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異世界転移編
間話 旅の準備
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異世界から召喚された勇者であったミサキとアキホがフィールダー領にやって来て数週間が過ぎた。
2人とも小学生の頃に田植え、稲刈り学習をしていた為、そして勇者としてのステータスがあった為に、領民に混じって農業を営み、領民達ともすぐに打ち解けていた。
トリエは、そんな2人を見て思うところがあった。
2人と同じ様に、自分もこの領に来て、受け入れてもらった人間だ。
素直な2人に比べて、ここに来たばかりの頃の自分は農業を馬鹿にしていて、嫌な人間だったと思う。
そんなトリエを、少し捻くれている。程度に良くしてくれて、お義母様は今までの生活で怠け癖がついてしまった本当の娘の様に根気よく面倒を見てくれた。
やっぱりまだ、恥ずかしくて面と向かって感謝を伝えられないが、とても感謝している。
第二夫人のレミーは、元から旦那様の妻だった。
農家の出身で、私の方が出生の位が高かったから第二夫人になってしまった女性だ。
彼女には、子供がまだ居ない。
それは貴族ではない為、第一夫人になる人の後に子供を産まなければお家問題が起こるかもしれないと言う貴族の暗黙の了解の為、子供を作る事を禁じられていたのだ。
平民のレミーが旦那様に嫁いでる事からわかる様に、2人は恋愛結婚だ。
私の様な女がぽっと現れて、しかも第一夫人になるなど、恨まれても仕方なかった。
しかし、レミーはトリエを快く受け入れ、まるで姉妹の様に接してくれる。
旦那様であるミール男爵も、同じ様に家族として受け入れてくれて、飾った言葉など話さないが、態度と行動が、キチンとトリエを愛してくれているのを感じる。
今を思えば、王女の頃に愛の言葉を囁いてくる男性は、その言葉を全ての女性に言っているから慣れていただけで、気持ちなど入っていなかっただろう。
そして私も、ちやほやされる事が嬉しかっただけの子供であった。
……いや、こんな惚気話を言いたいのではない。
つまりは、この領の人達はとても温かく、困っている人間を皆んなで助けて一つの家族の様である。
トリエは、傲慢な自分さえも受け入れてくれたここでなら、自分と一緒に罰を受けた人達も上手くやっていけるのでは?とかんがえたのだ。
勿論、平民になって放り出された彼らが困っているのが前提で、まだ王都に居て探せればと言う条件があるが、仲良くしていた友達である。
トリエはその事を、ミールに相談すると、ミールは快く領に受け入れる事を了承してくれた。
___________________________________________
後日、ミール男爵は、シュナイゼル王経由でトリエの父であるアグニール王に連絡を取って、城下町で追放された貴族の公子達を探す事を了承してもらった。
そして、トリエには内緒であるが、少しの時間だけでも、アグニール王との謁見をシュナイゼル王に許可をもらっていた。
トリエは、罰としてアグニール王に会いに行く事はできない。
ただ、トリエが幸せに暮らしている事を伝えたかった。
初めの頃は農家である家に馴染む事ができず、怒っている事が多かったが、最近のトリエはよく笑う様になった。
ミール男爵は、来た頃の化粧をした綺麗な顔よりも、農作業中の、すっぴんでも屈託のないトリエの笑顔が好きだった。
きっと、アグニール王に会える事を喜んでくれるだろう。
サプライズの準備も整い、ミール男爵とトリエは、ドラゴニア聖国に向けて馬車の旅をするのであった。
2人とも小学生の頃に田植え、稲刈り学習をしていた為、そして勇者としてのステータスがあった為に、領民に混じって農業を営み、領民達ともすぐに打ち解けていた。
トリエは、そんな2人を見て思うところがあった。
2人と同じ様に、自分もこの領に来て、受け入れてもらった人間だ。
素直な2人に比べて、ここに来たばかりの頃の自分は農業を馬鹿にしていて、嫌な人間だったと思う。
そんなトリエを、少し捻くれている。程度に良くしてくれて、お義母様は今までの生活で怠け癖がついてしまった本当の娘の様に根気よく面倒を見てくれた。
やっぱりまだ、恥ずかしくて面と向かって感謝を伝えられないが、とても感謝している。
第二夫人のレミーは、元から旦那様の妻だった。
農家の出身で、私の方が出生の位が高かったから第二夫人になってしまった女性だ。
彼女には、子供がまだ居ない。
それは貴族ではない為、第一夫人になる人の後に子供を産まなければお家問題が起こるかもしれないと言う貴族の暗黙の了解の為、子供を作る事を禁じられていたのだ。
平民のレミーが旦那様に嫁いでる事からわかる様に、2人は恋愛結婚だ。
私の様な女がぽっと現れて、しかも第一夫人になるなど、恨まれても仕方なかった。
しかし、レミーはトリエを快く受け入れ、まるで姉妹の様に接してくれる。
旦那様であるミール男爵も、同じ様に家族として受け入れてくれて、飾った言葉など話さないが、態度と行動が、キチンとトリエを愛してくれているのを感じる。
今を思えば、王女の頃に愛の言葉を囁いてくる男性は、その言葉を全ての女性に言っているから慣れていただけで、気持ちなど入っていなかっただろう。
そして私も、ちやほやされる事が嬉しかっただけの子供であった。
……いや、こんな惚気話を言いたいのではない。
つまりは、この領の人達はとても温かく、困っている人間を皆んなで助けて一つの家族の様である。
トリエは、傲慢な自分さえも受け入れてくれたここでなら、自分と一緒に罰を受けた人達も上手くやっていけるのでは?とかんがえたのだ。
勿論、平民になって放り出された彼らが困っているのが前提で、まだ王都に居て探せればと言う条件があるが、仲良くしていた友達である。
トリエはその事を、ミールに相談すると、ミールは快く領に受け入れる事を了承してくれた。
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後日、ミール男爵は、シュナイゼル王経由でトリエの父であるアグニール王に連絡を取って、城下町で追放された貴族の公子達を探す事を了承してもらった。
そして、トリエには内緒であるが、少しの時間だけでも、アグニール王との謁見をシュナイゼル王に許可をもらっていた。
トリエは、罰としてアグニール王に会いに行く事はできない。
ただ、トリエが幸せに暮らしている事を伝えたかった。
初めの頃は農家である家に馴染む事ができず、怒っている事が多かったが、最近のトリエはよく笑う様になった。
ミール男爵は、来た頃の化粧をした綺麗な顔よりも、農作業中の、すっぴんでも屈託のないトリエの笑顔が好きだった。
きっと、アグニール王に会える事を喜んでくれるだろう。
サプライズの準備も整い、ミール男爵とトリエは、ドラゴニア聖国に向けて馬車の旅をするのであった。
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