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異世界居住編
第109話 反撃
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ムツキは朝から1人で街へ出かけた。
エレノア達は、昨日買い出しを済ませたので3人でムツキのためにご飯を作ってくれるそうだ。
だから早く帰ってきてくださいね。
と言われてしまったからには早く厄介ごとを終わらせてしまおう。
厄介ごとと言うのも昨日侵入者があったのだ。
サイレンを聞いて逃げたようだが、セキュリティに引っ掛かった時点でどこまで逃げてもムツキの索敵に引っかかるようになっている。
サイレンは外に向けてはけたたましく鳴り響くのだが、家の中には一切聞こえないようになっているのでエレノア達は気づいていない。
怖い思いなど知らない方がいい。
朝に確認した所、見張りの兵士が1人やられたようだが気絶しただけで済んだようで、サイレンのおかげで他の兵士がすぐに駆け付けて朝にはケロリとしていたようだ。
そういう事で、被害は少なかったのだが、手を出してきた以上、黙っているわけにはいかない。
安心できる生活に不確定要素は取り除いておきたい。
ムツキは索敵を使って侵入してきた3人の賊の元へと向かった。
賊はまだ宿にいるようである。
ちょうど家ができるまでの間、エレノア達が泊まっていた宿であり、ムツキの事を知っている店主の宿であった。
ムツキは店主に事情を説明してお金を渡すと、快く宿を貸切にしてくれた。
勿論、破損した場合は宿の修理代も追加で払う約束もしている。
宿の店主も女将さんもエレノア達と仲良くしてくれていたようで「コテンパンにやっちまってくれよ」と送り出してくれた。
ムツキが扉を蹴破って部屋の中に入ると、3人の男がテーブルを囲んでいた。
「なんだ、てめえは!」
「誰の部屋か分かって入ってきてんのか?」
1人の男は固まってポカンとしているが、残り2人の男は急な侵入者に威嚇をしてきた。
「わかってますよ。昨日うちに侵入しようとした賊の部屋ですよね?」
威嚇してきた族はムツキの事を誰だか理解したのかニヤリと笑ってムツキに向かって飛びかかる様に攻撃してきた。
「そっちからきてくれりゃ、楽でいいぜ!」
「冒険者を舐めたのが悪かったな!」
冒険者がどれほどのものかは知らないが、確か資格がないとなれない専門職のはずだ。
以前にムツキは資格が無かったので登録を断られた過去がある。
さぞ素晴らしい職業なのだろうと思っていただけに、この様な人物であった事にがっかりである。
それに、資格を持っているはずなのに動きも遅い。
ムツキのステータスに比べたら誰もがそうなるのだろうが、期待していたムツキとしては溜息が出るほどであった。
冒険者の賊2人を一撃で気絶させて最後の1人の方を見る。
ポカンとしていた男はハッと動き出すと、ムツキに向かって話をしだした。
「き、きさま、俺はエクリア帝国の貴族だぞ!平民の貴様が触れていい存在ではない!そもそも貴様____」
ペラペラと話し出した男の素性が分かってムツキは溜息が出そうになるのを堪えた。
これはシュナイゼルに苦情を言わなければいけない案件であろう。
男の話をこれ以上聞いてもなんの得にもならない為、さっさと気絶させる事にする。
「貴様、それ以上近づいてみろ、貴様に罰を____」
男をさっさと気絶させると、ムツキはこの後の事を考える。
本来ならこのままシュナイゼルに苦情を言いに行った方がいいのだろうが、この後はエレノア達の作ってくれた食事を食べる約束をしている。
ムツキは約束を優先させる為、3人に猿轡を噛ませると、錬金術を使って手足を金属で拘束してその辺に転がした。
これで舌を噛む事もできないし動く事もできないだろう。
人間1日くらい食事を食べなくても死なないだろう。
ムツキは宿の主人に事情を説明すると、賊を突き出すのは明日にしてエレノア達の待つ家へと帰るのであった。
エレノア達は、昨日買い出しを済ませたので3人でムツキのためにご飯を作ってくれるそうだ。
だから早く帰ってきてくださいね。
と言われてしまったからには早く厄介ごとを終わらせてしまおう。
厄介ごとと言うのも昨日侵入者があったのだ。
サイレンを聞いて逃げたようだが、セキュリティに引っ掛かった時点でどこまで逃げてもムツキの索敵に引っかかるようになっている。
サイレンは外に向けてはけたたましく鳴り響くのだが、家の中には一切聞こえないようになっているのでエレノア達は気づいていない。
怖い思いなど知らない方がいい。
朝に確認した所、見張りの兵士が1人やられたようだが気絶しただけで済んだようで、サイレンのおかげで他の兵士がすぐに駆け付けて朝にはケロリとしていたようだ。
そういう事で、被害は少なかったのだが、手を出してきた以上、黙っているわけにはいかない。
安心できる生活に不確定要素は取り除いておきたい。
ムツキは索敵を使って侵入してきた3人の賊の元へと向かった。
賊はまだ宿にいるようである。
ちょうど家ができるまでの間、エレノア達が泊まっていた宿であり、ムツキの事を知っている店主の宿であった。
ムツキは店主に事情を説明してお金を渡すと、快く宿を貸切にしてくれた。
勿論、破損した場合は宿の修理代も追加で払う約束もしている。
宿の店主も女将さんもエレノア達と仲良くしてくれていたようで「コテンパンにやっちまってくれよ」と送り出してくれた。
ムツキが扉を蹴破って部屋の中に入ると、3人の男がテーブルを囲んでいた。
「なんだ、てめえは!」
「誰の部屋か分かって入ってきてんのか?」
1人の男は固まってポカンとしているが、残り2人の男は急な侵入者に威嚇をしてきた。
「わかってますよ。昨日うちに侵入しようとした賊の部屋ですよね?」
威嚇してきた族はムツキの事を誰だか理解したのかニヤリと笑ってムツキに向かって飛びかかる様に攻撃してきた。
「そっちからきてくれりゃ、楽でいいぜ!」
「冒険者を舐めたのが悪かったな!」
冒険者がどれほどのものかは知らないが、確か資格がないとなれない専門職のはずだ。
以前にムツキは資格が無かったので登録を断られた過去がある。
さぞ素晴らしい職業なのだろうと思っていただけに、この様な人物であった事にがっかりである。
それに、資格を持っているはずなのに動きも遅い。
ムツキのステータスに比べたら誰もがそうなるのだろうが、期待していたムツキとしては溜息が出るほどであった。
冒険者の賊2人を一撃で気絶させて最後の1人の方を見る。
ポカンとしていた男はハッと動き出すと、ムツキに向かって話をしだした。
「き、きさま、俺はエクリア帝国の貴族だぞ!平民の貴様が触れていい存在ではない!そもそも貴様____」
ペラペラと話し出した男の素性が分かってムツキは溜息が出そうになるのを堪えた。
これはシュナイゼルに苦情を言わなければいけない案件であろう。
男の話をこれ以上聞いてもなんの得にもならない為、さっさと気絶させる事にする。
「貴様、それ以上近づいてみろ、貴様に罰を____」
男をさっさと気絶させると、ムツキはこの後の事を考える。
本来ならこのままシュナイゼルに苦情を言いに行った方がいいのだろうが、この後はエレノア達の作ってくれた食事を食べる約束をしている。
ムツキは約束を優先させる為、3人に猿轡を噛ませると、錬金術を使って手足を金属で拘束してその辺に転がした。
これで舌を噛む事もできないし動く事もできないだろう。
人間1日くらい食事を食べなくても死なないだろう。
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