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ステージ
3.探し物探します「ヴァルとノア」
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♪
楽観主義者は良い
明るいところは全て見える
悲観主義者も良い
悪いところは全て見える
ああだが……
両者ともなんて哀れだろうか!
彼女は両方を表しているのに両方を観ることが出来ないなんて!
♪
大都会と言える程ではないが、そこそこ栄えた街並みの中、二人の男が、アパートの一室で書類とにらめっこを続けて三日が経とうとしていた。
腰まである銀髪を束ねて、身長が百八四センチメートルの細身の男、まるでシャーロックホームズを思い浮かべそうなスーツに革靴を履いた男がイノア・バンディッシュという。趣味はコーヒーと自称情熱的な物が好き男。
もう一人の男はヴァルギリー・ウェルトニア。イノアに比べると見た目にインパクトはないが、唯一見た目で特徴を言うのであれば、彼の眼は、まるで染色されたかのように深く淡い緑色をしていた。
茶色の髪をある程度整え、やや長めの前髪を左側に流している。身長は本人曰く百七十センチメートル (ノアが言うには正しくは百六八センチメートルらしい)で、筋肉質な体型にTシャツと紺色のスーツズボンという垂れ目の色男風の顔にはやや似合わない格好で、イノアと客の依頼で作業をしていた。
「……ッダァーー! こんなの終わるわけねェ!」
バッサーという音を立てて床に広げていた書類を左右に放り投げた。まるで餌に騒ぐ小鳥の真似でもしてるようだとヴァルは徹夜で働いてない脳みその中で思いながら、黙々と書類にメモをしながら目を通す。
「馬鹿みたいに喚けるなら少しでもヒント探してみなさいよ、ノアさんや」
「ンだよ、ヴァル、お前はなんか見つけでもしたのか? ええ?」
この二人はノア、ヴァルという愛称で呼びあっている。その理由は至って単純で、お互いに自分の名前が女っぽくて嫌だからだった。
ヴァルは、書類の上に寝転がるノアを眠そうな目で見ながら、そう簡単に見つかるわけがないだろと言いたげに、ため息混じりに古い雑誌のページをめくった。
すると、偶々その雑誌の左端に小さく書かれた記事に、ヴァルの視線が止まった。
「……見つけた」
「なにぃ!?」
ノアは半信半疑だったが、食いかかる様にヴァルのことを見た。お互い三日もかけて探しているのだ。今更嘘をつくわけもないが……逆に言えば三日も寝てない脳みそで間違えた発見もあり得る。
だが……ヴァルが見つけたものは、当たりだった。それは、奇跡に近い発見だ。
なにせ、この二人に依頼された内容は余りにも、無謀だったからだ。
だが、二人がそんな依頼を受けたのには理由がある。前金 (しかもその金額がとても太かった)を貰ってしまったこともあるが、何よりもヴァルがその依頼内容にとても興味を示したのだ。
――三日前――
「名もない踊り子を探して欲しい」
二人が書類にまみれて薄汚れた状態になるおよそ一週間程前に、清楚で政治家のような面構えをした青年が訪れて、そう言った。
このアパートの部屋には呼び鈴がない。その為、ノック音がしてすぐ、適当にノアが返事をしたおかげで彼はすんなりと入ってきてしまい、軽く会釈をして早々、挨拶も無しにそう言ったものだから、二人は一分程、身動きが取れなかった。
「……あー……なんだって?」
ノアはソファにもたれ掛かってオリジナルブレンドのコーヒーを飲むのをやめて、呆れ顔でそう言い放つ。
ヴァルは書斎のようなデスクの椅子にもたれ掛かったまま、表情には出さないものの、心底驚いていた。彼が口にしたそのフレーズは、ヴァルがかつて別の町に居た頃に伝説として聞き覚えがあったものだったから。
「名もない踊り子を探して欲しい」
青年は淡々と、同じ言葉をもう一度言った。ノアはガクッと首を落としてコーヒーの入ったカップを机に置いて思わず客人である青年に怒鳴る。
「何を言ったかなんて聞こえてらァ! 俺が言ってんのは、踊り子なんて腐る程いるこの世の中で、しかも名前も分かんねえ子を探せって、神様見つけるより無謀だぜ! それを分かってんのかって聞いてんダヨ!」
ノアは怒りながら青年を何度も指差した。
「おいおい、ノア、落ち着けよ。大事な客人だろ? ……うちの相棒が失礼しました。……で、どちら様でしょう?」
ヴァルは興味津々でしょうがなかった。もう既に滅んだはずの伝説の話を、また聞けるとは思っていなかったからだ。
すると、青年は突然胸に手を当て、お辞儀をする。
「申し遅れました、私は、ユーベルト・イエナ・ドリアンという者です」
またもや二人の動きは止まってしまう。何故ならこの街ではタブーとまで言われる名前を、彼は口にしたのだから。
「ど、ドリアンって……お、おいまさか……!」
思わずノアの怒りで彼を指差していた手が、徐々に下へと降りていく。
「……ドリアン伯爵家の……ご子息ですか」
ヴァルはすでに落ち着きを取り戻し、静かに両手をお腹の前で組みながら言った。むしろ納得したと言いたげな顔をしている。
ドリアン伯爵家と言えば、この街で数少ない名家の一つだ。
この街ではここ数年で、共和派が一気に進んでいて、その中でも、辛うじてまだ伯爵という形で残っている名家がいくつか存在していた。
だが、彼等も肩身が狭いこの街では滅多に姿を見せず、年に数回行われる政治の国会議会や運悪くゴシップに載ったりする程の人物だ。ゴシップに載る内容はもちろん、良い意味でというわけではない。
そんな名家の中でも、ドリアン伯爵家はおそらく上から数えた方が早いほどの有力者である事は間違いなく、まして、こんな薄汚れたアパートの一室の「探し物屋」なんぞに訪れるような家柄の人では決して、ない。
ノアは伯爵というお貴族相手に、まるで居心地が悪いかのように、無言でそそくさとコーヒーカップを持ってキッチンの方へ向かう。まるでヴァルに全て任せたぜと言わんばかりだ。
だが、ノアとは対照的にヴァルは最初から、彼の言葉に興味を持ち、彼を真剣な目で見つめていた。
「……こんな廃れたアパートの居場所まで探して……伯爵直々にお越しいただいたには、それなりの理由があるのでしょうね」
少し嫌味の入った言葉にも一切表情を変えずに、ドリアン伯爵はヴァルに向かって静かに首を落とし、返事をした。
「はい。誰に知られるでもなく、密かに、しかし確実に仕事をこなす人物が居ると知人から伝え聞いたもので」
ふむ……。つまり、世間の誰にも知られずに穏便に、知名度が高い探偵や警察、まして政治を使ってまでなんて出来ない”探し物”が依頼、ということだった。
彼の地位と権力を考えれば、その権限を利用して探せない物などないと思えるが、そんな貴族でも通常じゃ探せなモノを探すのが、ノアとヴァルの仕事だった。
おそらく自分たちを紹介した知人までが限度だったんだろう。
「……では、ドリアン伯爵殿、その”探し物“に目星は?」
「残念ながらついていません。ですからこうして、あなた方を訪ねたのです」
面白い。ドリアン伯爵は非常に悲しいという顔を見せた。恐らく相手は女性か?男性が探す踊り子は大抵女性絡みが多い。
驚く。踊り子なのだから”人”である事は確かなはず。まして、恋人や愛人、なんにせよ好いた相手なのであれば何かしらヒントくらいは付くはずだ。それすら分からないほどに逃げ上手なのか、あるいは……ヴァルが知っている伝説の通りの踊り子の事を言っているのだとしたら……。
そんな考えを巡らせながら、ヴァルはその踊り子にまつわる、ある一つの昔話を思い出していた。
それはかつて、まだノアと知り合ってもない頃に出会った元は踊り子であったという老婆から伝え聞いた、ある日忽然と消えた踊り子の話だ。
ヴァルは少し考え込んでから、にこやかに伯爵に言った。
「分かりました。そのお探し物依頼。受けましょうか!」
楽観主義者は良い
明るいところは全て見える
悲観主義者も良い
悪いところは全て見える
ああだが……
両者ともなんて哀れだろうか!
彼女は両方を表しているのに両方を観ることが出来ないなんて!
♪
大都会と言える程ではないが、そこそこ栄えた街並みの中、二人の男が、アパートの一室で書類とにらめっこを続けて三日が経とうとしていた。
腰まである銀髪を束ねて、身長が百八四センチメートルの細身の男、まるでシャーロックホームズを思い浮かべそうなスーツに革靴を履いた男がイノア・バンディッシュという。趣味はコーヒーと自称情熱的な物が好き男。
もう一人の男はヴァルギリー・ウェルトニア。イノアに比べると見た目にインパクトはないが、唯一見た目で特徴を言うのであれば、彼の眼は、まるで染色されたかのように深く淡い緑色をしていた。
茶色の髪をある程度整え、やや長めの前髪を左側に流している。身長は本人曰く百七十センチメートル (ノアが言うには正しくは百六八センチメートルらしい)で、筋肉質な体型にTシャツと紺色のスーツズボンという垂れ目の色男風の顔にはやや似合わない格好で、イノアと客の依頼で作業をしていた。
「……ッダァーー! こんなの終わるわけねェ!」
バッサーという音を立てて床に広げていた書類を左右に放り投げた。まるで餌に騒ぐ小鳥の真似でもしてるようだとヴァルは徹夜で働いてない脳みその中で思いながら、黙々と書類にメモをしながら目を通す。
「馬鹿みたいに喚けるなら少しでもヒント探してみなさいよ、ノアさんや」
「ンだよ、ヴァル、お前はなんか見つけでもしたのか? ええ?」
この二人はノア、ヴァルという愛称で呼びあっている。その理由は至って単純で、お互いに自分の名前が女っぽくて嫌だからだった。
ヴァルは、書類の上に寝転がるノアを眠そうな目で見ながら、そう簡単に見つかるわけがないだろと言いたげに、ため息混じりに古い雑誌のページをめくった。
すると、偶々その雑誌の左端に小さく書かれた記事に、ヴァルの視線が止まった。
「……見つけた」
「なにぃ!?」
ノアは半信半疑だったが、食いかかる様にヴァルのことを見た。お互い三日もかけて探しているのだ。今更嘘をつくわけもないが……逆に言えば三日も寝てない脳みそで間違えた発見もあり得る。
だが……ヴァルが見つけたものは、当たりだった。それは、奇跡に近い発見だ。
なにせ、この二人に依頼された内容は余りにも、無謀だったからだ。
だが、二人がそんな依頼を受けたのには理由がある。前金 (しかもその金額がとても太かった)を貰ってしまったこともあるが、何よりもヴァルがその依頼内容にとても興味を示したのだ。
――三日前――
「名もない踊り子を探して欲しい」
二人が書類にまみれて薄汚れた状態になるおよそ一週間程前に、清楚で政治家のような面構えをした青年が訪れて、そう言った。
このアパートの部屋には呼び鈴がない。その為、ノック音がしてすぐ、適当にノアが返事をしたおかげで彼はすんなりと入ってきてしまい、軽く会釈をして早々、挨拶も無しにそう言ったものだから、二人は一分程、身動きが取れなかった。
「……あー……なんだって?」
ノアはソファにもたれ掛かってオリジナルブレンドのコーヒーを飲むのをやめて、呆れ顔でそう言い放つ。
ヴァルは書斎のようなデスクの椅子にもたれ掛かったまま、表情には出さないものの、心底驚いていた。彼が口にしたそのフレーズは、ヴァルがかつて別の町に居た頃に伝説として聞き覚えがあったものだったから。
「名もない踊り子を探して欲しい」
青年は淡々と、同じ言葉をもう一度言った。ノアはガクッと首を落としてコーヒーの入ったカップを机に置いて思わず客人である青年に怒鳴る。
「何を言ったかなんて聞こえてらァ! 俺が言ってんのは、踊り子なんて腐る程いるこの世の中で、しかも名前も分かんねえ子を探せって、神様見つけるより無謀だぜ! それを分かってんのかって聞いてんダヨ!」
ノアは怒りながら青年を何度も指差した。
「おいおい、ノア、落ち着けよ。大事な客人だろ? ……うちの相棒が失礼しました。……で、どちら様でしょう?」
ヴァルは興味津々でしょうがなかった。もう既に滅んだはずの伝説の話を、また聞けるとは思っていなかったからだ。
すると、青年は突然胸に手を当て、お辞儀をする。
「申し遅れました、私は、ユーベルト・イエナ・ドリアンという者です」
またもや二人の動きは止まってしまう。何故ならこの街ではタブーとまで言われる名前を、彼は口にしたのだから。
「ど、ドリアンって……お、おいまさか……!」
思わずノアの怒りで彼を指差していた手が、徐々に下へと降りていく。
「……ドリアン伯爵家の……ご子息ですか」
ヴァルはすでに落ち着きを取り戻し、静かに両手をお腹の前で組みながら言った。むしろ納得したと言いたげな顔をしている。
ドリアン伯爵家と言えば、この街で数少ない名家の一つだ。
この街ではここ数年で、共和派が一気に進んでいて、その中でも、辛うじてまだ伯爵という形で残っている名家がいくつか存在していた。
だが、彼等も肩身が狭いこの街では滅多に姿を見せず、年に数回行われる政治の国会議会や運悪くゴシップに載ったりする程の人物だ。ゴシップに載る内容はもちろん、良い意味でというわけではない。
そんな名家の中でも、ドリアン伯爵家はおそらく上から数えた方が早いほどの有力者である事は間違いなく、まして、こんな薄汚れたアパートの一室の「探し物屋」なんぞに訪れるような家柄の人では決して、ない。
ノアは伯爵というお貴族相手に、まるで居心地が悪いかのように、無言でそそくさとコーヒーカップを持ってキッチンの方へ向かう。まるでヴァルに全て任せたぜと言わんばかりだ。
だが、ノアとは対照的にヴァルは最初から、彼の言葉に興味を持ち、彼を真剣な目で見つめていた。
「……こんな廃れたアパートの居場所まで探して……伯爵直々にお越しいただいたには、それなりの理由があるのでしょうね」
少し嫌味の入った言葉にも一切表情を変えずに、ドリアン伯爵はヴァルに向かって静かに首を落とし、返事をした。
「はい。誰に知られるでもなく、密かに、しかし確実に仕事をこなす人物が居ると知人から伝え聞いたもので」
ふむ……。つまり、世間の誰にも知られずに穏便に、知名度が高い探偵や警察、まして政治を使ってまでなんて出来ない”探し物”が依頼、ということだった。
彼の地位と権力を考えれば、その権限を利用して探せない物などないと思えるが、そんな貴族でも通常じゃ探せなモノを探すのが、ノアとヴァルの仕事だった。
おそらく自分たちを紹介した知人までが限度だったんだろう。
「……では、ドリアン伯爵殿、その”探し物“に目星は?」
「残念ながらついていません。ですからこうして、あなた方を訪ねたのです」
面白い。ドリアン伯爵は非常に悲しいという顔を見せた。恐らく相手は女性か?男性が探す踊り子は大抵女性絡みが多い。
驚く。踊り子なのだから”人”である事は確かなはず。まして、恋人や愛人、なんにせよ好いた相手なのであれば何かしらヒントくらいは付くはずだ。それすら分からないほどに逃げ上手なのか、あるいは……ヴァルが知っている伝説の通りの踊り子の事を言っているのだとしたら……。
そんな考えを巡らせながら、ヴァルはその踊り子にまつわる、ある一つの昔話を思い出していた。
それはかつて、まだノアと知り合ってもない頃に出会った元は踊り子であったという老婆から伝え聞いた、ある日忽然と消えた踊り子の話だ。
ヴァルは少し考え込んでから、にこやかに伯爵に言った。
「分かりました。そのお探し物依頼。受けましょうか!」
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