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1回戦 Sランク冒険者ゲーム18
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ギルドの扉を開けて中に入ると、手前は酒場になっていてテーブルと椅子が並び、奥が受付になっているようだった。
「何でギルドが酒場と一体化してるの? 謎なんだけど」
安来鮎見が中を見回してそう言った。
「これにはちゃんと合理的な理由があるんじゃないかな。ギルドのロビーが冒険者達の溜まり場になっていれば、パーティを作りやすいだろう? それに、緊急性の高い依頼が持ち込まれたときに、酒場に待機している冒険者達にすぐに依頼を引き受けてもらうことができる。あと、依頼の報酬が支払われるまでの待ち時間に酒が飲めたら嬉しい、という呑兵衛達の願いを叶えることもできる」
なぜか米崎陽人は庇うようにそう言った。いったい誰を庇っているのだろう……。
今はギルドのロビーに冒険者は1人もいなかった。酒場も閉鎖されている。
奥の受付は衝立によって区切られているが、今はカウンターの向こうにはギルド職員は1人しかいなかった。その職員は、白と茶と黒の部分が入り混じった髪で、頭の上から猫耳が生えている、20歳前後に見える女性だった。三毛猫の獣人か、と思いながら千野圭吾の方を見ると、案の定千野圭吾はデレデレしていた。
「冒険者ギルドへようこそ。本日はどのようなご用でしょうか?」
俺達がその職員に近づくと、向こうから話しかけてきた。
「冒険者登録をしたいんですけど」
誰も答えないので、仕方なく俺はそう答えた。
「承知しました。私はギルド職員のサーシャです。もしかして、クロウ様達でしょうか?」
「はい。どうして俺の名前を?」
「副ギルドマスターのエイブラムから、遠話で聞きました」
遠話というのは、電話の魔法バージョンみたいなもののことだろうか。日本の会社の受付のように、上司であるエイブラムのことを呼び捨てにしていた。
「そうでしたか。エイブラムさんには角ウサギのスタンピードに襲われているところを助けていただき、本当に感謝しています」
「ところで、エイブラムからは、クロウ様一行は12人だと伺っていたのですが」
「1人は体調不良で、宿で休んでいます。――ところで、随分と閑散としていますね」
「スタンピードが発生中ですから。通常の依頼はすべて取り消されたり保留となったりしました。現在、大勢の冒険者の方々が、交替で街の防衛をしてくれています。不測の事態が発生する場合もありますから、お酒に酔った状態で防衛任務をする人がいないように、酒場も閉鎖しています。そのせいですね。
防衛と言っても、今回のようにGランクの魔物しかいないスタンピードであれば、城門の周囲だけ守り、ある程度数を減らすだけですけどね。魔物の群れが人間が住んでいない場所に向かってくれれば、大した被害はありませんから。ただし、Dランク以上の魔物のスタンピードや、様々な魔物が入り混じったスタンピードが発生した場合は、全力で討伐することになり、特別な理由がない限り冒険者は強制参加となりますが」
「なるほど。そうだったんですね。スタンピードはどれくらい続くものなんですか?」
どうせエイブラムには怪しまれているのだからと、この世界では常識かもしれないことを俺は訊いてみた。
「だいたい、24時間から48時間くらい続くと思います」
結構長いな。この国の転移門は首都にしかないから、それまではこの街に缶詰になってしまうな。
「スタンピードが発生するのは、珍しいことなんでしょうか?」
「いえ。1年に1回か2回くらいはありますね。この街、スプリングワッシャーの周囲には4つの初心者向けのダンジョンがあり、そのどれかのダンジョンから大量の魔物が溢れ出すと、スタンピードとなるのです」
「分かりました。ありがとうございます」
「はい。それでは、これから冒険者ギルドについて説明をします。すでに知っていることもあるかもしれませんが、復習だと思って聞いてください」
ギルド職員のサーシャはそう前置きをすると、冒険者ランクと魔物のランクは対応していて、そのランクの魔物を楽に倒せるようになるのが昇格の基準であり、誰でも最初は最低ランクのGランクから開始だと説明した。その代わり、そのランクの依頼を規定数こなせば、1日に何回も昇格することが可能なのだという。Cランク以上に上がるには、規定数の依頼完了に加えて昇格試験に合格しなければならないそうだった。
人を殺してはいけないとか、他人の物を盗んではいけないという当たり前のことから、他の冒険者の過去を追求しようとしてはいけない、犯罪行為でない限り依頼人の秘密は厳守である、といった不要なトラブルを避けるためのルールも説明された。
サーシャはそういった基本的なことを説明した後、大きな水晶玉のような物と人数分の針と布きれを奥の部屋から持ってきて、カウンターの上に置いた。
「登録には、この冒険者登録専用の魔道具を使います。この玉の上に血を一滴垂らすだけで、名前と職業、基礎レベルなどが自動で登録されます。登録が済みましたら、名前と職業と冒険者ランクが記された冒険者カードをお渡しします。
魔物を討伐すると、その討伐数と日時が自動でカードに記録されていきます。普段はその記録を見ることはできませんが、ギルドの受付に提出してもらえば、参照することが可能です。これにより、虚偽の申告を防いでいます。また……人を殺してしまった場合にも、その人数と日時が記録されます。例えば盗賊に襲われるなどして、正当防衛で人を殺してしまった場合は、速やかにギルドを訪れ、そのときの状況について説明してください。
二重登録を避けるため、この魔道具は他の冒険者ギルドの魔道具と連動しています。罪を犯して除名処分となった人が、別の冒険者ギルドで再登録しようとしても防げる仕組みになっています。
また、ステータス画面にも、冒険者ランクが表示されるようになります。除名処分となった場合も『冒険者ランク:除名』というように、ずっとステータスに表示されたままになるので、ご注意ください。
ここまでで、何かご不明な点はございましたでしょうか」
「登録にはお金はかかりますか?」
夏目理乃がそう訊いた。
「いいえ。かかりません」
「職業を冒険者カードに記載する理由は何なんですか?」
米崎陽人がそう訊いた。
「例えば依頼者の中には『前衛』とか、『攻撃魔法が使える者』とか、『ヒールLv.4以上の回復魔法の使い手』などの条件をつける方もいらっしゃるからです」
「ちなみに、職業が生産職でも登録できますか?」
俺は不安になっていたことを訊いた。
「もちろんできます。例えば『村人』のように、スキルツリーが1つもない職業の人でも登録できます。ただしその場合、先ほど申し上げたような依頼条件に当て嵌まらない依頼は受けることができませんが。それでも基本的には、戦闘で強ければ冒険者としてやっていけます」
サーシャはそう言って、ニコッと笑った。
「過去にSランク冒険者になった人の中に、生産職だった人はいますか?」
佐古くんはそう訊いた。
「それは……。そういう人がいたという話は聞いたことがございません。Aランクになった生産職の人は、数え切れないほどいらっしゃるのですが」
サーシャは申し訳なさそうにそう答えた。
「分かりました。とにかく登録してみます」
俺がそう言うと、サーシャは針を1本と小さな布きれを1枚、俺に差し出した。
「この布は、必要以上に血を流さないためのものです。魔道具に血を垂らし終わったら、傷に押し当ててください」
サーシャはそう説明した。
「何でギルドが酒場と一体化してるの? 謎なんだけど」
安来鮎見が中を見回してそう言った。
「これにはちゃんと合理的な理由があるんじゃないかな。ギルドのロビーが冒険者達の溜まり場になっていれば、パーティを作りやすいだろう? それに、緊急性の高い依頼が持ち込まれたときに、酒場に待機している冒険者達にすぐに依頼を引き受けてもらうことができる。あと、依頼の報酬が支払われるまでの待ち時間に酒が飲めたら嬉しい、という呑兵衛達の願いを叶えることもできる」
なぜか米崎陽人は庇うようにそう言った。いったい誰を庇っているのだろう……。
今はギルドのロビーに冒険者は1人もいなかった。酒場も閉鎖されている。
奥の受付は衝立によって区切られているが、今はカウンターの向こうにはギルド職員は1人しかいなかった。その職員は、白と茶と黒の部分が入り混じった髪で、頭の上から猫耳が生えている、20歳前後に見える女性だった。三毛猫の獣人か、と思いながら千野圭吾の方を見ると、案の定千野圭吾はデレデレしていた。
「冒険者ギルドへようこそ。本日はどのようなご用でしょうか?」
俺達がその職員に近づくと、向こうから話しかけてきた。
「冒険者登録をしたいんですけど」
誰も答えないので、仕方なく俺はそう答えた。
「承知しました。私はギルド職員のサーシャです。もしかして、クロウ様達でしょうか?」
「はい。どうして俺の名前を?」
「副ギルドマスターのエイブラムから、遠話で聞きました」
遠話というのは、電話の魔法バージョンみたいなもののことだろうか。日本の会社の受付のように、上司であるエイブラムのことを呼び捨てにしていた。
「そうでしたか。エイブラムさんには角ウサギのスタンピードに襲われているところを助けていただき、本当に感謝しています」
「ところで、エイブラムからは、クロウ様一行は12人だと伺っていたのですが」
「1人は体調不良で、宿で休んでいます。――ところで、随分と閑散としていますね」
「スタンピードが発生中ですから。通常の依頼はすべて取り消されたり保留となったりしました。現在、大勢の冒険者の方々が、交替で街の防衛をしてくれています。不測の事態が発生する場合もありますから、お酒に酔った状態で防衛任務をする人がいないように、酒場も閉鎖しています。そのせいですね。
防衛と言っても、今回のようにGランクの魔物しかいないスタンピードであれば、城門の周囲だけ守り、ある程度数を減らすだけですけどね。魔物の群れが人間が住んでいない場所に向かってくれれば、大した被害はありませんから。ただし、Dランク以上の魔物のスタンピードや、様々な魔物が入り混じったスタンピードが発生した場合は、全力で討伐することになり、特別な理由がない限り冒険者は強制参加となりますが」
「なるほど。そうだったんですね。スタンピードはどれくらい続くものなんですか?」
どうせエイブラムには怪しまれているのだからと、この世界では常識かもしれないことを俺は訊いてみた。
「だいたい、24時間から48時間くらい続くと思います」
結構長いな。この国の転移門は首都にしかないから、それまではこの街に缶詰になってしまうな。
「スタンピードが発生するのは、珍しいことなんでしょうか?」
「いえ。1年に1回か2回くらいはありますね。この街、スプリングワッシャーの周囲には4つの初心者向けのダンジョンがあり、そのどれかのダンジョンから大量の魔物が溢れ出すと、スタンピードとなるのです」
「分かりました。ありがとうございます」
「はい。それでは、これから冒険者ギルドについて説明をします。すでに知っていることもあるかもしれませんが、復習だと思って聞いてください」
ギルド職員のサーシャはそう前置きをすると、冒険者ランクと魔物のランクは対応していて、そのランクの魔物を楽に倒せるようになるのが昇格の基準であり、誰でも最初は最低ランクのGランクから開始だと説明した。その代わり、そのランクの依頼を規定数こなせば、1日に何回も昇格することが可能なのだという。Cランク以上に上がるには、規定数の依頼完了に加えて昇格試験に合格しなければならないそうだった。
人を殺してはいけないとか、他人の物を盗んではいけないという当たり前のことから、他の冒険者の過去を追求しようとしてはいけない、犯罪行為でない限り依頼人の秘密は厳守である、といった不要なトラブルを避けるためのルールも説明された。
サーシャはそういった基本的なことを説明した後、大きな水晶玉のような物と人数分の針と布きれを奥の部屋から持ってきて、カウンターの上に置いた。
「登録には、この冒険者登録専用の魔道具を使います。この玉の上に血を一滴垂らすだけで、名前と職業、基礎レベルなどが自動で登録されます。登録が済みましたら、名前と職業と冒険者ランクが記された冒険者カードをお渡しします。
魔物を討伐すると、その討伐数と日時が自動でカードに記録されていきます。普段はその記録を見ることはできませんが、ギルドの受付に提出してもらえば、参照することが可能です。これにより、虚偽の申告を防いでいます。また……人を殺してしまった場合にも、その人数と日時が記録されます。例えば盗賊に襲われるなどして、正当防衛で人を殺してしまった場合は、速やかにギルドを訪れ、そのときの状況について説明してください。
二重登録を避けるため、この魔道具は他の冒険者ギルドの魔道具と連動しています。罪を犯して除名処分となった人が、別の冒険者ギルドで再登録しようとしても防げる仕組みになっています。
また、ステータス画面にも、冒険者ランクが表示されるようになります。除名処分となった場合も『冒険者ランク:除名』というように、ずっとステータスに表示されたままになるので、ご注意ください。
ここまでで、何かご不明な点はございましたでしょうか」
「登録にはお金はかかりますか?」
夏目理乃がそう訊いた。
「いいえ。かかりません」
「職業を冒険者カードに記載する理由は何なんですか?」
米崎陽人がそう訊いた。
「例えば依頼者の中には『前衛』とか、『攻撃魔法が使える者』とか、『ヒールLv.4以上の回復魔法の使い手』などの条件をつける方もいらっしゃるからです」
「ちなみに、職業が生産職でも登録できますか?」
俺は不安になっていたことを訊いた。
「もちろんできます。例えば『村人』のように、スキルツリーが1つもない職業の人でも登録できます。ただしその場合、先ほど申し上げたような依頼条件に当て嵌まらない依頼は受けることができませんが。それでも基本的には、戦闘で強ければ冒険者としてやっていけます」
サーシャはそう言って、ニコッと笑った。
「過去にSランク冒険者になった人の中に、生産職だった人はいますか?」
佐古くんはそう訊いた。
「それは……。そういう人がいたという話は聞いたことがございません。Aランクになった生産職の人は、数え切れないほどいらっしゃるのですが」
サーシャは申し訳なさそうにそう答えた。
「分かりました。とにかく登録してみます」
俺がそう言うと、サーシャは針を1本と小さな布きれを1枚、俺に差し出した。
「この布は、必要以上に血を流さないためのものです。魔道具に血を垂らし終わったら、傷に押し当ててください」
サーシャはそう説明した。
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