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第2章
18話
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「よくあることだから。気にしないで」
と、レモンは魔弾銃を装填しながら口にする。
「あの・・・バヌーさんたちになにかあったんでしょうか?」
そこでレモンは「はぁ・・・」とため息をつく。
どうやら機嫌がそこまでよくないらしい。
「あいつなら、今配信してると思うよ」
「はい? 配信・・・?」
あまりに予想の斜め上の言葉にゲントは思わずびっくりする。
「え、嘘だよね? その歳で配信も知らないってことないでしょ?」
ルルムは首をかしげるが、日本からやって来たゲントには、もちろんピンと来るものがあった。
(配信ってあれだよな。yo〇tubeとか動画サイトの・・・あの配信ってこと?)
それから詳しくレモンの話を聞けば、当たらずといえども遠からずといったところだった。
なんでも『交信の書』の魔法を使って配信ができるらしい。
以下が主要な伝達魔法のようだ。
==================================
[魔法名]
接続
[魔法レベル/属性]
レベル1/無-伝達
[必要MQ]
40以上
[魔力消費]
5
[効果]
指定したチャンネルに接続し、配信を視聴することができる。
発動者のMQが高ければ高いほど接続時間が長くなる。(最大120分)
==================================
[魔法名]
交信
[魔法レベル/属性]
レベル3/無-伝達
[必要MQ]
50以上
[魔力消費]
30
[効果]
指定したチャンネルに接続し、会話することができる。
発動者のMQが高ければ高いほど接続時間が長くなる。(最大60分)
==================================
[魔法名]
配信
[魔法レベル/属性]
レベル5/無-伝達
[必要MQ]
60以上
[魔力消費]
60
[効果]
チャンネルを媒体として配信することができる。
発動者のMQが高ければ高いほど配信時間が長くなる。(最大150分)
==================================
『交信の書』に記された伝達魔法は、一番気軽に使える魔法のようで、日常的に多くの者が使っているのだという。
たとえば〈配信〉の魔法の場合、光のパネルを通じて配信を行うことができるようだ。
通常、光のパネルは無色透明だが、配信を行う場合は赤色に、視聴する場合は青色に輝くらしい。
「ひぇっ~。魔法でそんなこともできちゃんですかっ!?」
驚くルルムとはべつの意味でゲントも驚いていた。
(まさかこの異世界でyo〇tubeと似たような文化が根づいてるなんて)
想像していた〝剣と魔法の世界〟のイメージからはかなりかけ離れるため、それを理解するのにゲントはしばらく時間がかかった。
レモンは肩にかけた魔弾銃を構えると、ダンジョンの通路を歩きながら口にする。
「この前はきちんと話さなかったけどさ。あいつは王選候補者なんだよね」
「王選候補者?」
「はい? ちょっと・・・王選も知らないなんてことある? あなた本当にロザリア国民なの?」
「すみません。情報にはいろいろと疎くて」
呆れるレモンだったが、律儀にもこれについてもゲントに詳しく説明をする。
ちょうど1年ほど前からここロザリアでは、王女に相応しい次期国王を決めるために王立選挙が開催されているのだという。
「・・・ということは、今ロザリアでは国王さまは不在なんですか?」
「あなたホントに大丈夫そ? こんなの、説明するまでもなく国民の常識じゃん」
もはや開いた口が塞がらないといった様子のレモン。
なんでも今は、王女であるマルシル姫が国王代理を務めているのだという。
「ふぇぇ・・・。お姫様が王様の代理を務めてるなんてすごいですぅ~・・・」
「王選候補者はぜんぶで5人ね? 週に何度か『交信の書』を使って、国民に自身をアピールする生配信を行ってるんだよ」
「生配信ですか」
「配信の内容はいろいろかな。ダンジョンの攻略だったり、日常のルーティン紹介だったり、雑談だったり、質問を受け付けたり・・・。なんでもありって感じ」
国民は『交信の書』を使って、王選候補者たちのチャンネルにアクセスし、生配信を確認することができるようだ。
「だから今日も配信してるんでしょ? どーでもいい雑談とかね」
「へぇ」
配信の内容はまんまyo〇tubeのそれと同じだ。
ほとんどもといた世界と変わらないことをしているため、ここは本当に異世界なのかとゲントは変な錯覚に囚われてしまう。
「でもすごいですねっ~! バヌーさん、このまま王様になっちゃうんですかっ!? ひぇぇ~!?」
ルルムと同じようにゲントも感心していた。
(たしかにすごい・・・。王選に立候補してて今1位だなんて)
レモンによれば、バヌーは中間発表の結果、現在候補者の中で1位なのだという。
本来ならば仲間を祝福すべきところのはずだが、レモンの言葉の節々には棘のようなものが含まれていた。
「ほかのおふたりはどうしたんでしょうか? ジョネスさんとアウラさんでしたっけ?」
「あいつらはバヌーの犬だから」
「え?」
「とにかく・・・。今日はウチとあなたの2人だけ。ぜったい足手まといにだけはならないでよ?」
「わかりました。よろしくお願いします」
なにかパーティーの中で事情があるのかもしれない。
そう察知したゲントはそれ以上は深く詮索せず、レモンのあとについて行くのだった。
と、レモンは魔弾銃を装填しながら口にする。
「あの・・・バヌーさんたちになにかあったんでしょうか?」
そこでレモンは「はぁ・・・」とため息をつく。
どうやら機嫌がそこまでよくないらしい。
「あいつなら、今配信してると思うよ」
「はい? 配信・・・?」
あまりに予想の斜め上の言葉にゲントは思わずびっくりする。
「え、嘘だよね? その歳で配信も知らないってことないでしょ?」
ルルムは首をかしげるが、日本からやって来たゲントには、もちろんピンと来るものがあった。
(配信ってあれだよな。yo〇tubeとか動画サイトの・・・あの配信ってこと?)
それから詳しくレモンの話を聞けば、当たらずといえども遠からずといったところだった。
なんでも『交信の書』の魔法を使って配信ができるらしい。
以下が主要な伝達魔法のようだ。
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[魔法名]
接続
[魔法レベル/属性]
レベル1/無-伝達
[必要MQ]
40以上
[魔力消費]
5
[効果]
指定したチャンネルに接続し、配信を視聴することができる。
発動者のMQが高ければ高いほど接続時間が長くなる。(最大120分)
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[魔法名]
交信
[魔法レベル/属性]
レベル3/無-伝達
[必要MQ]
50以上
[魔力消費]
30
[効果]
指定したチャンネルに接続し、会話することができる。
発動者のMQが高ければ高いほど接続時間が長くなる。(最大60分)
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[魔法名]
配信
[魔法レベル/属性]
レベル5/無-伝達
[必要MQ]
60以上
[魔力消費]
60
[効果]
チャンネルを媒体として配信することができる。
発動者のMQが高ければ高いほど配信時間が長くなる。(最大150分)
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『交信の書』に記された伝達魔法は、一番気軽に使える魔法のようで、日常的に多くの者が使っているのだという。
たとえば〈配信〉の魔法の場合、光のパネルを通じて配信を行うことができるようだ。
通常、光のパネルは無色透明だが、配信を行う場合は赤色に、視聴する場合は青色に輝くらしい。
「ひぇっ~。魔法でそんなこともできちゃんですかっ!?」
驚くルルムとはべつの意味でゲントも驚いていた。
(まさかこの異世界でyo〇tubeと似たような文化が根づいてるなんて)
想像していた〝剣と魔法の世界〟のイメージからはかなりかけ離れるため、それを理解するのにゲントはしばらく時間がかかった。
レモンは肩にかけた魔弾銃を構えると、ダンジョンの通路を歩きながら口にする。
「この前はきちんと話さなかったけどさ。あいつは王選候補者なんだよね」
「王選候補者?」
「はい? ちょっと・・・王選も知らないなんてことある? あなた本当にロザリア国民なの?」
「すみません。情報にはいろいろと疎くて」
呆れるレモンだったが、律儀にもこれについてもゲントに詳しく説明をする。
ちょうど1年ほど前からここロザリアでは、王女に相応しい次期国王を決めるために王立選挙が開催されているのだという。
「・・・ということは、今ロザリアでは国王さまは不在なんですか?」
「あなたホントに大丈夫そ? こんなの、説明するまでもなく国民の常識じゃん」
もはや開いた口が塞がらないといった様子のレモン。
なんでも今は、王女であるマルシル姫が国王代理を務めているのだという。
「ふぇぇ・・・。お姫様が王様の代理を務めてるなんてすごいですぅ~・・・」
「王選候補者はぜんぶで5人ね? 週に何度か『交信の書』を使って、国民に自身をアピールする生配信を行ってるんだよ」
「生配信ですか」
「配信の内容はいろいろかな。ダンジョンの攻略だったり、日常のルーティン紹介だったり、雑談だったり、質問を受け付けたり・・・。なんでもありって感じ」
国民は『交信の書』を使って、王選候補者たちのチャンネルにアクセスし、生配信を確認することができるようだ。
「だから今日も配信してるんでしょ? どーでもいい雑談とかね」
「へぇ」
配信の内容はまんまyo〇tubeのそれと同じだ。
ほとんどもといた世界と変わらないことをしているため、ここは本当に異世界なのかとゲントは変な錯覚に囚われてしまう。
「でもすごいですねっ~! バヌーさん、このまま王様になっちゃうんですかっ!? ひぇぇ~!?」
ルルムと同じようにゲントも感心していた。
(たしかにすごい・・・。王選に立候補してて今1位だなんて)
レモンによれば、バヌーは中間発表の結果、現在候補者の中で1位なのだという。
本来ならば仲間を祝福すべきところのはずだが、レモンの言葉の節々には棘のようなものが含まれていた。
「ほかのおふたりはどうしたんでしょうか? ジョネスさんとアウラさんでしたっけ?」
「あいつらはバヌーの犬だから」
「え?」
「とにかく・・・。今日はウチとあなたの2人だけ。ぜったい足手まといにだけはならないでよ?」
「わかりました。よろしくお願いします」
なにかパーティーの中で事情があるのかもしれない。
そう察知したゲントはそれ以上は深く詮索せず、レモンのあとについて行くのだった。
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