ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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考える時は外が良い?

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今日のチェリーは、ちょっとだけ藤崎さん寄りだったね(苦笑)
そういえば、アトラン国に居た頃、藤崎さんはチェリーのお気に入り
だったって、アトランティーナが言ってたような気がする。

アトラン国に居た頃、私には8人の守護天使がついていたらしい。
その守護天使だったみなさんにアトランティーナが、今世で
私の恋愛課題に協力して欲しいって声を掛けたんだよね。
今のところ、私が会ったのが、レオンくん、ハヤトくん、
テルさん、そして、藤崎さんの4人。

他の4人にも声を掛けたのか、声を掛けたんだけど、断られて
しまったのかは、分からない。ま、どっちでも良いんだけどね(苦笑)

最初に出会ったのがレオンくんで、あまりのイケメンぶりと
海外生活が長かったせいか、いちいち距離が近くて、
ドキドキしちゃって、一時は恋しちゃったのかなって思ったりも
したけど、免疫(?)がついたら、そうでもないかなって
思うようになっちゃったんだよね(笑)

今夜、食事に行く約束をしている藤崎さんは、ブルータイガーに行ったことで
出会ったんだよね。だから、私がしつこく電話を掛け続けてなかったら
出会えなかった人。

って考えると、私がしつこく電話を掛け続けたのも必然だったのかなって
思ったりする。私の諦めの悪さを見越して、そういう設定(?)になってたのか
どうかは分かんないけどね。

でも、私、諦めが悪いのって、仕事の時だけなんだよね。
あっ、勉強もそうだったかも!恋愛もそうだけど、人間関係に関しては、
諦めが早い方だと思う。深追いするのが苦手っていうのかな。ずっと意識して
こなかったけど、たぶん、深追いして、傷つくのが怖いんだと思うんだ。

だから、過去の恋愛でも、自分で勝手に見切りをつけて、
すぐに<別れたい>って言い出してたような気がする。

もちろん、それですぐに<いいよ>と言われることもなく、そこから少しずつ、
自分の気持ちをコントロールして、自分の好きっていう気持ちをセーブする
ことを学んだような気がする。

でもさ、自分の好きをセーブしないと一緒に居られない人と一緒に居ても
楽しくないわけよ。そう思わない?私は、全力で好きでいたい人だったり
するのね。でも、その私の好きを全力で受け留めてくれる人には、
まだ出会ってないような気がするの。

だから、そんな恋愛はつまんないなって思うようになって、
恋することをやめてしまったんだよね。

だけど、アトランティーナは、恋愛から学べることが
たくさんあるからって言って、恋愛を課題にしちゃったんだよ。
最初は、不満だったけど、アトランティーナと話してるうちに、
少しずつ私の中で、何かが変わり始めたんだ。

ゼロか100かっていう考え方は、私の深層心理を司る月に居る星座、
蠍座の影響だって、ついこの間、星の勉強をして、
めちゃくちゃ納得したんだよね。『あ~、それでなんだ』って。

でもさ、二人して、ゼロか100かって感じでつきあってたら、めっちゃしんどい
よね?(苦笑)それこそ命懸けの恋みたいになっちゃいそうだもん。

戦国時代や戦争があった時代だったら、それもアリなのかなとは思うけどさ。
だって、いつ死が訪れるか分からないでしょ?一瞬、一瞬に全力で関わって
いないと後悔が残りそうだもんね。

あっ、もしかしたら、私の過去生が影響してるのかも!?
ほら、アトランティーナと一緒に行った過去生では、集落が他国の侵略に
遭ったでしょ?でも、過去生を書き換えるために集落が滅亡することもなく、
私の恋人だった騎士団長も死なずに済んだから、気持ち的に、めっちゃ楽に
なったけどね。

そうだ、そうだ!私は、過去生で集落の長の娘で、シャーマンであり、
女騎士でもあったから、命懸けの恋が当たり前って感じちゃうんだ!
なるほどね!めっちゃスッキリした。

やっぱり歩きながらって、色々なことが浮かびやすいから考える時は、
部屋の中に居るよりも散歩でも、ジョギングでも良いから、身体の中に
いっぱい酸素を入れると良いんだね。

もちろん、家の中でも意識して、呼吸を深くすれば酸素をいっぱい
摂り入れることは出来るんだけどね(汗)でも、家の中にいて、
深い呼吸をするっていうと、やっぱり瞑想になるのかな?

静かに瞑想するか、散歩やジョギングをするか、好きな方を選べば
良いと思う。その時々で、自分に合った方をね。

最近は、駅から会社までの道が、チェリーと話したことを自分の中に
落とし込む時間になってきた。ちょうど良い距離なんだよね。
長過ぎず、短過ぎず。こういう絶妙な距離っていうのもまた
必然だったりしてね(笑)

「おはようございま~す!」

「おっ、久遠さん、今日も元気だね。おはようございます」

「湊さんも今日もステキな笑顔、ありがとうございます!」

「ステキな笑顔!?オジサンをからかわないでよ(笑)」

「からかってませんよ!それに、オジサンじゃないでしょ?」

「いやぁ~、もうオジサンでしょ!?(笑)」

「ダメですよ。自分でオジサンなんて思ったら、本当にオジサンに
なっちゃうから。いつまでも湊さんは、湊さんですよ」

「久遠さん、ありがとね。今日も一日頑張れそうだ!(笑)
今週も最後だしね。一週間の締めくくり、楽しく過ごそうね!」

「はい!今日もよろしくお願いします!」

湊さんと交わす朝の挨拶。これもまた、私の元気の源になってると
思う。だって、気持ちが上がるんだよね。楽しいし、元気になる。
湊さん、毎日、ありがとうございます。

「チーフ、おはようございます!」

「おはよう!今日は週末だし、やり残しがないように進めていこうね」

「は~い!ところでチーフ、今日はデートですか?」

「えっ、なんで?」

「なんか、いつもと雰囲気が違うような・・・」

「えっ、何が?あっ、化粧はいつもと少し違うかも!?」

「えっ、そうなんですか!?逆にそれは気づかなかったかも・・・(汗)」

「いやね、今朝、ちょっとだけ寝坊しちゃって、チャチャッとして
きたからさ(汗)お昼休みにでも化粧直さないとね(笑)」

「そうだったんだ!チーフでも寝坊とか、あるんですね(笑)」

「あるよぉ~。今朝、めっちゃ焦ったから(笑)でも、急いで家を
出たから、いつもと同じ電車に乗れたんだけどね」

「えっ、スゴっ!寝坊したのに、いつもと同じ電車に乗れるって、
スゴくないですか!?」

「えっ、そうかなぁ?」

「朝、着る服で迷ったりしないんですか?」

「あっ、前の日に翌日の天気予報見て、着て行く服は出しておくから、
朝、何着るかで迷うことはないね」

「さっすが、チーフ!僕も今度から寝る前に用意しとこうかな」

「うん、その方が良いよ!たま~に天気予報に裏切られることも
あるけどね(笑)」

「それ、ありそうですね(笑)」

「うん、でも、朝バタつくより全然良いから、何度裏切られても
前の日に用意するようにしてるよ」

「ってことは、今、チーフが着てる服って、昨日の夜に
用意してたんですよね?」

「うん、そうだけど、なんで?」

「なんか、いつもと服の感じが違うなって気がして・・・」

「えっ、そうかなぁ?いつもと、どう違うの?」

「なんか、今日は、ちょっとキレイめな感じじゃないですか!
色も鮮やかだし。いつもチーフって、モノトーンが多いイメージ
なんですよね」

「そ、そう?たまには、鮮やかな色も良いかなって思ったんだけど、
ダメかなぁ?(苦笑)このパンツの色、ひと目惚れして、
ほとんど衝動買いだったんだよね(汗)」

「いや、ダメじゃないです!っていうか、良いです!
いつも、そういう感じの方が良いと思うな、僕は。

あっ、あくまでも僕個人の感想ですけどね。って、女性の洋服に
色々言うのって、セクハラになっちゃいますかね(汗)」

「ううん。私は、セクハラだとは思わないから大丈夫。
むしろ、一つの意見として参考にさせてもらう。
そっか、じゃ、これからは、モノトーンじゃないようにしようかな」

「えっ、そんな!僕個人の意見ですから、気にしないでくださいよ(苦笑)」

「洋服って、人に見られるものでしょ?だから、近くに居る人の感想って
大事だと思うんだよね。私自身がモノトーンが好きだったら、
モノトーンを貫き通すっていうのもアリだとは思うんだけど、
私もこういう鮮やかで、ハッキリした色、実は結構、好きなんだよね。

だけど、会社に入ってから、会社にはモノトーンが無難かなって、ずっと
モノトーンだったから、色ものを着るのって、勇気が要ったんだよね(苦笑)
でも、これに関しては、本当に気に入った色だったから買っちゃって、
せっかく買ったんだから、着たいじゃない?それで、週末だしと思って、
思い切って着てみたの」

「えっ、そうなんですか!?だったら、これからは、鮮やかな色に
切り替えましょうよ!イベントの時も鮮やかな色の方が良いじゃないですか!」

「でも、私たちって裏方じゃない?目立たない方が良いんじゃないかなぁ?」

「なんか、チーフらしくないっすね!良いじゃないですか!お役所とか、
金融とか、堅い仕事だったら、モノトーンの方が良いかもしれないですけど、
自分らの仕事は、クリエイティビティに富んだ仕事なんですから、服装も
人に不快感を与えなければ自由で良いと思うんですよ!

チーフ、ぶっちゃけ、モノトーンより、そういう鮮やかっていうか、
派手めな色の方が似合うと思いますよ(笑)」

「ねぇ、それ、褒めてる?貶してる?(笑)」

「褒めてます、褒めてます!全力で褒めてますよ(笑)」

「私もいつもみたいなモノトーンもカッコ良くて好きですけど、そういう
ハッキリした色の方がチーフには合ってると思います。なんか、チーフが
生き返ったっていうか、今までもステキだったんですけど、今日のチーフの方が
チーフらしいような気がします!」

「理沙ちゃん、ありがとう!」

「えっ、こいつには<ありがとう>なんっすか!?(笑)」

「もちろん、潤也くんにもありがとうだよ(笑)なんか、私の服の
ことで、こんなに盛り上がるとは思ってなかったから、正直、
ちょっと恥ずかしいけど、みんな、色々見ててくれてるんだね。
ありがとう」

「僕も今日のチーフ、めっちゃカッコイイと思います。あっ、だけど、みんなが
言うからじゃないですよ!なんか、やっとチーフが本領発揮だなって感じが
しました。

今までは、まだちょっと遠慮してたのかなって。昨日までは、そんなこと
思わなかったんですけど、今日のチーフを見て、そう感じました。

だから、もし、チーフが嫌いじゃないんだったら、これからもハッキリした
色の方が良いと思います!」

「優一くんもありがとう!じゃ、そろそろ仕事しようか!なんか、私の服の色で、
ここまで話が膨らむとは思ってなかったよ。でも、確かに着る色によって、
心持ちが変わるのは事実かもしれないね。私も今日、着てみて、それが分かった
ような気がする。

確かに、無難だからっていう理由で選ぶなんて、私らしくないよね。無難って
いう言葉ほど、私に似合わない言葉ってないもんね(笑)」

「自分で言っちゃいます?(笑)」

「あははは、だよね(笑)ほらほら!もう、このくらいにして、仕事、仕事!
今日は金曜日なんだから、来週に持ち越さないようにするよ!」

「は~い!」


<次回へ続く>
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