ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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身体の意味?

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駅から会社までの道のり、色々なことが浮かんでは消えって感じで、
考え事をしながら歩いていたの。そしたら、後ろからいきなり声を
掛けられてビックリしちゃった(汗)

「おはようございます。どうしたんですか?何かあったんですか?」

「えっ!あっ、レオンくん。おはよう。別に何もないけど・・・。
私、変だった?」

「いや、変っていうより、ボゥ~っとしてたように見えたので、
少し心配になりました」

「あっ、そっか(汗)いや、チェリーと話してて、色々と考えながら
歩いてたから、ボゥ~っとしてるように見えたのかもしれないね(苦笑)」

「チェリー?」

「あっ、うん。毎朝、電車で、チェリーとお喋りしながら会社に来てるの」

「そうだったんですか!チェリーも元気ですか?」

「うん。チェリーは、アトランティーナみたいに肉体は持ってないけどね」

「ですよね。いきなり、現代に、しかも、この日本にドラゴンが現れたら、
ニュースになってしまうし、捕獲されてしまいますからね(苦笑)」

「そうだね(笑)そのドラゴンとお喋りしてる私は、病院行きだよね(苦笑)」

「確かに・・・。それで、チェリーに何か言われたんですか?」

「毎朝、色々なことを教えてもらってるよ。
今朝は、私の中の思い込みっていうか、定義付けについての話を聞いたの」

「定義付けですか」

「うん。昨日、アトランティーナにエネルギーが重たくなってるから、
もっと軽やかにって言われてね。そこから発展した話なんだ」

「えっ、ミウさんは、毎日、家に帰ってからアトランティーナと
勉強をしているんですか?」

「勉強ってほどじゃないけど、毎日、いろんな話をしてる。
それで、色々なことを気づかせてもらってるよ」

「そうだったんですね。・・・それで、毎日、早く帰るんですね」

「うん。だって、アトランティーナと話してると色々な発見があって楽しいし、
面白いからね。それに、少しずつでも前に進めてるのが嬉しくもなるし」

「ミウさんは、変わらないんですね。あっ、そうですよね。
肉体を入れ替えただけで、魂は、アトラン国に居たミウさんと同じですからね」

「ね、私って、アトラン国に居た頃って、どんな感じだったの?」

「今のミウさんと変わりませんよ。いつも一生懸命で、今、出来ることを
最大限にしようとする人でした。みんなに愛されて、人からもドラゴンからも。
だから、みんながミウさんの力になりたいって思っているのに、
ミウさんは、誰にも頼ろうとしなくて・・・。
それで、煮詰まってしまうと神殿の儀式に入ってしまっていました。

そんなミウさんのことをアトランティーナは、とてももどかしく
思っていたみたいです。ドラゴンのリーダー、シーザーも同じです。
だから、チェリーがいつもミウさんに寄り添って、シーザーの思いや
アトランティーナの考えをミウさんに伝えていたんです」

「じゃ、今と変わらないね。シーザーは居ないけど(苦笑)」

「そうですね。ミウさん、アトランティーナ、チェリーは、昔も今も
一つのチームみたいなものですね。同じ目的に向かって、
力を合わせている感じ。僕は、羨ましく思っていました。
僕もメンバーに加わりたかったです」

「えっ、でも、レオンくんは、私の守護天使だったんだから、
メンバーの一人なんじゃなかったの?」

「守護天使は、自分がついた人を守るのが仕事ですから、
チームメンバーにはなれないんですよ」

「そうなんだぁ・・・。
でも、今は、レオンくんもチームメンバーの一人みたいな感じじゃない?」

「えっ、そうですか!?」

「うん。だって、レオンくんからも色々な気づきを得てるし、
助けてもらってること、多いよ」

「ホントですか!?僕にとって、こんなに嬉しいことはありません。
ありがとうございます!ミウさん」

「だって、そもそもアトランティーナから招集がかかった時だって、
私をサポートするためだったんじゃないの?」

「アトランティーナから言われた時は、ミウさんが恋愛の課題を
クリアするから、協力して欲しいとしか言われなかったんです。
その時は、言葉の意図を正しく理解していたのかもしれませんが、
肉体を持った今は、自分でも信じられないくらい、エゴに振り回されていて、
ミウさんのお役に立てているのか、自信がありません」

「レオンくんは、私をいつも助けてくれてるよ。アトランティーナにも、
それは伝えてる。レオンくんが来てくれて、本当に良かったと思ってるもん」

「でも僕は、ミウさんにとって、恋愛の対象ではないんですよね?」

「あっ、分かった!」

「えっ、何ですか?質問の答えになっていませんけど・・・」

「あ~、ごめんね(苦笑)エネルギーが重たいってことが分かったの。
レオンくん、今、エネルギーがめっちゃ重たくなってるよ(笑)
もっと、軽やかに、フワリと頬を撫でる風のようにならなくちゃ!
上手く行くことも上手く行かなくなっちゃうよ」

「ミウさんは、星座の話って分かりますか?」

「ううん。今度、アトランティーナに教えてもらおうと思ってるけど、
まだだから、よく分かんないかな」

「そうですか・・・。じゃ、予習ということで、少しだけ話しますね。
僕は、アトランティーナに言われて、ミウさんと同じ時代に、
同じ年代で生まれて来ることを決めました。その時、自分で生年月日も
決めるんです。おそらく、僕だけじゃなくて、誰でも自分で生年月日と
生まれる時間も決めると思うんですけど、僕は、ミウさんと相性が良い星座を
出来るだけ入れようと思って、決めました。

その結果、蠍座が多くなってしまったんですけど、蠍座という星座は、
エネルギーが重くなりやすい星座なんです。だから、僕は、重たくなりやすい
タイプだと思います。もちろん、それが言い訳になってはいけないんですけどね」

「ふぅ~ん、そういうものなんだ」

「はい。ミウさんにも蠍座があるので、おそらくそれで、
エネルギーが重たくなりやすいんだと思います」

「そういうものなんだね」

「はい。そういうものなんです。だから、自分は、エネルギーが
重たくなりやすいということを知ることで、意識的にエネルギーを
軽やかにしやすくなると思いますよ」

「そうだね!知らないより知ってた方が対処しやすいもんね!
ありがとう、レオンくん!ほらね、こうやって、レオンくんは、
私に新しい発見と気づきをくれるんだよ。
だから、いつも感謝してるよ。ありがとう」

「いいえ。僕もミウさんが幸せになることを願っている一人ですから、
当然のことです」

「ふふふ。レオンくんは、今でも私の守護天使さんみたいだね」

「そうかもしれませんね。だから、恋愛対象にならないんですかね?」

「う~ん。どうなんだろうね。でも、友達から恋人になるってことも
あるじゃない?出会った時に恋愛を意識することもあるんだろうけど。
だから、これからどうなるかは分かんないよね。って、こんな話を
すること自体、ちょっと恋愛からは遠いのかもね(苦笑)」

「そうですよね。僕に何が足りないんだろう?」

「レオンくんに足りないものなんてないと思いよ。
だって、レオンくんと一緒に居ると安心するし、気持ちが楽になるもん」

「それじゃ、恋愛には発展しませんね(苦笑)
だって、ドキドキすることはないということでしょ?」

「今はね(笑)」

「はぁ~。望み薄ですね。
僕は、いったい何のために生まれて来たのやら・・・」

「何、人間みたいなこと言ってんの!」

「だって、僕、今は人間ですから」

「そうやって、開き直らない!(笑)
本当に人間になっちゃったんだね」

「肉体を持つということは、そういうことなんだと思います。
肉体を持たない時には抱かない感情が後から後から、
どんどん湧いてきて、自分でも対処しきれないことが、
よくありますから。でも、この経験は、とても貴重だと思っています。

だから、肉体を持つことって大切なんだなと。肉体がなければ
経験することが出来ないことがたくさんありますから、神が人間を創り、
肉体を持たせた意味が肉体を持ってみて、初めて分かりました」

「そういうもんなんだね。肉体があることの意味なんて、
これまで考えたことなんてなかったもん。でも、チャクラの勉強をして、
肉体があることの意味っていうか、肉体があるんだっていう意識は、
少しだけ持てるようになったかもしれない。

レオンくんは、両方を知ってるから分かるんだろうね。
今度、その話も聞かせてね。
そろそろ会社に着くね。模擬プレゼン、よろしくね」

「はい!模擬プレゼンで、また何か新しい発見があると良いですね」

「うん。そうだね」


<次回へ続く>
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