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1章-1
第5話
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ほしにくの実を食べてすきっ腹を満たすと俺は隠しダンジョンの前でスキルの検証を何度か行った。
そこで分かったことがいくつかある。
まずひとつはこのスキルを使っている最中は強烈な眠気に襲われるってことだ。
1回しか周回しなかったときは分からなかったけど、回数を多く設定すればするほど昏睡する時間も長かった。
(まぁ長いって言っても5分とかそんなもんなんだけど)
次に判明したのは、いくら周回数を重ねても得られるのはアイテムとルビーだけってこと。
ここまで10万回以上周回してみたトータルの結果がこれだ。
===========================
〈ダンジョン攻略結果〉
戦闘回数 1,198,137回
討伐数 0回
獲得EXP 0
獲得ルビー 299,680ルビー
探索アイテム ほしにくの実×33,540、ほしにくの種×65,810
===========================
ルビーが手に入るって分かったのは大きな収穫だけどはっきり言って使う機会がない。
ほしにくの実もこんな食べきれないほどあっても意味ないんだよなぁ。
これで食料の心配をしなくてよくなったのはいいんだけどさ。
ぶっちゃけこれじゃダンジョンを周回スキップできた旨味はあまり感じられない。
ここでも村人の固有スキル【命中率0%】が足かせとなっている。
モンスターを倒せないからいくら戦闘回数を重ねても得られる経験値は0だ。
経験値が手に入らないからレベルは一切上がらない。
つまりこのままダンジョンの周回を続けてもアイテムとルビーがめちゃくちゃ手に入るだけ。
「たしかにチートなんだけど現状を打破できるようなスキルじゃないんだよなぁ」
この状況から抜け出すことができるかもしれないって思ったのに。
これじゃあいかわらずスライムも倒せないままだ。
こんな結界の中で俺は一生終えたくない。
それからステータスをなんとなく眺めていると。
(ん?)
そこに見覚えのない項目が追加されてることに気づく。
努力ボーナス? なんだこれ?
===========================
[努力ボーナス] 1,198,137ポイント
===========================
よく分からなかったのでそのままタップして内容を確認することに。
「あぁなるほど。モンスターと戦った回数に応じてポイントが貰えてたっぽいな」
けどいったいなにに使うんだ、これ?
それからさらに下へスクロールしてみると。
===========================
現在、努力ボーナスが1,198,137ポイントあります。
すべてEXPに変換しますがよろしいですか?(Y/N)
===========================
「へ?」
表示されたアナウンス画面を見て俺は目を見開いた。
ちょっと待て。
こいつで経験値に変換できるってことは周回しまくればレベルも上がるんじゃ。
震える指を押さえながら慎重に〝YES〟を選択する。
すると。
ぱんぱかぱーん!
気の抜けるようなファンファーレがふたたび鳴ったあとで画面がすぐに切り替わった。
===========================
努力ボーナス1,198,137ポイントをEXPに変換しました。
結果、1,199の経験値を獲得。
〈ティム・ベルリ〉のレベルが1から12に上がりました。
===========================
「うおっ! ほんとにレベルが上がっちゃったよ!?」
同時にパラメーターもすべて上昇する。
===========================
〈ティム・ベルリ〉
年齢:15歳 種族:人族
職業:村人 AP 1
レベル 12
HP 80/80
MP 30/30
攻撃力 31
守備力 24
魔法力 26
ちから 20
みのまもり 22
きようさ 18
すばやさ 24
[スキルポイント] 720
[所持ルビー] 299,680ルビー
[所持アイテム] ほしにくの実×33,540、ほしにくの種×65,810
[固有スキル]
【命中率0%】
[EXスキル]
【オートスキップ】
===========================
すげぇー。
レベルってマジで上がるものなんだ。
【命中率0%】があるから一生こんなステータスとは無縁だって思ってたけど。
「ちゃっかりスキルポイントも増えてるし」
スキルポイントを消費すれば『特技』と『魔法』を習得することができる。
『特技』と『魔法』はどの種族でも平等に習得が可能だ。
ちなみに『特技』は〈拳技〉〈剣技〉〈斧技〉〈槍技〉〈卍技〉〈両杖技〉〈爪技〉と七種類あって、『魔法』は〈攻撃魔法〉〈回復魔法〉〈補助魔法〉〈弱体魔法〉の四つに分かれている。
【命中率0%】がある以上、『特技』や〈攻撃魔法〉を覚えても意味はないけど、〈回復魔法〉と〈補助魔法〉は習得しておいても損はないと言える。
おっし!
ようやくチートっぽい展開になってきたぞ。
こんなところで終わる俺じゃないってことだ。
「見せてやるぜ、主人公補正がかかった俺の実力ってやつを! ふっふっふ!」
よく分からないたくらみを抱きつつ、俺はスキルの検証を続けることに。
◇◇◇
「さてと。まずはどれくらい周回できるか確認しておかないとな」
これまでに設定した最大周回数は5万回だ。
これでもさすがに多すぎるかなって思ったけど実はまだまだいけるのかもしれない。
(ひとまず10万回で入力してみよう)
周回数の項目に100,000と打ち込む。
すると。
===========================
ダンジョン名【 叢雲の修練場 】
周回数【 100,000回 】
入力内容を受理しました。
こちらの内容で実行してよろしいですか?(Y/N)
===========================
うわ、マジか。
いけちゃうのかこれも。
まあ5万回がいけるんだから10万回もいけるんだろうなってなんとなく思ってたけど。
「なら100万回ならどうだ?」
===========================
ダンジョン名【 叢雲の修練場 】
周回数【 1,000,000回 】
入力内容を受理しました。
こちらの内容で実行してよろしいですか?(Y/N)
===========================
おおぅ……。
めちゃくちゃビビるわ、いけるのかよこれも。
つかけっこう引いてる。
100万回ダンジョンを周回するとかふつうに挑んだらまずムリじゃね?
生まれたての赤子が老いぼれのじいさんになるまで毎日入り続けても達成できないくらいの回数だ。
それをたった数時間くらい昏睡するだけでクリアできちゃうんだろうから、改めてとんでもないスキルだってことが分かる。
(もうこうなれば限界まで確認しないと気が済まないぞ)
この感じだとひょっとすると、500万回……いや1,000万回もいけちゃうのかもしれない。
◇◇◇
それから何度か入力を試してみた結果、上限の周回数が判明した。
「100,000,000って……」
そう。
周回数は1億回まで設定できたのだ。
さすがにそれ以上は〝周回不可〟って表示されたけど。
それでも十分すぎるほどだよ。
(というかこんな周回して本当に目を覚ますことができるのか?)
永遠に昏睡したままっていうオチだけは勘弁してくれ。
だけどそんな不安よりも、ひょっとしたらとんでもなく最強になれるんじゃないかっていう好奇心の方が上まわって。
「こんなことでビビってどうする、ティム・ベルリ! 最弱から抜け出せるチャンスなんだ」
スライムすら倒せないままでいいのか?
否、よくない!
と、謎のテンションのまま周回数を1億回に設定する。
それから眠っている間のことを考えていろいろと準備を済ませておくと、俺はついに〝YES〟を選択する。
「いざポチッとな」
直後、強烈な睡魔が一気に襲いかかってくるのだった。
そこで分かったことがいくつかある。
まずひとつはこのスキルを使っている最中は強烈な眠気に襲われるってことだ。
1回しか周回しなかったときは分からなかったけど、回数を多く設定すればするほど昏睡する時間も長かった。
(まぁ長いって言っても5分とかそんなもんなんだけど)
次に判明したのは、いくら周回数を重ねても得られるのはアイテムとルビーだけってこと。
ここまで10万回以上周回してみたトータルの結果がこれだ。
===========================
〈ダンジョン攻略結果〉
戦闘回数 1,198,137回
討伐数 0回
獲得EXP 0
獲得ルビー 299,680ルビー
探索アイテム ほしにくの実×33,540、ほしにくの種×65,810
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ルビーが手に入るって分かったのは大きな収穫だけどはっきり言って使う機会がない。
ほしにくの実もこんな食べきれないほどあっても意味ないんだよなぁ。
これで食料の心配をしなくてよくなったのはいいんだけどさ。
ぶっちゃけこれじゃダンジョンを周回スキップできた旨味はあまり感じられない。
ここでも村人の固有スキル【命中率0%】が足かせとなっている。
モンスターを倒せないからいくら戦闘回数を重ねても得られる経験値は0だ。
経験値が手に入らないからレベルは一切上がらない。
つまりこのままダンジョンの周回を続けてもアイテムとルビーがめちゃくちゃ手に入るだけ。
「たしかにチートなんだけど現状を打破できるようなスキルじゃないんだよなぁ」
この状況から抜け出すことができるかもしれないって思ったのに。
これじゃあいかわらずスライムも倒せないままだ。
こんな結界の中で俺は一生終えたくない。
それからステータスをなんとなく眺めていると。
(ん?)
そこに見覚えのない項目が追加されてることに気づく。
努力ボーナス? なんだこれ?
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[努力ボーナス] 1,198,137ポイント
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よく分からなかったのでそのままタップして内容を確認することに。
「あぁなるほど。モンスターと戦った回数に応じてポイントが貰えてたっぽいな」
けどいったいなにに使うんだ、これ?
それからさらに下へスクロールしてみると。
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現在、努力ボーナスが1,198,137ポイントあります。
すべてEXPに変換しますがよろしいですか?(Y/N)
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「へ?」
表示されたアナウンス画面を見て俺は目を見開いた。
ちょっと待て。
こいつで経験値に変換できるってことは周回しまくればレベルも上がるんじゃ。
震える指を押さえながら慎重に〝YES〟を選択する。
すると。
ぱんぱかぱーん!
気の抜けるようなファンファーレがふたたび鳴ったあとで画面がすぐに切り替わった。
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努力ボーナス1,198,137ポイントをEXPに変換しました。
結果、1,199の経験値を獲得。
〈ティム・ベルリ〉のレベルが1から12に上がりました。
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「うおっ! ほんとにレベルが上がっちゃったよ!?」
同時にパラメーターもすべて上昇する。
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〈ティム・ベルリ〉
年齢:15歳 種族:人族
職業:村人 AP 1
レベル 12
HP 80/80
MP 30/30
攻撃力 31
守備力 24
魔法力 26
ちから 20
みのまもり 22
きようさ 18
すばやさ 24
[スキルポイント] 720
[所持ルビー] 299,680ルビー
[所持アイテム] ほしにくの実×33,540、ほしにくの種×65,810
[固有スキル]
【命中率0%】
[EXスキル]
【オートスキップ】
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すげぇー。
レベルってマジで上がるものなんだ。
【命中率0%】があるから一生こんなステータスとは無縁だって思ってたけど。
「ちゃっかりスキルポイントも増えてるし」
スキルポイントを消費すれば『特技』と『魔法』を習得することができる。
『特技』と『魔法』はどの種族でも平等に習得が可能だ。
ちなみに『特技』は〈拳技〉〈剣技〉〈斧技〉〈槍技〉〈卍技〉〈両杖技〉〈爪技〉と七種類あって、『魔法』は〈攻撃魔法〉〈回復魔法〉〈補助魔法〉〈弱体魔法〉の四つに分かれている。
【命中率0%】がある以上、『特技』や〈攻撃魔法〉を覚えても意味はないけど、〈回復魔法〉と〈補助魔法〉は習得しておいても損はないと言える。
おっし!
ようやくチートっぽい展開になってきたぞ。
こんなところで終わる俺じゃないってことだ。
「見せてやるぜ、主人公補正がかかった俺の実力ってやつを! ふっふっふ!」
よく分からないたくらみを抱きつつ、俺はスキルの検証を続けることに。
◇◇◇
「さてと。まずはどれくらい周回できるか確認しておかないとな」
これまでに設定した最大周回数は5万回だ。
これでもさすがに多すぎるかなって思ったけど実はまだまだいけるのかもしれない。
(ひとまず10万回で入力してみよう)
周回数の項目に100,000と打ち込む。
すると。
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ダンジョン名【 叢雲の修練場 】
周回数【 100,000回 】
入力内容を受理しました。
こちらの内容で実行してよろしいですか?(Y/N)
===========================
うわ、マジか。
いけちゃうのかこれも。
まあ5万回がいけるんだから10万回もいけるんだろうなってなんとなく思ってたけど。
「なら100万回ならどうだ?」
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ダンジョン名【 叢雲の修練場 】
周回数【 1,000,000回 】
入力内容を受理しました。
こちらの内容で実行してよろしいですか?(Y/N)
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おおぅ……。
めちゃくちゃビビるわ、いけるのかよこれも。
つかけっこう引いてる。
100万回ダンジョンを周回するとかふつうに挑んだらまずムリじゃね?
生まれたての赤子が老いぼれのじいさんになるまで毎日入り続けても達成できないくらいの回数だ。
それをたった数時間くらい昏睡するだけでクリアできちゃうんだろうから、改めてとんでもないスキルだってことが分かる。
(もうこうなれば限界まで確認しないと気が済まないぞ)
この感じだとひょっとすると、500万回……いや1,000万回もいけちゃうのかもしれない。
◇◇◇
それから何度か入力を試してみた結果、上限の周回数が判明した。
「100,000,000って……」
そう。
周回数は1億回まで設定できたのだ。
さすがにそれ以上は〝周回不可〟って表示されたけど。
それでも十分すぎるほどだよ。
(というかこんな周回して本当に目を覚ますことができるのか?)
永遠に昏睡したままっていうオチだけは勘弁してくれ。
だけどそんな不安よりも、ひょっとしたらとんでもなく最強になれるんじゃないかっていう好奇心の方が上まわって。
「こんなことでビビってどうする、ティム・ベルリ! 最弱から抜け出せるチャンスなんだ」
スライムすら倒せないままでいいのか?
否、よくない!
と、謎のテンションのまま周回数を1億回に設定する。
それから眠っている間のことを考えていろいろと準備を済ませておくと、俺はついに〝YES〟を選択する。
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