10 / 84
1章
第10話 自宅 その1
しおりを挟む
「お帰りなさいませ。お兄さま」
妹が部屋まで来て出迎えてくれる。
「ただいま。ごめん、ちょっと遅くなったよ」
「いえ。今日はだいぶお早いです」
紫月は制服姿だった。
半袖のブラウスに桃色のリボン、ピンクのスカートと黒タイツ。
中学の夏服だ。
寝間着から着替えたっぽいな。
「夕食をご用意してます」
廊下越しからリビングを覗くと。
テーブルに並ぶ豪勢な夕食が目に入る。
黒毛和牛のステーキにトマトのアラビアータ、エビフライ。
レモンとチーズのアスパラサラダ、揚げだし麻婆豆腐とアボカドサーモン。
あいかわらず手がめちゃくちゃ込んでる。
量はいつにも増して多そうだ。
「美味しそうだね」
「本日はお兄さまのお好きなメニューをたくさんご用意しました」
「ありがとう。さっそくいただくよ」
手を洗うため、一度洗面所へ向かう。
(ほんとよくできた妹だよな)
我ながら感心する。
料理だけじゃなく紫月は容姿も抜群で。
先端が切り揃えられた美しい銀色の長い髪と、黒のカチューシャ。
整った顔立ちに大きな瞳。
右目の下にある泣きぼくろがチャームポイントだ。
華奢だけど、重いものを簡単に持ち上げたり、握力もあったり。
そんな意外な一面もあったりして。
シスコンってわけじゃなけど、かなりの美少女だと思う。
自宅で一緒に暮らしてると気づきにくいんだけどね。
手を洗い終えてリビングへ入り、テーブルにつく。
「それじゃいただきます」
手を合わせて晩ごはんを食べはじめる。
うん。
いつもながら本当に美味い。
「それにしてもお兄さま。本日の配信はどうしちゃったんでしょうか? あんなに大勢のリスナーが見に来られたなんて」
「もぐもぐ・・・。なんでなんだろう?」
あのあと。
地下14階に到達すると。
門限の都合でこの日の配信はいったん切り上げることになった。
同接数は最終的に215人まで伸びて。
正直びっくりだ。
「心当たりはございませんか?」
「とくに」
これといって普段の配信と変わったことはしてない。
ダンジョンに潜って、いつものように最下層まで到達しただけで。
SNSはやってないから。
宣伝も一切してないし。
それにしてもこのアラビアータほんと美味いなぁ・・・もぐもぐ。
そのとき。
紫月が手をぽんと叩いて顔をハッとさせた。
「そうです、お兄さま」
妹が部屋まで来て出迎えてくれる。
「ただいま。ごめん、ちょっと遅くなったよ」
「いえ。今日はだいぶお早いです」
紫月は制服姿だった。
半袖のブラウスに桃色のリボン、ピンクのスカートと黒タイツ。
中学の夏服だ。
寝間着から着替えたっぽいな。
「夕食をご用意してます」
廊下越しからリビングを覗くと。
テーブルに並ぶ豪勢な夕食が目に入る。
黒毛和牛のステーキにトマトのアラビアータ、エビフライ。
レモンとチーズのアスパラサラダ、揚げだし麻婆豆腐とアボカドサーモン。
あいかわらず手がめちゃくちゃ込んでる。
量はいつにも増して多そうだ。
「美味しそうだね」
「本日はお兄さまのお好きなメニューをたくさんご用意しました」
「ありがとう。さっそくいただくよ」
手を洗うため、一度洗面所へ向かう。
(ほんとよくできた妹だよな)
我ながら感心する。
料理だけじゃなく紫月は容姿も抜群で。
先端が切り揃えられた美しい銀色の長い髪と、黒のカチューシャ。
整った顔立ちに大きな瞳。
右目の下にある泣きぼくろがチャームポイントだ。
華奢だけど、重いものを簡単に持ち上げたり、握力もあったり。
そんな意外な一面もあったりして。
シスコンってわけじゃなけど、かなりの美少女だと思う。
自宅で一緒に暮らしてると気づきにくいんだけどね。
手を洗い終えてリビングへ入り、テーブルにつく。
「それじゃいただきます」
手を合わせて晩ごはんを食べはじめる。
うん。
いつもながら本当に美味い。
「それにしてもお兄さま。本日の配信はどうしちゃったんでしょうか? あんなに大勢のリスナーが見に来られたなんて」
「もぐもぐ・・・。なんでなんだろう?」
あのあと。
地下14階に到達すると。
門限の都合でこの日の配信はいったん切り上げることになった。
同接数は最終的に215人まで伸びて。
正直びっくりだ。
「心当たりはございませんか?」
「とくに」
これといって普段の配信と変わったことはしてない。
ダンジョンに潜って、いつものように最下層まで到達しただけで。
SNSはやってないから。
宣伝も一切してないし。
それにしてもこのアラビアータほんと美味いなぁ・・・もぐもぐ。
そのとき。
紫月が手をぽんと叩いて顔をハッとさせた。
「そうです、お兄さま」
317
お気に入りに追加
716
あなたにおすすめの小説

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

なんか黄金とかいう馬鹿みたいなスキルを得たのでダラダラ欲望のままに金稼いで人生を楽しもうと思う
ちょす氏
ファンタジー
今の時代においてもっとも平凡な大学生の一人の俺。
卒業を間近に控え、周りの学生たちは冒険者としてのキャリアを選ぶ中、俺の夢はただひとつ、「悠々自適な生活」を送ること。
金も欲しいし、時間も欲しい。
程々に働いて程々に寝る……そんな生活だ。
しかし、それも容易ではなかった。100年前の事件によって。
そのせいで現代の世界は冒険者が主役の時代となっていた。
ある日、半ば興味本位で冒険者登録をしてみた俺は、予想外のスキル「黄金」を手に入れる。
「はぁ?」
俺が望んだのは平和な日常を送るためだが!?
悠々自適な生活とは程遠い、忙しない日々を送ることになる。

辻ダンジョン掃除が趣味の底辺社畜、迷惑配信者が汚したダンジョンを掃除していたらうっかり美少女アイドルの配信に映り込み神バズりしてしまう
なっくる
ファンタジー
ダンジョン攻略配信が定着した日本、迷惑配信者が世間を騒がせていた。主人公タクミはダンジョン配信視聴とダンジョン掃除が趣味の社畜。
だが美少女アイドルダンジョン配信者の生配信に映り込んだことで、彼の運命は大きく変わる。実はレアだったお掃除スキルと人間性をダンジョン庁に評価され、美少女アイドルと共にダンジョンのイメージキャラクターに抜擢される。自身を慕ってくれる美少女JKとの楽しい毎日。そして超進化したお掃除スキルで迷惑配信者を懲らしめたことで、彼女と共にダンジョン界屈指の人気者になっていく。
バラ色人生を送るタクミだが……迷惑配信者の背後に潜む陰謀がタクミたちに襲い掛かるのだった。
※他サイトでも掲載しています

現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。

底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった
椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。
底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。
ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。
だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。
翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。
追放されたら無能スキルで無双する
ゆる弥
ファンタジー
無能スキルを持っていた僕は、荷物持ちとしてあるパーティーについて行っていたんだ。
見つけた宝箱にみんなで駆け寄ったら、そこはモンスタールームで。
僕はモンスターの中に蹴り飛ばされて置き去りにされた。
咄嗟に使ったスキルでスキルレベルが上がって覚醒したんだ。
僕は憧れのトップ探索者《シーカー》になる!

異世界から帰ってきた勇者は既に擦り切れている。
暁月ライト
ファンタジー
魔王を倒し、邪神を滅ぼし、五年の冒険の果てに役割を終えた勇者は地球へと帰還する。 しかし、遂に帰還した地球では何故か三十年が過ぎており……しかも、何故か普通に魔術が使われており……とはいえ最強な勇者がちょっとおかしな現代日本で無双するお話です。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる