36 / 107
33 オーク・キング
しおりを挟む
女性たちは茫然自失で座り込んでしまっていた。
シロからの知らせで崖の上に居るオークどもが騒いでいるらしいのだ。
オーク共は鼻が利く。
おそらく血の匂いを嗅ぎつけたのだろう。
さて、あまり時間がないぞ。――どうする。
トラベルを使ってここを離れるか? いや、俺たちが居なくなったらオークどもが街道に出ばってくるかもしれない。
不可抗力とはいえ、それはそれで拙い。
では、迎え撃つしかないのか?
それらのことをアーツに伝え、俺はオークの亡骸をイベントリーに回収していく。
そして、女性の一人を抱え川向こうにジャンプして移動する。
もう一人の女性を抱えてアーツも俺に続く。
その場に女性二人を下ろし治癒と結界の魔法をシロにお願いした。
それから浄化も……だな。
女性たちは手や足に何ヶ所も傷を負っていた。
それに、抱えあげた時に気付いたのだが粗相をしていたのだ。
力なく座っている女性たちに俺は片膝を突いて、
「すぐに終わらせてくるからここで静かに待っていて欲しい。ここには結界を張っているから虫1ぴき入って来れないので安心するといい」
不安げな顔をしている女性たちにニッコリと笑って伝えた。
そして、女性たちが頷くのを確認したのち俺たちは再び川を飛び越えた。
洞窟のある場所に向かって静かに進んでいく。
洞窟の前にある広場が見えてきた。俺たちは草むらに身を沈めながら様子を伺っている。
見張り台で騒いでいるオークに反応したのだろうか、洞窟の中に居たオークがわらわらと外へ出てきている。
そして、目の前の広場に集結していく。
俺は横に控えているシロに小さな声で、
「シロ、これからオーク共をやつけるぞ。ウインドカッターの最大出力でいくからな」
俺はそう言うとシロの頭を一撫でしてから、左手を背に置き右掌を洞窟へと向けた。
横に並んでいるアーツに目で合図を送る。
アーツは長剣を抜き放ちいつでも出られるように待機すると、ゆっくりとこちらに頷いてきた。
俺は大きく深呼吸をしたのち……タメをつくり、
「――ウインドカッター!!」
俺の発した大声にオーク共がこちらを振りむいたが、
次の瞬間にはウインドカッターがオーク共の体を切り刻んでいく。
広場に出ていた20頭程のオークは全てが四散して崩れおちた。
そして、さらには洞窟がある崖をも一緒に切り崩していた。
これにより、崖の上に居たオーク共は一瞬で瓦礫にのまれる結果となった。
「…………」
「…………」
あれれっ! ちょっとやり過ぎたかなぁ?
肩を窄めて隣を見やるとアーツがジト目で俺を睨んでいた。
と、その時である。
土砂と瓦礫で塞がれていた洞窟から ――ガバッ! とデカい手が飛び出してきたのだ。
さらに周りの土がだんだん盛り上がっていく。
そして、そこに姿を現したのは身の丈3mは有ろうかという巨大なオークであった。
おほ――、デカいなぁ! あれが『オークキング』なのかぁ。
顔もデカいし、あそこもデカい! ――獰猛そうだ。
って、この辺のオークは腰みの付ける文化はないのだろう。ヤツらは皆ふりチンだった。
さて、どうする?
シロに頼めば秒で終わらせるだろうしなぁ。
実力も見てみたいし、ここはアーツに戦ってもらうか。
そこで俺は、前から一度言ってみたかったセリフをここで口にした。
バスターソードを引き抜き、巨大オークを睨みつけたまま…………。
「先生! お願いしやす」
するとアーツは俺の横から飛び出しオークキングに向かって突撃していった。
あ~ぁ、ホントに行っちゃったよ。ただの越後屋あそびだったのに……。
ここは俺の頭にゲンコツを落として、『おまえ何言ってんだぁ!』の場面だろうよ。
先生と呼ばれたのがよっぽど嬉しかったんだろうね。――もう言わないけど。
巨大オークキングはアーツに任せて地を這って藻掻いているオークに止めを刺していく。
そして、さっき斬り刻んだオークもインベントリーに入れいく。
あれから10分程過ぎたがアーツはまだ戦っていた。
暇になった俺はシロを連れてあちらこちらと回り浄化を掛けていく。
さっきのオークジェネラルが持っていた男性の首も適当な所に埋めてあげた。
あの女性たちも変わり果てた首なんか見たくないだろうしな。
んっ! そろそろ決着がつくのかな。
まぁ、最後ぐらいは見届けてあげよう。
そうしないと、”どうだ。見たか!” と言われたときに目を逸らしてしまいそうだ。
「これで、とどめだぁああああああああああああああああっ!」
アーツ渾身の一撃がオークキングの首に叩き込まれる。
すると、首から真っ赤な血を吹き出しながらオークキングはゆっくりと後ろに倒れていった。
何やらアーツはかっこよく残身を決めている。
だけどな~、『先生』と呼ばれる人はほとんどが切られ役なんだけどねぇ。
なのに勝ってるじゃん。
これでは越後屋が大喜びして、悪が蔓延ってしまうじゃないか。
現実は斯くも厳しいものだよな。
俺は倒されたオークキングの横へ行くとささっと亡骸を収納して踵を返す。
「おおい! 何かこう……ないのか?」
後ろで何か言っているようだが、労いの言葉は後まわしにする。
アーツには悪いが待ってる人がいるのだ。
俺たちは救出した女性の元へ戻ってきた。
「オーク共はすべて始末してきたよ。……それにしても今回は大変だったよねぇ。歩るくことはできそう?」
そのように俺が聞くと女性たちはコクンと頷いた。
俺達はとりあえず街道まで出てきた。
しかし、帰るまえに彼女たちが襲われたという場所も見ておく必要があるだろう。
それで話を聞いてみると。
彼女ら4人を乗せた馬車は今朝方街道を移動中、森に隠れていたオーク共の待ち伏せにあい襲われてしまったようだ。
場所はラファール領方面から山を下ってきて、村を過ぎたあたりらしい。
それなら、ここからそう遠くはないだろう。
街道を北へ向かって進むこと30分、街道脇に壊された馬車を発見した。
争った形跡はあるものの、馬も人の死体もそこには残っていなかった。
ついてきた二人に馬車を見てもらったが中の荷物は全て持ち去られていた。
それで二人に『これからどうする?』と聞いてはみたのだが……。
当の本人たちは涙を流しながらその場にうずくまってしまった。
俺はアーツと目を合わせ、これはどうしたものかと困り果てていた。
それから、しばらくして二人はふらふらと立ち上り、昼食をとっていた俺たちのところまでやってきた。
「私たちはこの辺のことは全くわかりません。できれば、近くの町まで連れていってもらえないでしょうか?」
女性の一人がやつれた顔でそんなことを言ってきた。
「まあ、こんなところに放ってはいかないよ。私の住んでる町までは連れて行ってあげるから」
「お腹が空いているでしょう。固いですが良かったらこれをどうぞ」
俺とシロが昼食として食べていた干し肉を彼女たちに少し分けてあげた。
そして、皆で干し肉を齧りながら彼女たちの話を聞いていった。
なんでも、彼女たちが住んでいた村は農地も少なくとても貧しかったそうだ。
そこで体力のある若者は村を離れ、仕事を求めて近くの町に出稼ぎに行っていたという。
今回襲われた4人も村を出てからは仕事を求め町から町へと渡っていくなかで、『そこに行けば仕事や働き場がたくさんある』との噂を聞きつけた。
そして最終的には王都にたどり着こうと4人で頑張っていたのだとか。
移動をする際は護衛を雇う余裕がないため、常に怯えながらの移動であったそうだ。
こうして話を聞いてみると、ラファール領には魔獣が少ないのかもしれない。
とは言え不用心にも程があるだろ。街道には盗賊だっているのだ。
………………
しかし、まあ、せっかく助かった命である。
俺たちの町まではしっかり送ってあげるから、これからも頑張って生きてほしい。
馬車を見てみると少し直せば使えそうだよな。
そこで馬車を大銀貨4枚、4000バースで買い取ってあげることにした。
それから馬車をインベントリーに収納するのだが彼女らには大型のマジックバッグということにしている。
まあ、アーツにはオークジェネラルを見せた時点で説明しているので問題はなかった。
俺たちは町へ帰るため来た道を引き返していく。
途中で一晩野営を行ないはしたが何事もなくモンソロの町へ帰還した。
依頼報告のため冒険者ギルドに入っていくと、そのままギルマスの部屋に通された。
それでガンバ・ラルさんに詳しい事情を話していく。
すると、今回はオークキングの討伐報酬も一緒に出してくれるという。
もちろん、証拠品としてオークキングとオークジェネラルの亡骸を見せることになったわけだが。
「んん、ほとんど傷んでないようだが……」
ガンバ・ラルさんに突っ込まれる場面もあったのだが、そこはアーツがうまいこと話してくれた。
それで今回の報酬になるのだが、
オーク襲撃現場の確認と住処の発見。オークキング1頭、オークジェネラル2頭、及びオーク30頭の討伐手当を合わせて金貨2枚。
また、オークキング1頭とオークジェネラル2頭の素材買い取り額が金貨3枚にもなった。
それで、合計が金貨5枚で50,000バースとなかなかの報酬になった。
分け前としては俺が金貨2枚をもらうことにした。
するとアーツは、
「いやいや、ここは普通に折半だろう!」
そう最後までゴネていたのだが、
「スラムの炊き出し費用にでも使ってくれ」
そう押し切って、俺はシロを連れ冒険者ギルドをあとにした。
シロからの知らせで崖の上に居るオークどもが騒いでいるらしいのだ。
オーク共は鼻が利く。
おそらく血の匂いを嗅ぎつけたのだろう。
さて、あまり時間がないぞ。――どうする。
トラベルを使ってここを離れるか? いや、俺たちが居なくなったらオークどもが街道に出ばってくるかもしれない。
不可抗力とはいえ、それはそれで拙い。
では、迎え撃つしかないのか?
それらのことをアーツに伝え、俺はオークの亡骸をイベントリーに回収していく。
そして、女性の一人を抱え川向こうにジャンプして移動する。
もう一人の女性を抱えてアーツも俺に続く。
その場に女性二人を下ろし治癒と結界の魔法をシロにお願いした。
それから浄化も……だな。
女性たちは手や足に何ヶ所も傷を負っていた。
それに、抱えあげた時に気付いたのだが粗相をしていたのだ。
力なく座っている女性たちに俺は片膝を突いて、
「すぐに終わらせてくるからここで静かに待っていて欲しい。ここには結界を張っているから虫1ぴき入って来れないので安心するといい」
不安げな顔をしている女性たちにニッコリと笑って伝えた。
そして、女性たちが頷くのを確認したのち俺たちは再び川を飛び越えた。
洞窟のある場所に向かって静かに進んでいく。
洞窟の前にある広場が見えてきた。俺たちは草むらに身を沈めながら様子を伺っている。
見張り台で騒いでいるオークに反応したのだろうか、洞窟の中に居たオークがわらわらと外へ出てきている。
そして、目の前の広場に集結していく。
俺は横に控えているシロに小さな声で、
「シロ、これからオーク共をやつけるぞ。ウインドカッターの最大出力でいくからな」
俺はそう言うとシロの頭を一撫でしてから、左手を背に置き右掌を洞窟へと向けた。
横に並んでいるアーツに目で合図を送る。
アーツは長剣を抜き放ちいつでも出られるように待機すると、ゆっくりとこちらに頷いてきた。
俺は大きく深呼吸をしたのち……タメをつくり、
「――ウインドカッター!!」
俺の発した大声にオーク共がこちらを振りむいたが、
次の瞬間にはウインドカッターがオーク共の体を切り刻んでいく。
広場に出ていた20頭程のオークは全てが四散して崩れおちた。
そして、さらには洞窟がある崖をも一緒に切り崩していた。
これにより、崖の上に居たオーク共は一瞬で瓦礫にのまれる結果となった。
「…………」
「…………」
あれれっ! ちょっとやり過ぎたかなぁ?
肩を窄めて隣を見やるとアーツがジト目で俺を睨んでいた。
と、その時である。
土砂と瓦礫で塞がれていた洞窟から ――ガバッ! とデカい手が飛び出してきたのだ。
さらに周りの土がだんだん盛り上がっていく。
そして、そこに姿を現したのは身の丈3mは有ろうかという巨大なオークであった。
おほ――、デカいなぁ! あれが『オークキング』なのかぁ。
顔もデカいし、あそこもデカい! ――獰猛そうだ。
って、この辺のオークは腰みの付ける文化はないのだろう。ヤツらは皆ふりチンだった。
さて、どうする?
シロに頼めば秒で終わらせるだろうしなぁ。
実力も見てみたいし、ここはアーツに戦ってもらうか。
そこで俺は、前から一度言ってみたかったセリフをここで口にした。
バスターソードを引き抜き、巨大オークを睨みつけたまま…………。
「先生! お願いしやす」
するとアーツは俺の横から飛び出しオークキングに向かって突撃していった。
あ~ぁ、ホントに行っちゃったよ。ただの越後屋あそびだったのに……。
ここは俺の頭にゲンコツを落として、『おまえ何言ってんだぁ!』の場面だろうよ。
先生と呼ばれたのがよっぽど嬉しかったんだろうね。――もう言わないけど。
巨大オークキングはアーツに任せて地を這って藻掻いているオークに止めを刺していく。
そして、さっき斬り刻んだオークもインベントリーに入れいく。
あれから10分程過ぎたがアーツはまだ戦っていた。
暇になった俺はシロを連れてあちらこちらと回り浄化を掛けていく。
さっきのオークジェネラルが持っていた男性の首も適当な所に埋めてあげた。
あの女性たちも変わり果てた首なんか見たくないだろうしな。
んっ! そろそろ決着がつくのかな。
まぁ、最後ぐらいは見届けてあげよう。
そうしないと、”どうだ。見たか!” と言われたときに目を逸らしてしまいそうだ。
「これで、とどめだぁああああああああああああああああっ!」
アーツ渾身の一撃がオークキングの首に叩き込まれる。
すると、首から真っ赤な血を吹き出しながらオークキングはゆっくりと後ろに倒れていった。
何やらアーツはかっこよく残身を決めている。
だけどな~、『先生』と呼ばれる人はほとんどが切られ役なんだけどねぇ。
なのに勝ってるじゃん。
これでは越後屋が大喜びして、悪が蔓延ってしまうじゃないか。
現実は斯くも厳しいものだよな。
俺は倒されたオークキングの横へ行くとささっと亡骸を収納して踵を返す。
「おおい! 何かこう……ないのか?」
後ろで何か言っているようだが、労いの言葉は後まわしにする。
アーツには悪いが待ってる人がいるのだ。
俺たちは救出した女性の元へ戻ってきた。
「オーク共はすべて始末してきたよ。……それにしても今回は大変だったよねぇ。歩るくことはできそう?」
そのように俺が聞くと女性たちはコクンと頷いた。
俺達はとりあえず街道まで出てきた。
しかし、帰るまえに彼女たちが襲われたという場所も見ておく必要があるだろう。
それで話を聞いてみると。
彼女ら4人を乗せた馬車は今朝方街道を移動中、森に隠れていたオーク共の待ち伏せにあい襲われてしまったようだ。
場所はラファール領方面から山を下ってきて、村を過ぎたあたりらしい。
それなら、ここからそう遠くはないだろう。
街道を北へ向かって進むこと30分、街道脇に壊された馬車を発見した。
争った形跡はあるものの、馬も人の死体もそこには残っていなかった。
ついてきた二人に馬車を見てもらったが中の荷物は全て持ち去られていた。
それで二人に『これからどうする?』と聞いてはみたのだが……。
当の本人たちは涙を流しながらその場にうずくまってしまった。
俺はアーツと目を合わせ、これはどうしたものかと困り果てていた。
それから、しばらくして二人はふらふらと立ち上り、昼食をとっていた俺たちのところまでやってきた。
「私たちはこの辺のことは全くわかりません。できれば、近くの町まで連れていってもらえないでしょうか?」
女性の一人がやつれた顔でそんなことを言ってきた。
「まあ、こんなところに放ってはいかないよ。私の住んでる町までは連れて行ってあげるから」
「お腹が空いているでしょう。固いですが良かったらこれをどうぞ」
俺とシロが昼食として食べていた干し肉を彼女たちに少し分けてあげた。
そして、皆で干し肉を齧りながら彼女たちの話を聞いていった。
なんでも、彼女たちが住んでいた村は農地も少なくとても貧しかったそうだ。
そこで体力のある若者は村を離れ、仕事を求めて近くの町に出稼ぎに行っていたという。
今回襲われた4人も村を出てからは仕事を求め町から町へと渡っていくなかで、『そこに行けば仕事や働き場がたくさんある』との噂を聞きつけた。
そして最終的には王都にたどり着こうと4人で頑張っていたのだとか。
移動をする際は護衛を雇う余裕がないため、常に怯えながらの移動であったそうだ。
こうして話を聞いてみると、ラファール領には魔獣が少ないのかもしれない。
とは言え不用心にも程があるだろ。街道には盗賊だっているのだ。
………………
しかし、まあ、せっかく助かった命である。
俺たちの町まではしっかり送ってあげるから、これからも頑張って生きてほしい。
馬車を見てみると少し直せば使えそうだよな。
そこで馬車を大銀貨4枚、4000バースで買い取ってあげることにした。
それから馬車をインベントリーに収納するのだが彼女らには大型のマジックバッグということにしている。
まあ、アーツにはオークジェネラルを見せた時点で説明しているので問題はなかった。
俺たちは町へ帰るため来た道を引き返していく。
途中で一晩野営を行ないはしたが何事もなくモンソロの町へ帰還した。
依頼報告のため冒険者ギルドに入っていくと、そのままギルマスの部屋に通された。
それでガンバ・ラルさんに詳しい事情を話していく。
すると、今回はオークキングの討伐報酬も一緒に出してくれるという。
もちろん、証拠品としてオークキングとオークジェネラルの亡骸を見せることになったわけだが。
「んん、ほとんど傷んでないようだが……」
ガンバ・ラルさんに突っ込まれる場面もあったのだが、そこはアーツがうまいこと話してくれた。
それで今回の報酬になるのだが、
オーク襲撃現場の確認と住処の発見。オークキング1頭、オークジェネラル2頭、及びオーク30頭の討伐手当を合わせて金貨2枚。
また、オークキング1頭とオークジェネラル2頭の素材買い取り額が金貨3枚にもなった。
それで、合計が金貨5枚で50,000バースとなかなかの報酬になった。
分け前としては俺が金貨2枚をもらうことにした。
するとアーツは、
「いやいや、ここは普通に折半だろう!」
そう最後までゴネていたのだが、
「スラムの炊き出し費用にでも使ってくれ」
そう押し切って、俺はシロを連れ冒険者ギルドをあとにした。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し
gari
ファンタジー
突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。
知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。
正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。
過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。
一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。
父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!
地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……
ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!
どうする? どうなる? 召喚勇者。
※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
ノーアビリティと宣告されたけど、実は一番大事なものを 盗める能力【盗聖】だったので無双する
名無し
ファンタジー
16歳になったら教会で良いアビリティを貰い、幼馴染たちと一緒にダンジョンを攻略する。それが子供の頃からウォールが見ていた夢だった。
だが、彼が運命の日に教会で受け取ったのはノーアビリティという現実と不名誉。幼馴染たちにも見限られたウォールは、いっそ盗賊の弟子にでもなってやろうと盗賊の隠れ家として噂されている山奥の宿舎に向かった。
そこでウォールが出会ったのは、かつて自分と同じようにノーアビリティを宣告されたものの、後になって強力なアビリティを得た者たちだった。ウォールは彼らの助力も得て、やがて最高クラスのアビリティを手にすることになる。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ
ボケ猫
ファンタジー
日々、異世界などの妄想をする、アラフォーのテツ。
ある日突然、この世界のシステムが、魔法やレベルのある世界へと変化。
夢にまで見たシステムに大喜びのテツ。
そんな中、アラフォーのおっさんがレベルを上げながら家族とともに新しい世界を生きていく。
そして、世界変化の一因であろう異世界人の転移者との出会い。
新しい世界で、新たな出会い、関係を構築していこうとする物語・・・のはず・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる