上 下
23 / 90
1章

第14話

しおりを挟む
 湿った草木を踏みつけながら、無我夢中で登っていくと、徐々に山の頂が見えてくる。
 頂上付近からは再びゴツゴツの岩が登場し、でこぼこの岩道をゼノは急いで駆け登った。

 すると。
 逆光の中、大きな翼を広げた魔獣と対峙する者の背中が見えてくる。

「ジェシカさん!」

「……ッ、ゼノ!?」

 ゼノがそう叫ぶと、ジェシカが一瞬、首を振り向かせる。
 彼女の足元には、その場で倒れたコナーとヨハンの姿があった。

(な、なんで……!?)

 ジェシカを含め、3人の姿はボロボロだ。
 とてもシビアな攻撃を受けたことが容易に想像できるくらい、悲痛な現状がそこには広がっていた。

「なんで来た!? ここへは近付くなぁ! お前の敵う相手じゃないぞ!」

 ジェシカは背中でそう語りながら、山頂のボス魔獣リーディングホークに向き直る。

 敵は有翼系の魔獣で、死神の大迷宮に棲息しているウェアドレイクとその姿が似ていた。
 だが、明らかに異なるのはその巨大な体躯だ。

 ジェシカの2倍くらいはありそうな大きな翼を広げて、縄張りに踏み込んで来たことを激高するように、鋭い瞳をギラつかせている。

 全身は、輝かしい白色の毛皮で覆われ、鋭い長爪と獰猛な牙は、幾多の冒険者を沈めてきたことを誇っているようにゼノの目には映った。

「ドジャァアァァアッ!」

「ちっ……」

 威嚇をするようにリーディングホークが翼で突風を巻き起こすと、ジェシカはそれを素早く回避する。

「ドジャァァアァーーーッ!!」

「〈おぼろ三段〉!」

 続けて急降下しながら仕掛けてきた踵落としによる攻撃を、ジェシカは術式を放ってなんとか相殺させる。

 彼女は、コナーとヨハンの位置を気にしながら戦っているためか、これまでのような俊敏な動きは影を潜めていた。
 すべてが後手後手に回ってしまっていたのだ。

「〈旋風蹴り〉!」

「ドジャァアァァアッ~~!」

 飛び上がって入れた蹴りも、相手の大きな翼によって簡単に防がれてしまう。
 そのままリーディングホークは頭上へと舞い上がり、口を大きく開けて咆哮した。

 むき出しとなった2つの牙が、陽の光に反射して光った瞬間。
 ゼノは最悪の事態を直感した。

(マズいっ!)

 ジェシカもそれが分かったのか、振り返ってゼノに大声を上げる。

「ここから逃げろぉぉぉっーーー!!」

 これが爆音の正体だったのだ。
 リーディングホークは今まさに、全力の攻撃をこちらへ向かって撃ち込もうとしていた。

 ボロボロとなった3人の姿を見る限り、次に同じ攻撃を受けたら、ひとたまりもないのは明らかだ。
 それが分かっていて、このまま傍観していることはゼノにはできなかった。

「っ!」

 目にも留まらぬ早さで聖剣クレイモアを抜き取ると、ゼノはほとんど無意識のうちに魔導袋の中から魔石を取り出してセットしていた。

「ドジャァッ……」

 リーディングホークが体を反らして、口から衝撃波を吐き出そうとした、まさにその瞬間。

「《氷焉の斬鉄アイスジャベリン》」

 ゼノは、聖剣を振り払いながら、そう詠唱することに成功する。
 
 シュズゥゥゥゥーーーーーン!!

 すると、鋭く氷結した槍が一斉にリーディングホークへと向かって放たれた。

「ドジャァアァァアッ~~!?」

 氷槍はすべて直撃し、リーディングホークは悲鳴を上げながら、体勢を崩してその場へと落下する。

 ドッスン!!

