118 / 159
異世界居住編
第116話 謝罪
しおりを挟む
エクリアに、赤いドラゴンが舞い降りた。
しょっちゅう飛んでくるドラゴンに、エクリアの民達はなれたもので、騒ぎなどはなく、平常運転だ。
今回馬車ではなくボロネでやって来たのは、エリザベートを早めに送って来た為である。
エリザベートはシュナイゼルの思いを汲んで、エレノアに寄り添って数日過ごした。
とうのエレノアは賊の事を怖がってもいなかったので、実質長めのバカンスであったのだが。
エリザベートは自分の役割を終わらせた後、日数的にシュナイゼルが城についた頃を見計らって、ムツキに頼んでボロネを出してもらったのだ。
本日エクリアに来たのはムツキとエレノアとエリザベートの3人で、アインとシャーリーはバンヤンハイでゆっくりと過ごしている。
ボロネを中庭に待たせて、ムツキ達は城の中へと入った。
エリザベートがいるし、ムツキも城の中を自由に動く事を許されているので、迎えも呼ばずに城の中を進む。
エリザベートがシュナイゼルの執務室をノックすると、中から返事が返ってきた。
許可を得たので中に入ると、部屋の中にはシュナイゼルと共に、第2夫人のバーバラがいた。
バーバラが部屋に入ってきた3人を見ると、空気が少しピリついたようにムツキには感じられた。
バーバラが3人の方にやって来るのをシュナイゼルは止めなかった。
エリザベートとバーバラが向かい合って、はじめに口を開いたのはバーバラであった。
「エレノアさん、ごめんなさい。私は自分の娘可愛さに貴方に辛い思いをさせたわ」
バーバラはしっかりと腰を折ってエレノアに謝罪した。
ユーリネの事である。
「バーバラお義母さま、私は許すとは言いません、ただ、もうきにしていません」
『許す』エレノアは、この言葉が、どれだけの効果をもたらすかしっている。
悪い事をしても、許すと一言言われれば、悪事をした記憶は段々と薄れていくのだ。
許されたのだからといって胸の支えが取れたように。
許されなければ、それは戒めになる。
悪いと思っているならば、覚えておいてもらいたい。
他の人にまたあのような事をしないように。
だからエレノアは許すとは言わないが、もう気にしていないと言ったのだ。
バーバラはその言葉を聞いてニコリと笑った。
バーバラはその後、エリザベートに向き直った。
「エリザベート様、体調がよくなられたようで何よりです」
「ええ。これからは、2人でシュナイゼル様を支えていきましょう」
エリザベートは、ムツキの家でムツキの家族の形をシュナイゼルが羨ましそうに観ていた事を知っている。
だから、これまでが何かあろうとも歩みよって新しい家族の形を作ろうと思っている。
和やかな雰囲気であるが、この後には、賊に関しての話をしなくてはならない。
シュナイゼルが緊張した面持ちで、ムツキをソファへと案内して自分も向かいの席に座る。
シュナイゼルのムツキに許しを乞う為の話し合いが、始まったのであった。
しょっちゅう飛んでくるドラゴンに、エクリアの民達はなれたもので、騒ぎなどはなく、平常運転だ。
今回馬車ではなくボロネでやって来たのは、エリザベートを早めに送って来た為である。
エリザベートはシュナイゼルの思いを汲んで、エレノアに寄り添って数日過ごした。
とうのエレノアは賊の事を怖がってもいなかったので、実質長めのバカンスであったのだが。
エリザベートは自分の役割を終わらせた後、日数的にシュナイゼルが城についた頃を見計らって、ムツキに頼んでボロネを出してもらったのだ。
本日エクリアに来たのはムツキとエレノアとエリザベートの3人で、アインとシャーリーはバンヤンハイでゆっくりと過ごしている。
ボロネを中庭に待たせて、ムツキ達は城の中へと入った。
エリザベートがいるし、ムツキも城の中を自由に動く事を許されているので、迎えも呼ばずに城の中を進む。
エリザベートがシュナイゼルの執務室をノックすると、中から返事が返ってきた。
許可を得たので中に入ると、部屋の中にはシュナイゼルと共に、第2夫人のバーバラがいた。
バーバラが部屋に入ってきた3人を見ると、空気が少しピリついたようにムツキには感じられた。
バーバラが3人の方にやって来るのをシュナイゼルは止めなかった。
エリザベートとバーバラが向かい合って、はじめに口を開いたのはバーバラであった。
「エレノアさん、ごめんなさい。私は自分の娘可愛さに貴方に辛い思いをさせたわ」
バーバラはしっかりと腰を折ってエレノアに謝罪した。
ユーリネの事である。
「バーバラお義母さま、私は許すとは言いません、ただ、もうきにしていません」
『許す』エレノアは、この言葉が、どれだけの効果をもたらすかしっている。
悪い事をしても、許すと一言言われれば、悪事をした記憶は段々と薄れていくのだ。
許されたのだからといって胸の支えが取れたように。
許されなければ、それは戒めになる。
悪いと思っているならば、覚えておいてもらいたい。
他の人にまたあのような事をしないように。
だからエレノアは許すとは言わないが、もう気にしていないと言ったのだ。
バーバラはその言葉を聞いてニコリと笑った。
バーバラはその後、エリザベートに向き直った。
「エリザベート様、体調がよくなられたようで何よりです」
「ええ。これからは、2人でシュナイゼル様を支えていきましょう」
エリザベートは、ムツキの家でムツキの家族の形をシュナイゼルが羨ましそうに観ていた事を知っている。
だから、これまでが何かあろうとも歩みよって新しい家族の形を作ろうと思っている。
和やかな雰囲気であるが、この後には、賊に関しての話をしなくてはならない。
シュナイゼルが緊張した面持ちで、ムツキをソファへと案内して自分も向かいの席に座る。
シュナイゼルのムツキに許しを乞う為の話し合いが、始まったのであった。
63
お気に入りに追加
256
あなたにおすすめの小説
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる