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5章
第83話 ライセンス試験・前哨戦 Ⅴ
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「我が手に託されしは叡智の神儀。星辰の輝きを超越する軌跡で、再構築の糸を紡ぎ与えん――リライト」
ズオビッ!
[弓]のレッドキューブに書き換えると。
排出率もリライトして、すぐさま解放する。
============================
【雨裁】
天地開闢より伝わる古代の森を護る力を宿した聖弓。
美しい曲線で造られているため腕への負担が少なく、装備者の全能力を引き出してくれる。
[武器効果]
最大HP50%を持つ分身を生成
分身は10秒間存在し、攻撃は通常ダメージの800%分を与える
氷属性ダメージ+35%
[レアリティ] ★★★★★
[種類] 武器
[系列] 弓
[攻撃力] 850
[重量] 3
[攻撃速度] +40%
[命中率] +15%
[必殺技] 存護天弦号令
============================
よし。
雨裁が出たぞ。
[弓]の武器だと最高ランクの性能を誇るもので。
すぐさま弓柄に神聖な矢を乗せ、敵に狙いを定める。
ボキィィン!
まずは先手として。
分身から放たれた超高速の矢が、終末獣オプスキュリテの脳天をぶち抜く。
「クゥァゥォピィャァァイイイ~~!?」
こっちの攻撃に気づいたユイさんが形勢を立て直そうとするも。
(もう遅いですよ)
分身と入れ替わるようにして、今度は僕が矢を放った。
「必殺技――存護天弦号令!」
ボキィィィィーーン!!
究極魔甲ゼウスギガはなす術もなく射貫かれ、二体の召喚獣は瞬く間に姿を消してしまう。
あとには焼け焦げたフロアと。
言葉を失うユイさんが残された。
◇◇◇
「し、信じられないっ・・・。すごいよっ! 国崎っ!」
感情を爆発させながら駆け寄ってくる星宮さん。
「なんとかなりました」
「死んじゃったかと思ったよぉぉ~~! いったいなにやったのっ!?」
あれ?
星宮さんって、もしかするとリライト能力のこと知らない?
総長さんとの配信を見てくれてたんなら、知ってるはずなんだけど・・・。
(あ、でもそっか。ちょっとだけしか見てないとか言ってたもんね)
最近の配信も。
ほとんど見ることができてないらしいし。
きちんとリライトについて説明しておこう。
そう思って、僕が口を開こうとするも。
パチパチ、パチパチ。
静かに手を叩きながら、ユイさんがゆっくりと近づいてくる。
その表情は読めない。
僕らを本気で殺しにかかってきた人だ。
星宮さんはすぐに警戒心強く身構える。
けど。
意外なことにユイさんは笑みを浮かべてて。
それも内側に闇を抱えてるような感じの笑顔じゃなくて。
僕の目には、講習の時みたいに穏やかに映った。
「見事だったよ。国崎くん。この試練に応えた者はきみがはじめてだ。まさか、あたしが用意した召喚獣を一撃で倒してしまうなんてね」
「ひどくないですか、これって! ウチら殺す気でしたよねっ!? クランの試験でこんなことやっていいんですかっ!?」
「さすがに実際に殺したりはしないよ」
「いーや、ぜったいウソっ! だって、国崎にあんなひどい攻撃してたじゃんっ!?」
星宮さんの怒りは収まらない。
まあ、たしかに気持ちはわかる。
でも。
(たぶん、ユイさんは嘘はついてない)
殺すつもりでかかってきたのは間違いないけど。
本気で殺すつもりはなかった。
召喚獣による攻撃を命中させたのだって。
直前に僕のレベルが120まで跳ね上がったのを確認したからなんじゃないかな?
断言はできないけど。
まだぶーぶーと騒ぐ星宮さんはいったん置いて。
ユイさんは僕に訊ねてくる。
「国崎くん。このあとの本試験はどうしようか?」
「もちろん受けさせていただきます。ライセンスを手に入れるためにここまでやって来たので」
「そっか。うん、素直に嬉しいよ」
そこで何度か頷くユイさん。
まるで自身に言い聞かせるみたいに。
「どうやらきみは、あたしがこれまで見てきた探索者の中で一番見込みがある逸材かもしれない。きみがどんな力を隠し持ってるのか。ここでは詳しく聞かないよ。でもこの先の試験は、そう簡単にはいかない。今度はあたしも容赦せずいかせてもらうから。ひょっとすると、本当に国崎くんを殺してしまうことになるかもしれないんだ。それでもいいのかな?」
ふつうに考えたら、かなりおかしな状況で。
(命がけでライセンスを取得しようなんて、さすがにバカげてるよなぁ)
ただ。
そうまでして、ユイさんが試験のハードルを高く設定してる理由が気になった。
よほど地下29階より下には、探索者を降ろしたくないらしい。
(すみません、ユイさん。でも、そういうわけにはいかないんです)
紫月が探してる風景は、冥層に存在するのかもしれないから。
だから、なんとしても。
ここでライセンスは取得しておかなくちゃ。
「国崎っ! こんなのぜったいおかしいって。もう帰ろっ! ライセンスなんて、なくてもダンジョンには入れるんだしー。ユイの言うことに付き合う必要ないよっ」
そう言って、僕の手を引こうとするも。
「っ? 国崎?」
「星宮さん。僕、やっぱり試験は受けたいです」
「ええっ!? だってふつうじゃないよっ!? この人の言ってること! 今度は殺すとか、へーきで言ってるんだしっ!」
「心配しないでください。たぶん、星宮さんは知らないと思うんですけど。僕にはとっておきの力があるんで」
「とっておきの力・・・?」
星宮さんに深く頭を下げると。
一歩前へ出て、今度はユイさんにも同じことを伝える。
「いいんだね?」
「はい」
「――わかった。それじゃこのあと。本試験とさせてもらうよ。これがクリアできれば、ライセンスを授けよう。ただし、試験は生配信しながら行いたいと思う」
「配信ですか?」
「ひょっとすると、今回の試験は分水嶺になるかもしれないからね。多くのリスナーに見てもらいたいんだ」
たしか。
これまでのライセンス試験は、秘密裏に行われてたはず。
それを配信にのせるってことは。
攻略法が見つかってしまうかもしれないわけで。
これから試験を受けようと思ってる探索者の方にとってはプラスしかない。
(そこまでリスクを負ってでも、配信したいってことなのかな?)
ひょっとするとユイさんは。
今回の試験でなにかが大きく変わることを期待してるのかも。
星宮さんは依然として納得してなかったけど。
配信しながら試験を行うっていう提案を僕は受け入れた。
こうして。
探索者クラン認定によるライセンス試験の本番が、このあと行われることに。
ズオビッ!
[弓]のレッドキューブに書き換えると。
排出率もリライトして、すぐさま解放する。
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【雨裁】
天地開闢より伝わる古代の森を護る力を宿した聖弓。
美しい曲線で造られているため腕への負担が少なく、装備者の全能力を引き出してくれる。
[武器効果]
最大HP50%を持つ分身を生成
分身は10秒間存在し、攻撃は通常ダメージの800%分を与える
氷属性ダメージ+35%
[レアリティ] ★★★★★
[種類] 武器
[系列] 弓
[攻撃力] 850
[重量] 3
[攻撃速度] +40%
[命中率] +15%
[必殺技] 存護天弦号令
============================
よし。
雨裁が出たぞ。
[弓]の武器だと最高ランクの性能を誇るもので。
すぐさま弓柄に神聖な矢を乗せ、敵に狙いを定める。
ボキィィン!
まずは先手として。
分身から放たれた超高速の矢が、終末獣オプスキュリテの脳天をぶち抜く。
「クゥァゥォピィャァァイイイ~~!?」
こっちの攻撃に気づいたユイさんが形勢を立て直そうとするも。
(もう遅いですよ)
分身と入れ替わるようにして、今度は僕が矢を放った。
「必殺技――存護天弦号令!」
ボキィィィィーーン!!
究極魔甲ゼウスギガはなす術もなく射貫かれ、二体の召喚獣は瞬く間に姿を消してしまう。
あとには焼け焦げたフロアと。
言葉を失うユイさんが残された。
◇◇◇
「し、信じられないっ・・・。すごいよっ! 国崎っ!」
感情を爆発させながら駆け寄ってくる星宮さん。
「なんとかなりました」
「死んじゃったかと思ったよぉぉ~~! いったいなにやったのっ!?」
あれ?
星宮さんって、もしかするとリライト能力のこと知らない?
総長さんとの配信を見てくれてたんなら、知ってるはずなんだけど・・・。
(あ、でもそっか。ちょっとだけしか見てないとか言ってたもんね)
最近の配信も。
ほとんど見ることができてないらしいし。
きちんとリライトについて説明しておこう。
そう思って、僕が口を開こうとするも。
パチパチ、パチパチ。
静かに手を叩きながら、ユイさんがゆっくりと近づいてくる。
その表情は読めない。
僕らを本気で殺しにかかってきた人だ。
星宮さんはすぐに警戒心強く身構える。
けど。
意外なことにユイさんは笑みを浮かべてて。
それも内側に闇を抱えてるような感じの笑顔じゃなくて。
僕の目には、講習の時みたいに穏やかに映った。
「見事だったよ。国崎くん。この試練に応えた者はきみがはじめてだ。まさか、あたしが用意した召喚獣を一撃で倒してしまうなんてね」
「ひどくないですか、これって! ウチら殺す気でしたよねっ!? クランの試験でこんなことやっていいんですかっ!?」
「さすがに実際に殺したりはしないよ」
「いーや、ぜったいウソっ! だって、国崎にあんなひどい攻撃してたじゃんっ!?」
星宮さんの怒りは収まらない。
まあ、たしかに気持ちはわかる。
でも。
(たぶん、ユイさんは嘘はついてない)
殺すつもりでかかってきたのは間違いないけど。
本気で殺すつもりはなかった。
召喚獣による攻撃を命中させたのだって。
直前に僕のレベルが120まで跳ね上がったのを確認したからなんじゃないかな?
断言はできないけど。
まだぶーぶーと騒ぐ星宮さんはいったん置いて。
ユイさんは僕に訊ねてくる。
「国崎くん。このあとの本試験はどうしようか?」
「もちろん受けさせていただきます。ライセンスを手に入れるためにここまでやって来たので」
「そっか。うん、素直に嬉しいよ」
そこで何度か頷くユイさん。
まるで自身に言い聞かせるみたいに。
「どうやらきみは、あたしがこれまで見てきた探索者の中で一番見込みがある逸材かもしれない。きみがどんな力を隠し持ってるのか。ここでは詳しく聞かないよ。でもこの先の試験は、そう簡単にはいかない。今度はあたしも容赦せずいかせてもらうから。ひょっとすると、本当に国崎くんを殺してしまうことになるかもしれないんだ。それでもいいのかな?」
ふつうに考えたら、かなりおかしな状況で。
(命がけでライセンスを取得しようなんて、さすがにバカげてるよなぁ)
ただ。
そうまでして、ユイさんが試験のハードルを高く設定してる理由が気になった。
よほど地下29階より下には、探索者を降ろしたくないらしい。
(すみません、ユイさん。でも、そういうわけにはいかないんです)
紫月が探してる風景は、冥層に存在するのかもしれないから。
だから、なんとしても。
ここでライセンスは取得しておかなくちゃ。
「国崎っ! こんなのぜったいおかしいって。もう帰ろっ! ライセンスなんて、なくてもダンジョンには入れるんだしー。ユイの言うことに付き合う必要ないよっ」
そう言って、僕の手を引こうとするも。
「っ? 国崎?」
「星宮さん。僕、やっぱり試験は受けたいです」
「ええっ!? だってふつうじゃないよっ!? この人の言ってること! 今度は殺すとか、へーきで言ってるんだしっ!」
「心配しないでください。たぶん、星宮さんは知らないと思うんですけど。僕にはとっておきの力があるんで」
「とっておきの力・・・?」
星宮さんに深く頭を下げると。
一歩前へ出て、今度はユイさんにも同じことを伝える。
「いいんだね?」
「はい」
「――わかった。それじゃこのあと。本試験とさせてもらうよ。これがクリアできれば、ライセンスを授けよう。ただし、試験は生配信しながら行いたいと思う」
「配信ですか?」
「ひょっとすると、今回の試験は分水嶺になるかもしれないからね。多くのリスナーに見てもらいたいんだ」
たしか。
これまでのライセンス試験は、秘密裏に行われてたはず。
それを配信にのせるってことは。
攻略法が見つかってしまうかもしれないわけで。
これから試験を受けようと思ってる探索者の方にとってはプラスしかない。
(そこまでリスクを負ってでも、配信したいってことなのかな?)
ひょっとするとユイさんは。
今回の試験でなにかが大きく変わることを期待してるのかも。
星宮さんは依然として納得してなかったけど。
配信しながら試験を行うっていう提案を僕は受け入れた。
こうして。
探索者クラン認定によるライセンス試験の本番が、このあと行われることに。
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