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あれから。ジェレミー、エルヴィヒと話し合った後に、騎士一人一人を呼び出し、これから戦う敵についての情報を伝えた。黒騎士は対人戦にも慣れていることもあり、すんなり受け入れた者も多かったが、それでも1名は無理だと、操られている元人だった者を殺せないと言った。同じ理由で白騎士からは2名抜けた。よって、今回の戦闘担当はクロエ、エルヴィヒ、ジェレミー、黒騎士5名、白騎士4名の合計12名だ。
闘わない事を決めた者を誰も責める様なことはしなかった。臆病者と罵る事も――実際、そんなことしたとしてもエルヴィヒくらいだろうが。
金銭や地位と言った対価を貰って騎士をしていると言っても、根本的な部分は人間だ。今回の事が精神的に影響して、今後の人生が立ち行かなくなったら意味がない。そう、クロエや他のメンバーも考えていた。
作戦・戦略の根本的な部分から見直す。
前回、あそこまで苦戦した原因として、『いつも通りに』と軽い陣形しか決めてこなかったのも大きかった。
向こうの戦い方は単純に言えば、前衛と後衛が3~4体を1チームにして、部隊内で更にチームを組んでいる形だ。そしてそのチームが各自、遠距離型である後方支援役を徹底的に潰しに来る。
しかし、どんな戦略には突破口はある。
今回は大人数で各個人離れて戦うのではなく、予めチームを決めてそのチーム毎で完全に固まって動き、各チームで防衛または撃破する方法を取った。相手と同じ戦略を取るのだ。
個人の実力至上主義みたいな部分が大きい黒騎士ではあまり取られない戦法である。比較的、一人で任務を行うことが多いクロエもその戦法はあまりとることがなかった。
慣れてないなどとは言っても、今回ばかりは協力しなければどうにもできないだろう。それほどまでに魔物達の強さや能力も、戦略も、全てが厄介だった。
とは言っても、チーム分けの仕方は単純だった。敢えて一つのチームに力を偏らせる。
前衛のクロエとジェレミー、後衛のエルヴィヒで組まれた第一部隊。この3人で他のチームを狙ってくる敵の動きを徹底的に引っ掻き回す。要は遊撃部隊のようなものだ。
他のチームメンバーにはその間、耐えられるだけの編成を組んでおいた。基本的に前衛2名で遠距離型またはサポートタイプ1人と中継器を運搬する人間を護る。
これはクロエが分析した各人のサポートや攻撃の相性によってチームを組んで、戦ってみての繰り返しをし続け、最適解を探した。
このようにしてチームを組み、各々の連携が取れるまで徹底的にクロエ・エルヴィヒ・ジェレミーで鍛えることによって、最終的には数週間が潰えたのであった――。
***
結局、黒騎士と白騎士の中でも抜けたメンバーはジェレミーの言っていた通り、中継器という荷物を運搬するという役割だけは引き受けてくれた。
「さて。今日は、予定通り採掘場の最深部までのコースを確保しに行きます」
既に元々ないようなものだったエルヴィヒの信頼は地に落ち、この任務はほぼほぼクロエが取り仕切っていた。割といつも通りの任務の光景ではあったが、エルヴィヒがへそを曲げて、暫く機嫌が悪くなっていたのが面倒だった。
彼の扱いに慣れている部下である黒騎士の団員・トレイルが、「エルヴィヒ副団長は、この任務の総指揮担当ですから、細かい部分はクロエ聖騎士団長に任せてドーンと構えておいてください!」とクロエにウィンクをしながらもフォローしてくれて、事なきを得たのだった。不機嫌なエルヴィヒを理解し、なだめる。彼はきっとそのうち大物になるだろう。
今回の作戦の概要としては、何度も魔物が襲撃してくるという点を考慮し、コース上にいる魔物を徹底的に蹴散らした後、強力な魔物除けの魔法を張る。
これはクロエの専売特許である白魔法の結界術をふんだんに使う予定だ。ここに来てからは、元々基地に備えてあった中継器だけでは作戦決行時に足りないことも分かっていた為、この準備のためにも、中継器作りに時間を使っていたのであった。それが完全に完成し、王都から作業員の補充も既に到着している。また、騎士達の訓練も終了した。
今が時期なのである。
***
早朝に出発した後。作戦は思ったよりも順調に進んでいた。
ジェレミーとチームを組むのは久しぶりであったが、彼は『脳筋』などと不名誉な渾名で呼ばれている割にクロエの動きを読むのが上手い。クロエの動きを読んだ上で魔物の種類によって武器の生成をクロエに要求したり、逆に相性によっては魔物との闘いを交代したりなどしてくれる。エルヴィヒも今日は調子が良いのか、求めているタイミングで援護射撃をいれてくるのだ。端的に言って非常に調子が良いと言える状態だ。
また、かなり試行錯誤と訓練をしただけあって、他の部隊も予想よりも高い精度で動きまわってくれていた。
そうして辿り着いた採掘場の最深部。そこにソレはいた――。
一体は、2メートル以上の大きな体躯にその身長と同じ位の大きさの大剣を持つ魔物。こちらは魔力の量からしてもきっと接近戦タイプ。
もう一体は、先程の魔物よりは少し体躯は小さいが、威力が高いと見た目だけで察することが出来るほどの大きさのボウガンを持っていた。こちらは前者よりも体内の魔力量が圧倒的に多い。きっとボウガンでの後方支援と魔法を主体に戦う遠距離タイプ。
このどちらからも今まで見たことのない程に強い瘴気が立ち込めていた。というかむしろ、この場所全体から、この場にいるだけで身を蝕んでいくような『呪い』の力を源にした瘴気が生まれ続け、包み込んでいる。保有魔力量が少ない黒騎士の面々の内の何人かはここに来た瞬間、吐きそうになっていた。
それだけじゃない。クロエが後ろを任せられるほどの実力を持つエルヴィヒとジェレミーですら冷や汗をかいて、顔色を悪くしていた。きっとここが魔物を生成している場所、そして聖石の採掘場なのだろう。湖の周辺にはゴロゴロと大量の空色に輝く石が転がっているのが見えている。
ここまでの情報を会敵した瞬間に見抜き、それと同時に非常にマズい事態に陥ったと思う。
なにせあの魔物は、こんな辺鄙な場所に居ることがあり得ないくらいに強い。このまま戦えば、いくら上手く戦況を運んだとしてもこちらの被害は計り知れないだろう……否、それ以前に勝利できるかすらも怪しい。既に何人かは場の瘴気で顔を歪め、膝を地面についているのだ。
クロエは得るものと失うものの比重の大きさを比べ、指示を出した。
「第一部隊以外は全員撤退!!レミー、エルヴィヒ。全員が逃げ切るまで時間を稼ぐから、我慢して付き合ってください」
「ふふ、クロエちゃんは……中々鬼畜なことを言うね」
「分かった。全力で足止めする」
「行きます!」
戦闘開始の雰囲気を悟ったのだろう。先程まではこちらの様子を伺っていた魔物2体が同時に耳を劈くほどに大きく、低い咆哮をあげる。3人は武器を構えた。
闘わない事を決めた者を誰も責める様なことはしなかった。臆病者と罵る事も――実際、そんなことしたとしてもエルヴィヒくらいだろうが。
金銭や地位と言った対価を貰って騎士をしていると言っても、根本的な部分は人間だ。今回の事が精神的に影響して、今後の人生が立ち行かなくなったら意味がない。そう、クロエや他のメンバーも考えていた。
作戦・戦略の根本的な部分から見直す。
前回、あそこまで苦戦した原因として、『いつも通りに』と軽い陣形しか決めてこなかったのも大きかった。
向こうの戦い方は単純に言えば、前衛と後衛が3~4体を1チームにして、部隊内で更にチームを組んでいる形だ。そしてそのチームが各自、遠距離型である後方支援役を徹底的に潰しに来る。
しかし、どんな戦略には突破口はある。
今回は大人数で各個人離れて戦うのではなく、予めチームを決めてそのチーム毎で完全に固まって動き、各チームで防衛または撃破する方法を取った。相手と同じ戦略を取るのだ。
個人の実力至上主義みたいな部分が大きい黒騎士ではあまり取られない戦法である。比較的、一人で任務を行うことが多いクロエもその戦法はあまりとることがなかった。
慣れてないなどとは言っても、今回ばかりは協力しなければどうにもできないだろう。それほどまでに魔物達の強さや能力も、戦略も、全てが厄介だった。
とは言っても、チーム分けの仕方は単純だった。敢えて一つのチームに力を偏らせる。
前衛のクロエとジェレミー、後衛のエルヴィヒで組まれた第一部隊。この3人で他のチームを狙ってくる敵の動きを徹底的に引っ掻き回す。要は遊撃部隊のようなものだ。
他のチームメンバーにはその間、耐えられるだけの編成を組んでおいた。基本的に前衛2名で遠距離型またはサポートタイプ1人と中継器を運搬する人間を護る。
これはクロエが分析した各人のサポートや攻撃の相性によってチームを組んで、戦ってみての繰り返しをし続け、最適解を探した。
このようにしてチームを組み、各々の連携が取れるまで徹底的にクロエ・エルヴィヒ・ジェレミーで鍛えることによって、最終的には数週間が潰えたのであった――。
***
結局、黒騎士と白騎士の中でも抜けたメンバーはジェレミーの言っていた通り、中継器という荷物を運搬するという役割だけは引き受けてくれた。
「さて。今日は、予定通り採掘場の最深部までのコースを確保しに行きます」
既に元々ないようなものだったエルヴィヒの信頼は地に落ち、この任務はほぼほぼクロエが取り仕切っていた。割といつも通りの任務の光景ではあったが、エルヴィヒがへそを曲げて、暫く機嫌が悪くなっていたのが面倒だった。
彼の扱いに慣れている部下である黒騎士の団員・トレイルが、「エルヴィヒ副団長は、この任務の総指揮担当ですから、細かい部分はクロエ聖騎士団長に任せてドーンと構えておいてください!」とクロエにウィンクをしながらもフォローしてくれて、事なきを得たのだった。不機嫌なエルヴィヒを理解し、なだめる。彼はきっとそのうち大物になるだろう。
今回の作戦の概要としては、何度も魔物が襲撃してくるという点を考慮し、コース上にいる魔物を徹底的に蹴散らした後、強力な魔物除けの魔法を張る。
これはクロエの専売特許である白魔法の結界術をふんだんに使う予定だ。ここに来てからは、元々基地に備えてあった中継器だけでは作戦決行時に足りないことも分かっていた為、この準備のためにも、中継器作りに時間を使っていたのであった。それが完全に完成し、王都から作業員の補充も既に到着している。また、騎士達の訓練も終了した。
今が時期なのである。
***
早朝に出発した後。作戦は思ったよりも順調に進んでいた。
ジェレミーとチームを組むのは久しぶりであったが、彼は『脳筋』などと不名誉な渾名で呼ばれている割にクロエの動きを読むのが上手い。クロエの動きを読んだ上で魔物の種類によって武器の生成をクロエに要求したり、逆に相性によっては魔物との闘いを交代したりなどしてくれる。エルヴィヒも今日は調子が良いのか、求めているタイミングで援護射撃をいれてくるのだ。端的に言って非常に調子が良いと言える状態だ。
また、かなり試行錯誤と訓練をしただけあって、他の部隊も予想よりも高い精度で動きまわってくれていた。
そうして辿り着いた採掘場の最深部。そこにソレはいた――。
一体は、2メートル以上の大きな体躯にその身長と同じ位の大きさの大剣を持つ魔物。こちらは魔力の量からしてもきっと接近戦タイプ。
もう一体は、先程の魔物よりは少し体躯は小さいが、威力が高いと見た目だけで察することが出来るほどの大きさのボウガンを持っていた。こちらは前者よりも体内の魔力量が圧倒的に多い。きっとボウガンでの後方支援と魔法を主体に戦う遠距離タイプ。
このどちらからも今まで見たことのない程に強い瘴気が立ち込めていた。というかむしろ、この場所全体から、この場にいるだけで身を蝕んでいくような『呪い』の力を源にした瘴気が生まれ続け、包み込んでいる。保有魔力量が少ない黒騎士の面々の内の何人かはここに来た瞬間、吐きそうになっていた。
それだけじゃない。クロエが後ろを任せられるほどの実力を持つエルヴィヒとジェレミーですら冷や汗をかいて、顔色を悪くしていた。きっとここが魔物を生成している場所、そして聖石の採掘場なのだろう。湖の周辺にはゴロゴロと大量の空色に輝く石が転がっているのが見えている。
ここまでの情報を会敵した瞬間に見抜き、それと同時に非常にマズい事態に陥ったと思う。
なにせあの魔物は、こんな辺鄙な場所に居ることがあり得ないくらいに強い。このまま戦えば、いくら上手く戦況を運んだとしてもこちらの被害は計り知れないだろう……否、それ以前に勝利できるかすらも怪しい。既に何人かは場の瘴気で顔を歪め、膝を地面についているのだ。
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「ふふ、クロエちゃんは……中々鬼畜なことを言うね」
「分かった。全力で足止めする」
「行きます!」
戦闘開始の雰囲気を悟ったのだろう。先程まではこちらの様子を伺っていた魔物2体が同時に耳を劈くほどに大きく、低い咆哮をあげる。3人は武器を構えた。
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