 ものすごい音と共に、岩場が大きく揺れ動いた。

「……ゼノ……!? お前っ、何を……!」

 目の前で繰り広げられた信じられない光景を見て、ジェシカが唖然と言葉を漏らす。
 
 だが、ゼノはその場に墜落した敵から一切目を離さなかった。
 この攻撃魔法だけで、倒れるような相手ではないと分かっていたからだ。

 すぐさま魔導袋から次の魔石を取り出すと、それを聖剣クレイモアにはめ込む。

「これでトドメにする……」

 両手でグリップを握り締め、剣身ブレイドを自身の前で垂直に立てると、光を帯びた聖剣に願いを込めた。
 そして、そのまま剣を高く掲げると、魔法名を詠唱しながらそれを力の限り振り下ろす。

「《怒号の火球マグマボール》!」

 ――その刹那。

 ギュゴゴゴゴゴゴゴーーーーンッ!!

 燃え盛る巨大な火の球が、大きな唸りを上げながら一直線に放たれる。

「ドジャァァアァドジャァッ~~!?」

 それはそのまま白い巨体にぶち当たり、リーディングホークはあっという間に、業火の中で焼き尽くされるのであった。



 ◆



 すべてが終わった後。
 ゼノはポーションを使って3人の治療を素早く行った。
 
 その甲斐もあって、コナーとヨハンが大事に至るようなこともなく、どうにか自力で起き上がれるまでに回復する。

「ゼノさん、どうもッス……」

「……すみません。ありがとう、ございます……」

 ジェシカと共にコナーとヨハンを近くの岩場に座らせると、ゼノはようやく安堵のため息を漏らした。

「よかったです。皆さんがご無事で」

「まさか、ゼノさんに助けてもらうことになるなんて、思ってなかったッスよ……」

「あぁ、そーだなぁ……。オレっちも、この山のボス魔獣を甘く見てた」

「それを言ったら、敵の戦力を見誤った僕の責任です……。ごめんなさい、ジェシカさん」

「なぁに、ヨハンが謝ることじゃないさ。にしても……」

 そこまで口にすると、ジェシカは笑顔でゼノの肩をドンと叩く。

「ゼノ! お前って、実はすげぇーヤツだったんだなぁ! オレっちよりも全然強いじゃんか!」

「いや、そんなことはないんです。俺は、ここまで楽に来させてもらって、まだ体力が余ってましたから。ジェシカさんたちは、頂上へ着くまでの間に、たくさんの魔獣と戦ってきたわけですし」

「んなことねーって! お前がすごいんだよぉ! オレっちなんか、コイツに全然歯が立たなかったからさ」

 そう言ってジェシカは、黒焦げとなったリーディングホークを指さす。

「あっ、そうだ。これを渡すのを忘れるところでした」

 ゼノは魔導袋の中から金色の小さな卵を取り出す。

「これは……」

「はい。リーディングホークがドロップした物です。ジェシカさんたち、これが必要ですよね?」

 このアイテムがあれば、ちゃんとリーディングホークを倒したという証になる。

「……け、けどよ! オレっちたちがコイツを倒したわけじゃねーから。さすがに、これは受け取れねぇって!」

「ですけど、俺がこの卵を持っていても意味はないですから。それに、ここまでいろいろと助けてもらったお礼ができればなと思ってたんです。お役に立てていただけると、俺も嬉しいので」

「そぉーか? ワハハハッ! なら悪いな、ゼノ! あんがとよ、これは受け取っておくぞ!」

 一瞬謙遜するも、ジェシカはすぐに金の卵をゼノから受け取る。
 
「さすが、ジェシカさんッスよ……。遠慮がないッス」

「だってよ、ゼノがこう言ってるんだしな! 好意を無下にするわけにはいかねーだろぉ?」

「ゼノさん、感謝いたします。あなたがいてくれて助かりました」

「オイラも感謝を伝えるッス! どうもありがとうッスよ! ゼノさん!」

「そんな、お礼だなんてやめてください。皆さんがご無事で、俺も本当に嬉しいんですから」

 それは、心からの本音だった。
 【狂悪の凱旋トライアンフキラー】の3人の役に立てたことが、ゼノとしては何よりも嬉しかったのだ。

 どこか達成感のようなものを抱きつつ、ゼノは彼女らと互いの健闘を称え合う。



 その後、話はゼノが使用した魔法について及んだ。

「でも、なんだったんだぁ? あの、ドガドガドガーって攻撃はよ。術式には見えなかったぞ?」

「はい。あれは……魔法なんです」

「……やっぱり、そーか。その剣、普通の剣じゃねーって、オレっちは気付いてたんだ」

「ごめんなさい。黙っていて」

「えっ? ちょっと待ってください。ゼノさんは魔導師だったんですか……?」

「そーみてぇだな。オレっちも魔法は専門外だけどよ。でも、これだけは分かった。ゼノが見たことのない魔法を使ってたってな」

「見たことのない魔法ッスか?」

「そりゃぁ、もうすごかったぞぉ! ガガガガッドドドドッってな具合に、ドンパチドンパチ光ってたな!」

 コナーとヨハンは気を失っていたため、ゼノの攻撃魔法は見ていなかったようだ。
 2人はジェシカの話に興味津々だ。

「それで……本当なんですか?」

「そうですね。ジェシカさんの言ってることは正しいです。俺は、わけあって……未発見魔法を扱えるんです」

「!!」

 点と点が線で繋がったように、ヨハンは納得した表情を浮かべる。
 そして、どこか確信をもってこう口にした。

「……だから〝ゼノ〟なんですね?」

「さすが、ヨハンさんですね。お察しの通り、俺の名前は大賢者様に由来します」

「大賢者様って……あの人魔大戦の英雄だっけかぁ? ゼノなんて名前だったかぁ?」

「オイラも覚えてないッスよ」

「はぁ……。ジェシカさんとコナーさんはもっと勉強してください。常識ですよ……」

 ヨハンは眼鏡の縁を上げながらため息をつく。

「でも、納得しました。あなたがゼノって名乗った時から、なんとなくそんな予感があったんです。何か只者じゃない雰囲気があったというか……。けどまさか、未発見の魔法が扱えるとは思ってませんでした。正直言って信じられません」

「おうっ! オレっちも最初から気付いてたぞぉ! ゼノは、本当はすっげぇーヤツだって!」

「ジェシカさんのそれは嘘ッスね」

「おい~コナーぁ! 余計な事言うんじゃねぇっ!」

 ポカッ!

「い、痛ぃッス!? こっちは病人なんッスよぉ!?」

「あははっ」

「ゼノさんも笑ってないで、助けてくださいッス~~!」

 彼女たちと関係が築けた今、ゼノにとってここは、とても居心地のよい空間となっていた。

 が。

 すぐに、あまり時間がないことに気付く。
 
 別れの瞬間は、あっという間に訪れた。
 
「……それじゃ、申し訳ないですけど。俺は先に山を降ります。日没までにマスクスへ帰らないといけないので」

「そぉーなのか? 分かったっ! オレっちたちはあと少しだけ、体を休めてから下山するさ。ゼノ! いろいろとありがとな!」

「はい。こちらこそ、お世話になりました」

「ゼノさんなら、すぐにマスクスで一番の冒険者になるッスよ! オイラが保証するッス!」

「さすがに……それは大げさですよ」

「いえ、コナーさんの言うこともあながち間違いじゃないかもしれません。未発見魔法を扱う魔導師……。ゼノさんはいずれ、マスクスどころか、アスター王国を代表するような冒険者になる気がしますね。これからもがんばってください」

「俺も【狂悪の凱旋トライアンフキラー】の皆さんの活躍を影ながら祈ってます」

 ヨハンが差し出してきた手を、ゼノはしっかりと握り返す。

 それ以上、言葉を交わさなくても分かり合えるような、そんな信頼感で満ちた空気が4人の間には流れていた。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話

紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界―― 田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。 暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。 仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン> 「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。 最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。 しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。 ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと―― ――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。 しかもその姿は、 血まみれ。 右手には討伐したモンスターの首。 左手にはモンスターのドロップアイテム。 そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。 「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」 ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。 タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。 ――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜

ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。 社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。 せめて「男」になって死にたかった…… そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった! もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

処理中です...