35 / 77
第2章
9話
しおりを挟む
そのあと。
ゲントは何度か同じように人型クラーケンへの接近を試みる。
しかし。
『わわぁっ!? またですよぉ~マスターぁぁ・・・!』
奥義で相殺しながらゲントは素早く後退する。
(ふぅ・・・ダメか)
魔剣をフロアの床に突き刺しながら、ゲントはこめかみに指を当てた。
何度か試してみてわかったことがある。
それはあるラインを越えて近づこうとすると、人型クラーケンは無条件に攻撃魔法を仕掛けてくるという点だった。
《天駆》と《風纏い》のアビリティを所有するゲントですら近づくのが不可能なほど、相手はあらゆる方角へ向けていっせいに魔法を撃ち込んでくる。
鉄巨人の時と状況が大きく違うのは、ここが狭い空間の中ということだ。
結局は引き下がるしかないという状況をもう何度も繰り返していた。
(それなら・・・こういうのはどうだ?)
葬冥の魔剣をふたたび手に持つと、ゲントは離れた場所から遠距離の奥義を放つ。
「奥義其の25――〈払車滝壺剱〉!」
==================================
[奥義名]
払車滝壺剱
[威力/範囲]
B+/単
[消費SP]
15%
[効果]
対なる剣技を交差させながら叩き込む防御完全無視の二段攻撃。
敵単体に命中率の高い大ダメージを与える。
==================================
ゲントが魔剣を振り抜くと、連なるの双撃波がボスに目がけて飛んでいく。
が。
ドゴォォォン!!
相手も同じように火属性の魔法を放ってこれを相殺してくる。
まさになす術がないといった状況だった。
『どうしましょうぉ~~! あのタコ、まったく隙がありませんっ~~!?』
「ちょっと困ったな」
というのも、これでほとんどわかってしまったからだ。
相手が並のボスではないということが。
(こんな芸当ができるってことは・・・やっぱりそういうことだよな)
フェルンに匹敵するその常軌を逸した力量を目の当たりにし、ゲントは確信する。
間違いない。
目の前にいるこのモンスターこそが叡智の占領者なのだと。
おそらく、長年放置してあった瘴気がたまりにたまって、このような怪物を生み出してしまったのだろうとゲントは推察する。
『ええぇっ~~!? このタコが叡智の占領者さんなんですかぁっ!?』
「たぶんね。それだといろいろ説明がつくんだ」
なぜ『フルゥーヴ伝承洞』に出現するモンスターだけ魔法が使えて、冒険者は使えなかったのか。
理由は単純だ。
この人型クラーケンが味方のモンスターにだけ発動の承認を行っていた。
それだけのことだったのだろう。
魔力総量は高ければ高いほど優先権の及ぶ区域は広くなるわけだが、フェルンによればこれは調整可能なものらしい。
本来ならば、この人型クラーケンの優先権はテラスタル領の全域まで及んでいるはずなのだが、どういうわけかこのダンジョン周辺の狭い範囲にだけ区域を絞っている。
ここでヒントとなるのが先ほどのルルムの言葉だ。
(たぶんこいつは生まれたてで、自分の縄張りを守ることだけに意識が向いてるんだ)
だからこそ、こんな風に極端に狭い範囲に優先権が絞られてしまっている。
こう考えるとすべての辻褄が合った。
ここ最近、エコーズで『生成の書』が発動できなかったり、『治癒の書』が使えたりしたのは、このボスがまだ赤子で魔法の性質をよく理解していなかったためなのだろう、とゲントは思う。
ただ、これは不幸中の幸いと言える。
(こいつが成長したら、どんなバケモノが誕生するかわからない)
テラスタル領全域に及んで、今後魔法が一切使えなくなるなんて自体にもなりかねなかった。
やはり、このまま放置しておくのは危険だとゲントは再確認する。
『そうですっ、マスター! まだあのタコのステータスを確認してませんでしたよねっ?』
「言われてみればそうだね。ちょっと確認してみよう」
『はいっ♪』
距離は少しあったが魔晄に呼びかけると、問題なく敵のステータスが光のパネルに表示される。
==================================
[モンスター名]
ガノンドロフ
[危険度]
S級
[タイプ]
水棲型
[ステータス]
Lv. 72
HP 140000/140000
MQ 270
魔力総量 450万6600
==================================
(ガノンドロフ・・・。危険度はS級か)
昨日、冒険者ギルドへ行った際、張り出されていたクエストのボス危険度は、だいたいがA級~B級の範囲に設定されていた。
それを考えると、このガノンドロフがどれだけ脅威的なボスであるかがわかる。
このまま放置しておくと、鉄巨人に匹敵するほどの力を得てしまうかもしれない。
そしてなによりも。
ゲントの目を引いたのが敵の魔力総量だった。
(450万6600か・・・すごいな)
フェルンに迫るほどの魔力総量だ。
当然、この数値だとテラスタル領の領主を越えている可能性が考えられる。
とにかく・・・とゲントは思う。
今できることは、近づいたり離れたりを繰り返して、相手の魔力を浪費させていくしかなかった。
(こうなれば体力勝負だ)
「ルルム。もう少しだけ、がんばってみようか」
『りょーかいしましたぁっ~!! マスターのお役に立てるよう魔剣へさらに力を送りますねっ♪』
「頼んだよ」
覚悟を決め、改めてラインに踏み込もうとするゲントだったが・・・。
ピッカァァーーン!!
(!)
その時。
これまでフロアの片隅で固まっていたガノンドロフの全身が眩い光をもって輝きはじめる。
『マスターっ! なんかタコの様子が変ですっ~!? 注意してくださいっ!!』
それから虹色に体躯を変色させたかと思えば・・・。
「クゥァゥォピィャ~~!!」
ドカッドカッドカッドカッ!!
いっせいに魔法陣を立ち上げ、攻撃魔法を連続で放ってきた。
ゲントは何度か同じように人型クラーケンへの接近を試みる。
しかし。
『わわぁっ!? またですよぉ~マスターぁぁ・・・!』
奥義で相殺しながらゲントは素早く後退する。
(ふぅ・・・ダメか)
魔剣をフロアの床に突き刺しながら、ゲントはこめかみに指を当てた。
何度か試してみてわかったことがある。
それはあるラインを越えて近づこうとすると、人型クラーケンは無条件に攻撃魔法を仕掛けてくるという点だった。
《天駆》と《風纏い》のアビリティを所有するゲントですら近づくのが不可能なほど、相手はあらゆる方角へ向けていっせいに魔法を撃ち込んでくる。
鉄巨人の時と状況が大きく違うのは、ここが狭い空間の中ということだ。
結局は引き下がるしかないという状況をもう何度も繰り返していた。
(それなら・・・こういうのはどうだ?)
葬冥の魔剣をふたたび手に持つと、ゲントは離れた場所から遠距離の奥義を放つ。
「奥義其の25――〈払車滝壺剱〉!」
==================================
[奥義名]
払車滝壺剱
[威力/範囲]
B+/単
[消費SP]
15%
[効果]
対なる剣技を交差させながら叩き込む防御完全無視の二段攻撃。
敵単体に命中率の高い大ダメージを与える。
==================================
ゲントが魔剣を振り抜くと、連なるの双撃波がボスに目がけて飛んでいく。
が。
ドゴォォォン!!
相手も同じように火属性の魔法を放ってこれを相殺してくる。
まさになす術がないといった状況だった。
『どうしましょうぉ~~! あのタコ、まったく隙がありませんっ~~!?』
「ちょっと困ったな」
というのも、これでほとんどわかってしまったからだ。
相手が並のボスではないということが。
(こんな芸当ができるってことは・・・やっぱりそういうことだよな)
フェルンに匹敵するその常軌を逸した力量を目の当たりにし、ゲントは確信する。
間違いない。
目の前にいるこのモンスターこそが叡智の占領者なのだと。
おそらく、長年放置してあった瘴気がたまりにたまって、このような怪物を生み出してしまったのだろうとゲントは推察する。
『ええぇっ~~!? このタコが叡智の占領者さんなんですかぁっ!?』
「たぶんね。それだといろいろ説明がつくんだ」
なぜ『フルゥーヴ伝承洞』に出現するモンスターだけ魔法が使えて、冒険者は使えなかったのか。
理由は単純だ。
この人型クラーケンが味方のモンスターにだけ発動の承認を行っていた。
それだけのことだったのだろう。
魔力総量は高ければ高いほど優先権の及ぶ区域は広くなるわけだが、フェルンによればこれは調整可能なものらしい。
本来ならば、この人型クラーケンの優先権はテラスタル領の全域まで及んでいるはずなのだが、どういうわけかこのダンジョン周辺の狭い範囲にだけ区域を絞っている。
ここでヒントとなるのが先ほどのルルムの言葉だ。
(たぶんこいつは生まれたてで、自分の縄張りを守ることだけに意識が向いてるんだ)
だからこそ、こんな風に極端に狭い範囲に優先権が絞られてしまっている。
こう考えるとすべての辻褄が合った。
ここ最近、エコーズで『生成の書』が発動できなかったり、『治癒の書』が使えたりしたのは、このボスがまだ赤子で魔法の性質をよく理解していなかったためなのだろう、とゲントは思う。
ただ、これは不幸中の幸いと言える。
(こいつが成長したら、どんなバケモノが誕生するかわからない)
テラスタル領全域に及んで、今後魔法が一切使えなくなるなんて自体にもなりかねなかった。
やはり、このまま放置しておくのは危険だとゲントは再確認する。
『そうですっ、マスター! まだあのタコのステータスを確認してませんでしたよねっ?』
「言われてみればそうだね。ちょっと確認してみよう」
『はいっ♪』
距離は少しあったが魔晄に呼びかけると、問題なく敵のステータスが光のパネルに表示される。
==================================
[モンスター名]
ガノンドロフ
[危険度]
S級
[タイプ]
水棲型
[ステータス]
Lv. 72
HP 140000/140000
MQ 270
魔力総量 450万6600
==================================
(ガノンドロフ・・・。危険度はS級か)
昨日、冒険者ギルドへ行った際、張り出されていたクエストのボス危険度は、だいたいがA級~B級の範囲に設定されていた。
それを考えると、このガノンドロフがどれだけ脅威的なボスであるかがわかる。
このまま放置しておくと、鉄巨人に匹敵するほどの力を得てしまうかもしれない。
そしてなによりも。
ゲントの目を引いたのが敵の魔力総量だった。
(450万6600か・・・すごいな)
フェルンに迫るほどの魔力総量だ。
当然、この数値だとテラスタル領の領主を越えている可能性が考えられる。
とにかく・・・とゲントは思う。
今できることは、近づいたり離れたりを繰り返して、相手の魔力を浪費させていくしかなかった。
(こうなれば体力勝負だ)
「ルルム。もう少しだけ、がんばってみようか」
『りょーかいしましたぁっ~!! マスターのお役に立てるよう魔剣へさらに力を送りますねっ♪』
「頼んだよ」
覚悟を決め、改めてラインに踏み込もうとするゲントだったが・・・。
ピッカァァーーン!!
(!)
その時。
これまでフロアの片隅で固まっていたガノンドロフの全身が眩い光をもって輝きはじめる。
『マスターっ! なんかタコの様子が変ですっ~!? 注意してくださいっ!!』
それから虹色に体躯を変色させたかと思えば・・・。
「クゥァゥォピィャ~~!!」
ドカッドカッドカッドカッ!!
いっせいに魔法陣を立ち上げ、攻撃魔法を連続で放ってきた。
17
お気に入りに追加
1,323
あなたにおすすめの小説
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
1~8巻好評発売中です!
※2022年7月12日に本編は完結しました。
◇ ◇ ◇
ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。
ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。
晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。
しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。
胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。
そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──
ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?
前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!

固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~
うみ
ファンタジー
恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。
いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。
モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。
そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。
モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。
その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。
稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。
『箱を開けるモ』
「餌は待てと言ってるだろうに」
とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
果たして、阿宮は見知らぬ世界でどう生きていくのか————。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜
サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。
父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。
そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。
彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。
その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。
「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」
そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。
これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる