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4章
第15話
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イニストラードを後にした【天空の魔導団】一行が、マスクスへ着く頃には夕方となっていた。
4人で冒険者ギルドに一度顔を出して、ティナやリチャードに、クエストを無事に達成した旨を伝える。
すでに、伝書鳥を通じて、結果の報告はマシューからされていたようだ。
それよりも、彼らが驚いていたのは、ゼノのパーティーに新たな仲間が加わっていたことだった。
「えっ、どうしたんですか? そのエルフの子……」
「えっと……この子はベルって言います。ちょっとわけがあって、【天空の魔導団】に加わってもらうことになりました」
「よ、よろしく……お願いします……」
緊張しながらも、ベルはぺこりと受付カウンターの2人に挨拶をする。
「なるほどねぇ……。魔導師に、聖女様に、戦斧使いに、スキルを持った若いエルフ……。こりゃ、とんでもない冒険者パーティーの誕生だ」
感心したように頷くリチャードに見送られながら、ゼノは3人と一緒に宿舎へと戻った。
「……なんか、ここへ帰って来るのも久しぶりな気がするぜ」
「ですね~。たった数日しかここを離れていなかったはずなのに……不思議です」
感慨深そうに宿舎を見上げる彼女たちの姿を目にしながら、もうここが自分たちの家になっているんだな、とゼノは実感する。
「この建物は?」
首をかしげるベルに、アーシャが答える。
「ここは、アタシたち【天空の魔導団】がギルドから借りてる宿舎なんだぜ! ベルも好きに使っていーんだぜっ?」
「……しゅごい……」
ベルは立派な宿舎を見て、感動しているようだ。
「ちなみに、最初から住んでいたのはゼノ様です♪ なので、アーシャさんが偉そうにするのは違いますよ? どなたがこの宿舎の主か、ベルちゃんもきちんと覚えておきましょう♪」
「細かいことは、いーじゃねーか。ギルドの所有物ってことは、つまり、これもゴンザーガ家の所有物ってことなんだからな!」
「そういうアーシャさんの考え方キライです」
「んだとぉ!? 本当のことじゃねーかっ!」
モニカとアーシャが、いつものように小競り合いを繰り広げていると、ベルがゼノに訊ねる。
「……本当に、ベルもここで暮らしていいの?」
「ああ、もちろんだ。好きな部屋を使っていいぞ。……て言っても、空いてる部屋は限られているけど」
その後、ゼノは2階の空き部屋を案内するも、ベルはぷるぷると首を横に振った。
「どうした? 部屋が気に入らないか?」
「……ううん……。そうじゃなくて……」
「もしかして……1人部屋が嫌なのか?」
ベルはこくんと素直に頷いた。
「……お兄ちゃんと、一緒の部屋がいい……」
「俺と一緒の部屋?」
すると、すかさずモニカとアーシャが話に加わってくる。
「ベルちゃん~? さすがに、それはいけませんよぉー? 若い男女なんですから」
「そ……そうだぜっ! ゼノと一緒なんて、羨ま……いや、迷惑になるじゃねーか!?」
「……でもベルは、お兄ちゃんと一緒がいい……」
2人の指摘に対して、ベルもまったく引かない。
あれこれと議論を続ける彼女たちの間にゼノは割って入った。
「そういうことなら、俺の部屋で一緒に暮らそう」
「「えええぇぇ~~っ!?」」
さも当たり前のように口にするゼノに、モニカもアーシャも驚きの声を上げる。
「そ、そ……それって、つまり同棲じゃんかっ!! んなのご褒美すぎるだろっ!? ゼノとあんなことやこんなことが、公然とできちまうなんて……」
「はわわっ~!? いくら歳が離れているとはいえ、ベルちゃんはかわいいエルフの女の子で……ゼノ様との間に、何か間違いが起こらないとも限らなくて…………ハッ!? ゼノ様の貞操の危機……!?」
取り乱したように、目をグルグルとさせる少女たちにゼノがつっこむ。
「2人とも、一体何を言ってるんだ?」
「だって……アタシを差し置いてそれはねーぜ、ゼノぉぉ……!! 一番の昔からの知り合いはアタシじゃねーかぁ……!」
「わ、わたしも! 一緒の部屋で寝泊まりできませんかぁっ!? そうじゃないと、2人のことが気になって気になって……夜も眠れませんっ~~!」
「……はぁ……」
ゼノは呆れ気味にため息をつく。
「モニカもアーシャも何か勘違いしてるようだから言っておくけど、特にやましい意味はないよ? これまでベルはずっと1人で心細かったんだろうし、ベルが一緒がいいって言うなら、俺はそれに応えたいって思ったんだ」
「そ……そりゃ、心細かったのかもしれねーけどよぉ……」
「それに、ずっと同じ部屋で暮らすってわけじゃない。ここでの生活にベルが慣れるまでの間だけだ」
「たしかに、そうですね……。ベルちゃんの気持ちを思えば、ある程度の間、ゼノ様に一緒についていただいた方がいいのかもしれません……。ちょっと、羨ましいですけどぉ……」
「まぁ……ずっとってわけじゃねーんなら、そこは安心だぜ……」
どうにか、モニカもアーシャも納得してくれたようだ。
「というわけだ、ベル。これからよろしくな」
「うん……。お兄ちゃん……ありがとっ……」
ぺたっと、嬉しそうにベルがゼノに抱きつく。
そんな彼女を頭をゼノは優しく撫でた。
「……どうしてでしょうか……。ベルちゃんが笑顔で嬉しいはずなんですけど……このやり場のないモヤモヤは……」
「くぅぅっ~~! たまらねーぜっ!! でも、おめでとーだぁ、ベルッ……!」
どこか複雑そうな表情を浮かべながら、2人はゼノとベルの相部屋を認めるのだった。
◆
夕食と入浴を終えたゼノは、ベルと一緒に自分の部屋へと戻って来ていた。
(はぁ……。なんで、あの2人はあんなに元気なんだ……?)
部屋へ戻るまでの間、ゼノはこれまでにないくらい強烈なスキンシップをモニカとアーシャから受け続けた。
(最後、部屋の中に入る時も、恨めしそうにじーっと見てたもんな……。ある意味、恐怖だ……)
ようやく解放されたという気分で、ゼノはソファーに座った。
それは、ベルも同じ気持ちだったようだ。
飛び込むように、ゼノの隣りに座ってくる。
「やっと、お兄ちゃんと2人きり……」
「ああ。そうだな」
ベルもなんだか嬉しそうだ。
そのまま、ゼノの体にぺたっと抱きつく。
「お兄ちゃんの匂い……すき……」
「う、うん……」
(まぁ……今日くらいはいいよな? ベルもずっと寂しかったんだろうし)
「それじゃ、俺はこのままソファーで寝るから。ベルはそこのベッドを使ってくれ」
「……(ぷるぷる)」
「ん? ベッドは嫌いか?」
「ううん……そうじゃなくて……」
もじもじとして、ベルは恥ずかしそうにしている。
少しだけ顔も赤い。
「……お兄ちゃんと……その、一緒にベッドで寝たい……」
「い、いや……。さすがにそれは……」
そう口にするも、ベルが瞳をうるうるとさせたので、ゼノは仕方なくそれを了承することに。
「……うん、分かったよ。一緒に寝ようか」
「ありがとっ♪」
すると、ベルはぎゅ~っと、またゼノの体に抱きついた。
(なんか、ベルには調子を狂わされてばかりだなぁ……)
けれど、嫌な気はしなかった。
(俺にも妹がいたら、こんな感じだったのかな?)
そんなことを思いながら、ゼノは嬉しそうに抱きつくベルに目を向けるのだった。
4人で冒険者ギルドに一度顔を出して、ティナやリチャードに、クエストを無事に達成した旨を伝える。
すでに、伝書鳥を通じて、結果の報告はマシューからされていたようだ。
それよりも、彼らが驚いていたのは、ゼノのパーティーに新たな仲間が加わっていたことだった。
「えっ、どうしたんですか? そのエルフの子……」
「えっと……この子はベルって言います。ちょっとわけがあって、【天空の魔導団】に加わってもらうことになりました」
「よ、よろしく……お願いします……」
緊張しながらも、ベルはぺこりと受付カウンターの2人に挨拶をする。
「なるほどねぇ……。魔導師に、聖女様に、戦斧使いに、スキルを持った若いエルフ……。こりゃ、とんでもない冒険者パーティーの誕生だ」
感心したように頷くリチャードに見送られながら、ゼノは3人と一緒に宿舎へと戻った。
「……なんか、ここへ帰って来るのも久しぶりな気がするぜ」
「ですね~。たった数日しかここを離れていなかったはずなのに……不思議です」
感慨深そうに宿舎を見上げる彼女たちの姿を目にしながら、もうここが自分たちの家になっているんだな、とゼノは実感する。
「この建物は?」
首をかしげるベルに、アーシャが答える。
「ここは、アタシたち【天空の魔導団】がギルドから借りてる宿舎なんだぜ! ベルも好きに使っていーんだぜっ?」
「……しゅごい……」
ベルは立派な宿舎を見て、感動しているようだ。
「ちなみに、最初から住んでいたのはゼノ様です♪ なので、アーシャさんが偉そうにするのは違いますよ? どなたがこの宿舎の主か、ベルちゃんもきちんと覚えておきましょう♪」
「細かいことは、いーじゃねーか。ギルドの所有物ってことは、つまり、これもゴンザーガ家の所有物ってことなんだからな!」
「そういうアーシャさんの考え方キライです」
「んだとぉ!? 本当のことじゃねーかっ!」
モニカとアーシャが、いつものように小競り合いを繰り広げていると、ベルがゼノに訊ねる。
「……本当に、ベルもここで暮らしていいの?」
「ああ、もちろんだ。好きな部屋を使っていいぞ。……て言っても、空いてる部屋は限られているけど」
その後、ゼノは2階の空き部屋を案内するも、ベルはぷるぷると首を横に振った。
「どうした? 部屋が気に入らないか?」
「……ううん……。そうじゃなくて……」
「もしかして……1人部屋が嫌なのか?」
ベルはこくんと素直に頷いた。
「……お兄ちゃんと、一緒の部屋がいい……」
「俺と一緒の部屋?」
すると、すかさずモニカとアーシャが話に加わってくる。
「ベルちゃん~? さすがに、それはいけませんよぉー? 若い男女なんですから」
「そ……そうだぜっ! ゼノと一緒なんて、羨ま……いや、迷惑になるじゃねーか!?」
「……でもベルは、お兄ちゃんと一緒がいい……」
2人の指摘に対して、ベルもまったく引かない。
あれこれと議論を続ける彼女たちの間にゼノは割って入った。
「そういうことなら、俺の部屋で一緒に暮らそう」
「「えええぇぇ~~っ!?」」
さも当たり前のように口にするゼノに、モニカもアーシャも驚きの声を上げる。
「そ、そ……それって、つまり同棲じゃんかっ!! んなのご褒美すぎるだろっ!? ゼノとあんなことやこんなことが、公然とできちまうなんて……」
「はわわっ~!? いくら歳が離れているとはいえ、ベルちゃんはかわいいエルフの女の子で……ゼノ様との間に、何か間違いが起こらないとも限らなくて…………ハッ!? ゼノ様の貞操の危機……!?」
取り乱したように、目をグルグルとさせる少女たちにゼノがつっこむ。
「2人とも、一体何を言ってるんだ?」
「だって……アタシを差し置いてそれはねーぜ、ゼノぉぉ……!! 一番の昔からの知り合いはアタシじゃねーかぁ……!」
「わ、わたしも! 一緒の部屋で寝泊まりできませんかぁっ!? そうじゃないと、2人のことが気になって気になって……夜も眠れませんっ~~!」
「……はぁ……」
ゼノは呆れ気味にため息をつく。
「モニカもアーシャも何か勘違いしてるようだから言っておくけど、特にやましい意味はないよ? これまでベルはずっと1人で心細かったんだろうし、ベルが一緒がいいって言うなら、俺はそれに応えたいって思ったんだ」
「そ……そりゃ、心細かったのかもしれねーけどよぉ……」
「それに、ずっと同じ部屋で暮らすってわけじゃない。ここでの生活にベルが慣れるまでの間だけだ」
「たしかに、そうですね……。ベルちゃんの気持ちを思えば、ある程度の間、ゼノ様に一緒についていただいた方がいいのかもしれません……。ちょっと、羨ましいですけどぉ……」
「まぁ……ずっとってわけじゃねーんなら、そこは安心だぜ……」
どうにか、モニカもアーシャも納得してくれたようだ。
「というわけだ、ベル。これからよろしくな」
「うん……。お兄ちゃん……ありがとっ……」
ぺたっと、嬉しそうにベルがゼノに抱きつく。
そんな彼女を頭をゼノは優しく撫でた。
「……どうしてでしょうか……。ベルちゃんが笑顔で嬉しいはずなんですけど……このやり場のないモヤモヤは……」
「くぅぅっ~~! たまらねーぜっ!! でも、おめでとーだぁ、ベルッ……!」
どこか複雑そうな表情を浮かべながら、2人はゼノとベルの相部屋を認めるのだった。
◆
夕食と入浴を終えたゼノは、ベルと一緒に自分の部屋へと戻って来ていた。
(はぁ……。なんで、あの2人はあんなに元気なんだ……?)
部屋へ戻るまでの間、ゼノはこれまでにないくらい強烈なスキンシップをモニカとアーシャから受け続けた。
(最後、部屋の中に入る時も、恨めしそうにじーっと見てたもんな……。ある意味、恐怖だ……)
ようやく解放されたという気分で、ゼノはソファーに座った。
それは、ベルも同じ気持ちだったようだ。
飛び込むように、ゼノの隣りに座ってくる。
「やっと、お兄ちゃんと2人きり……」
「ああ。そうだな」
ベルもなんだか嬉しそうだ。
そのまま、ゼノの体にぺたっと抱きつく。
「お兄ちゃんの匂い……すき……」
「う、うん……」
(まぁ……今日くらいはいいよな? ベルもずっと寂しかったんだろうし)
「それじゃ、俺はこのままソファーで寝るから。ベルはそこのベッドを使ってくれ」
「……(ぷるぷる)」
「ん? ベッドは嫌いか?」
「ううん……そうじゃなくて……」
もじもじとして、ベルは恥ずかしそうにしている。
少しだけ顔も赤い。
「……お兄ちゃんと……その、一緒にベッドで寝たい……」
「い、いや……。さすがにそれは……」
そう口にするも、ベルが瞳をうるうるとさせたので、ゼノは仕方なくそれを了承することに。
「……うん、分かったよ。一緒に寝ようか」
「ありがとっ♪」
すると、ベルはぎゅ~っと、またゼノの体に抱きついた。
(なんか、ベルには調子を狂わされてばかりだなぁ……)
けれど、嫌な気はしなかった。
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そんなことを思いながら、ゼノは嬉しそうに抱きつくベルに目を向けるのだった。
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