50 / 84
4章
第50話 4thダンジョン Ⅲ
しおりを挟む
「必殺技――桜華連撃槍」
ザンッ!
術士ネクロマンサーの集団を一網打尽に。
【経験値365を獲得しました。閃光の最終旋律のLVが9から10に上がりました。】
ボディコンソールの表示に目を向けながら、匣中滅龍のひれ長を振り下ろす。
本日の攻略先は、前回と同じく『赤羽ダンジョン』。
今日はなんとしても最下層である地下25階まで到達したいところ。
現在地はまだ地下6階。
遺物を上手く書き換えて戦ってるから。
エネミーとの戦闘はまったく問題ないんだけど。
(ちょっと慎重に進みすぎかな?)
とはいえ。
浅層階である程度レベルを上げておかないと、深層階へはたどり着けない。
それに気づくこともあって。
暗殺者のスタイルじゃないと、やっぱりこういう進み方になっちゃうってことだ。
(エネミーに見つかっちゃうんだから、ふつうに進むしかないよね)
これまでは暗殺者だったからスムーズに降りられてたってことを痛感する。
でもまあ。
ここであれこれ考えてても仕方ない。
(今日は槍士として潜ってるわけだし)
それに。
リスナーさんの反応は悪くない。
:さすがエデン
:もうLV10かよww
:早っw
:あいかわらず無茶苦茶w
:消してええ、リライトしてえええ
:絵に描いたようなチートw
:エデン最強!
:スパチャ解放してくださいー
:強さが異次元なんよ
:リライト使いすぎw
紫月のために最下層を目指すことはもちろん大事なんだけど。
リスナーさんに楽しんで配信を見てもらうのも。
今の僕には必要なことだったりする。
それに。
今回は少しやることがあって。
ドローンカメラの視界から一瞬外れると。
僕はその場で倒れたアイスゴーレムの群れに両手を向ける。
ゴアシャァ!
(これでよし、っと)
眩い光がおさまるのを確認すると、ふたたびドローンの前に戻った。
:さっきからなにしてるん?
:カメラからたまに消えるなw
:ずっと怪しいw
:トイレ?
:ふらっとカメラから外れてるww
:誰かそばにいるとか?
:なにやってんのw
さすがに。
リスナーさんもちょっとザワザワしてる。
(べつに隠してやることでもないんだけど)
ちなみに。
これをしてるから進みが遅いってのもある。
:なんかキューブ落ちすぎじゃね?
おっ、鋭いコメント。
ここで種明かし。
さっきから僕がなにしてるのかというと。
(リライト能力を使って、エネミーの死骸をレッドキューブに変えてるんだよね)
なんでそんなことをしてるのか。
その理由は単純で。
このあと『赤羽ダンジョン』に入る探索者のためだったりする。
ダンジョンに潜る際、探索者はクランにそれを報告する義務があって。
都合上、その日に入る人数を事前に確認することができたりする。
本日、『赤羽ダンジョン』に潜る人数は2名と告知されてて。
(スケジュール見たら、僕のすぐあとに入る予定の人がいたんだよね)
言ってしまえば、これはその人のためだった。
ぶっちゃけ。
キューブの出現率によって、その日のダンジョン攻略難易度は大きく変わってくる。
ダンジョンの探索は、運の要素が極めて大きいんだ。
(僕はキューブを書き換えるなんて手が使えるけど)
ほかの探索者の方はできないみたいで。
そうなると、キューブを多く拾えるに越したことはないってことになる。
同じダンジョンに潜るんだから。
せめてそれくらいは役に立ちたい。
贔屓してるみたいで。
本当はリスナーさんに言いたくなかったんだけど。
これ以上カメラから外れると、さらに怪しまれそうだったから。
結局、本当のことをリスナーさんに伝えることに。
:聖人すぎるww
:さすがやw
:これは助かる
:ぜんぶレッドキューブにしてんのかw
:ぜひ見習いたいわ
:エデンのこういうとこすき
:いいね
:すげえええ
:人助けは大事やで?
:いい話だなぁw
:しれっとやってるのが好感度高い
:マジメかw
:このあと潜る探索者って誰なん?
ザンッ!
術士ネクロマンサーの集団を一網打尽に。
【経験値365を獲得しました。閃光の最終旋律のLVが9から10に上がりました。】
ボディコンソールの表示に目を向けながら、匣中滅龍のひれ長を振り下ろす。
本日の攻略先は、前回と同じく『赤羽ダンジョン』。
今日はなんとしても最下層である地下25階まで到達したいところ。
現在地はまだ地下6階。
遺物を上手く書き換えて戦ってるから。
エネミーとの戦闘はまったく問題ないんだけど。
(ちょっと慎重に進みすぎかな?)
とはいえ。
浅層階である程度レベルを上げておかないと、深層階へはたどり着けない。
それに気づくこともあって。
暗殺者のスタイルじゃないと、やっぱりこういう進み方になっちゃうってことだ。
(エネミーに見つかっちゃうんだから、ふつうに進むしかないよね)
これまでは暗殺者だったからスムーズに降りられてたってことを痛感する。
でもまあ。
ここであれこれ考えてても仕方ない。
(今日は槍士として潜ってるわけだし)
それに。
リスナーさんの反応は悪くない。
:さすがエデン
:もうLV10かよww
:早っw
:あいかわらず無茶苦茶w
:消してええ、リライトしてえええ
:絵に描いたようなチートw
:エデン最強!
:スパチャ解放してくださいー
:強さが異次元なんよ
:リライト使いすぎw
紫月のために最下層を目指すことはもちろん大事なんだけど。
リスナーさんに楽しんで配信を見てもらうのも。
今の僕には必要なことだったりする。
それに。
今回は少しやることがあって。
ドローンカメラの視界から一瞬外れると。
僕はその場で倒れたアイスゴーレムの群れに両手を向ける。
ゴアシャァ!
(これでよし、っと)
眩い光がおさまるのを確認すると、ふたたびドローンの前に戻った。
:さっきからなにしてるん?
:カメラからたまに消えるなw
:ずっと怪しいw
:トイレ?
:ふらっとカメラから外れてるww
:誰かそばにいるとか?
:なにやってんのw
さすがに。
リスナーさんもちょっとザワザワしてる。
(べつに隠してやることでもないんだけど)
ちなみに。
これをしてるから進みが遅いってのもある。
:なんかキューブ落ちすぎじゃね?
おっ、鋭いコメント。
ここで種明かし。
さっきから僕がなにしてるのかというと。
(リライト能力を使って、エネミーの死骸をレッドキューブに変えてるんだよね)
なんでそんなことをしてるのか。
その理由は単純で。
このあと『赤羽ダンジョン』に入る探索者のためだったりする。
ダンジョンに潜る際、探索者はクランにそれを報告する義務があって。
都合上、その日に入る人数を事前に確認することができたりする。
本日、『赤羽ダンジョン』に潜る人数は2名と告知されてて。
(スケジュール見たら、僕のすぐあとに入る予定の人がいたんだよね)
言ってしまえば、これはその人のためだった。
ぶっちゃけ。
キューブの出現率によって、その日のダンジョン攻略難易度は大きく変わってくる。
ダンジョンの探索は、運の要素が極めて大きいんだ。
(僕はキューブを書き換えるなんて手が使えるけど)
ほかの探索者の方はできないみたいで。
そうなると、キューブを多く拾えるに越したことはないってことになる。
同じダンジョンに潜るんだから。
せめてそれくらいは役に立ちたい。
贔屓してるみたいで。
本当はリスナーさんに言いたくなかったんだけど。
これ以上カメラから外れると、さらに怪しまれそうだったから。
結局、本当のことをリスナーさんに伝えることに。
:聖人すぎるww
:さすがやw
:これは助かる
:ぜんぶレッドキューブにしてんのかw
:ぜひ見習いたいわ
:エデンのこういうとこすき
:いいね
:すげえええ
:人助けは大事やで?
:いい話だなぁw
:しれっとやってるのが好感度高い
:マジメかw
:このあと潜る探索者って誰なん?
158
お気に入りに追加
698
あなたにおすすめの小説
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
辻ダンジョン掃除が趣味の底辺社畜、迷惑配信者が汚したダンジョンを掃除していたらうっかり美少女アイドルの配信に映り込み神バズりしてしまう
なっくる
ファンタジー
ダンジョン攻略配信が定着した日本、迷惑配信者が世間を騒がせていた。主人公タクミはダンジョン配信視聴とダンジョン掃除が趣味の社畜。
だが美少女アイドルダンジョン配信者の生配信に映り込んだことで、彼の運命は大きく変わる。実はレアだったお掃除スキルと人間性をダンジョン庁に評価され、美少女アイドルと共にダンジョンのイメージキャラクターに抜擢される。自身を慕ってくれる美少女JKとの楽しい毎日。そして超進化したお掃除スキルで迷惑配信者を懲らしめたことで、彼女と共にダンジョン界屈指の人気者になっていく。
バラ色人生を送るタクミだが……迷惑配信者の背後に潜む陰謀がタクミたちに襲い掛かるのだった。
※他サイトでも掲載しています
配信の片隅で無双していた謎の大剣豪、最終奥義レベルを連発する美少女だと話題に
菊池 快晴
ファンタジー
配信の片隅で無双していた謎の大剣豪が美少女で、うっかり最凶剣術を披露しすぎたところ、どうやらヤバすぎると話題に
謎の大剣豪こと宮本椿姫は、叔父の死をきっかけに岡山の集落から都内に引っ越しをしてきた。
宮本流を世間に広める為、己の研鑽の為にダンジョンで籠っていると、いつのまにか掲示板で話題となる。
「配信の片隅で無双している大剣豪がいるんだが」
宮本椿姫は相棒と共に配信を始め、徐々に知名度があがり、その剣技を世に知らしめていく。
これは、謎の大剣豪こと宮本椿姫が、ダンジョンを通じて世界に衝撃を与えていく――ちょっと百合の雰囲気もあるお話です。
現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。
超人気美少女ダンジョン配信者を救ってバズった呪詛師、うっかり呪術を披露しすぎたところ、どうやら最凶すぎると話題に
菊池 快晴
ファンタジー
「誰も見てくれない……」
黒羽黒斗は、呪術の力でダンジョン配信者をしていたが、地味すぎるせいで視聴者が伸びなかった。
自らをブラックと名乗り、中二病キャラクターで必死に頑張るも空回り。
そんなある日、ダンジョンの最下層で超人気配信者、君内風華を呪術で偶然にも助ける。
その素早すぎる動き、ボスすらも即死させる呪術が最凶すぎると話題になり、黒斗ことブラックの信者が増えていく。
だが当の本人は真面目すぎるので「人気配信者ってすごいなあ」と勘違い。
これは、主人公ブラックが正体を隠しながらも最凶呪術で無双しまくる物語である。
俺だけ展開できる聖域《ワークショップ》~ガチャで手に入れたスキルで美少女達を救う配信がバズってしまい、追放した奴らへざまあして人生大逆転~
椿紅颯
ファンタジー
鍛誠 一心(たんせい いっしん)は、生ける伝説に憧憬の念を抱く駆け出しの鍛冶師である。
探索者となり、同時期に新米探索者になったメンバーとパーティを組んで2カ月が経過したそんなある日、追放宣言を言い放たれてしまった。
このことからショックを受けてしまうも、生活するために受付嬢の幼馴染に相談すると「自らの価値を高めるためにはスキルガチャを回してみるのはどうか」、という提案を受け、更にはそのスキルが希少性のあるものであれば"配信者"として活動するのもいいのではと助言をされた。
自身の戦闘力が低いことからパーティを追放されてしまったことから、一か八かで全て実行に移す。
ガチャを回した結果、【聖域】という性能はそこそこであったが見た目は派手な方のスキルを手に入れる。
しかし、スキルの使い方は自分で模索するしかなかった。
その後、試行錯誤している時にダンジョンで少女達を助けることになるのだが……その少女達は、まさかの配信者であり芸能人であることを後々から知ることに。
まだまだ驚愕的な事実があり、なんとその少女達は自身の配信チャンネルで配信をしていた!
そして、その美少女達とパーティを組むことにも!
パーティを追放され、戦闘力もほとんどない鍛冶師がひょんなことから有名になり、間接的に元パーティメンバーをざまあしつつ躍進を繰り広げていく!
泥臭く努力もしつつ、実はチート級なスキルを是非ご覧ください!
突然シーカーになったので冒険します〜駆け出し探索者の成長物語〜
平山和人
ファンタジー
スマートフォンやSNSが当たり前の現代社会に、ある日突然「ダンジョン」と呼ばれる異空間が出現してから30年が経過していた。
26歳のコンビニアルバイト、新城直人はある朝、目の前に「ステータス画面」が浮かび上がる。直人は、ダンジョンを攻略できる特殊能力者「探索者(シーカー)」に覚醒したのだ。
最寄り駅前に出現している小規模ダンジョンまで、愛用の自転車で向かう大地。初心者向けとは言え、実際の戦闘は命懸け。スマホアプリで探索者仲間とダンジョン情報を共有しながら、慎重に探索を進めていく。
レベルアップを重ね、新しいスキルを習得し、倒したモンスターから得た魔石を換金することで、少しずつではあるが確実に成長していく。やがて大地は、探索者として独り立ちしていくための第一歩を踏み出すのだった。
劣等生のハイランカー
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す!
無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。
カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。
唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。
学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。
クラスメイトは全員ライバル!
卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである!
そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。
それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。
難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。
かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。
「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」
学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。
「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」
時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。
制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。
そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。
(各20話編成)
1章:ダンジョン学園【完結】
2章:ダンジョンチルドレン【完結】
3章:大罪の権能【完結】
4章:暴食の力【完結】
5章:暗躍する嫉妬【完結】
6章:奇妙な共闘【完結】
7章:最弱種族の下剋上【完結】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる