僕とシロ

マネキネコ

文字の大きさ
上 下
43 / 137

40. エマがんばる

しおりを挟む
 えっ、シロ? シロはねー。

 「ここはいいから、ピーチャンとその辺で遊んでな」

 と、言ったところが……アレだ!

 あのデカいウォータースライダーをピーチャンをドッキングさせたまますべっている。

 高さ20m、全長300mの本格派ほんかくはだ。

 すべる際は専用のゴムボートを使用するのだが、シロはスフィンクス座りでそのまま滑ってくるのだ。

 ワァォ――――ン!

 フェンリルらしく、てっぺんからスタートの遠吠とおぼえだ。

 途中で、「ピーピーピヒョロピー ピーピーピヒョロピー」と ピーチャンも楽しそうに鳴いている。

 どうも、あの2匹は絶叫系ぜっきょうけいがお好きなようだ。

 放っておいたら無限ループしそうなので、適当なところで召喚しょうかんして呼び戻すのだが、用事がないと分かるとまた滑っているのだ。

 そういえば、前にも居たよなぁ好きなヤツ。あの時もシロが一緒に滑ってたよな~。――なつかしい。

 まあ、シロもピーチャンも楽しみが出来たのだから、コレはコレでいいだろう。――たぶん。





 そして夕刻。

 「今日は世話になった。またいずれ会おうぞ」
 
 と、国王陛下はぐっすり眠ったセーラをみずから背負い、王城へ帰っていかれた。

 もちろん、先程しっかりと貴族礼をとり 挨拶は済ませている。

 さて、僕たちも帰りますかね。

 エマちゃんも僕の手を握ってニコニコ顔だ。

 そして、久方ひさかたぶりに帰ってきた我が家、やはり良いものである。

 すると、出迎でむかえてくれた家人たちに混ざっていたガンツが声をかけてきた。

 「まずはお帰りじゃ。勉強は……お前さんには必要ないじゃろう」

 「そうでもないさ、いろいろと勉強になってるよ」

 「そうじゃな、わしらも時代の移り変わりによるギャップにときどき戸惑とまどうこともあるんじゃ」

 「そうだね、王都の街並みも王城の中もずいぶん変わっていたよ。これは何とも言えない感覚だよね」

 「ガハハハハッ。人間でそれが分かるのはお前さんぐらいじゃて」

 「うん、そうだろうね。ところで何か話があったんじゃないの?」

 「おう、そうじゃそうじゃ。すっかり忘れとったわい。実はのう……」





 このやかたにある刃物や剣、ハサミにいたるまでのとぎと調整。

 そして、頼まれていた槍や剣はとっくに作成が終わっている。

 そこで、ぼちぼち町に工房を開き、そちらでいろいろやってみたい……と。

 それに、場所はもう探して見つけているらしい。

 町の北側、裏手の方になるが今は使わなくなった鍛冶工房かじこうぼうがあるという。

 建物は何とか住めそうなのだが、肝心かんじんが小さく使いにくいようだ。

 それで、僕が戻ってくるのを待って相談しようと思っていたらしい。

 ガンツの話は大体こんな感じであった。

 うん、そろそろ頃合いだろうからね。

 この翌日から、5日かけて家の内装や炉の作り替えを行なった。

 そうして、無事に引っ越し作業も終わり、ガンツは工房に移っていった。





 夏休みも折り返しをすぎても、あいかわらずの猛暑もうしょが続いている。

 暑すぎて外で遊ばないことをいい事に、こっそりエマちゃんをきたえることにした。

 外は暑いが、ダンジョンの中はつねに一定で過ごしやすい。夏はダンジョンに限るな。

 身体レベルもようやくLv.2に上がった。これはダンジョンにもぐる時間が短いこともあるが、スライムばかりを相手にしているせいでもある。

 まだ、6歳の子供なので怖がってあたりまえなのだ。地道にやっていけば、そのうちれてくるだろう。

 そうして、夏休みも残すところ5日というところでなんとかLv.3まで上げることができた。

 そして、エマちゃんのステータスがこちら、


 エマ・アストレア  Lv.3

 年齢    6
 状態    通常
 HP   15/15
 MP   13/13
 筋力    7
 防御    5
 魔防    6
 敏捷    4
 器用    3
 知力    8

【スキル】   魔法適性(風) 魔力操作(3)

【称号】    やかたのアイドル、

【加護】    ユカリーナ・サーメクス


 魔力操作も毎日訓練しているので、3まで上がっている。

 まあ、今回はこんなところだろう。

 魔法もすでに使えるレベルに上がっているのだが、小さい子には危険だと判断して教えていない。

 王城での出来事以降、町に帰ってゆっくりしたのは2~3日であった。

 ガンツの引っ越しやダンジョン周りの整備。そして、エマちゃんのレベル上げとわりと気ぜわしく過ごした。





 夏休みも終わり、僕たちは2年生に進級した。

 そして、クロナの事なのだ。

 奴隷商館どれいしょうかんルマンドにおもむき、クロナの購入を持ち掛けたのだが、

 「もちろん、よろしゅうございます」

 「ですが、ぜひ このまま、あと2年レンタル願えませんでしょうか? その間に支払われた費用はそのまま購入価格へ充当いたしますので。どうか!」

 と、いう感じで店長が懇願こんがんしてくる。

 どういうことかとたずねると、店の実績になるのだという。

 むろん、信用問題にもつながっていくのであろう。

 それに、これからは長期間 王都を離れる際の手続きも免除めんじょしてくれるみたいだし、購入金額も割り引きしてくれるという。

 余りにも熱心に頼まれるので、僕のほうが折れることにした。


 カルロ・アストレア  Lv.24

 年齢    11
 状態     通常
【従魔】  シロ   (フェンリル)
【使魔】  ピーチャン(チルチット)
 HP   60/60
 MP   58/58
 筋力    51
 防御    46
 魔防    50
 敏捷    48
 器用    30
 知力    57

【特殊スキル】 インベントリー(U)

【スキル】   鑑定(5) 魔法適性(全) 魔力操作(6)

        剣術(2) 槍術(2)

【魔法】    風魔法(5) 結界魔法(4) 氷魔法(3)

        雷魔法(3) 聖魔法(2) 回復魔法(4)

        身体強化(4)

【称号】    転生者、シロの契約者、英雄、F.kiss、

【加護】    ユカリーナ・サーメクス






―――――――――――――――――――――――――――――――――――
シロもピーチャンも楽しそうで何より。シロは大きさ変えられるからね。ヴァルサン国王も上機嫌で帰っていったし……フラグ立ったのか? それで、ジョルジュは史実どおり鍛冶屋に弟子入りかな?(史実ってなんだよ! (∪^ω^)しらないお! (久しぶりだなオイ!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

料理を作って異世界改革

高坂ナツキ
ファンタジー
「ふむ名前は狭間真人か。喜べ、お前は神に選ばれた」 目が覚めると謎の白い空間で人型の発行体にそう語りかけられた。 「まあ、お前にやってもらいたいのは簡単だ。異世界で料理の技術をばらまいてほしいのさ」 記憶のない俺に神を名乗る謎の発行体はそう続ける。 いやいや、記憶もないのにどうやって料理の技術を広めるのか? まあ、でもやることもないし、困ってる人がいるならやってみてもいいか。 そう決めたものの、ゼロから料理の技術を広めるのは大変で……。 善人でも悪人でもないという理由で神様に転生させられてしまった主人公。 神様からいろいろとチートをもらったものの、転生した世界は料理という概念自体が存在しない世界。 しかも、神様からもらったチートは調味料はいくらでも手に入るが食材が無限に手に入るわけではなく……。 現地で出会った少年少女と協力して様々な料理を作っていくが、果たして神様に依頼されたようにこの世界に料理の知識を広げることは可能なのか。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

処理中です...