21 / 31
19.心残り
しおりを挟む
あれから――結局妥協に妥協を重ね、二人でいる時だけはルーネストもエストの事を様付けで呼ばなくなり、エストもルーネストのことを『ルネ』と愛称で呼ぶようになった。
そしてそれと同時にエストは色々な事を話してくれた。クレアだった時に既に知っていた話もあれば、初めて知った話もあった。
話の内容としては例えば昔の話……幼少期の話やエストの兄が生きていた頃の思い出、自分の過去、マルタやセーレと出会った当時の話、そして好きな食べ物だったり、二人共本を読むのが好きだということで本のお勧めもされた。
婚約者として接していた時から知ってはいたが、相変わらずエストは博識であり、ルーネストが知らない様々な事象を面白く且つ分かりやすく語り聞かせてくれる。彼と過ごす時間は瞬く間に通り過ぎていくのだった。
時々会話の延長線上でルネのことについて聞かれることもあった。その時は困り、罪悪感を感じながらも誤魔化しもしたが、概ね彼らはまるで古くからの友人のように気軽に話せる良い関係を築き始めていた。
しかしクレアについての話題が出たことは一度もなかった。『やはり自分は話すほどの価値もない、その程度の存在だったんだな……』という諦めを感じると共に、どこか安心もしていた。
ルーネストの姿を取っていても、エストに対して感じる感情はクレアの時と同じ。複雑なモノであることは変わりない。
***
そんなある日。王都での滞在日程が残り半分を切った辺りだ。その日は久しぶりにマルタが休みでありので、この日の看病は交代するとルーネストに提案してくれた。その言葉に甘え、エストの看病は彼女に任せたは良いが、特に疲れも感じていなく、変質薬のストックも十分に作ってある。要はやることがない。
それに加えて、一つ最近気になることがあった。王宮がなんだかざわついている気がするのだ。
これは長年この王宮に通っていたクレアの感覚があるからこそ分かる事だった。言葉で言い表せないが、不穏な気配がした。それも無意識の内に不安を煽り、今日は何となく一人でいたくなかったのだ。
そういう経緯もあり、ルーネストは久しぶりにケントの元に顔を出していた。すると忙しなく仕事をこなしていた彼に丁度良いと軽い書類仕事を任されたのだった。
分厚い本と書類に同時に目を通しながら、ケントが話しかけてくる。
「ところで、ルーネスト。君とエスト様は昔からの知り合いかなにかなのかい?」
「え――」
「なんか妙に親し気だし、ちょっと気になってね」
「いえ、あの施術の日が初対面でしたが?」
何気ない会話から入り、急に振られた、まさに寝耳に水な話題だった。しかし驚いたのをひた隠し、ルーネストとしての設定上で会話を返した……のだが。
「……施術の時、辛うじて聞き取れる程度の声だったけど『エスト、私は――貴方を傷つけない。絶対に守って見せるから……』って聞こえ気がしたんだけど?」
「その、あの時は必死だったので、エスト様の名前を呼び捨てにしてしまったのかもしれません。妙な言動をとってしまい、申し訳ありません」
心当たりがあり過ぎた。あの時は必死だったのもあり、小さな呟きに近かったとはいえ、思わず口から出ていた言葉だ。あまりにも予想外の事が起きて、動揺していたのもあり、聞かれているなんてことは考えてすらいなかった。今更ながら、自分の軽率な行動を呪う。
返したのは苦しい言い訳だった。それはクレア自身が誰よりも一番分かっていた。
「クレア=ミア=レンドーレ」
「――エスト様の元婚約者の方ですね。その方がどうかしましたか?」
急に出たその名前に思わず息を呑む。頭が完全に真っ白になり、言葉に詰まりそうになるが、口だけは、バレたくないという一心でなんとか動かした。
「いや、王都に来てから、喰花病について改めて資料を読む機会があったのだけど、その時に彼女の写真を見たんだ。……思い出してみると君の以前の容姿と同じだなって思ってしまってね」
「っ気のせいではないでしょうか」
「それに君が僕達の診療所に来た時期と彼女が亡くなったとされる時期――あんなにも近い時期なのはなんでだろうね。ごく近い時期に消えた筈の人間とそっくりな人が別の場所に現れるなんて、不思議だね」
しかし先程からのこの動揺が既にケントにとっての答えになってしまっていたらしい。クスリと微笑まれる。
ケントは頭も良ければ、勘も良い。それに厄介なことに自分の好奇心には素直なタイプだ。少しでも気になることがあれば、徹底的に調べる。
これも彼が医者として優秀な所以の一つだろう。
クレアの写真は家族に頼んで、その殆どを消してもらった筈だった。今残っているのは消しきれなかった幼少期のものと、屋敷に残っている分くらいだ。
王都といえど、出回っている資料に顔写真などついている筈がない。だから彼の『喰花病についての資料を~』の下りは確実に嘘だ。きっと彼が調べたのは『クレア=ミア=レンドーレ』についてだろう。それも彼のコネを全て注いで調べたに違いない。
小さな部分から疑問を持ち、点と点を繋いだのだ。これだけ証拠が揃ってしまえば、言い逃れ出来る自信はなかった。
「ああ。ごめんよ、ルネ……いや、正確にはクレアか。別にこの事実を利用したり、言いふらしたり、ましてや君を脅したりなんてことは考えてないんだ。僕は疑問に思ったことを調べただけだ。それで僕の予測が事実だったことを確認出来た時点で、満足さ。もうこの事象については興味がない。君が望むのであれば、その事実を隠すことも手伝うよ」
「……本当に誰にも言わないで、もらえますか?」
「勿論。でも一つだけ聞かせてくれ。君は本当にこのままで良いの?」
「なんで、そんなこと聞くんですか?」
「なんとなく。君も後悔しているんじゃないかと思ったから……僕も同じだし」
何処か遠くを見つめるように話すケント。そんな言葉を聞いて、何故かマルタの事を思い出した。彼の瞳がマルタを見つめていたソレと酷似しているような気がしたのだ。
もしかしたら、ケントも何かしら後悔を残し続けているのかもしれない。そんな事が頭の中で過っていった。
「真実を言うにしろ、隠すにしろ、僕は君に味方するよ……僕と近い所があるせいかな、案外君の事は気に入っているんだ。でも僕みたいに後悔だけはしないようにね」
「……ありがとうございます」
正直どうすれば良いのかなんて今のクレアには分からない。自分がこの後どのような行動をとるのか……それも見当もつかない。
しかし、ケントのこの言葉は確かにクレアの心の奥底に突き刺さったのだった――。
******
あとがき:
すっごい久しぶりに更新です(;´Д`)
実は5話くらいストックあったのですが、ちょっと予定がゴタゴタしてしまいまして……。この後順次文章推敲→公開していきますね!!それまで少々お待ちいただけると嬉しいです(`・ω・´)
そしてそれと同時にエストは色々な事を話してくれた。クレアだった時に既に知っていた話もあれば、初めて知った話もあった。
話の内容としては例えば昔の話……幼少期の話やエストの兄が生きていた頃の思い出、自分の過去、マルタやセーレと出会った当時の話、そして好きな食べ物だったり、二人共本を読むのが好きだということで本のお勧めもされた。
婚約者として接していた時から知ってはいたが、相変わらずエストは博識であり、ルーネストが知らない様々な事象を面白く且つ分かりやすく語り聞かせてくれる。彼と過ごす時間は瞬く間に通り過ぎていくのだった。
時々会話の延長線上でルネのことについて聞かれることもあった。その時は困り、罪悪感を感じながらも誤魔化しもしたが、概ね彼らはまるで古くからの友人のように気軽に話せる良い関係を築き始めていた。
しかしクレアについての話題が出たことは一度もなかった。『やはり自分は話すほどの価値もない、その程度の存在だったんだな……』という諦めを感じると共に、どこか安心もしていた。
ルーネストの姿を取っていても、エストに対して感じる感情はクレアの時と同じ。複雑なモノであることは変わりない。
***
そんなある日。王都での滞在日程が残り半分を切った辺りだ。その日は久しぶりにマルタが休みでありので、この日の看病は交代するとルーネストに提案してくれた。その言葉に甘え、エストの看病は彼女に任せたは良いが、特に疲れも感じていなく、変質薬のストックも十分に作ってある。要はやることがない。
それに加えて、一つ最近気になることがあった。王宮がなんだかざわついている気がするのだ。
これは長年この王宮に通っていたクレアの感覚があるからこそ分かる事だった。言葉で言い表せないが、不穏な気配がした。それも無意識の内に不安を煽り、今日は何となく一人でいたくなかったのだ。
そういう経緯もあり、ルーネストは久しぶりにケントの元に顔を出していた。すると忙しなく仕事をこなしていた彼に丁度良いと軽い書類仕事を任されたのだった。
分厚い本と書類に同時に目を通しながら、ケントが話しかけてくる。
「ところで、ルーネスト。君とエスト様は昔からの知り合いかなにかなのかい?」
「え――」
「なんか妙に親し気だし、ちょっと気になってね」
「いえ、あの施術の日が初対面でしたが?」
何気ない会話から入り、急に振られた、まさに寝耳に水な話題だった。しかし驚いたのをひた隠し、ルーネストとしての設定上で会話を返した……のだが。
「……施術の時、辛うじて聞き取れる程度の声だったけど『エスト、私は――貴方を傷つけない。絶対に守って見せるから……』って聞こえ気がしたんだけど?」
「その、あの時は必死だったので、エスト様の名前を呼び捨てにしてしまったのかもしれません。妙な言動をとってしまい、申し訳ありません」
心当たりがあり過ぎた。あの時は必死だったのもあり、小さな呟きに近かったとはいえ、思わず口から出ていた言葉だ。あまりにも予想外の事が起きて、動揺していたのもあり、聞かれているなんてことは考えてすらいなかった。今更ながら、自分の軽率な行動を呪う。
返したのは苦しい言い訳だった。それはクレア自身が誰よりも一番分かっていた。
「クレア=ミア=レンドーレ」
「――エスト様の元婚約者の方ですね。その方がどうかしましたか?」
急に出たその名前に思わず息を呑む。頭が完全に真っ白になり、言葉に詰まりそうになるが、口だけは、バレたくないという一心でなんとか動かした。
「いや、王都に来てから、喰花病について改めて資料を読む機会があったのだけど、その時に彼女の写真を見たんだ。……思い出してみると君の以前の容姿と同じだなって思ってしまってね」
「っ気のせいではないでしょうか」
「それに君が僕達の診療所に来た時期と彼女が亡くなったとされる時期――あんなにも近い時期なのはなんでだろうね。ごく近い時期に消えた筈の人間とそっくりな人が別の場所に現れるなんて、不思議だね」
しかし先程からのこの動揺が既にケントにとっての答えになってしまっていたらしい。クスリと微笑まれる。
ケントは頭も良ければ、勘も良い。それに厄介なことに自分の好奇心には素直なタイプだ。少しでも気になることがあれば、徹底的に調べる。
これも彼が医者として優秀な所以の一つだろう。
クレアの写真は家族に頼んで、その殆どを消してもらった筈だった。今残っているのは消しきれなかった幼少期のものと、屋敷に残っている分くらいだ。
王都といえど、出回っている資料に顔写真などついている筈がない。だから彼の『喰花病についての資料を~』の下りは確実に嘘だ。きっと彼が調べたのは『クレア=ミア=レンドーレ』についてだろう。それも彼のコネを全て注いで調べたに違いない。
小さな部分から疑問を持ち、点と点を繋いだのだ。これだけ証拠が揃ってしまえば、言い逃れ出来る自信はなかった。
「ああ。ごめんよ、ルネ……いや、正確にはクレアか。別にこの事実を利用したり、言いふらしたり、ましてや君を脅したりなんてことは考えてないんだ。僕は疑問に思ったことを調べただけだ。それで僕の予測が事実だったことを確認出来た時点で、満足さ。もうこの事象については興味がない。君が望むのであれば、その事実を隠すことも手伝うよ」
「……本当に誰にも言わないで、もらえますか?」
「勿論。でも一つだけ聞かせてくれ。君は本当にこのままで良いの?」
「なんで、そんなこと聞くんですか?」
「なんとなく。君も後悔しているんじゃないかと思ったから……僕も同じだし」
何処か遠くを見つめるように話すケント。そんな言葉を聞いて、何故かマルタの事を思い出した。彼の瞳がマルタを見つめていたソレと酷似しているような気がしたのだ。
もしかしたら、ケントも何かしら後悔を残し続けているのかもしれない。そんな事が頭の中で過っていった。
「真実を言うにしろ、隠すにしろ、僕は君に味方するよ……僕と近い所があるせいかな、案外君の事は気に入っているんだ。でも僕みたいに後悔だけはしないようにね」
「……ありがとうございます」
正直どうすれば良いのかなんて今のクレアには分からない。自分がこの後どのような行動をとるのか……それも見当もつかない。
しかし、ケントのこの言葉は確かにクレアの心の奥底に突き刺さったのだった――。
******
あとがき:
すっごい久しぶりに更新です(;´Д`)
実は5話くらいストックあったのですが、ちょっと予定がゴタゴタしてしまいまして……。この後順次文章推敲→公開していきますね!!それまで少々お待ちいただけると嬉しいです(`・ω・´)
404
お気に入りに追加
5,975
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
殿下が私を愛していないことは知っていますから。
木山楽斗
恋愛
エリーフェ→エリーファ・アーカンス公爵令嬢は、王国の第一王子であるナーゼル・フォルヴァインに妻として迎え入れられた。
しかし、結婚してからというもの彼女は王城の一室に軟禁されていた。
夫であるナーゼル殿下は、私のことを愛していない。
危険な存在である竜を宿した私のことを彼は軟禁しており、会いに来ることもなかった。
「……いつも会いに来られなくてすまないな」
そのためそんな彼が初めて部屋を訪ねてきた時の発言に耳を疑うことになった。
彼はまるで私に会いに来るつもりがあったようなことを言ってきたからだ。
「いいえ、殿下が私を愛していないことは知っていますから」
そんなナーゼル様に対して私は思わず嫌味のような言葉を返してしまった。
すると彼は、何故か悲しそうな表情をしてくる。
その反応によって、私は益々訳がわからなくなっていた。彼は確かに私を軟禁して会いに来なかった。それなのにどうしてそんな反応をするのだろうか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
そんなに優しいメイドが恋しいなら、どうぞ彼女の元に行ってください。私は、弟達と幸せに暮らしますので。
木山楽斗
恋愛
アルムナ・メルスードは、レバデイン王国に暮らす公爵令嬢である。
彼女は、王国の第三王子であるスルーガと婚約していた。しかし、彼は自身に仕えているメイドに思いを寄せていた。
スルーガは、ことあるごとにメイドと比較して、アルムナを罵倒してくる。そんな日々に耐えられなくなったアルムナは、彼と婚約破棄することにした。
婚約破棄したアルムナは、義弟達の誰かと婚約することになった。新しい婚約者が見つからなかったため、身内と結ばれることになったのである。
父親の計らいで、選択権はアルムナに与えられた。こうして、アルムナは弟の内誰と婚約するか、悩むことになるのだった。
※下記の関連作品を読むと、より楽しめると思います。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
君に愛は囁けない
しーしび
恋愛
姉が亡くなり、かつて姉の婚約者だったジルベールと婚約したセシル。
彼は社交界で引く手数多の美しい青年で、令嬢たちはこぞって彼に夢中。
愛らしいと噂の公爵令嬢だって彼への好意を隠そうとはしない。
けれど、彼はセシルに愛を囁く事はない。
セシルも彼に愛を囁けない。
だから、セシルは決めた。
*****
※ゆるゆる設定
※誤字脱字を何故か見つけられない病なので、ご容赦ください。努力はします。
※日本語の勘違いもよくあります。方言もよく分かっていない田舎っぺです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約者の初恋を応援するために婚約解消を受け入れました
よーこ
恋愛
侯爵令嬢のアレクシアは婚約者の王太子から婚約の解消を頼まれてしまう。
理由は初恋の相手である男爵令嬢と添い遂げたいから。
それを聞いたアレクシアは、王太子の恋を応援することに。
さて、王太子の初恋は実るのかどうなのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
愚か者は幸せを捨てた
矢野りと
恋愛
相思相愛で結ばれた二人がある日、分かれることになった。夫を愛しているサラは別れを拒んだが、夫であるマキタは非情な手段でサラとの婚姻関係そのものをなかったことにしてしまった。
だがそれは男の本意ではなかった…。
魅了の呪縛から解き放たれた男が我に返った時、そこに幸せはなかった。
最愛の人を失った男が必死に幸せを取り戻そうとするが…。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
幼馴染だけを優先するなら、婚約者はもう不要なのですね
新野乃花(大舟)
恋愛
アリシアと婚約関係を結んでいたグレイ男爵は、自身の幼馴染であるミラの事を常に優先していた。ある日、グレイは感情のままにアリシアにこう言ってしまう。「出て行ってくれないか」と。アリシアはそのままグレイの前から姿を消し、婚約関係は破棄されることとなってしまった。グレイとミラはその事を大いに喜んでいたが、アリシアがいなくなったことによる弊害を、二人は後に思い知ることとなり…。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
熱烈な恋がしたいなら、勝手にしてください。私は、堅実に生きさせてもらいますので。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるアルネアには、婚約者がいた。
しかし、ある日その彼から婚約破棄を告げられてしまう。なんでも、アルネアの妹と婚約したいらしいのだ。
「熱烈な恋がしたいなら、勝手にしてください」
身勝手な恋愛をする二人に対して、アルネアは呆れていた。
堅実に生きたい彼女にとって、二人の行いは信じられないものだったのである。
数日後、アルネアの元にある知らせが届いた。
妹と元婚約者の間で、何か事件が起こったらしいのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる