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110.王女姉妹
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ローザン王国の王城に入って3日目の朝。今日は朝からアンリエッタが訪ねてきている。
そして、今は日陰になっていて涼しい東側のガゼボに入りアフタヌーンティーを楽しんでいるところだ。
その席には第2王女のミルキィも呼ばれており、婚約者のカルロを紹介されていた。
「ええー、ミルミル。その話は本当なの? カルロさまと……お知り合いなの」
「うん、そうだよ。理由は分からないけど、シロは覚えているの。不思議だけどそうなの」
「うーん、かなり驚いたんだけどミルミルが嘘をつく理由もないしそんな事もあるのねぇ」
「えへっ、きっとお姉ちゃんに役に立つと思うよ」
「え、私に役立つの?」
「うん、そうだよー。いろいろとね!」
おおーい、余計なこと喋るんじゃねーぞ。
くそー、やりづらくてしょうがない!
「今度、みんなでダンジョンに潜ってみるか?」
「え、みんなって、ミルミルも一緒にということなの?」
「うん、みんなで行こう! チャトとシロが居れば無敵だよね」
「よし! 決まりだな。明日の朝食たべてから行こう」
「さんせー! 温泉も行きたーい」
「それはいいわね、私も温泉は久しぶりだから楽しみ。では、カルロさま明日はよろしくお願いいたします」
そして、この日の夜。王女姉妹二人による『女子会』が執り行われた。
どのような話で盛り上がりを見せたのかは不明だが、会場となったミルキィの部屋は深夜遅くまで灯りが消えることはなかった。
そして、次の日。
ここは ダンジョン・シンゲン の5階層。探索前のブリーフィング中である。
「アンリエッタは得物を変えたばかりだから慎重にな。ミルキィのマジック・バトンはこれな。一応ミスリル・マジック合金で出来ているから」
「カルロさま、こんなに良い剣を頂いても良かったのですか?」
「いいも悪いも、もう家族同様だからな。ケガして欲しくないし、そのうち魔纏も覚えてもらうからな」
「えっ、魔纏ですか? するとこの剣は……」
「ああ、そうだ。ミルキィのバトンと同じミスリル・マジック合金製だな。そして、そのバスターソードは僕の使っている剣と同じモデルだ。刃の長さは少し短くなっているが良い剣だと思うぞ」
「い、いえいえ、良い剣であることは分かります。ただ、その 私なんかが使っていいものかと……」
「何言ってるんだよアンリエッタ。気に入ったのなら使えばいいよ。キミのために用意したのだから」
「この剣が私のもの。カルロさまと同じ剣……。精進いたします師匠!」
「あ――、そこまで気張らなくてもいいからね」
「それでは、シロはアンリエッタに付いててやって。とりあえず10階層までだよ。それ以降は僕も一緒に行くから」
「じゃあ、昼まではそれで行くからね。よろしく!」
「はい、師匠! 行ってまいります」
「お姉ちゃん、がんばってね!」
すると、アンリエッタはシロと共に駆けていった。
ちなみに、今日のシロの頭の上にはピーチャンではなくモコモコが鎮座している。そしてピーチャンは僕の肩の上に留まっている。
「さあ、こっちもガンガン行くわよ。チャト索敵を開始して!」
おうおう、こちらもやる気ですね~。先程 鑑定した二人のステータスがこちら、
アンリエッタ・ローザン Lv.12
年齢 20
状態 通常
【使魔】 モコモコ(チルチタス)
HP 48/48
MP 49/29+20
筋力 24
防御 21
魔防 26
敏捷 24
器用 18
知力 27+5
【スキル】 魔法適性(聖・風) 魔力操作(4) 剣術(2)
【魔法】 聖魔法 (3) 風魔法 (3) 身体強化(1)
【称号】 王の1女、親孝行、努力家、
【加護】 ユカリーナ・サーメクス
アンリエッタのステータスだが、クルーガー王国を出た頃はLv.8だったと記憶している。
それが今ではLv.12だ。あのダンジョンの環境でよくぞここまで来たよな。元のダンジョンには『転移台座』が無い状態だから、行きも帰りも全て歩きだ。そして帰りにもモンスターは出没するのだ。
たぶん、アンリエッタに付いていけるヤツなんてそうそう居なかったはずだから、コツコツひとりで上げて行ったのだろう。
いくら加護持ちとはいえ、レベルを上げていくのは生半可な事ではなかったはずだ。
本当によく頑張ったと思う。
ミルキィ・ローザン Lv.4
年齢 7
状態 通常
【従魔】 チャト(ケットシー)
HP 18/18
MP 35/15+20
筋力 9
防御 6
魔防 7
敏捷 5
器用 4
知力 11+5
【特殊スキル】 時空間魔法(U)
【スキル】 魔法適性(聖・風・水・雷・土) 魔力操作(3)
【魔法】 風魔法(2) 水魔法(1)
【称号】 王の2女、転生者、
【加護】 ユカリーナ・サーメクス
ミルキィの方は昨日の時点でLv.3であった。年齢的に外へ出してもらえなかったはずなので、レベルが上がっていること自体が驚異的なのだが、そこは従魔であるチャトが頑張ったのであろう。
それに昨日までは『女神さまの加護』も付いていなかったので なおさらだ。
そして何と言っても『魔力操作』が既に3まで上がっているのは凄い。これは、まあ転生者だからだろうな。
始めから知識があるというのは かなりのアドバンテージになるからね。
最後はやはりこれだな、特殊スキルの『時空間魔法(U)』だよな。
これは、シロが持っているスキルと同じもので、これを持っているとダンジョンの管理者権限を取得できるのである。
これがあればダンジョンをカスタマイズしたり、金やミスリルを提供させたりといろいろ利用価値の高いスキルである。
しかし、文字通り ダンジョンの管理者になるわけで困っていれば助ける必要があるのだ。
このスキル自体は女神さまから直接授かるものである。
よって期待もされている半面、好き勝手にやっているとバンされかねないのである。
まあ、『ご利用は計画的に』ということなのかもしれない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アンリエッタとミルキィの王女姉妹、年は一回り違うのですが仲良しですね。女子会では何を話したのでしょう? いろいろ暴露されているかもしれません。ステータス表示の『+表示』は能力アップアイテムによるものです。(知力アップのバングルなど)
そして、今は日陰になっていて涼しい東側のガゼボに入りアフタヌーンティーを楽しんでいるところだ。
その席には第2王女のミルキィも呼ばれており、婚約者のカルロを紹介されていた。
「ええー、ミルミル。その話は本当なの? カルロさまと……お知り合いなの」
「うん、そうだよ。理由は分からないけど、シロは覚えているの。不思議だけどそうなの」
「うーん、かなり驚いたんだけどミルミルが嘘をつく理由もないしそんな事もあるのねぇ」
「えへっ、きっとお姉ちゃんに役に立つと思うよ」
「え、私に役立つの?」
「うん、そうだよー。いろいろとね!」
おおーい、余計なこと喋るんじゃねーぞ。
くそー、やりづらくてしょうがない!
「今度、みんなでダンジョンに潜ってみるか?」
「え、みんなって、ミルミルも一緒にということなの?」
「うん、みんなで行こう! チャトとシロが居れば無敵だよね」
「よし! 決まりだな。明日の朝食たべてから行こう」
「さんせー! 温泉も行きたーい」
「それはいいわね、私も温泉は久しぶりだから楽しみ。では、カルロさま明日はよろしくお願いいたします」
そして、この日の夜。王女姉妹二人による『女子会』が執り行われた。
どのような話で盛り上がりを見せたのかは不明だが、会場となったミルキィの部屋は深夜遅くまで灯りが消えることはなかった。
そして、次の日。
ここは ダンジョン・シンゲン の5階層。探索前のブリーフィング中である。
「アンリエッタは得物を変えたばかりだから慎重にな。ミルキィのマジック・バトンはこれな。一応ミスリル・マジック合金で出来ているから」
「カルロさま、こんなに良い剣を頂いても良かったのですか?」
「いいも悪いも、もう家族同様だからな。ケガして欲しくないし、そのうち魔纏も覚えてもらうからな」
「えっ、魔纏ですか? するとこの剣は……」
「ああ、そうだ。ミルキィのバトンと同じミスリル・マジック合金製だな。そして、そのバスターソードは僕の使っている剣と同じモデルだ。刃の長さは少し短くなっているが良い剣だと思うぞ」
「い、いえいえ、良い剣であることは分かります。ただ、その 私なんかが使っていいものかと……」
「何言ってるんだよアンリエッタ。気に入ったのなら使えばいいよ。キミのために用意したのだから」
「この剣が私のもの。カルロさまと同じ剣……。精進いたします師匠!」
「あ――、そこまで気張らなくてもいいからね」
「それでは、シロはアンリエッタに付いててやって。とりあえず10階層までだよ。それ以降は僕も一緒に行くから」
「じゃあ、昼まではそれで行くからね。よろしく!」
「はい、師匠! 行ってまいります」
「お姉ちゃん、がんばってね!」
すると、アンリエッタはシロと共に駆けていった。
ちなみに、今日のシロの頭の上にはピーチャンではなくモコモコが鎮座している。そしてピーチャンは僕の肩の上に留まっている。
「さあ、こっちもガンガン行くわよ。チャト索敵を開始して!」
おうおう、こちらもやる気ですね~。先程 鑑定した二人のステータスがこちら、
アンリエッタ・ローザン Lv.12
年齢 20
状態 通常
【使魔】 モコモコ(チルチタス)
HP 48/48
MP 49/29+20
筋力 24
防御 21
魔防 26
敏捷 24
器用 18
知力 27+5
【スキル】 魔法適性(聖・風) 魔力操作(4) 剣術(2)
【魔法】 聖魔法 (3) 風魔法 (3) 身体強化(1)
【称号】 王の1女、親孝行、努力家、
【加護】 ユカリーナ・サーメクス
アンリエッタのステータスだが、クルーガー王国を出た頃はLv.8だったと記憶している。
それが今ではLv.12だ。あのダンジョンの環境でよくぞここまで来たよな。元のダンジョンには『転移台座』が無い状態だから、行きも帰りも全て歩きだ。そして帰りにもモンスターは出没するのだ。
たぶん、アンリエッタに付いていけるヤツなんてそうそう居なかったはずだから、コツコツひとりで上げて行ったのだろう。
いくら加護持ちとはいえ、レベルを上げていくのは生半可な事ではなかったはずだ。
本当によく頑張ったと思う。
ミルキィ・ローザン Lv.4
年齢 7
状態 通常
【従魔】 チャト(ケットシー)
HP 18/18
MP 35/15+20
筋力 9
防御 6
魔防 7
敏捷 5
器用 4
知力 11+5
【特殊スキル】 時空間魔法(U)
【スキル】 魔法適性(聖・風・水・雷・土) 魔力操作(3)
【魔法】 風魔法(2) 水魔法(1)
【称号】 王の2女、転生者、
【加護】 ユカリーナ・サーメクス
ミルキィの方は昨日の時点でLv.3であった。年齢的に外へ出してもらえなかったはずなので、レベルが上がっていること自体が驚異的なのだが、そこは従魔であるチャトが頑張ったのであろう。
それに昨日までは『女神さまの加護』も付いていなかったので なおさらだ。
そして何と言っても『魔力操作』が既に3まで上がっているのは凄い。これは、まあ転生者だからだろうな。
始めから知識があるというのは かなりのアドバンテージになるからね。
最後はやはりこれだな、特殊スキルの『時空間魔法(U)』だよな。
これは、シロが持っているスキルと同じもので、これを持っているとダンジョンの管理者権限を取得できるのである。
これがあればダンジョンをカスタマイズしたり、金やミスリルを提供させたりといろいろ利用価値の高いスキルである。
しかし、文字通り ダンジョンの管理者になるわけで困っていれば助ける必要があるのだ。
このスキル自体は女神さまから直接授かるものである。
よって期待もされている半面、好き勝手にやっているとバンされかねないのである。
まあ、『ご利用は計画的に』ということなのかもしれない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アンリエッタとミルキィの王女姉妹、年は一回り違うのですが仲良しですね。女子会では何を話したのでしょう? いろいろ暴露されているかもしれません。ステータス表示の『+表示』は能力アップアイテムによるものです。(知力アップのバングルなど)
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