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2章-1
第6話
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俺が大魔帝ニズゼルファに敗れると、ランドマン大陸最前線の小島では不気味な赤い光がまっすぐに昇ったのだという。
「まるでこの世の終わりのようでしたな」
珍しくおっさんが神妙な声で呟く。
それもそのはずだ。
そのあとには目を覆いたくなるような悲劇が待っていたからだ。
赤い光が天に昇ってからすぐあと。
魔族はエアリアル帝国への侵攻をはじめたようだ。
やがて、魔の手は皇都ロザリオテンへと迫る。
話で聞くだけじゃ伝わらないような相当な恐怖があったに違いない。
それは圧倒的な絶望と呼んでもいいと思う。
そこで暮らしていた人たちがどんな思いを抱いたまま死んでいったのか。
想像するのも苦しい。
俺は心の中で静かに黙祷をささげた。
「赤い光を見て陛下は確信したようです。これはニズゼルファによる狼煙に違いないと」
その考えが皇帝にある決断をさせることになったようだ。
◇◇◇
エアリアル皇帝――つまり俺の父親か。
本名はモーゼフ・エアリアル13世というらしい。
父さんは帝国史上最強の大魔術師と謳われていたのだという。
〈皇帝〉のジョブのほかにも〈賢者〉の準位職にも就いてた天才だったみたいだな。
それで父さんは最後の力を振り絞って〈皇帝〉の固有スキルである【時空大転移】を使った。
これは一部の者たちを任意の場所へ送り届けるっていうスキルだったようだ。
「その際に陛下はこんな言葉を口にされました。『ルーデウスはかならずまた戻ってくる。だから探し出せ。そのときまで諦めるな』と」
「そんなことを言ったのか?」
「うん。お父さまは信じてたんだよ。【煌世主の意志】が働いて、お兄さまがもう一度大魔帝ニズゼルファに戦いを挑んでくれるに違いないって」
それを聞いて俺は驚いた。
(煌世主の意志だって?)
あの日、ルーデウス村の敷地を出ようとしたとき。
突然立ち上がった光のウィンドウにたしかそんなアナウンスが表示されてた。
ループを打ち破ったこととなにか関係があったのかもしれない。
そう思ってそのことをマキマに訊ねてみた。
「まさか……今もそのスキルを所有されていますか?」
「スキル? それってスキルなのか?」
「【煌世主の意志】は〈勇者〉の固有スキルになります」
「なに?」
「なのでルーデウスさまがそれを所有されていてもおかしくはないかと思います」
「ちょっと待ってくれ」
念のためにステータスを確認してみる。
が、やはりスキルの項目にも【煌世主の意志】なんてものは無かった。
「やっぱりそんなスキルは持ってないぞ」
「そうですか」
だとすれば。
どうしてあんなアナウンス画面が立ち上がったんだ?
(あのあと【オートスキップ】が覚醒したんだったよな)
ひとまずマキマの話に耳を傾ける。
「【煌世主の意志】は、強大な悪をかならず撃ち砕くという強い正義の意志が働くスキルとなります。ふつう魔族相手にダメージを与えることはできないのですが、このスキルを所有している勇者さまなら魔族に攻撃を与えることができるんです」
「そんなにすごいスキルなのか」
〝ふつう魔族相手にダメージを与えることはできない〟って箇所は少し引っかかったけど、続くマキマの言葉に俺の関心は向いてしまう。
「でもそうですね。光のウィンドウにそんなアナウンス画面が立ち上がったということは、【オートスキップ】が再覚醒したのではないでしょうか?」
「!」
俺は大きく驚いた。
「どうして【オートスキップ】のことを知っている?」
このEXスキルについては仲間の誰にもまだ話してない。
けど。
ウェルミィはさも当たり前のことのようにこう言葉を添えてくる。
「それはお兄さまがもともと所有してたスキルなんだよ」
「え」
「おそらく大魔帝の呪いを断ち切ったからでしょう! 【煌世主の意志】によって【オートスキップ】が戻ってきたのでしょうなぁ!」
「でも、今言ったように【煌世主の意志】なんてスキル、俺は所有してないんだけど」
ヤッザンのおっさんにそう言うとじいさんが小さく頷く。
「たしかに。今のルーデウスさまのジョブは〈村人〉じゃ。残念ながら【煌世主の意志】は持っておらんじゃろう」
「じゃあなんで……」
「EXスキルが再覚醒したのはおそらく。勇者であったころのルーデウスさまの強い意志が時間を越えて働いたためじゃろうな」
「?」
「つまりじゃ。過去の固有スキルの効果が5年もの長い年月の間、生きておったというわけじゃ」
じいさんの補足を聞いてもよく分からなかったが、実際に【オートスキップ】は覚醒したんだ。
そういうことだってあるのかもしれない。
「『天恵の儀式』を終えたルーデウスさまは、陛下からまだ魔族の手がかかっていない隠しダンジョンを教えられ、そこで【オートスキップ】を使ってステータスを∞にしたと聞いております」
「なんだって?」
過去の俺も【オートスキップ】を使ってステータスを∞にしてたのか?
おいおいマジかよ。
気がかりはもうひとつあった。
「その隠しダンジョンっていうのは?」
「たしかデボンの森の中にある『叢雲の修練場』というダンジョンだったはずです」
その瞬間、俺はすべて理解した。
『叢雲の修練場』を見つけたときに感じた強烈なデジャブは、以前にいちど来たことがあったからああ感じたんだ。
(そっか。あれは父さんの言葉だったんだ)
〝この隠しダンジョンは修練の場として存在している。中には強敵のモンスターが多く潜んでいるから注意するのだぞ〟
ダンジョンの中にほしにくの実がいっぱい落ちてるって話もたぶん父さんから聞いたんだろう。
そんな助けもあって、俺は無事にステータスを∞にすることができたってわけか。
自分ひとりだけの力で大魔帝に挑んだわけじゃなかったんだな。
そう思うと、俺は父さんや母さんのその後が気になった。
「まるでこの世の終わりのようでしたな」
珍しくおっさんが神妙な声で呟く。
それもそのはずだ。
そのあとには目を覆いたくなるような悲劇が待っていたからだ。
赤い光が天に昇ってからすぐあと。
魔族はエアリアル帝国への侵攻をはじめたようだ。
やがて、魔の手は皇都ロザリオテンへと迫る。
話で聞くだけじゃ伝わらないような相当な恐怖があったに違いない。
それは圧倒的な絶望と呼んでもいいと思う。
そこで暮らしていた人たちがどんな思いを抱いたまま死んでいったのか。
想像するのも苦しい。
俺は心の中で静かに黙祷をささげた。
「赤い光を見て陛下は確信したようです。これはニズゼルファによる狼煙に違いないと」
その考えが皇帝にある決断をさせることになったようだ。
◇◇◇
エアリアル皇帝――つまり俺の父親か。
本名はモーゼフ・エアリアル13世というらしい。
父さんは帝国史上最強の大魔術師と謳われていたのだという。
〈皇帝〉のジョブのほかにも〈賢者〉の準位職にも就いてた天才だったみたいだな。
それで父さんは最後の力を振り絞って〈皇帝〉の固有スキルである【時空大転移】を使った。
これは一部の者たちを任意の場所へ送り届けるっていうスキルだったようだ。
「その際に陛下はこんな言葉を口にされました。『ルーデウスはかならずまた戻ってくる。だから探し出せ。そのときまで諦めるな』と」
「そんなことを言ったのか?」
「うん。お父さまは信じてたんだよ。【煌世主の意志】が働いて、お兄さまがもう一度大魔帝ニズゼルファに戦いを挑んでくれるに違いないって」
それを聞いて俺は驚いた。
(煌世主の意志だって?)
あの日、ルーデウス村の敷地を出ようとしたとき。
突然立ち上がった光のウィンドウにたしかそんなアナウンスが表示されてた。
ループを打ち破ったこととなにか関係があったのかもしれない。
そう思ってそのことをマキマに訊ねてみた。
「まさか……今もそのスキルを所有されていますか?」
「スキル? それってスキルなのか?」
「【煌世主の意志】は〈勇者〉の固有スキルになります」
「なに?」
「なのでルーデウスさまがそれを所有されていてもおかしくはないかと思います」
「ちょっと待ってくれ」
念のためにステータスを確認してみる。
が、やはりスキルの項目にも【煌世主の意志】なんてものは無かった。
「やっぱりそんなスキルは持ってないぞ」
「そうですか」
だとすれば。
どうしてあんなアナウンス画面が立ち上がったんだ?
(あのあと【オートスキップ】が覚醒したんだったよな)
ひとまずマキマの話に耳を傾ける。
「【煌世主の意志】は、強大な悪をかならず撃ち砕くという強い正義の意志が働くスキルとなります。ふつう魔族相手にダメージを与えることはできないのですが、このスキルを所有している勇者さまなら魔族に攻撃を与えることができるんです」
「そんなにすごいスキルなのか」
〝ふつう魔族相手にダメージを与えることはできない〟って箇所は少し引っかかったけど、続くマキマの言葉に俺の関心は向いてしまう。
「でもそうですね。光のウィンドウにそんなアナウンス画面が立ち上がったということは、【オートスキップ】が再覚醒したのではないでしょうか?」
「!」
俺は大きく驚いた。
「どうして【オートスキップ】のことを知っている?」
このEXスキルについては仲間の誰にもまだ話してない。
けど。
ウェルミィはさも当たり前のことのようにこう言葉を添えてくる。
「それはお兄さまがもともと所有してたスキルなんだよ」
「え」
「おそらく大魔帝の呪いを断ち切ったからでしょう! 【煌世主の意志】によって【オートスキップ】が戻ってきたのでしょうなぁ!」
「でも、今言ったように【煌世主の意志】なんてスキル、俺は所有してないんだけど」
ヤッザンのおっさんにそう言うとじいさんが小さく頷く。
「たしかに。今のルーデウスさまのジョブは〈村人〉じゃ。残念ながら【煌世主の意志】は持っておらんじゃろう」
「じゃあなんで……」
「EXスキルが再覚醒したのはおそらく。勇者であったころのルーデウスさまの強い意志が時間を越えて働いたためじゃろうな」
「?」
「つまりじゃ。過去の固有スキルの効果が5年もの長い年月の間、生きておったというわけじゃ」
じいさんの補足を聞いてもよく分からなかったが、実際に【オートスキップ】は覚醒したんだ。
そういうことだってあるのかもしれない。
「『天恵の儀式』を終えたルーデウスさまは、陛下からまだ魔族の手がかかっていない隠しダンジョンを教えられ、そこで【オートスキップ】を使ってステータスを∞にしたと聞いております」
「なんだって?」
過去の俺も【オートスキップ】を使ってステータスを∞にしてたのか?
おいおいマジかよ。
気がかりはもうひとつあった。
「その隠しダンジョンっていうのは?」
「たしかデボンの森の中にある『叢雲の修練場』というダンジョンだったはずです」
その瞬間、俺はすべて理解した。
『叢雲の修練場』を見つけたときに感じた強烈なデジャブは、以前にいちど来たことがあったからああ感じたんだ。
(そっか。あれは父さんの言葉だったんだ)
〝この隠しダンジョンは修練の場として存在している。中には強敵のモンスターが多く潜んでいるから注意するのだぞ〟
ダンジョンの中にほしにくの実がいっぱい落ちてるって話もたぶん父さんから聞いたんだろう。
そんな助けもあって、俺は無事にステータスを∞にすることができたってわけか。
自分ひとりだけの力で大魔帝に挑んだわけじゃなかったんだな。
そう思うと、俺は父さんや母さんのその後が気になった。
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