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2章
第23話 祝言亭八咫烏ワデア その1
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「ただいま」
「おかえりなさいませ、お兄さま。本日もお疲れさまでした」
「ありがとう。今日もいろいろすごかったよ」
最終的に記録した同接数は567人。
昨日の倍以上だ。
もちろん。
多くのリスナーさんに配信を見てもらえるのは嬉しいんだけど。
でも正直、同接数やチャンネル登録者数を増やすことにはあまり関心がなくて。
「紫月。今日はどうだったかな?」
「すみません、お兄さま。実は、途中から配信を見ることができてなくて・・・」
「なにかあったの?」
配信自体はアーカイブに残るからべつにいいんだけど。
紫月の様子がちょっと変だ。
さっきからチラチラと廊下に目を向けてる。
「ひとまずこちらへお願いします」
「うん」
いつもと少し雰囲気の違う紫月に案内されてリビングへ。
がちゃ。
(は?)
ドアを開けて、思わず目を疑った。
そこにはこの家にいるはずのない3人目の人物が立ってたからで。
(なんで女の子がここに?)
紫月の友達・・・?
にしては、かなり大人びてるよね。
ゴスロリのドレスで着飾った長身の女の子。
とんでもなく美人だ。
背丈は僕とほとんど変わらないから、たぶん身長は170cmを超えてるんじゃないかな。
胸囲は控えめだけどスタイルは抜群。
病みかわ系とか言うんだっけ?
黒髪のドリルツインテールは美しくて、思わず見惚れてしまうほどだった。
「あのぉ、紫月さん。もしかして、このお方がお兄さん?」
「はい。そうです」
「なんとっ!」
それを確認すると。
突然、長身の女の子が飛びついてくる。
「優太さまぁぁぁ~~!!」
「ええっ!?」
そのままぎゅっと僕に抱きつき。
顔を思いっきり寄せてくる。
いやいやっ。
いきなりすぎて意味わからないんだけど!?
「本当に優太さまですわよねっ?」
「そ、そうですけど・・・」
気迫のこもったその言葉に頷くことしかできない。
女の子は腕をまわして、さらに強く抱きついてくる。
「あぁ・・・ずっとお逢いしたかったですわ! 優太さまぁ~~♡」
「うぅっ!?」
く、苦しい・・・。
高価な香水をつけてるのか、めちゃくちゃいい匂いもするし。
ヤバい。
頭もなんかクラクラしてきた。
助けを求めるように紫月に視線を送ると。
「ごめんなさい、お兄さま。説明するのが遅くなりました。実は先ほどこちらの女性が自宅に訪ねて来られまして」
それを聞くと、女の子はようやく僕から離れて。
ドレスのスカートを軽く持ち上げて挨拶する。
「ご挨拶が遅れましたわ。わたくし天条院陽子と申します♡ よろしくお願いいたしますわ、優太さま♪」
話を整理すると。
紫月が僕の配信を見てると、突然チャイムが鳴ったらしく。
玄関を開けると、こちらの天条院さんが立ってたってことみたい。
なんでも。
天条院さんは僕に用があるとかで。
(いや。見覚えないんだけど)
こんなキレイな女の子と面識あったら、ぜったい忘れないと思うし。
「お兄さま。天条院さんは東京から来られたみたいなんです」
「東京ですか?」
「はぁい♡」
なおさら心当たりがない。
僕は生まれも育ちも愛知だし。
実際に東京に行ったのは、中学の修学旅行の一度だけ。
そこで。
ふたたび天条院さんがぐっと近づいてくる。
あいかわらず顔が近い。
「覚えておりません? この容姿を」
「すみません。まったく」
「そうですか。まあでも、それも仕方ないですわね。こうしてダンジョンの外でお会いするのははじめてのことですし」
「え・・・ダンジョン?」
「一昨日は徘徊種に襲われていたところを助けていただき、本当にありがとう存じますわ。本日は、あの日のお礼をきちんとお伝えするため、優太さまに逢いにやって来たんですの♪」
「あっ」
あの時の女の子!?
「おかえりなさいませ、お兄さま。本日もお疲れさまでした」
「ありがとう。今日もいろいろすごかったよ」
最終的に記録した同接数は567人。
昨日の倍以上だ。
もちろん。
多くのリスナーさんに配信を見てもらえるのは嬉しいんだけど。
でも正直、同接数やチャンネル登録者数を増やすことにはあまり関心がなくて。
「紫月。今日はどうだったかな?」
「すみません、お兄さま。実は、途中から配信を見ることができてなくて・・・」
「なにかあったの?」
配信自体はアーカイブに残るからべつにいいんだけど。
紫月の様子がちょっと変だ。
さっきからチラチラと廊下に目を向けてる。
「ひとまずこちらへお願いします」
「うん」
いつもと少し雰囲気の違う紫月に案内されてリビングへ。
がちゃ。
(は?)
ドアを開けて、思わず目を疑った。
そこにはこの家にいるはずのない3人目の人物が立ってたからで。
(なんで女の子がここに?)
紫月の友達・・・?
にしては、かなり大人びてるよね。
ゴスロリのドレスで着飾った長身の女の子。
とんでもなく美人だ。
背丈は僕とほとんど変わらないから、たぶん身長は170cmを超えてるんじゃないかな。
胸囲は控えめだけどスタイルは抜群。
病みかわ系とか言うんだっけ?
黒髪のドリルツインテールは美しくて、思わず見惚れてしまうほどだった。
「あのぉ、紫月さん。もしかして、このお方がお兄さん?」
「はい。そうです」
「なんとっ!」
それを確認すると。
突然、長身の女の子が飛びついてくる。
「優太さまぁぁぁ~~!!」
「ええっ!?」
そのままぎゅっと僕に抱きつき。
顔を思いっきり寄せてくる。
いやいやっ。
いきなりすぎて意味わからないんだけど!?
「本当に優太さまですわよねっ?」
「そ、そうですけど・・・」
気迫のこもったその言葉に頷くことしかできない。
女の子は腕をまわして、さらに強く抱きついてくる。
「あぁ・・・ずっとお逢いしたかったですわ! 優太さまぁ~~♡」
「うぅっ!?」
く、苦しい・・・。
高価な香水をつけてるのか、めちゃくちゃいい匂いもするし。
ヤバい。
頭もなんかクラクラしてきた。
助けを求めるように紫月に視線を送ると。
「ごめんなさい、お兄さま。説明するのが遅くなりました。実は先ほどこちらの女性が自宅に訪ねて来られまして」
それを聞くと、女の子はようやく僕から離れて。
ドレスのスカートを軽く持ち上げて挨拶する。
「ご挨拶が遅れましたわ。わたくし天条院陽子と申します♡ よろしくお願いいたしますわ、優太さま♪」
話を整理すると。
紫月が僕の配信を見てると、突然チャイムが鳴ったらしく。
玄関を開けると、こちらの天条院さんが立ってたってことみたい。
なんでも。
天条院さんは僕に用があるとかで。
(いや。見覚えないんだけど)
こんなキレイな女の子と面識あったら、ぜったい忘れないと思うし。
「お兄さま。天条院さんは東京から来られたみたいなんです」
「東京ですか?」
「はぁい♡」
なおさら心当たりがない。
僕は生まれも育ちも愛知だし。
実際に東京に行ったのは、中学の修学旅行の一度だけ。
そこで。
ふたたび天条院さんがぐっと近づいてくる。
あいかわらず顔が近い。
「覚えておりません? この容姿を」
「すみません。まったく」
「そうですか。まあでも、それも仕方ないですわね。こうしてダンジョンの外でお会いするのははじめてのことですし」
「え・・・ダンジョン?」
「一昨日は徘徊種に襲われていたところを助けていただき、本当にありがとう存じますわ。本日は、あの日のお礼をきちんとお伝えするため、優太さまに逢いにやって来たんですの♪」
「あっ」
あの時の女の子!?
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