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49 メアリー
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荷馬車から肉や野菜といった食料品を降ろしていく。
竈に火をいれ、寸胴鍋に水をはる。
その横では作業台をだし、肉や野菜の下ごしらえをおこなっていく。
とにかく、することは山のようにあるのだ。
シロはあちらこちらに顔を出しては愛想を振りまいていた。
しかし、竈が3基も用意してあるとはな。
正直いってかなり助かっている。
これで効率よく炊き出しのスープが作れるだろう。
スラムの人たちはそれぞれが木の器を持って並んでいる。
器のない者には貸出をしており、食べ終わったあと川で洗ってから返すようになっている。
配給は1人当たり、黒パン1個にスープ1杯である。
1人1回きり、並び直しは厳禁なのだ。
この決まりを守らない者には次回からの配給はなくなるため、その辺は皆しっかりと守っているようだ。
そうこうしている内に料理 (スープ) の第一陣が出来あがったみたいだ。
配給を待っている者は、まず黒パンを受けとる。
そして、そのまま竈の方へと進んでいきスープを受け取ったのち離れていく。
用意してある黒パンは顔の大きさ程あるでっかい物だし、スープをよそうために使用しているオタマも結構な大きさなので食べ応えは十分にありそうだ。
もう少し騒々しくなるのかと思っていたのだが、皆おとなしく並んでおりたんたんと受け取っていく。
彼らの中には片腕がない者、足を引きずっている者、目の不自由な者までいる。
配給を受けた者はそのほとんどがこの広場で食べている。
中には持って帰っている者も見受けられるが。
そもそも床に伏せっているような病人は来れないよな。
かと言ってスラムの家を一軒一軒まわる訳にもいかないのだ。
………………
…………
……
どんどん作り、どんどん捌く。
お昼もまわったところで残ったのは3割ぐらいだろうか。
ひと段落ついたので周りを見てみると、子供たちがニコニコしながら集まって食べていた。
久しぶりのまともな食事だったのだろうか。
なんとなく微笑ましくなりゆっくり観察していると、一人だけパンと木の器を持ったまま俯いている獣人の子がいた。
薄汚れた貫頭衣に裸足。
それに反して端正な顔にグリーンの瞳が奇麗だ。
(こげ茶色の髪にタレ耳が二つ、犬人族なのかな?)
俺はその様子が気になり、持ち場を他の者に任せるとその子のもとへと歩み寄った。
片膝をつき目線を合わせる。
「どうしたの、食べないの?」
聞いてみたのだがその子は何も答えようとはしない。
「お腹が痛いのかな~?」
すると、顔をよこにフルフル。――違うようだ。
「じゃあ、お腹が空いてないの~?」
するとまた、顔をフルフル。――お腹は減っているようだ。
(それなら、どうして食べないのだろう?)
そう考えたとき、はっ! と気付いた。
「もしかして、それをお家に持って帰りたいのかな?」
すると、コクっと小さく頷いた。――当たりだったようだ。
なるほど、そういう訳か。
この子は4~5歳ぐらいだろうか?
おそらく、家に持って帰っている途中にほかの者に奪われてしまうのだろう。
それが分かっているから、ここから動けずにいたんだな。
自分もお腹が減ってるだろうに、なんて心根の優しい子なんだろう。
よっしゃ! ここは俺がひと肌脱ごうじゃないか。
まず、口笛を吹いてシロを呼ぶ。
すると2秒とかからず俺の隣へ戻ってきた。
さすがはフェンリル。近くには居なかったはずなのにこの速さである。
俺は、その犬人族の子にやさしく話かけた。
「俺の名前はゲン。こっちは従魔のシロだ。そっちは何て名前?」
「……メアリー」
とても小さな声で答えてくれた。
「よしメアリー。俺たちが今から家まで送ってやるから安心しな!」
そのように言ってあげるとメアリーの顔がいっきに輝いた。
「うん!」
そう元気よく頷いてくれた。
俺はアーツに事情を説明、しばらく持ち場を離れることを周りに告げて広場をあとにした。
手に持っていた黒パンとスープは、メアリーに断ってからインベントリーで預かることにした。
要らぬトラブルを避けるためだ。
そしてメアリーの案内で貧民街 (スラム) をずんずん進んでいく。
しかし、スラムの中というのは何とも嫌な感じだな。
人の姿は見えないのに視線だけが突き刺さってくる。
なんともいえない独特な雰囲気があるよなぁ。
この町のスラムはそこまで大きくないとのことだったが……。
時間にして10分程でメアリーの家に着いた。
なんて言っていいのか……、バラック小屋?
