転生先では幸せになります

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幼少期 クラレンス王国編

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シリシアンとギルド内で依頼の選び、ギルドカードが出来るまで2人で待機していたが、ようやくギルドカードが出来たとアカツキに呼ばれ、現在は受付にいた。

「お待たせしました。こちらがアーシェンリファーさんのギルドカードです。」

アカツキからギルドカードを受け取る。アカツキは私が受け取るのを確認すると説明を続ける。

「ギルドカードの色は初心者ランクとしてFからHまでがブロンズカラー、CからEランクが中級者のシルバーカラー、SからBランクが上級者のゴールドカラー、で、最後にSSランクは特別枠のクリアーカラーです。」

「また、今回預金口座の開設もして頂きましたので、そちらについてもギルドカードに情報が入っています。預金の情報の確認と預金の入出金はカードの右上のチップから出来ます。また口座の残高等の確認はチップにご自身の魔力をこめると確認が出来ます。今後ギルドでの依頼達成報酬はそちらの預金に入金されます。ですので、基本的にはギルドカードは手放さず常に持ち歩いた方がいいかと思います。」

受け取ったギルドカードを見ると初心者ランクのブロンズカラーのカードにアーシェンリファーの名前とHランクとランクが記載されている。カードの右上にチップのようなものがついている。

「ギルドカードには基本お名前とランクしか表示されません。ですが、ご本人が魔力を込める事で申込時に記載頂いた全ての内容と、預金残高、こちらはお好みですが、ご自身のステータスなんかも登録できます。登録はギルドに設置されているあちらの機械で各自で行って頂きます。」

「また、ギルドカードにはセキュリティシステムが搭載されており、紛失や破損に付いてはご本人がギルドへ起こし頂き申請をして頂ければ新しいカードの発行し、紛失したカードは第三者が使用できないように新しいカードが発行された時点でカードが破壊されるようになっていますのでご安心ください。」

「ギルドカードに関するご説明は以上ですが、他に気になる点はございますか?」

「ありがとうございます!大丈夫です!助かります。」

「うんうん。無事にギルドカードが作れて良かったわねぇ~。」

「うん。お母さんもありがとう。」

「折角だし、さっき2人で選んだ依頼、早速ありがと受けてみましょうか?」

「うん!受けたい。」

「早速、依頼を受けられるのですね。本来なら5歳の子が受けられる依頼は限られているのですが…シリシアンさんもいらっしゃいますし、大丈夫だと思います。依頼書を拝見してもよろしいですか?」

「はぁ~い。よろしくね。」

シリシアンは持っていた依頼書をアカツキに出す。

「はい…依頼の内容は《地域清掃》、《食材の買い出し》、《庭の雑草抜き》こちらの3つでよろしいですか?」

「はい!お願いします。」

「ふふっ…承知致しました。ではこちらの依頼をHランク冒険者、アーシェンリファー・ウンディオーネ様が受託、及びSランク冒険者のシリシアン・ウンディオーネ様補助者として依頼を受理します。各自ギルドカードの提出をお願いします。」

アカツキが依頼書に受理印を押した。
そしてシリシアンと一緒にギルドカードを提出する。
アカツキは慣れた手つきでギルドカードを機械にスキャンすると直ぐにカードを返却してきた。

「はい。こちらで依頼の受理が完了です。頑張って来て下さいね。」

「ありがとうございます。」

「じゃあ、アイファー行きましょうか?」

「うん!」

ギルドでの受付が終わり2人は受付から移動する。

「あ、でも丁度お昼時だから、昼食を食べてから行こうかしら。依頼の期限も地域清掃以外は3日間あるし、最悪今日全部終わらなくても大丈夫ね。」

「うん。わかった。久々の外食だね。」

「そぉねぇ。アイファーは何か食べたいものある?」

「う~ん…。最近家ではサッパリした食べ物が多いから、外食ではこってりした物が食べたい!」

「こってり…?そうねぇ…こってりスープ麺なんてどうかしら?」

「こってりスープ麺?なぁにそれ?」

「うふふ。じゃあ食べに行きましょうか?」

「うん!」

2人はギルドを後にしてこってりスープ麺なる食べ物が食べられる店に向かう。

(こってりスープ麺ってなんだろう…。前世でも知らない料理だな。私の前世って本当に世間知らずだったなぁ。勉強はしてたけど…勉強だけって感じで…。今世では色んな事が知れたらいいな。)

そんな事を考えながら店へ向かう。





こってりスープ麺の店 ラーメン屋

「え…?」

「どうしたの?アイファー?ここがこってりスープ麺のお店よ?」

「う、うん…そうみたいだね。へぇ…ラーメン屋…。」

こってりスープ麺って言うから何かと思ったら…ラーメンの事だったんだ…。私、知らない事ばっかりだな…。地球での生活もあると変な所で異世界とリンクするなぁ…。

「…これの気分じゃなかった?」

「ううん!これが食べたい!お母さんありがとう!」

びっくりはしたけど、ラーメンは好きだからいいか、と思いつつ、それにしても久々に食べるな、こっちのラーメンってどんな感じなんだろう。
気になることばかりである。

2人はラーメン屋の中へ入っていった。

「いらっしゃい。」

ラーメン屋の中にはよくいる頑固親父らしい風貌の店主がいた。

「こんにちはぁ…。スープ麺2杯、貰えるかしらぁ?」

シリシアンが注文する。

「はいよ。」

店主が返事をする。



「お待ち。」

店主がラーメンを出していた。

「うわぁ…。」

(地球のこってりラーメンそのままだ。本当にあっちとこっちの世界間で繋がってるんじゃないの?)

疑問を持ちながらラーメンを見る。

「うふふ…。アイファー、スープ麺は初めてかしら?」

「うん。初めて。」

本当に初めてだった。この世界でも穂希の時のようにラーメンが食べれるなんて思ってもいなかったので内心感動していた。

「「いただきます。」」

ただ、地球と違うのはラーメンを箸ではなくフォークとスプーンで食べる所。前世の記憶も含めてこの世界で箸を使った記憶がない。クラレンス王国に箸がないのか、それともこの世界そのものに箸がないのか…。それは今の私には分からなかった。

「あ、美味しい…。」

「うふふ。それは良かったわ。」

呟きなシリシアンが返す。

2人はあっという間にラーメンを完食させると店主に会計をお願いして店をでる。

「う~ん。お腹一杯っ!」

「そうねぇ…結構食べたわねぇ…。」

店の外で2人で話をした。

「でも、そろそろ地域清掃の依頼に行かないとだね。」

「そうねぇ…依頼書には2時間の清掃って書いてあったし、今から夕方には終われて丁度いいんじゃないかしら?」

「だね!お母さん、行こっか。」

シリシアンの手を引いて歩き出す。シリシアンもそれに対して微笑みながらついて行く。

早くランクを上げてダンジョンに行けるようにならないと。

目指すランクは勿論、最高位のSSランク。でも、前世のように急ぐのではなく、今から10年くらいかけてSSランクが取れればいいか、と考えていた。

SSランクのみが依頼を受けられる神級ダンジョンは良いアイテムがあって、お金も貯まるため、アーシェンリファーはかなり気に入っていた。前世では大変お世話になってた。
ダンジョン自体は誰でも入れるが、ギルドからの正式な依頼を受けれるのはSSランクだけだ。しかも神級の依頼達成はダンジョンクリアが必須ではない。謎が多い分ダンジョンの探索だけして、生きて帰還し、報告書をギルドに提出すれば依頼としてはクリアなのである。

神級ダンジョンとは、それくらい難易度の高いダンジョンなのだ。

実際、前世でもボスを倒してクリアをした神級ダンジョンあるにはあるが、数は多くない。

そんな事を考えつつもシリシアンと他愛のない話をしながら目的地へ向かっていたら地域清掃の受付が見えてきた。

「あ、あれかな。」

シリシアンに声をかける。

「えぇ。そうじゃないかしら?お母さんも随分久々に来たからうろ覚えだけどねぇ…。」

地域清掃は元々地域の方のボランティア活動の一つであったため、ギルドの依頼人以外にも清掃をしている人がチラホラといる。しかし、完全なボランティアには中々人が集まらないのが現実らしく、ギルドへ依頼を出して、ランクを上げたい冒険者を募集しているそうだ。

(これなら子供でも出来るしね。掃除中の人の中には子供もいるしね。)

「アイファー、受付、行きましょう?」

「うん。今から受付する!」

シリシアンに返事をすると先程視界に捉えていた地域清掃の受付の窓口へ行く。

「すみません。ギルドの依頼で来ました。」

「地域清掃の依頼を受けてくださり、ありがとうございます。ギルドの依頼の方はこちらにサインをお願いします。」

受付のお姉さんが名簿を渡してくる。その名簿にサインをしてシリシアンに渡す。シリシアンもそれにサインをすると受付に返した。

「ありがとうございます。受付の右手にあるコンテナの中に掃除用具が入っていますので、自由に使って下さい。時間はただいまの時刻のから2時間後16時までとなりますので、よろしくお願いします。」

「「はい。」」

2人は受付を済ませると右手にあるコンテナを開けた。中には種類多様は掃除用具が入っている。

「アイファーは何使うの?」

「うーん…。無難に箒でも使おうかな…。」

「そう!じゃあお母さんも箒使っちゃう!」

2人は箒を手に取る。

「私ね、ここに来るまでに気になる所見つけたから、そこ行こ!」

「あらあら、やる気があって良いわねぇ。じゃあアイファーに着いて行っちゃおうかしら?」

シリシアンの手を引いて自分の気になった場所へ向かう。
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