなった。
いつから僕は君に惹かれたのだろう。
その真っ直ぐな瞳に映る僕は、それでも暗闇にいた。
気づいてしまった。
いや、最初から変わっていなかった
僕は君の光が眩しすぎて、溢れる涙に不思議さを感じた最初のあの頃と何もかも変わっていなかった。
だって、僕は暗闇がお似合いで、一人でいる方が気楽なのだから。
本当は知っていた。
僕が君の光に惹かれた。
君の瞳に、楽しそうに生きる君に僕は僕自身の暗闇をひた隠していただけの醜い生き物であった事を知っていた。
ああ、だから僕は君を知りたく無かった。
僕が光である君を知らなければ、僕は君を…
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