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本編
38話・御伽噺
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え?リセット?君何言ってるの?アタマ大丈夫?
へぇ、君が主人公なんだ。世界を何周もしてる?今回は周回特典のフリーモード?
……因みに何周したの?六周?あぁ、なるほど……そうか、君は夢見の能力もあるんだね。治癒能力に魅了、夢見までとか君凄いね。
夢見の能力?そうかー、あんま知られてないかなぁ。
端的に言えば【神様の見る夢と繋がる能力】って感じかなぁ。
ぼくの妻の故郷に夢見能力に関するおとぎ話があってね。知らない?
長い長い旅の話。
終わらない絶望と、後悔と、憎悪を抱えて、旅人は円環の悪夢に囚われる。愛しい人を救えないと嘆き、それでも諦めきれずに長い旅をしてセカイを渡る。
繰り返す悪夢の果てに旅人はそんな絶望のセカイを作った神をも殺した。
──喜べ旅人よ!お前は閉じた六つのセカイの円環を切り裂き、七つ目の世界へたどり着いた!
──世界を切り裂いた刃を捨て、愛しき人に白い花を贈り、鮮血の赤い花を川に流せ!さすればお前の悪夢の旅は終わり、愛しき人と新たな旅路を歩めるだろう!
誰かの声に導かれて、円環のセカイの果てに旅人は未来ある世界へたどり着いた。
そして旅人は刃を捨て白い花を手折る。愛しい人のために。悪夢を終わらせるために。
鮮血の赤の花を持った愛しい人に白い花を贈り、共に赤い花を川に流す。
──悪夢の旅は終わり、幸せな旅が始まった。
円環のセカイは何度も繰り返す神様の夢。旅人はそのセカイを渡る……いや覗き見る夢見。夢は所詮夢。
うん?現実?違う違う。夢だってば。神様の見た夢。
だから旅人が神様を引きずり下ろしたら夢を見る者がいなくなり、円環の夢と繋がれなくなって、現実世界……おとぎ話でいう七つ目の世界で目覚めるんだよ。そう、正確には【七つ目の世界へたどり着いた】じゃなくて【七つ目の世界へ帰還した】なんじゃないかって個人的には思うんだけどねぇ。
あぁでも、夢見はずっと七つ目の世界にいるわけだから帰還もおかしいのかなぁ。え?夢だってば。君が見る夢が神様の夢と繋がってた感じ?ここにいながら神様の夢に繋がって、そのセカイを疑似体験する。
神様の夢っていうのは可能性の数だけあるんだって。凄いよね。
夢見の中にはたまに預言者って呼ばれる人もいるけど、きっと神様の夢でここに似たセカイを見て現実世界の未来だと錯覚するんだろうね。まぁ、当たるも八卦、当たらぬも八卦。
神様?あぁ、ぼくは神様信じてないんじゃなくて、神様と呼ばれるモノはもういないって言ってるんだ。だって旅人が引きずり下ろしちゃったし?神殿が祀ってるのは嘗ていたけどもういない神様の残滓。うん。君はもう夢に繋がれないからここにいる。ある意味夢見の能力は失われているに等しい訳だ。
そう。夢見の君の感覚で言えばここは最後の世界ってこと。
そうかー、神様の夢と混同してたからリセットとか言い出したのかぁ。ないよ?くどいようだけど。
ゲーム?異世界転生?……転生はまぁあるかなぁ。異世界に生まれ変わるかは体験したことがないからわからないけど。
へぇ、転生前にこの世界に似たゲームで遊んだのかぁ。それだったら、転生前の世界の夢見が神様の夢を元にゲーム作ったとかなんじゃないの?まぁ、そのセカイも違う神様の夢かもしれないけど。
うん?神様?いいんじゃないかなぁ、神様たくさんいるし。この世界に似たセカイの夢を見た神様を夢見が引きずり下ろしたってだけの話だってば。きっと探せば違うセカイの夢を見る神様もいるよ。っていうか、君が望んで神様引きずり下ろしたんじゃないの?
なんで泣いてるの?円環の悪夢が終わったんだから喜ぶべきところじゃないの?
えぇ??ぼくに言われても知らないってば。帰りたいってどこに?
また違うセカイに行きたいなら新しい夢を見る神様待つしかないんじゃないかなぁ。いつ来るか知らないけど。けど、君の人生は結局ここにしかないよ?
もう帰っていい?君の能力はだいたいわかったし、ぼくお腹空いてきた。アクセも待ってるんだよね。あんまり待たせたら怒られるんだよ。
これから?知らないけど。えー、ぼくに聞かないでよ。ぼくとしては消し炭にしたいんだけどアクセやイリスがだめっていうから我慢してるんだよ。感謝してね?
……ヴァイス君?あぁ、彼も夢見だね。それが君になにか関係ある?同じ夢に繋がってただけじゃないの?探せばきっと他にもいるんじゃないかなぁ。
あー!はいはい!ごめんてば。もう終わるから置いていかないでアクセ!ぼくも一緒に帰りたい!!
――じゃぁね■■を円環の悪夢から解放した夢見。
へぇ、君が主人公なんだ。世界を何周もしてる?今回は周回特典のフリーモード?
……因みに何周したの?六周?あぁ、なるほど……そうか、君は夢見の能力もあるんだね。治癒能力に魅了、夢見までとか君凄いね。
夢見の能力?そうかー、あんま知られてないかなぁ。
端的に言えば【神様の見る夢と繋がる能力】って感じかなぁ。
ぼくの妻の故郷に夢見能力に関するおとぎ話があってね。知らない?
長い長い旅の話。
終わらない絶望と、後悔と、憎悪を抱えて、旅人は円環の悪夢に囚われる。愛しい人を救えないと嘆き、それでも諦めきれずに長い旅をしてセカイを渡る。
繰り返す悪夢の果てに旅人はそんな絶望のセカイを作った神をも殺した。
──喜べ旅人よ!お前は閉じた六つのセカイの円環を切り裂き、七つ目の世界へたどり着いた!
──世界を切り裂いた刃を捨て、愛しき人に白い花を贈り、鮮血の赤い花を川に流せ!さすればお前の悪夢の旅は終わり、愛しき人と新たな旅路を歩めるだろう!
誰かの声に導かれて、円環のセカイの果てに旅人は未来ある世界へたどり着いた。
そして旅人は刃を捨て白い花を手折る。愛しい人のために。悪夢を終わらせるために。
鮮血の赤の花を持った愛しい人に白い花を贈り、共に赤い花を川に流す。
──悪夢の旅は終わり、幸せな旅が始まった。
円環のセカイは何度も繰り返す神様の夢。旅人はそのセカイを渡る……いや覗き見る夢見。夢は所詮夢。
うん?現実?違う違う。夢だってば。神様の見た夢。
だから旅人が神様を引きずり下ろしたら夢を見る者がいなくなり、円環の夢と繋がれなくなって、現実世界……おとぎ話でいう七つ目の世界で目覚めるんだよ。そう、正確には【七つ目の世界へたどり着いた】じゃなくて【七つ目の世界へ帰還した】なんじゃないかって個人的には思うんだけどねぇ。
あぁでも、夢見はずっと七つ目の世界にいるわけだから帰還もおかしいのかなぁ。え?夢だってば。君が見る夢が神様の夢と繋がってた感じ?ここにいながら神様の夢に繋がって、そのセカイを疑似体験する。
神様の夢っていうのは可能性の数だけあるんだって。凄いよね。
夢見の中にはたまに預言者って呼ばれる人もいるけど、きっと神様の夢でここに似たセカイを見て現実世界の未来だと錯覚するんだろうね。まぁ、当たるも八卦、当たらぬも八卦。
神様?あぁ、ぼくは神様信じてないんじゃなくて、神様と呼ばれるモノはもういないって言ってるんだ。だって旅人が引きずり下ろしちゃったし?神殿が祀ってるのは嘗ていたけどもういない神様の残滓。うん。君はもう夢に繋がれないからここにいる。ある意味夢見の能力は失われているに等しい訳だ。
そう。夢見の君の感覚で言えばここは最後の世界ってこと。
そうかー、神様の夢と混同してたからリセットとか言い出したのかぁ。ないよ?くどいようだけど。
ゲーム?異世界転生?……転生はまぁあるかなぁ。異世界に生まれ変わるかは体験したことがないからわからないけど。
へぇ、転生前にこの世界に似たゲームで遊んだのかぁ。それだったら、転生前の世界の夢見が神様の夢を元にゲーム作ったとかなんじゃないの?まぁ、そのセカイも違う神様の夢かもしれないけど。
うん?神様?いいんじゃないかなぁ、神様たくさんいるし。この世界に似たセカイの夢を見た神様を夢見が引きずり下ろしたってだけの話だってば。きっと探せば違うセカイの夢を見る神様もいるよ。っていうか、君が望んで神様引きずり下ろしたんじゃないの?
なんで泣いてるの?円環の悪夢が終わったんだから喜ぶべきところじゃないの?
えぇ??ぼくに言われても知らないってば。帰りたいってどこに?
また違うセカイに行きたいなら新しい夢を見る神様待つしかないんじゃないかなぁ。いつ来るか知らないけど。けど、君の人生は結局ここにしかないよ?
もう帰っていい?君の能力はだいたいわかったし、ぼくお腹空いてきた。アクセも待ってるんだよね。あんまり待たせたら怒られるんだよ。
これから?知らないけど。えー、ぼくに聞かないでよ。ぼくとしては消し炭にしたいんだけどアクセやイリスがだめっていうから我慢してるんだよ。感謝してね?
……ヴァイス君?あぁ、彼も夢見だね。それが君になにか関係ある?同じ夢に繋がってただけじゃないの?探せばきっと他にもいるんじゃないかなぁ。
あー!はいはい!ごめんてば。もう終わるから置いていかないでアクセ!ぼくも一緒に帰りたい!!
――じゃぁね■■を円環の悪夢から解放した夢見。
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