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1章-1

第12話

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「ステータスオープン」

 テントの近くまで戻ってくると俺は光のウィンドウを起動させる。

「さてと。どの〈回復魔法〉を習得するかな」

 つかスキルポイントは∞なんだからこの際すべての『魔法』を習得しちゃってもいいんじゃないか?

 が、すぐに思い直す。

(いやダメだ。習得数には上限があるんだったな)

 たしか習得上限は100種類。
 
 生涯を通じて習得できる『特技』や『魔法』は20種類くらいが平均なわけで、上限はあってないようなものなんだけど今の俺にはけっこう大きな問題だ。

 この上限がある以上好き勝手ぽんぽんと習得はできない。

(まぁでも、習得上限に達したらなにか『特技』や『魔法』を忘れることで新しく習得できるんだけど)

 その際に改めてスキルポイントを消費する必要がある。
 俺のスキルポイントは∞なんだから、この点はあまり気にしなくてもいいか。


「これまでに習得した『魔法』はぜんぶで4種類。上限を気にするような数じゃぜんぜんないな」

 〈回復魔法〉とついでに〈補助魔法〉をすべて習得しても問題なさそうだ。
 上限に達しそうになったらそのときになにか忘れたらいいわけだし。

 今後のことを考えればこのふたつの魔法は覚えておいて損はないはず。

 光のウィンドウを操作しながら〈回復魔法〉と〈補助魔法〉の一覧をすべて表示する。

===========================

[回復魔法 一覧]

人体修復Iアイスヒール
消費MP 15
必要SP 250
[効果]
味方一人のHPを小回復する。

人体修復IIアイスヒール
消費MP 20
必要SP 300
[効果]
味方全体のHPを小回復する。

人体再生Iリエイド
消費MP 25
必要SP 330
[効果]
味方一人のHPを中回復する。

人体再生IIリエイド
消費MP 35
必要SP 400
[効果]
味方全体のHPを中回復する。

人体復活Iヒールメシア
消費MP 40
必要SP 450
[効果]
味方一人のHPを大回復する。

人体復活IIヒールメシア
消費MP 55
必要SP 720
[効果]
味方全体のHPを大回復する。

聖天樹の契約クローザーフォレスト
消費MP 45
必要SP 800
[効果]
瀕死状態の味方一人をHP大回復させた状態で復活させる。

《ヘブンズストリングス》
消費MP 32
必要SP 350
[効果]
味方全体の状態異常をすべて治療する。

《アウロラ》
消費MP 30
必要SP 200
[効果]
自分以外の味方一人のMPを小回復する。

水晶機巧ズートピアヘリオス
自身のHPを1にする代わり、瀕死状態の味方全体をHP半分の状態で復活させる。
消費MP 0
必要SP 850

===========================

[補助魔法 一覧]

《超熱血》
消費MP 12
必要SP 200
[効果]
味方一人の攻撃力を3倍上昇させる。

《大番長》
消費MP 10
必要SP 180
[効果]
味方一人の守備力を3倍上昇させる。

《ドガッツ大番長》
消費MP 12
必要SP 220
[効果]
味方全体の守備力を1.5倍上昇させる。

《魔導UP》
消費MP 12
必要SP 200
[効果]
味方一人の魔法力を3倍上昇させる。

最高学府インテリセンス
消費MP 15
必要SP 250
[効果]
味方全体の魔法力を1.5倍上昇させる。

《トルクチューンカイザー》
消費MP 18
必要SP 250
[効果]
味方全体の素早さを3倍上昇させる。

暗獅マスダンパー
消費MP 16
必要SP 220
[効果]
味方一人の回避率を大幅に上昇させる。

鎧皇ハンガーシールド
消費MP 20
必要SP 280
[効果]
味方一人への物理ダメージを半減させる。

鎧皇ハンガーシールドVVダブルヴィクトリー
消費MP 60
必要SP 750
[効果]
味方一人へのあらゆるダメージを一時的に無効化する。

《好敵手の記憶》
消費MP 20
必要SP 300
[効果]
味方一人への攻撃魔法を跳ね返すバリアを張る。

《アーマゲドン》
消費MP 15
必要SP 220
[効果]
味方一人を悪い効果から守るバリアを張る。

《クエアボルツ》
消費MP 10
必要SP 180
[効果]
味方一人へのブレス系ダメージを半減させる。

《クエアボルツ・ビヨンド》
消費MP 15
必要SP 250
[効果]
味方全体へのブレス系ダメージを半減させる。

《バリアーマ》
消費MP 8
必要SP 150
[効果]
味方一人の武器ガード率を上昇させる。

《ギラギラバリアーマ》
消費MP 12
必要SP 200
[効果]
味方全体の武器ガード率を大幅に上昇させる。

《高等回復術》
消費MP 15
必要SP 280
[効果]
味方全体の回復量を上昇させる。

《コネクションゾーン》
消費MP 10
必要SP 150
[効果]
味方一人にかかっている良い効果を少しだけ延長させる。

蛇軌道マスティンギミック
消費MP 0
必要SP 400
[効果]
ある条件を行うことで発動するトラップを仕掛ける。

浮遊術サークルフライ
消費MP 15
必要SP 350
[効果]
味方一人が一時的に空を飛ぶことができる。

《ケイオスゴッデス》
消費MP 50
必要SP 580
[効果]
味方一人が攻撃魔法を2回連続で使える状態にする。

《ファントムフォース》
消費MP 5
必要SP 400
[効果]
『特技』『魔法』の使用時、味方一人のMP消費を一時的に0にする。

《バロウズドール》
消費MP 999
必要SP 999
[効果]
その戦闘で得られる経験値を9倍にする。

零獄接続シデンギャラクシー
消費MP 0
必要SP 200
[効果]
相手のステータスや状態を確認する。

反撃の系譜バスターカウンター
消費MP 30
必要SP 350
[効果]
味方一人が1/2の確率であらゆる攻撃のカウンターを行う。

《大いなる獣への衝動》
消費MP 52
必要SP:600
[効果]
味方全体が確実にカウンターが行えるようになる。

《ぶっとび剛腕》
消費MP 48
必要SP 550
[効果]
味方が10回攻撃を当てるまでの間、味方全体のすべてのパラメーターを上昇させる。

《ラブパペット》
消費MP 10
必要SP 150
[効果]
自身のHPを味方全体に分け与える。

生贄アマデウス
消費MP 0
必要SP 250
[効果]
自身のMPを味方一人にすべて分け与える。

夢幻の回帰スペリオルシルキード
消費MP ―
必要SP 650
[効果]
魔法を無詠唱で発動できるようになる。

《選ばれし運命のカルマ
消費MP 0
必要SP 720
[効果]
味方一人のすべてのパラメーターが大幅に上昇する代わり、解けた時にHP1になる。

《クロスダンテ》
消費MP 0
必要SP 750
[効果]
自身のHPとMPを1にする代わり、味方全体のすべてのパラメーターを大幅に上昇させる。

===========================

 ぜんぶで41種類か。
 一気に覚えることができそうだな。

 すべての項目をタップすると実行画面が映し出される。

 必要SPはトータルで【 15,329 】。
 これだけでふつうの種族が生涯獲得できるスキルポイントを軽く凌駕しちゃってるけど∞だからまるで問題なし。
 
 スワイプしながらすべて〝YES〟を選択すると「魔法を習得しました」とすぐに表示された。
 これでひととおりの〈回復魔法〉が使えるぞ。

 そんな風に考えていると。


 ぱんぱかぱーん!


 いきなり鳴るのはビビるからやめてくれ。
 今度はなにが起きたんだ?
 
 光のウィンドウをタップすると画面が切り替わる。

===========================

〈回復魔法〉〈補助魔法〉をすべて習得したため、
準位職アディショナルジョブの〈贈与士ギフター〉を獲得しました。

===========================

 なんだよ、準位職って。
 
(というかジョブってまさか……)

 すぐさま自分のステータスを確認する。

===========================

〈ティム・ベルリ〉

年齢:15歳 種族:人族
職業ジョブ:村人 
準位職:贈与士 AP 1

レベル ∞
HP ∞
MP ∞
攻撃力 ∞
守備力 ∞
魔法力 ∞
ちから ∞
みのまもり ∞
きようさ ∞
すばやさ ∞

[スキルポイント] ∞
[所持ルビー] ∞ルビー
[所持アイテム] ほしにくの実×∞、ほしにくの種×∞

[固有スキル]
【命中率0%】
智慧の頂グレイトミラクル

[EXスキル]
【オートスキップ】

===========================

 うわぁ。
 なんか追加されてるし!

 当然真っ先に目が向いたのは固有スキルの項目だった。

 努力ボーナスを発見したときと似たような焦燥感を抱きつつ、新しく追加された固有スキルの項目をタップしてみる。

===========================

◆固有スキル【智慧の頂グレイトミラクル

[効果]
自身が持てる力を相手に分け与えることができる。

===========================

 【オートスキップ】のときとは違いだいぶざっくりとした内容だった。
 
 が、文言は短いながらも内容はなかなかぶっ飛んでいる。

(自身が持てる力を相手に分け与えることができる? これ、ひょっとしてなんでもよかったりするのか?)

 ちょうどそんなタイミングで。

「ティムさん! こんなところにいたんだワン~!」

 
 後ろから走ってきたルーク軍曹に声をかけられる。

「急にどっか行ってしまってびっくりしたんだワン!」

「すまん。ちょっと試したいことがあってさ」

「? なにを試すんだワン?」

 そこで俺は自分が〈回復魔法〉を使ってイヌイヌ族のみんなの傷を癒せないか試したいって話を口にする。

「ティムさん〈回復魔法〉も使えたのかワン!? すごいんだワン!」

「ちょうど今習得したところなんだ」

「今!?」

 話をかなり端折って説明してるからルーク軍曹はかなり混乱気味だ。

「テントの中に入ってもいいか?」

「そ、それはもちろんいいんだワン……。でも、本当に皆の傷を癒したりできるのかワン?」

「まあそこで見ててくれ」

 俺はひとりでテントの中へと足を踏み入れた。
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