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1章
第26話
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(よし。成功したぞ)
俺はすぐに頭の中で〝開示〟と唱えて手にした武器の性能を確認する。
------------------------------
【獅子王の真弦】
〔レアリティ〕C+
〔再現度〕50%
〔攻撃力〕4000
〔必殺技/上限回数〕轟天クロス / 12回
〔アビリティ〕超命中Lv.2、会心率上昇Lv.2、広域攻撃Lv.1
------------------------------
(レアリティはC+か。まあ十分だな)
《金字塔の鍛造》を超覚醒させて以来、試しに何度か強化素材を当てて武器を作ってみたが、今のところレアリティB以上の武器を完成させたことはない。
多分今のスキルレベルだとこの辺のグレードが限界なんだろう。
(てことは、現状これが最強の武器ってわけだ)
再現度は50%。
何度か使えば壊れてしまう可能性があるが、その分攻撃力は【ゴアフロストギア】から格段に跳ね上がっている。
「ヌウゥゥゥゥ!」
「っ」
ナズナは俺の言いつけを守り、ジャイアントメタルワームの追撃を完全に遮断していた。
だが。
これまでと違ってその表情は辛そうに見える。
白い肌は赤く火照り始めていた。
ひょっとするともう毒が回り始めたのかもしれない。
(ナズナのためにも速攻で終わらせるぞ)
俺は【獅子王の真弦】に銀矢をセットするとナズナの後ろから外に飛び出す。
瞬時に敵の体躯に狙いを定めた。
今だ。
「〈轟天クロス〉!」
高速で弾道を描いた銀矢がジャイアントメタルワームに向かって一直線に飛んでいく。
炸裂した爆音とともにこちらの攻撃は相手の体に見事命中した。
「ヌウゥゥゥゥ~~~!?」
巨体をくねらせながら敵は地面でのたうち回る。
七曜の武器以上の性能を持つ弓で必殺技を当てたんだ。
普通ならこれで沈むはずだが……。
「ヌウゥゥゥゥ!」
しかし。
ジャイアントメタルワームはすぐに体を起き上がらせた。
そして、何事もなかったように再びナズナに向けてヘドロを吐きつけてくる。
(なるほどな。そういうことか)
その光景を見て俺は確信する。
どうやら物理攻撃がまったく効かない魔物らしい。
ジャイアントメタルワームの存在は以前から知っていたが、戦うのは今回が初めてだったりする。
だから気付くのが少し遅れてしまった。
たまにこんな魔物が存在するのだ。
こういう場合は攻撃魔法で倒すのがセオリー。
前の世界だと似たような魔物と何度も戦ってきたから、俺にはそれがよく分かっていた。
以前の俺ならこんな相手は攻撃魔法で一撃なんだが。
(今は魔法なんて一切使えないからな)
レベル1だと本当に何もできないってことを痛感する。
どうする?
ナズナのためにもこれ以上は間延びさせたくないぞ。
(……ん、ナズナ?)
ふとその時。
俺はあることを思い付いた。
ひょっとするとこういうことだって可能なのかもしれない。
【獅子王の真弦】を構えると、俺はそれから何発かジャイアントメタルワームに向けて必殺技を放った。
敵が体勢を崩している隙に俺はナズナのもとへと駆け寄る。
「まだやれそうか?」
「……はい……。マスターのためにも……必ずお護りいたします……」
体に毒が回っているにもかかわらず、ナズナは闘志を失っていなかった。
俺は一度頷くと、単刀直入に訊ねた。
「昨日使った《白亜の加護》っていうスキルがあっただろ? あれは盾以外にも属性をエンチャントしたりできるのか?」
「……理論上は可能かと、思います……」
「そうか。相手は物理攻撃が効かないから俺の武器に属性を付与できるか試してほしいんだ。それでなんとかしてみせる」
「承知しました……。やってみたいと、思います……」
ナズナは右手で長盾を支えながら、左手をかざして赤色の魔法陣を発生させる。
それを俺が手にした【獅子王の真弦】にかざすとナズナは詠唱文を読み上げた。
「火竜の護りを主の武器に統べ与えよ――火属性付与〟」
すると、その瞬間。
【獅子王の真弦】は燃えるような輝きに包まれる。
「さすがだ、ナズナ。少しここで待ってろ。すぐに決着をつけてくるから」
「よろしくお願いします……マスター」
決意を胸に再び飛び出すと、巨体をむくっと起き上がらせたジャイアントメタルワームの前に俺は躍り出た。
俺はすぐに頭の中で〝開示〟と唱えて手にした武器の性能を確認する。
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【獅子王の真弦】
〔レアリティ〕C+
〔再現度〕50%
〔攻撃力〕4000
〔必殺技/上限回数〕轟天クロス / 12回
〔アビリティ〕超命中Lv.2、会心率上昇Lv.2、広域攻撃Lv.1
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(レアリティはC+か。まあ十分だな)
《金字塔の鍛造》を超覚醒させて以来、試しに何度か強化素材を当てて武器を作ってみたが、今のところレアリティB以上の武器を完成させたことはない。
多分今のスキルレベルだとこの辺のグレードが限界なんだろう。
(てことは、現状これが最強の武器ってわけだ)
再現度は50%。
何度か使えば壊れてしまう可能性があるが、その分攻撃力は【ゴアフロストギア】から格段に跳ね上がっている。
「ヌウゥゥゥゥ!」
「っ」
ナズナは俺の言いつけを守り、ジャイアントメタルワームの追撃を完全に遮断していた。
だが。
これまでと違ってその表情は辛そうに見える。
白い肌は赤く火照り始めていた。
ひょっとするともう毒が回り始めたのかもしれない。
(ナズナのためにも速攻で終わらせるぞ)
俺は【獅子王の真弦】に銀矢をセットするとナズナの後ろから外に飛び出す。
瞬時に敵の体躯に狙いを定めた。
今だ。
「〈轟天クロス〉!」
高速で弾道を描いた銀矢がジャイアントメタルワームに向かって一直線に飛んでいく。
炸裂した爆音とともにこちらの攻撃は相手の体に見事命中した。
「ヌウゥゥゥゥ~~~!?」
巨体をくねらせながら敵は地面でのたうち回る。
七曜の武器以上の性能を持つ弓で必殺技を当てたんだ。
普通ならこれで沈むはずだが……。
「ヌウゥゥゥゥ!」
しかし。
ジャイアントメタルワームはすぐに体を起き上がらせた。
そして、何事もなかったように再びナズナに向けてヘドロを吐きつけてくる。
(なるほどな。そういうことか)
その光景を見て俺は確信する。
どうやら物理攻撃がまったく効かない魔物らしい。
ジャイアントメタルワームの存在は以前から知っていたが、戦うのは今回が初めてだったりする。
だから気付くのが少し遅れてしまった。
たまにこんな魔物が存在するのだ。
こういう場合は攻撃魔法で倒すのがセオリー。
前の世界だと似たような魔物と何度も戦ってきたから、俺にはそれがよく分かっていた。
以前の俺ならこんな相手は攻撃魔法で一撃なんだが。
(今は魔法なんて一切使えないからな)
レベル1だと本当に何もできないってことを痛感する。
どうする?
ナズナのためにもこれ以上は間延びさせたくないぞ。
(……ん、ナズナ?)
ふとその時。
俺はあることを思い付いた。
ひょっとするとこういうことだって可能なのかもしれない。
【獅子王の真弦】を構えると、俺はそれから何発かジャイアントメタルワームに向けて必殺技を放った。
敵が体勢を崩している隙に俺はナズナのもとへと駆け寄る。
「まだやれそうか?」
「……はい……。マスターのためにも……必ずお護りいたします……」
体に毒が回っているにもかかわらず、ナズナは闘志を失っていなかった。
俺は一度頷くと、単刀直入に訊ねた。
「昨日使った《白亜の加護》っていうスキルがあっただろ? あれは盾以外にも属性をエンチャントしたりできるのか?」
「……理論上は可能かと、思います……」
「そうか。相手は物理攻撃が効かないから俺の武器に属性を付与できるか試してほしいんだ。それでなんとかしてみせる」
「承知しました……。やってみたいと、思います……」
ナズナは右手で長盾を支えながら、左手をかざして赤色の魔法陣を発生させる。
それを俺が手にした【獅子王の真弦】にかざすとナズナは詠唱文を読み上げた。
「火竜の護りを主の武器に統べ与えよ――火属性付与〟」
すると、その瞬間。
【獅子王の真弦】は燃えるような輝きに包まれる。
「さすがだ、ナズナ。少しここで待ってろ。すぐに決着をつけてくるから」
「よろしくお願いします……マスター」
決意を胸に再び飛び出すと、巨体をむくっと起き上がらせたジャイアントメタルワームの前に俺は躍り出た。
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