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23.再会
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「よっ!久しぶりだな、アリア!!」
「……お久しぶりです。元気でしたか?アリア」
「ケイオス兄様、カインツ兄様……」
片手を上げて親し気な態度で私に声を掛けるケイオスと、その後ろから少し気まずそうな態度で柔らかく声を掛けるカインツ。双子だったことや、両親があまりちゃらちゃらした装飾を好まなかったこともあり、昔は見分けがつかないくらいにそっくりな外見をしていたが、成長した今は面影を残しつつ、髪型やアクセサリーなどで差を出しているようだった。
私は兄二人の事を聞いた瞬間は驚いたが、実際に二人の姿を目にすると驚きよりも戸惑いが大きく態度に出てしまった。
あの家を出るまでは、二人の兄の事を本当に恨んでいた。
なにせあの二人がいなくなったせいで私とレオンは、長年酷い目に遭っってきたのだ。
しかし成長して、あの家から出ると同じ決意してからは分かっていた。きっとこの兄二人も私やレオンと同じ状況に立たされていた上で散々悩んだ結果に選んだ道だったのだということを。
でもどうなっても良かったから、せめて自分とレオンに同行するという選択肢を与えて欲しかったという思いもあった。当時は、まるで要らないから捨てられたような気持ちもあったのだ。
だからこそ残った憎しみと置いて行かれてしまった悲しみ、そして助けてくれたのだというその自分に対する優しさに対しての嬉しいという気持ち。これらが心の中で混ざり合って、再会した兄二人にどういう態度を取ればいいのか分からない。
「まだ兄と呼んでくれるんだね、君は」
「そりゃそうだろ!だって俺らはアリアとレオンの兄貴だしな!!」
「こら!ケイオス!!」
「……置いていったのに?」
「っそれは、あー、悪かったっつーか?」
ケイオスの能天気な態度に対する苛立ちもあったかもしれない。心の奥底でずっと考えていたことが口から漏れ出る。
その言葉には流石のケイオスの方も動揺を見せた。場に沈黙が落ち、助けてもらっておいて流石に卑怯な言葉だったとそれを取り消そうと思った。しかしそれよりも先にカインツが口を開いた。
「申し訳ありません。過去、僕達は本当に最低なことをしました。アリアとレオンを置いていけば、どんな結果になるかなんて分かりきっていたのに、当時の僕達は僕達と一緒に明日の命すらも危うい生活をさせるよりはマシだと考えて、置いて行ってしまった」
「……俺達は俺達なりに、これでもどうしたらお前達の幸せに繋がるのか考えてたっつーか。俺も選択ミスったって今は思ってるよ」
「っ私こそ、今更こんなことを言ってしまってごめんなさい。本当はこんなことを言うつもりはなかったの」
責任感の強いカインツはともかく、昔から自由奔放だったケイオスまでもが悲痛な表情で反省を見せている姿を見て、私は改めて、自分とレオンがどうでもいい存在だったから置いて行かれたわけではなかったという事実をやっと飲み込むことが出来た。
確かに公爵家から身一つで出て、後ろ盾もない存在。しかも両親に目を付けられているせいで、国内では普通の職ですら働くことなんてきっと出来ない。
そんな不安定かつ明日の食べ物すらあるか分からない……生きていけるかすらも怪しい存在だったのだ、かつての二人は。今のこの苦しそうな顔を見れば、本当に悩み悩んで『置いていく』という選択肢を選んだことが分かったのだ。
そこまで理解した私の瞳からは、追い付かなくなった感情が涙として溢れ出て来てしまった。
「私、本当はね、兄様達に置いていかれたことが一番悲しかったの。ああ、私達は兄様にとって必要のない存在だったんだなって、二人の世界にはいらない存在だったんだなって自覚させられたようで。だからこそ悲しみを越えてからは、ただただ二人が憎かった。こんな地獄に置いて行った二人を馬鹿の一つ覚えみたいに憎んでたの」
「……ごめん、でも別に俺はアリアとレオンを『要らない』だなんて思ったことはねえ」
「うん。だからこそ、今回も助けにきてくれたんだよね。それでね、私、家を出ようって覚悟してから、やっと二人の気持ちが理解できたの――」
一つ一つ確認し合って、当時の気持ちをぶつけて、離れていた間の『家族の時間』を取り戻していく。
3人の間には既に最初の気まずさはなく、段々と態度も感情も柔らかくて暖かいものへと変化していっていた。
「……お久しぶりです。元気でしたか?アリア」
「ケイオス兄様、カインツ兄様……」
片手を上げて親し気な態度で私に声を掛けるケイオスと、その後ろから少し気まずそうな態度で柔らかく声を掛けるカインツ。双子だったことや、両親があまりちゃらちゃらした装飾を好まなかったこともあり、昔は見分けがつかないくらいにそっくりな外見をしていたが、成長した今は面影を残しつつ、髪型やアクセサリーなどで差を出しているようだった。
私は兄二人の事を聞いた瞬間は驚いたが、実際に二人の姿を目にすると驚きよりも戸惑いが大きく態度に出てしまった。
あの家を出るまでは、二人の兄の事を本当に恨んでいた。
なにせあの二人がいなくなったせいで私とレオンは、長年酷い目に遭っってきたのだ。
しかし成長して、あの家から出ると同じ決意してからは分かっていた。きっとこの兄二人も私やレオンと同じ状況に立たされていた上で散々悩んだ結果に選んだ道だったのだということを。
でもどうなっても良かったから、せめて自分とレオンに同行するという選択肢を与えて欲しかったという思いもあった。当時は、まるで要らないから捨てられたような気持ちもあったのだ。
だからこそ残った憎しみと置いて行かれてしまった悲しみ、そして助けてくれたのだというその自分に対する優しさに対しての嬉しいという気持ち。これらが心の中で混ざり合って、再会した兄二人にどういう態度を取ればいいのか分からない。
「まだ兄と呼んでくれるんだね、君は」
「そりゃそうだろ!だって俺らはアリアとレオンの兄貴だしな!!」
「こら!ケイオス!!」
「……置いていったのに?」
「っそれは、あー、悪かったっつーか?」
ケイオスの能天気な態度に対する苛立ちもあったかもしれない。心の奥底でずっと考えていたことが口から漏れ出る。
その言葉には流石のケイオスの方も動揺を見せた。場に沈黙が落ち、助けてもらっておいて流石に卑怯な言葉だったとそれを取り消そうと思った。しかしそれよりも先にカインツが口を開いた。
「申し訳ありません。過去、僕達は本当に最低なことをしました。アリアとレオンを置いていけば、どんな結果になるかなんて分かりきっていたのに、当時の僕達は僕達と一緒に明日の命すらも危うい生活をさせるよりはマシだと考えて、置いて行ってしまった」
「……俺達は俺達なりに、これでもどうしたらお前達の幸せに繋がるのか考えてたっつーか。俺も選択ミスったって今は思ってるよ」
「っ私こそ、今更こんなことを言ってしまってごめんなさい。本当はこんなことを言うつもりはなかったの」
責任感の強いカインツはともかく、昔から自由奔放だったケイオスまでもが悲痛な表情で反省を見せている姿を見て、私は改めて、自分とレオンがどうでもいい存在だったから置いて行かれたわけではなかったという事実をやっと飲み込むことが出来た。
確かに公爵家から身一つで出て、後ろ盾もない存在。しかも両親に目を付けられているせいで、国内では普通の職ですら働くことなんてきっと出来ない。
そんな不安定かつ明日の食べ物すらあるか分からない……生きていけるかすらも怪しい存在だったのだ、かつての二人は。今のこの苦しそうな顔を見れば、本当に悩み悩んで『置いていく』という選択肢を選んだことが分かったのだ。
そこまで理解した私の瞳からは、追い付かなくなった感情が涙として溢れ出て来てしまった。
「私、本当はね、兄様達に置いていかれたことが一番悲しかったの。ああ、私達は兄様にとって必要のない存在だったんだなって、二人の世界にはいらない存在だったんだなって自覚させられたようで。だからこそ悲しみを越えてからは、ただただ二人が憎かった。こんな地獄に置いて行った二人を馬鹿の一つ覚えみたいに憎んでたの」
「……ごめん、でも別に俺はアリアとレオンを『要らない』だなんて思ったことはねえ」
「うん。だからこそ、今回も助けにきてくれたんだよね。それでね、私、家を出ようって覚悟してから、やっと二人の気持ちが理解できたの――」
一つ一つ確認し合って、当時の気持ちをぶつけて、離れていた間の『家族の時間』を取り戻していく。
3人の間には既に最初の気まずさはなく、段々と態度も感情も柔らかくて暖かいものへと変化していっていた。
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