ドアは付いてない。風が吹けば倒れそうだ。
メアリーは先に小屋へと入っていった。
………………
――出てこない?
しばらく外で待っていたのだが、
「メアリー?」
小屋の入り口までいき声を掛けた。
しかし音沙汰がない。
仕方がないので、思いきって小屋に入ってみることにした。
「メアリー、どうかしたのか?」
薄暗い室内、俺は目を細めながら中を見渡す。
部屋の奥にはベッドが2つ並んでおりメアリーはそこに座り込んでいた。
近寄ってみると奥のベッドに誰かが横たわっている?
んんっ、なんだ……?
ハッ! となった俺は急いでベッドの傍にいき確認をした。
鼻に指を近づけてみる…………。
首筋で脈をとってみる…………。
――いつからだ?
食事を持って帰ろうとしたぐらいだから朝までは生きていたのだろう。
どのような関係だったかまでは分からないが、涙も流さずにただ呆然としているメアリーが不憫でならない。
さて、どうしたものかな……。
『これからどうするのか?』など、この娘に聞いたところで答えなんて出てきやしないだろう。
とりあえず話だけでもしてみるか。
「メアリー、この爺さんはすでに亡くなっている。この人以外に頼れる人はいるか?」
「…………」
だよなぁー。
ショックのあまり放心状態になっているし。
しかし、ここに置いていけば恐らくこの娘も死ぬことになる。
さぁて、どうする?
俺は呆然と突っ立っているメアリーの前に行き、膝を突くと両肩に手を乗せた。
「メアリー、もう一度聞くぞ。頼れる大人はこの辺にいるか?」
すると今度は顔をよこにフルフル。――やはりそうだったか。
教会の孤児院であずかってくれるといいのだが……。
そういう訳にもいかないだろうな。
このあいだ訪問した時も『子供たちの定員はいっぱいで順番待ちの状態なんです』とか言ってたしなぁ。
うーん、だからって放ってはおけないだろう。
こうして関わった以上、見捨てることなんて出来るわけがない。
「メアリー、よく聞いてくれ。この爺さんは俺が丁重に葬ってやる。行くところがないなら俺と一緒にくるか?」
「…………」
「…………」
メアリーはしばらく俺やシロの方を見ながら考えていたが、ようやく頷いてくれた。
「じゃあ、もうここには戻らないぞ。服とか持って行くものはあるか? あるなら俺が預かるから用意してくれ」
するとメアリーは薄汚れたトートバッグにいろいろと詰め込みはじめた。
その様子を見守りながら、こちらはまず爺さんの遺体をインベントリーへ収納した。
あとベッドはどうする? とてもベッドと呼べるしろものではないが……。
――いらないな。
それでは、爺さんの寝ていたベッドの周りをチェックしていきますかね。
俺にはインベントリーがあるので目についた物はどんどん収納していった。
ベッドの下にも木製の箱が置いてあったので取りあえず収納しておいた。
これで周りにある物はだいたい収納できたと思う。
メアリーの方はどうなった? あちらに目を向けてみる。
すると準備は終わっているらしく、お座りしているシロを撫でながらこちらを見ていた。
このまま炊き出しの広場に戻ってもいいが、おそらくはややこしい事になるよな。
シスターマヤも居るしね。
一旦、家に帰ってメアリーを預けて広場に戻るのが無難だろう。
まず、シロに頼んでメアリーと荷物に浄化を掛けてもらう。
次にメアリーを片手で抱き上げ、もう一方の手をシロの背にあて。
――トラベル!
家の裏庭へ出た。
メアリーがビックリしているが人差し指を立てて「ないしょだよ」と言っておいた。
いつものように裏口から家に入った俺はマクベさんとカイアさんを呼んでもらった。
そして、お腹をすかしているメアリーに何か食べさせようと、今は食堂のテーブルに座っている。
取りあえずさっき預かっていた黒パンとスープを出してあげた。
知らない家に連れてこられ最初は緊張していたようだが、お腹の虫には敵わなかったみたいだ。
黒パンをスープにつけて食べ始めた。
インベントリーに入れていたのでスープはまだ温かいままだ。
その姿をあたたかく見守っているとマクベさんとカイアさんが食堂に来てくれた。
「ゲン、どうしたんだい? 今日は炊き出しに行くとか言ってなかったかい」
「はい、貧民街 (スラム) に行っていたのですが事情があって一時戻ってきました」
「えぇ~、どうしたのその子? 可愛いわね~。事情ってもしかして……」
「その通りです。ちょっと込み入った事情があるのですが聞いて頂けますか?」
そして、メアリーを連れてきた経緯を隠さず全てを二人に話した。
それを聞いていたマクベさんは少し驚いてはいたが……最後に、
「覚悟はあるのかい?」
「あります!」
俺はまっすぐマクベさんの目を見て答えた。
それを聞いたマクベさんは「ふぅー」とひとつため息をついた。
「覚悟があるのなら、もう何も言わない。責任を持って育てるんだよ」
「じゃあ、今日はメアリーちゃんの歓迎会ね~。楽しみだわ~」
カイアさんのテンションはいつにも増して急上昇するのであった。
作. 管澤捻さま
竈に火をいれ、寸胴鍋に水をはる。
その横では作業台をだし、肉や野菜の下ごしらえをおこなっていく。
とにかく、することは山のようにあるのだ。
シロはあちらこちらに顔を出しては愛想を振りまいていた。
しかし、竈が3基も用意してあるとはな。
正直いってかなり助かっている。
これで効率よく炊き出しのスープが作れるだろう。
スラムの人たちはそれぞれが木の器を持って並んでいる。
器のない者には貸出をしており、食べ終わったあと川で洗ってから返すようになっている。
配給は1人当たり、黒パン1個にスープ1杯である。
1人1回きり、並び直しは厳禁なのだ。
この決まりを守らない者には次回からの配給はなくなるため、その辺は皆しっかりと守っているようだ。
そうこうしている内に料理 (スープ) の第一陣が出来あがったみたいだ。
配給を待っている者は、まず黒パンを受けとる。
そして、そのまま竈の方へと進んでいきスープを受け取ったのち離れていく。
用意してある黒パンは顔の大きさ程あるでっかい物だし、スープをよそうために使用しているオタマも結構な大きさなので食べ応えは十分にありそうだ。
もう少し騒々しくなるのかと思っていたのだが、皆おとなしく並んでおりたんたんと受け取っていく。
彼らの中には片腕がない者、足を引きずっている者、目の不自由な者までいる。
配給を受けた者はそのほとんどがこの広場で食べている。
中には持って帰っている者も見受けられるが。
そもそも床に伏せっているような病人は来れないよな。
かと言ってスラムの家を一軒一軒まわる訳にもいかないのだ。
………………
…………
……
どんどん作り、どんどん捌く。
お昼もまわったところで残ったのは3割ぐらいだろうか。
ひと段落ついたので周りを見てみると、子供たちがニコニコしながら集まって食べていた。
久しぶりのまともな食事だったのだろうか。
なんとなく微笑ましくなりゆっくり観察していると、一人だけパンと木の器を持ったまま俯いている獣人の子がいた。
薄汚れた貫頭衣に裸足。
それに反して端正な顔にグリーンの瞳が奇麗だ。
(こげ茶色の髪にタレ耳が二つ、犬人族なのかな?)
俺はその様子が気になり、持ち場を他の者に任せるとその子のもとへと歩み寄った。
片膝をつき目線を合わせる。
「どうしたの、食べないの?」
聞いてみたのだがその子は何も答えようとはしない。
「お腹が痛いのかな~?」
すると、顔をよこにフルフル。――違うようだ。
「じゃあ、お腹が空いてないの~?」
するとまた、顔をフルフル。――お腹は減っているようだ。
(それなら、どうして食べないのだろう?)
そう考えたとき、はっ! と気付いた。
「もしかして、それをお家に持って帰りたいのかな?」
すると、コクっと小さく頷いた。――当たりだったようだ。
なるほど、そういう訳か。
この子は4~5歳ぐらいだろうか?
おそらく、家に持って帰っている途中にほかの者に奪われてしまうのだろう。
それが分かっているから、ここから動けずにいたんだな。
自分もお腹が減ってるだろうに、なんて心根の優しい子なんだろう。
よっしゃ! ここは俺がひと肌脱ごうじゃないか。
まず、口笛を吹いてシロを呼ぶ。
すると2秒とかからず俺の隣へ戻ってきた。
さすがはフェンリル。近くには居なかったはずなのにこの速さである。
俺は、その犬人族の子にやさしく話かけた。
「俺の名前はゲン。こっちは従魔のシロだ。そっちは何て名前?」
「……メアリー」
とても小さな声で答えてくれた。
「よしメアリー。俺たちが今から家まで送ってやるから安心しな!」
そのように言ってあげるとメアリーの顔がいっきに輝いた。
「うん!」
そう元気よく頷いてくれた。
俺はアーツに事情を説明、しばらく持ち場を離れることを周りに告げて広場をあとにした。
手に持っていた黒パンとスープは、メアリーに断ってからインベントリーで預かることにした。
要らぬトラブルを避けるためだ。
そしてメアリーの案内で貧民街 (スラム) をずんずん進んでいく。
しかし、スラムの中というのは何とも嫌な感じだな。
人の姿は見えないのに視線だけが突き刺さってくる。
なんともいえない独特な雰囲気があるよなぁ。
この町のスラムはそこまで大きくないとのことだったが……。
時間にして10分程でメアリーの家に着いた。
なんて言っていいのか……、バラック小屋?
ドアは付いてない。風が吹けば倒れそうだ。
メアリーは先に小屋へと入っていった。
………………
――出てこない?
しばらく外で待っていたのだが、
「メアリー?」
小屋の入り口までいき声を掛けた。
しかし音沙汰がない。
仕方がないので、思いきって小屋に入ってみることにした。
「メアリー、どうかしたのか?」
薄暗い室内、俺は目を細めながら中を見渡す。
部屋の奥にはベッドが2つ並んでおりメアリーはそこに座り込んでいた。
近寄ってみると奥のベッドに誰かが横たわっている?
んんっ、なんだ……?
ハッ! となった俺は急いでベッドの傍にいき確認をした。
鼻に指を近づけてみる…………。
首筋で脈をとってみる…………。
――いつからだ?
食事を持って帰ろうとしたぐらいだから朝までは生きていたのだろう。
どのような関係だったかまでは分からないが、涙も流さずにただ呆然としているメアリーが不憫でならない。
さて、どうしたものかな……。
『これからどうするのか?』など、この娘に聞いたところで答えなんて出てきやしないだろう。
とりあえず話だけでもしてみるか。
「メアリー、この爺さんはすでに亡くなっている。この人以外に頼れる人はいるか?」
「…………」
だよなぁー。
ショックのあまり放心状態になっているし。
しかし、ここに置いていけば恐らくこの娘も死ぬことになる。
さぁて、どうする?
俺は呆然と突っ立っているメアリーの前に行き、膝を突くと両肩に手を乗せた。
「メアリー、もう一度聞くぞ。頼れる大人はこの辺にいるか?」
すると今度は顔をよこにフルフル。――やはりそうだったか。
教会の孤児院であずかってくれるといいのだが……。
そういう訳にもいかないだろうな。
このあいだ訪問した時も『子供たちの定員はいっぱいで順番待ちの状態なんです』とか言ってたしなぁ。
うーん、だからって放ってはおけないだろう。
こうして関わった以上、見捨てることなんて出来るわけがない。
「メアリー、よく聞いてくれ。この爺さんは俺が丁重に葬ってやる。行くところがないなら俺と一緒にくるか?」
「…………」
「…………」
メアリーはしばらく俺やシロの方を見ながら考えていたが、ようやく頷いてくれた。
「じゃあ、もうここには戻らないぞ。服とか持って行くものはあるか? あるなら俺が預かるから用意してくれ」
するとメアリーは薄汚れたトートバッグにいろいろと詰め込みはじめた。
その様子を見守りながら、こちらはまず爺さんの遺体をインベントリーへ収納した。
あとベッドはどうする? とてもベッドと呼べるしろものではないが……。
――いらないな。
それでは、爺さんの寝ていたベッドの周りをチェックしていきますかね。
俺にはインベントリーがあるので目についた物はどんどん収納していった。
ベッドの下にも木製の箱が置いてあったので取りあえず収納しておいた。
これで周りにある物はだいたい収納できたと思う。
メアリーの方はどうなった? あちらに目を向けてみる。
すると準備は終わっているらしく、お座りしているシロを撫でながらこちらを見ていた。
このまま炊き出しの広場に戻ってもいいが、おそらくはややこしい事になるよな。
シスターマヤも居るしね。
一旦、家に帰ってメアリーを預けて広場に戻るのが無難だろう。
まず、シロに頼んでメアリーと荷物に浄化を掛けてもらう。
次にメアリーを片手で抱き上げ、もう一方の手をシロの背にあて。
――トラベル!
家の裏庭へ出た。
メアリーがビックリしているが人差し指を立てて「ないしょだよ」と言っておいた。
いつものように裏口から家に入った俺はマクベさんとカイアさんを呼んでもらった。
そして、お腹をすかしているメアリーに何か食べさせようと、今は食堂のテーブルに座っている。
取りあえずさっき預かっていた黒パンとスープを出してあげた。
知らない家に連れてこられ最初は緊張していたようだが、お腹の虫には敵わなかったみたいだ。
黒パンをスープにつけて食べ始めた。
インベントリーに入れていたのでスープはまだ温かいままだ。
その姿をあたたかく見守っているとマクベさんとカイアさんが食堂に来てくれた。
「ゲン、どうしたんだい? 今日は炊き出しに行くとか言ってなかったかい」
「はい、貧民街 (スラム) に行っていたのですが事情があって一時戻ってきました」
「えぇ~、どうしたのその子? 可愛いわね~。事情ってもしかして……」
「その通りです。ちょっと込み入った事情があるのですが聞いて頂けますか?」
そして、メアリーを連れてきた経緯を隠さず全てを二人に話した。
それを聞いていたマクベさんは少し驚いてはいたが……最後に、
「覚悟はあるのかい?」
「あります!」
俺はまっすぐマクベさんの目を見て答えた。
それを聞いたマクベさんは「ふぅー」とひとつため息をついた。
「覚悟があるのなら、もう何も言わない。責任を持って育てるんだよ」
「じゃあ、今日はメアリーちゃんの歓迎会ね~。楽しみだわ~」
カイアさんのテンションはいつにも増して急上昇するのであった。
作. 管澤捻さま
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