親愛なるラブソングへ。

言葉を話すことが出来ない彼女、心<こころ>。
彼女の言葉を聞くことが出来る彼、言葉<ことは>。

そんな、ふたりを周りはからかって『世界』と呼んだ。

拝啓、親愛なるラブソング様。
あなたはまだ、世界のどこかで唄われ、あなたを求められていますか。

この世界は今日もラブソングで溢れている。
<あい>が消費されて、嫌というほど<しあわせ>が唄われた。
その割に、それらはこの世界になくて。

この星の片隅にラブソングとして生きている、ふたり。
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