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2章-1
第7話
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「皇帝が【時空大転移】を使ったあとはどうなったんだ?」
「はい。ウェルミィさまと我々神聖騎士隊は北方の安全な島へと送られました」
「皇帝と皇后は……やっぱ死んじゃったのか?」
まだどこか自分の両親だって認識が薄かったのかもしれない。
だから平気でそんなことを訊いてしまった。
でも。
口にしてからしまったと思った。
ウェルミィの表情がとたんに苦しそうなものへ変わるのが分かったからだ。
マキマもそれに気づいてか、核心を突く言葉は避けてこう続ける。
「すべてわたしの力不足によるものです」
「なにをおっしゃるかお嬢! あのときの貴女はまだ13歳! 本来ならばジェイサー隊長とともに副隊長である自分も城に残るべきだったのです! そうすれば少しはおふたりをお守りする時間を稼ぐことができたはず……」
おっさんはこれまで見せたことのない顔で悔しさを滲ませる。
「陛下と皇后さまをあの場に残してしまったことは……自分の一生の不覚です!」
テーブルに拳を突きつけて声を震わせた。
忠義に厚い男なんだな。
ヤッザンのおっさんに対する見方が少し変わった。
「きっと隊長殿が陛下と皇后さまを最後までお守りしたはずじゃ。それにそなたには姫さまをお守りするという使命があったのではないかのう? それを果たしたのだからヤッザン殿が自分を責める必要なんてないのじゃ」
「ブライ爺の言うとおりだよ。ヤッザンがいなかったら……うちもマキマもほかの隊員のみんなも。きっとあの島で死んじゃってたって思うよ」
「うぅ、ウェルミィさま……。ありがとうございます……」
そこでウェルミィは俺に顔を向ける。
「お父さまもお母さまも。最後までお兄さまがまだ生きてるって信じてたよ。大魔帝ニズゼルファを倒すためにかならずまた戻ってきてくれるって。ぜんぶ無駄じゃなかったんだよ。国民のみんなの抵抗も、お父さまとお母さまがうちを生かすために命を張ってくれたことも……。だってこうやってお兄さまとまた出逢うことができたんだもん!」
そっか。
そんな壮絶な経緯があったから俺を見つけてあんなに喜んだのか。
自分がどういう存在で誰にどんな風に思われてたのかが分かると、とたんに自分の取った行動が恥ずかしく思えてくる。
俺は深く反省した。
「ごめん。不用意な発言だった。あんたたちの気持ちをまったく考えてなかったよ。許してくれ」
折り目正しく俺はお辞儀をする。
「えぇっ!? お兄さまがそんな風に謝る必要なんてないよっ!?」
「ウェルミィさまの言うとおりです。顔をお上げくださいルーデウスさま」
「けど……」
「ルーデウスさまは以前の記憶を消されているわけですからその反応はごく自然なことなんです。わたくしどもの話を聞いてゆっくり思い出していただけたらそれでいいんです」
「うん、そうだよっ! たまにはマキマもいいこと言うじゃん~♪」
「……分かったよ」
なんとなく甘えているような気もしたけど今は彼女たちの好意を素直に受けよう。
どこか背筋を正す思いで俺はマキマの話に耳を傾けた。
「それでなぜ陛下が我々神聖騎士隊をつけてまでウェルミィさまを安全な場所へと転移させたのかというと、これにはある理由があるからなんです」
「理由?」
「はい。ウェルミィさまが15歳となられて〈皇女〉のジョブを授かったとき、その固有スキルがルーデウスさまのために役立つと信じていたからです」
「これについてはワシが話そう」
マキマとバトンタッチするようにじいさんが続きを口にする。
「〈皇女〉の固有スキルは【聖祈祷の歌】というものじゃ。これは『仲間の内に眠った真の力を呼び起こす』という能力を持つスキルなんじゃ」
「真の力を呼び起こす……」
「うん、つまりね。うちがこのスキルを使えばお兄さまの中に眠った〈勇者〉の才覚を呼び起こせるはずなんだよっ!」
「そんなことができるのか」
驚く俺に対してブライのじいさんが問いかけてきた。
「この【聖祈祷の歌】にはもうひとつ大きな役割があるのじゃ。ルーデウスさま。姫さまの声を聞いてなにか思い出しませんかな?」
「声? あぁ、たしかになんとなく聞き覚えがあるような気がしてたんだ」
「うそっ!? やっぱそーだよ! お兄さまにうちの声は届いてたんだよっー!」
「お、おいっ……」
ふたたびウェルミィが抱きついてくる。
あいかわらずその力は強い……。
「まさに兄妹の愛だよね? んふふ~♡」
「待ってくれ。話がぜんぜん見えないんだが」
「えぇっ~!? うちの声、届いたんだよねっ?」
「いったいなんのこと言ってるんだ?」
「ウェルミィさま。ここは実際に声を届けられた方が分かりやすいかと思います」
「うぅ~~! マキマにそんなこと言われなくても分かってるもん!」
本当に忙しいやつだなぁ。
またぷりぷりと怒った表情を浮かべるとウェルミィはいちど俺から離れる。
そして。
背筋を正してテーブルの前で指を組むと綺麗な声で歌を歌いはじめた。
(!!)
その歌声を聴いて俺はハッとする。
これってあのときの……。
『――思い出してください――。この世界には――秘密があります――。勇者さまは――』
そう。
それはあの日の夜に外壁の前で聴いた歌声そのものだったのだ。
「いかがでしょうか、ルーデウスさま」
「うん……そうなんだ。俺はこの歌声を聴いてそれで勇者さま一行が本当に村へやって来るのかが気になって。そのことを両親に訊ねたんだけど」
「なぜか村から追い出されてしまった……と。そういうことじゃな?」
「え? なんでそれを」
じいさんはそれには答えずこんなことを口にする。
「それが永遠に続く一日を打ち破るトリガーとなったのじゃ」
「?」
「つまりね! お兄さまが現状に疑問を抱くことがループを断ち切るトリガーだったんだよ! うちはスキルを使ってそのきっかけ作りをしたのっ!」
歌を歌い終えたウェルミィがそう補足してくれた。
「でも、どうしてそれがトリガーになるって分かったんだ?」
「もちろんそれには理由があります。ですが……それをお話する前に。わたしたちが北方の島に転移してからどう過ごしてきたのか。その経緯についてお伝えしなければなりません」
そこで俺は四人の過去について知ることになった。
「はい。ウェルミィさまと我々神聖騎士隊は北方の安全な島へと送られました」
「皇帝と皇后は……やっぱ死んじゃったのか?」
まだどこか自分の両親だって認識が薄かったのかもしれない。
だから平気でそんなことを訊いてしまった。
でも。
口にしてからしまったと思った。
ウェルミィの表情がとたんに苦しそうなものへ変わるのが分かったからだ。
マキマもそれに気づいてか、核心を突く言葉は避けてこう続ける。
「すべてわたしの力不足によるものです」
「なにをおっしゃるかお嬢! あのときの貴女はまだ13歳! 本来ならばジェイサー隊長とともに副隊長である自分も城に残るべきだったのです! そうすれば少しはおふたりをお守りする時間を稼ぐことができたはず……」
おっさんはこれまで見せたことのない顔で悔しさを滲ませる。
「陛下と皇后さまをあの場に残してしまったことは……自分の一生の不覚です!」
テーブルに拳を突きつけて声を震わせた。
忠義に厚い男なんだな。
ヤッザンのおっさんに対する見方が少し変わった。
「きっと隊長殿が陛下と皇后さまを最後までお守りしたはずじゃ。それにそなたには姫さまをお守りするという使命があったのではないかのう? それを果たしたのだからヤッザン殿が自分を責める必要なんてないのじゃ」
「ブライ爺の言うとおりだよ。ヤッザンがいなかったら……うちもマキマもほかの隊員のみんなも。きっとあの島で死んじゃってたって思うよ」
「うぅ、ウェルミィさま……。ありがとうございます……」
そこでウェルミィは俺に顔を向ける。
「お父さまもお母さまも。最後までお兄さまがまだ生きてるって信じてたよ。大魔帝ニズゼルファを倒すためにかならずまた戻ってきてくれるって。ぜんぶ無駄じゃなかったんだよ。国民のみんなの抵抗も、お父さまとお母さまがうちを生かすために命を張ってくれたことも……。だってこうやってお兄さまとまた出逢うことができたんだもん!」
そっか。
そんな壮絶な経緯があったから俺を見つけてあんなに喜んだのか。
自分がどういう存在で誰にどんな風に思われてたのかが分かると、とたんに自分の取った行動が恥ずかしく思えてくる。
俺は深く反省した。
「ごめん。不用意な発言だった。あんたたちの気持ちをまったく考えてなかったよ。許してくれ」
折り目正しく俺はお辞儀をする。
「えぇっ!? お兄さまがそんな風に謝る必要なんてないよっ!?」
「ウェルミィさまの言うとおりです。顔をお上げくださいルーデウスさま」
「けど……」
「ルーデウスさまは以前の記憶を消されているわけですからその反応はごく自然なことなんです。わたくしどもの話を聞いてゆっくり思い出していただけたらそれでいいんです」
「うん、そうだよっ! たまにはマキマもいいこと言うじゃん~♪」
「……分かったよ」
なんとなく甘えているような気もしたけど今は彼女たちの好意を素直に受けよう。
どこか背筋を正す思いで俺はマキマの話に耳を傾けた。
「それでなぜ陛下が我々神聖騎士隊をつけてまでウェルミィさまを安全な場所へと転移させたのかというと、これにはある理由があるからなんです」
「理由?」
「はい。ウェルミィさまが15歳となられて〈皇女〉のジョブを授かったとき、その固有スキルがルーデウスさまのために役立つと信じていたからです」
「これについてはワシが話そう」
マキマとバトンタッチするようにじいさんが続きを口にする。
「〈皇女〉の固有スキルは【聖祈祷の歌】というものじゃ。これは『仲間の内に眠った真の力を呼び起こす』という能力を持つスキルなんじゃ」
「真の力を呼び起こす……」
「うん、つまりね。うちがこのスキルを使えばお兄さまの中に眠った〈勇者〉の才覚を呼び起こせるはずなんだよっ!」
「そんなことができるのか」
驚く俺に対してブライのじいさんが問いかけてきた。
「この【聖祈祷の歌】にはもうひとつ大きな役割があるのじゃ。ルーデウスさま。姫さまの声を聞いてなにか思い出しませんかな?」
「声? あぁ、たしかになんとなく聞き覚えがあるような気がしてたんだ」
「うそっ!? やっぱそーだよ! お兄さまにうちの声は届いてたんだよっー!」
「お、おいっ……」
ふたたびウェルミィが抱きついてくる。
あいかわらずその力は強い……。
「まさに兄妹の愛だよね? んふふ~♡」
「待ってくれ。話がぜんぜん見えないんだが」
「えぇっ~!? うちの声、届いたんだよねっ?」
「いったいなんのこと言ってるんだ?」
「ウェルミィさま。ここは実際に声を届けられた方が分かりやすいかと思います」
「うぅ~~! マキマにそんなこと言われなくても分かってるもん!」
本当に忙しいやつだなぁ。
またぷりぷりと怒った表情を浮かべるとウェルミィはいちど俺から離れる。
そして。
背筋を正してテーブルの前で指を組むと綺麗な声で歌を歌いはじめた。
(!!)
その歌声を聴いて俺はハッとする。
これってあのときの……。
『――思い出してください――。この世界には――秘密があります――。勇者さまは――』
そう。
それはあの日の夜に外壁の前で聴いた歌声そのものだったのだ。
「いかがでしょうか、ルーデウスさま」
「うん……そうなんだ。俺はこの歌声を聴いてそれで勇者さま一行が本当に村へやって来るのかが気になって。そのことを両親に訊ねたんだけど」
「なぜか村から追い出されてしまった……と。そういうことじゃな?」
「え? なんでそれを」
じいさんはそれには答えずこんなことを口にする。
「それが永遠に続く一日を打ち破るトリガーとなったのじゃ」
「?」
「つまりね! お兄さまが現状に疑問を抱くことがループを断ち切るトリガーだったんだよ! うちはスキルを使ってそのきっかけ作りをしたのっ!」
歌を歌い終えたウェルミィがそう補足してくれた。
「でも、どうしてそれがトリガーになるって分かったんだ?」
「もちろんそれには理由があります。ですが……それをお話する前に。わたしたちが北方の島に転移してからどう過ごしてきたのか。その経緯についてお伝えしなければなりません」
そこで俺は四人の過去について知ることになった。
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